- 不動産の取引には専門的な知識が必要なシーンも多く、トラブル回避には相応の知見が必要です。
- 10のよくあるトラブル事例から、事前に回避策や対応策を学んでおきましょう。
- 不動産売却の適正な取引を保つために重要なのは、複数社の不動産会社から良いパートナーを厳選することです。
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目次
不動産売却でよくあるトラブルとは
【トラブル例1】無料査定をしたら営業がしつこい
「売りたい不動産を無料査定します!」と謳うネット広告を見かけて、「まあ無料だしとりあえず聞いてみよう」と問い合わせをすると、思わぬところでトラブルになるケースもあります。
不動産の売買仲介を扱う不動産会社としては、売却物件を探さないと仕事になりません。したがって、インターネット広告やサイトで無料査定を謳いながら、売却できる物件を探しています。
「相場よりも高く査定金額を明示して、とりあえず媒介の契約を取ってしまおう」と考える不動産会社もあります。売主の中には「より高い金額で売却したい」と、査定額を見て媒介先の不動産会社を決める方も多いため、注意が必要です。
また、査定後に価格的に折り合わないなどの理由で断る場合もありますが、すんなりいかない場合があります。中には媒介契約ができるまで、電話などでしつこくつきまとわれる場合もあるので注意しましょう。
あまりに勧誘がひどい場合は、宅建業者を管理する各都道府県の管轄に相談してみましょう。また、物件の査定は少なくとも3社程度の話を聞いてみて、妥当な線を見つけるのがいいでしょう。
【トラブル例2】チラシを鵜吞みにして媒介契約してしまった
たとえば、「今住んでいるマンションを買いたい人がいる」や「このエリアでマンションを探しているお客様が2名おります」など…。今すぐにでも買い手が見つかりそうな内容ですが、真偽はわかりません。
「もしかしたら早く買い手が見つかるかも」と問い合わせをしてしまうと、とんでもないトラブルに巻き込まれる恐れがあります。その不動産会社と媒介契約を結んだにもかかわらず、チラシ通りのような話はまったく出ずに、なかなか売却できないケースが少なくありません。
対策としては、チラシを鵜呑みにしない、物件を査定依頼する際には数社から話を聞く、といったことをお勧めします。
【トラブル例3】契約した不動産会社が熱心に売却活動をしてくれない
売主から不動産売却の媒介を依頼された不動産会社が、買主も自分で探し出し、売り・買い双方の取引を自社で完結させようとすることから、「囲い込み」と呼ばれています。これは売主、買主の双方から仲介手数料をもらう、いわゆる両手仲介を狙っているものです。
とくに売買金額が高い都内で囲い込みを狙う傾向があります。仮に1億円のマンションの仲介をすると、両手仲介をすれば約670万円(※)もの仲介手数料をもらうことができます。
囲い込みを防ぐには、媒介契約の種類を一般媒介に変更して他社でも販売活動ができるような形にする、別の不動産会社に確認してもらうなどの策は必要でしょう。
(※)1億円の仲介手数料:1億円×3%+消費税と6万円=336万円6千円×2件(売主・買主双方)=673万2千円
【トラブル例4】法外な仲介手数料を請求された
仲介手数料は上限が「売買価格×3%+6万円+消費税」と宅地建物取引業法で定められ、仲介手数料としては上記の計算式以上はもらえません。加えて、売主からの要望なしに広告費などを別途請求できません。
しかし、何らかの費用項目で手数料の類を請求してくる不動産会社もいます。かかってもいない「○○書面作成費用」とか、法外な土地の測量費用などです。
そうした詐欺行為に巻き込まれないようにするため、複数の不動産会社に費用の内訳を問い合わせして確認してみる必要があるでしょう。
【トラブル例5】個人間売買なのに仲介手数料がかかった
よくありがちなケースは、費用節約のために個人間売買で進めるも、いざ契約書の作成や売買代金の支払や受領、登記の手続きを始めると、とても一個人で対処できる時間やノウハウがないということに気づき、最終的に不動産会社の仲介が必要となったというものです。
そのほか、不動産の売却を不動産会社に仲介を依頼するのと同時に、個人間売買の両方で検討するケースの場合、不動産会社との媒介契約書の種類に注意が必要です。もし不動産会社が高値で購入する買主を見つけ売買契約することになったら、売主が自ら買主を見つけられる一般媒介契約、もしくは専任媒介契約を取り交わす必要があります。
いずれにしても、個人間売買には面倒な手続きなどを個人で惜しみなくできる人ならいいのですが、そうでない人は不動産会社に仲介を依頼した方が安心かと思います。依頼された仲介の不動産会社は当然ながら法令遵守をしないといけませんので、不動産取引を成就する上では考慮するべきでしょう。
【トラブル例6】不動産会社の説明と売買契約書の内容が異なる
とくに、契約締結後にやっぱり解約したいと思っても、解約費用が必要になりそう簡単にはできません。そのため契約締結時に、今までの説明などが契約書に正しく反映されているか確認するのは、非常に重要です。
売買契約書や重要事項説明書には必ず記載しなければならない事項があります。その他に対象不動産物件を客観的に記す必要があります。後々のトラブル防止のために些細なことでも契約書に反映、記載があるかどうか、その必要性の有無なども契約締結前に不動産会社と相談しておくべきでしょう。
売買契約締結前であれば、解約のペナルティは基本的に課されません。契約締結前に問題点や不明点を洗い出しておくことがポイントです。「飲めない条件であれば契約締結はしない」という選択肢も想定しておきましょう。

