不動産売却の途中で売主からのキャンセルは可能?売買契約の規定や違約金を解説

  • 更新日:
  • 2022年05月16日
不動産売却の途中で売主からのキャンセルは可能?売買契約の規定や違約金を解説
不動産の売却を考えていても、売却価格に納得できずに途中で取りやめることもあります。不動産取り引きは大きな金額であるとともに重要な資産でもあり、できるなら早く売ってしまいたいと考えることもあれば、慎重に考えたいという思いもあるでしょう。この記事では、売却途中でのキャンセルは可能なのか、ペナルティはないのかと疑問を感じている方向けに、不動産の売却プロセスにおいて起こるキャンセルについて、種類やキャンセルの方法と違約金などのペナルティについて解説し、安心して不動産の売却に着手できる知識をお伝えします。

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目次

不動産売却は途中でキャンセルできる?

不動産の売却をするには次のような流れで進んでいきます。

1.不動産査定によりいくらで売れそうなのかを把握する
2.不動産会社に媒介を依頼して実際に売りに出す
3.買い手が見つかったら取り引き条件を調整して売買契約を締結する
4.引渡しの準備を進めてタイミングを調整して決済と引渡しを行う

このようにおおむね4つのステップがありますが、どの時点でも途中でキャンセルをすることがあります。キャンセルは売主からキャンセルすることもあれば、買主がキャンセルをすることもありますが、双方が合意するとキャンセルは円満に行われます。

具体的なキャンセル理由としては次のようなものがあります。
査定してもらった結果、査定価格が思ったより低く売却することを取りやめる
媒介契約を締結して売り出したが、気が変わって売却を取りやめる
買い手が見つかったが大きな値引きが必要になりそうなので売却を取りやめる
売買価格にも納得して売買契約を締結したが、もっと高く買ってくれる買い手が現れたので契約を解除したい
売買契約を締結したが買主のローン審査が通らず契約解除になった
さまざまなケースが考えられますが、不動産査定は売却を約束するものではなく、なんの法的拘束もありませんので、査定後に売却を取りやめてもまったく問題ありません。

また、契約の解除や解約には「違約金」の支払いをあらかじめ設定することがほとんどであり、売却のキャンセルはルールに基づいて行う限り難しいことではありません。

不動産売買のキャンセルはタイミングが重要

不動産売却の流れで触れたように、売却のステップごとにキャンセルすることはありえることです。ただし、キャンセルのタイミングにより「違約金」を請求されることもあり、いつでも簡単にキャンセルできるわけではありません。

訪問査定後のキャンセル

売却する予定で訪問査定を受け、査定書が提出された後に査定額が思ったより低いことや売却予定がなくなるなどによって、売却そのものを取りやめる場合があります。

不動産査定の依頼そのものは無料であり、査定を受けたとしても必ずしも媒介契約の締結をする義務はなく、キャンセルはなんの問題もなく自由に行うことができます。キャンセルが問題となるのは媒介契約を締結し、不動産会社が売買の媒介業務に着手した後のことになります。

売却活動中のキャンセル

不動産会社が売却活動を開始してからのキャンセルもありえます。売主からキャンセルするケースや購入申し込みをした買主からキャンセルされるケースもあるでしょう。売却活動中に売主がキャンセルするケースと、買主がキャンセルするケースについて詳細を見ていきます。

媒介契約のキャンセル(売主)

不動産を売却する場合には不動産会社と媒介契約を締結するのが一般的です。媒介契約には3種類の形式があり「専属専任媒介」と「専任媒介」は、契約期間を3か月以内とすることが法律上定められています。一般媒介については法律上の期限はありませんが、3か月以内とすることが多く、契約期間内に契約を解除するには制限があります。

媒介契約のキャンセルはつまり「契約の解約」に該当し、媒介契約において依頼者から契約解約できる条項にあてはまらない場合は、ペナルティが発生する可能性があります。契約期間中の途中解約のペナルティについては「媒介契約の中途解除は可能?!」も参照してください。

購入申し込み時点のキャンセル(買主)

不動産を購入する場合には不動産会社との間で媒介契約を締結するケースは少ないです。しかし、不動産を購入する申込書(買付証明書、不動産購入申込書)などに、対象不動産や取り引き条件を記入して不動産会社に提出した時点で、媒介契約は締結されたと判断されます。

したがって、購入申込書の提出後に買主の事情により購入をキャンセルするのは、媒介契約の解約と同じ意味になります。購入のための媒介業務において、不動産会社が出費をともなう活動を行った場合には、媒介契約に基づくペナルティ請求の可能性があるのです。なお、買主の購入申し込み撤回は直後であれば、売主から責任を問われることはありません。しかし、『契約前日のドタキャン』のようなケースでは、法的責任が生じる可能性もあるので注意が必要です。

売買契約後のキャンセル

売買契約締結後のキャンセルについては、売買契約書に明記されているのが一般的です。売買契約の解除には3つのタイミングがあります。

1.手付解除期間中の解除
2.手付解除期間後の解除
3.引渡し後の契約違反などによる解除

「売買契約のキャンセル」と表現するのは [1]の「手付解除期間中の解除」です。売買契約では事情の変化や気が変わるなどの理由により、契約後あまり時間を置かずに契約を解除することがあります。その場合に適用するのが「手付解除」です。一定期間を「手付解除期間」として設定する方法か、期限は明記せずに「相手方が契約の履行に着手する前」までは手付解除ができると定めるのが通常の方法です。

「相手方が契約の履行に着手する」とは具体的にどのような状態を言うのか、明確な規定はありませんが、例を挙げると次のようなケースが該当します。

・売主が所有権移転や抵当権抹消に必要な書類を準備し司法書士に交付した
・買主が決済資金の準備を行い売主に引渡しを催告した

実務においては「履行の着手」は抽象的な表現であり、判断に困ることもあります。そこで、具体的な期日を指定するほうが望ましい方法です。

違約金が発生するケースと相場

契約解除や契約解約はタイミングが重要です。その理由は、売却のプロセスによっては違約金が発生し、その金額も売買価格の20%と大きくなるケースもあります。売却の流れに沿って、違約金について見ていきましょう。

専属専任・専任媒介契約の解約

3種類ある媒介契約のうち、専属専任媒介と専任媒介は、1社のみに媒介業務を依頼します。依頼を受けた不動産会社は宣伝広告など費用のかかる活動を実施するので、契約期間中の契約解約については違約金の請求が認められています。請求できる金額は媒介契約に基づき行った活動に対する費用であり、媒介契約書で定めた約定報酬額が上限になります。

この場合は売買契約にいたる前なので、取り引き金額が確定していません。そのため、売出価格を売買価格として約定報酬額を計算します。約定報酬額の計算は次のように行います。

1.売買価格が200万円以下は金額に5%を掛けた金額に消費税を加算
2.売買価格が200万円超~400万円以下は金額に4%を掛けた金額に2万円を加算した合計に消費税を加算
3.売買価格が400万円超は金額に3%を掛けた金額に6万円を加算した合計に消費税を加算

売買契約後の契約解除

売買契約締結後は前述したように3つの解除タイミングがあります。

1.手付解除期間中の解除

手付解除は契約時の手付金が違約金になります。売主が解除する場合は受領した手付金を返還し、さらに同額を支払う「倍返し」により解除できます。買主が解除する場合は支払った手付金が違約金となるため、手付金は売主が没収し契約は解除されます。

2.手付解除期間後の解除

手付解除期間を過ぎてから引渡しまでの間に解除する場合は、違約解除となり売買契約で定めた違約金の支払いにより契約を解除します。売主の債務不履行により買主が解除する場合、売主は受領した手付金を返還し、さらに約定違約金を買主に支払って解除します。

買主の債務不履行により売主が解除する際に買主が支払った金額が違約金よりも多い場合、売主はその差額を買主に返還し残りの受領済の金額は違約金として受け取ります。売主が受領していた金額が違約金よりも少ない場合は、その差額を買主が売主に対し支払い解除できます。

手付解除期間後の解除には、違約金の支払いが発生しない契約解除もあり、次の2つのケースがあります。

・ローン審査が通らないために契約が白紙解除になる
・天災地変により売買対象不動産に大きな損害が発生し、修復に過大な費用がかかる場合は白紙解除になる

3.引渡し後の契約違反などによる解除

引渡し後に契約違反などがあり契約を解除する場合、上記の『手付解除期間後の解除』で定めている違約金の支払いに追加して、登記した所有権移転を取り消さなければなりません。そのため、所有権登記の抹消登記を行う必要があります。さらに契約解除の理由が「契約不適合責任」による場合は、売買契約書の約定違約金に限定されず、損害賠償の請求が可能となります。

契約不適合については解釈するうえで難しいケースがあり、不安な点がある場合は「特約条項」にて、細かく契約不適合に該当しない事象について定めておくことも重要です。

キャンセルの流れと注意点

不動産売買取り引きのプロセスでキャンセルは生じるものですが、実際にキャンセルするにはどのように行うのがよいのでしょうか。次に、媒介契約の解約と売買契約の解除について注意点を見ていきます。