【トラブル例7】土地の境界確定で隣人が立ち会ってくれない
古くから保有している土地や戸建ての場合には、隣地との境界が不明な場合があり境界が不確定ですと売却は難しくなります。あわせて、土地が道路や水路などと隣接している場合には、道路境界線や水路境界線を明確にしなければなりません。不動産売却を検討しているなら、早めの段階で土地家屋調査士や測量士に物件の確定測量図を作成してもらいましょう。
中には、隣家の方が境界確認に非協力的な場合もあります。そういった場合には、土地家屋調査士などと一緒に訪ねて事情を説明しながら協力してもらうように促すことをお勧めします。
【トラブル例8】地中埋没物が見つかった
そのため、売買契約時には契約不適合責任の免責事項とする場合があります。とくに売主が個人の場合であればこの免責事項を採用する場合があります。
実際には地中埋設物の把握は難しいもので、売主に責任の有無があるかどうかも訴訟になる場合があります。たとえば、更地の土地を購入し建築会社が建物の基礎工事を始めたところ、コンクリートガラやU字溝の壊れた残骸などの地中埋設物が出てきたケースがあります。建築の工事は中止、土地の売主と契約不適合責任で揉めてしまい、最終的には売主の費用負担で地中埋設物の撤去をしたそうです。
とくに都内や都内近郊では、高度成長期の公共事業で都内に出た建築のゴミを近郊に不法投棄していた時代があり上記のような事例が少なくありません。
したがって、売買契約を締結する前に地中埋設物があった場合の措置をどうするかなどの取り決めはあらかじめしておくことをお勧めします。
万が一地中埋設物が出ると、莫大な撤去費用となる可能性があります。コンクリートガラやヘドロ、産廃は撤去費がかさむので注意が必要です。契約不適合責任の取り扱いをどうするかはきちんと決めておくことです。

【トラブル例9】引き渡し後に瑕疵が発覚した
こうした問題を防ぐには、インスペクションによる建物の検査を行い契約不適合責任の明示をしておくことがポイントになります。インスペクションを行うことで対象不動産の価値が上がることもあるので、利用してみるとよいでしょう。
【トラブル例10】売却を途中でキャンセルしたくなった
不動産会社と売却依頼のために媒介契約をしていればその契約を解除しなくてはなりません。したがって、媒介契約の内容を確認しておくことがポイントになります。解除の理由は希望の価格で売れそうにないとか、今年は年回りが悪いとか家族の反対にあったなどさまざまな理由で解約は可能です。
売買契約を締結した後にキャンセルをする場合は、売買契約書に記載された解約条件に基づいて対処する必要があります。当然ながら、売買契約締結後のキャンセルは違約金等の発生もありますので注意が必要です。
不動産売却のトラブルを回避するための対策
不動産に関する知識を身に付ける
口頭でのやり取りは書面化する
信頼できる不動産会社を選ぶ
少なくとも3~4社の不動産会社から話を聞き、どの会社や担当者が信頼できるか比較・検討しましょう。場合によっては、不動産サイトが運営している一括査定を行ってみるのもいいでしょう。
不動産売却でトラブルになった時の相談窓口
まとめ
最終的なトラブル回避策として、信頼できる不動産会社をパートナーとして選ぶことが重要です。不動産サイトの一括査定を利用し、不動産会社を比較選定することをお勧めします。
不動産会社だけでは信頼できない場合、利害関係のない不動産コンサルタントなどで、セカンドオピニオンを受けることも検討してみましょう。

不動産売却でのトラブルを防ぐために。
まずは信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です!
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この記事の監修者

不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー
アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。
個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。
WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)など。
個人間売買の多くは、売却先が親戚などの身内や隣家の方など身近な人と行われます。ただし、ローンの利用や複雑な物件など面倒な手続きが必要な取引の場合は、不動産会社に仲介をしてもらった方が楽かもしれません。コスト面だけ優先してもいいことがない場合もあるので、よく検討してから進めた方がいいでしょう。