媒介契約

媒介契約を途中解約する必要性が生じるパターンには次の2つあります。

1.事情が変わり売却を中止する
2.売却を依頼した不動産会社に対する信頼感がなくなった

事情が変わって売却を中止する時には、客付け活動をすぐ取りやめてもらう必要があるので、まず電話やメールで不動産会社に連絡をします。売却活動の進み具合や活動内容によってペナルティが発生する可能性があるので、不動産会社にはていねいな説明を行い、事情をよく理解してもらわなければなりません。

依頼していた不動産会社の活動状況に不信感が生まれ、売却を依頼する不動産会社を変更するのが[2]のパターンです。一般媒介の場合はほかにも活動している会社があるので、とくに1社だけに解約を申出する必要はなく、媒介契約期間が終了するまでそのままにしておいても問題はありません。

しかし、専任媒介や専属専任媒介のケースでは途中解約が難しい場合が多いので注意が必要です。媒介契約書には依頼者から契約解除ができる契約条項が明記されていますが、解除条項に該当すると主張しても、不動産会社が納得しない場合は合意による解除が難しくなります。

契約解約の理由として不動産会社に非があると認めなければ、ペナルティを請求される可能性が高く、時間もかかってしまいます。また、契約解約にいたるまではほかの不動産会社に売却を依頼することもできず、3か月間の契約期間が終了するまで待たなければならないケースも多くなります。

売買契約

売買契約の解除は書面またはEメールなどで行うことが必要です。手付解除期間内の解除の場合は期限があるので、媒介する不動産会社に電話による口頭での意思表示をしたうえで、相手方に対し書面などによる契約解除の申出をします。手付解除または引渡し前の違約解除は、売買契約書に記載された解約手付金や違約金の授受により契約は解除されるので、双方が解除に合意できるとトラブルなく契約解除をすることができます。

ただし、違約金は売買価格の10%~20%に設定することが多く、売買価格によっては大きな金額になり、負担も多くなります。

よくある質問

不動産売却におけるキャンセルに関してよくある質問を紹介します。
契約前日のドタキャンは許される?
売買契約締結までには取り引き条件をしっかりと詰め、引渡しがスムーズにできるよう準備を進めながら契約締結日を迎えるものです。前日になってからのキャンセルは売買契約上の解除条項が適用されることはなく、契約不履行による責任を問われることはありません。しかし、契約直前の突然なキャンセルは、その理由によっては「不法行為」を問われ損害賠償請求される可能性があります。
契約の履行は何で証明される?
契約の履行に着手した証明は形式が定まっていないので、次のような書類や事実によって証明します。

・売主は所有権移転に必要な書類などを司法書士に交付し、司法書士が発行する「預り証」により契約の履行を証明できます
・買主は資金の準備を行った後、売主と決済・引渡し日を協議することにより、引渡しを催告したことになり、契約の履行に着手した事実が残ります
手付倍返しで買主との契約解除が済んだのに不動産会社に仲介手数料を請求された
不動産会社の媒介業務報酬は売買契約の成立によって請求権が生じます。ただし、手付解除により売買契約が解除された場合は、約定報酬の全額を請求できるとは解されていません。

従って、売主が手付倍返しにより契約解除した場合、仲介手数料の支払いを免れることはできず、不動産会社との協議により約定報酬の範囲内で契約にいたった寄与度を勘案し仲介手数料を決めることになります。

まとめ

不動産の売却を本格的にスタートするには、不動産会社と媒介契約を締結します。その後は媒介活動を経て売買契約の締結、そして決済・引渡しまでと進んでいきます。そのプロセスにおいて、売主または買主から取り引きのキャンセルをしたいと申し出ることは少なからずあることです。契約では必ず契約解除に関する取決めをあらかじめ設けることが多く、ルールに従ったキャンセルであれば、それぞれの当事者が合意することによりキャンセルが可能です。

しかし、売買契約締結後の引渡し間近のキャンセルは、違約金も高いものであり、相手方にとっては初期の目的を達することができず、できれば避けたいところでしょう。

不動産の売却は目的があってすることであり、できれば途中でキャンセルすることなくスムーズに進んでいくことは誰もが望むことです。そのためにも不動産売却を依頼する不動産会社は信頼できる会社を選ぶことが求められます。不動産会社を探し、選ぶ方法として「一括査定」は効果のあるツールとなっているので、ぜひ検討してみてください。
弘中 純一

監修弘中 純一

【資格】宅建取引士/一級建築士

宅建取引士・一級建築士として住宅の仕事に関り30年以上になります。
住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動。
さまざまな情報が多い不動産業界ですので、正しい情報発信に努めています。

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