【不動産の親族間売買】売るとき、買うとき、買った後にかかる税金、ご存知ですか?

  • 公開日:
  • 2020年09月14日
  • 更新日:
  • 2020年09月14日
【不動産の親族間売買】売るとき、買うとき、買った後にかかる税金、ご存知ですか?
親が高齢者施設に入居するなどして実家を引き払うことを契機に土地と建物を購入するといったケースでは、1から土地建物を購入するのと比べると費用を大きく抑えられるメリットがある一方、しっかり調べておかないと思わぬ額の税金が発生してしまうことがあります。また、売買の場合、売却した親側にも税金が発生することから、双方にとって負担のないようしっかりとした知識を身に着けておくことが大切です。

親族間の売買だからと言って、安く売り買いできるわけではありません。
まずは、売る側、買う側に必要な税金を理解するところから。

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目次

親族間で不動産を売買すること

親族間売買とは親と子など親族の間で不動産を売買することです。基本的には個人対個人で不動産取引するのと大きくは変わりませんが、税金の取扱いについては慎重になる必要があります。というのも、不動産を「贈与」すると、その不動産の資産価値に応じて贈与者が贈与税を支払わないといけないため、「売買」したことにして税金を安くしようと考える可能性があるからです。

不動産の売買の場合、取引価格は買主と売主で自由に決めることができるため、本来は贈与を考えていたのにも関わらず、相場よりずっと安い価格で売買することが考えられるのです。なお、「売買」とは金銭を支払って不動産を取り引きすること、「贈与」は金銭を受け取らずに不動産を引き渡すことと考えるとよいでしょう。

他にも、親族間であれば所有者が死亡したときに、その子など相続人に対して資産が引き継がれる「相続」という方法もあります。

一般的な不動産売買(個人間売買)については、以下の記事で詳しく解説しています。

親族間売買と一般的な不動産売買の違い

ここでは改めて、親族間売買と一般的な不動産売買の違いについてお伝えしたいと思います。親族間売買の場合、基本的には不動産会社を通す必要がないため、個人間売買となり、仲介手数料を支払う必要がありません。

一般的な不動産売買だと、仮に知人に売却する場合でも、個人間売買では境界問題など将来的なトラブルが起こったときに対応しきれないことを考慮して、不動産会社に仲介に入ってもらうことが少なくありません。ですが、親族間売買であれば、そうしたトラブルの心配もする必要がないため、不動産会社を利用する必要性は少ないでしょう。

ただし、親族間売買であっても、税金の手続などの関係から、不動産売買契約書を作成する必要があり、これを自分で用意する必要があるという問題はあります。また、とくに築年数の経った古い実家を売買するようなケースでは、融資の審査が通りにくく、住宅ローンが組みづらいといった問題が起こりやすい点にも注意が必要です。

「みなし贈与」にならないために注意が必要!

親族間売買ではみなし贈与に注意が必要です。贈与は無償で不動産を引き渡すことですが、先述の通り、親族間売買では通常の相場より安く不動産を売却するといったことが起こりやすく、そうしたケースでは通常の相場との差額に対して贈与税が課されることになります。

たとえば、時価2,000万円の物件を800万円で売却した場合、時価と売却額の差額である1,200万円がみなし贈与と判断される可能性があります。時価から引き下げた分の価格を金銭で贈与したとイメージすると分かりやすいでしょう。なお、みなし贈与については相続税法の第七条に以下のように記載されています。

七条
著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合においては、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)との差額に相当する金額を当該財産を譲渡した者から贈与(当該財産の譲渡が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。


上記通り、みなし贈与と判断されるかどうかは不動産の「時価」と売買額の差額によります。時価を調べるには不動産の「路線価」を調べたり、不動産鑑定士への鑑定依頼や不動産会社に査定依頼を出したりといった方法が考えられます。

時価を把握したうえで、どの程度の差額までであれば許容されるかなどについては、税理士などの専門家に相談すると万全です。

親族間売買の流れ

親子間売買をする際は、以下のような流れで進めていくとよいでしょう。

・登記簿謄本を取得する
・売買価格を検討する
・売買契約書を作成する
・決済と同時に登記手続きする

親子間売買する際には、まずは法務局に行って登記簿謄本を取得するようにしましょう。売買契約書に記載する地番や面積は登記簿謄本のものと同一内容にする必要があります。次に、売買価格を決定しますが、売買価格については先述の通り、みなし贈与とならないよう時価を調べたうえで、必要に応じて税理士等専門家に相談することが大切です。

売買価格が決まったら、先に取得した登記簿謄本の内容と売買価格を記載した不動産売買契約書を作成します。不動産売買契約書については、不動産会社も利用する全宅連の不動産売買契約書など、インターネットでテンプレートをダウンロードできます。

売買契約書を取り交わしたら、買主側が住宅ローンを利用する場合は金融機関と日程を決めてローンを決済し、売主に代金を支払います。また、決済と同時に所有権移転登記を行いますが、こうした登記手続きについては司法書士に依頼する必要があります。

親族間売買で不動産会社を利用しない場合、こうした金融機関や司法書士とのスケジュール調整をするのはすべてご自身となるので、注意が必要です。

親族間売買で発生する税金の種類

ここでは、親族間売買において、「売る時にかかる税金」と「買う時にかかる税金」、「買った後にかかる税金」に分けてご紹介していきたいと思います。

売る時にかかる税金

不動産を売るときにかかる税金、つまり親族間売買において親から子どもに不動産を売却するケースでは、不動産売買後に親が支払う税金ですが、大きなものとして「不動産の譲渡所得税」がかかります。

不動産の譲渡所得税とは、不動産を売却して得た利益に対して課されるもので、売却したときに要した経費や、売却する不動産を取得したときに要した経費などを、売却価格から差し引くことができます。

たとえば、不動産を1,000万円で売却して、経費が200万円だった場合、差額の800万円に対して税金が課されることになります。

なお、譲渡所得税の税率は以下のようになっています。
所有期間所得税住民税合計
長期譲渡所得5年超10.315%5%15.315%
短期譲渡所得5年以下30.63%9%39.63%
先程の計算の通り売却価格から経費を差し引いた額が800万円の場合で、所有期間が5年超だった場合には、800万円×15.315%=122.52万円納める必要があります。

なお、不動産の譲渡所得税以外にも、売買契約書に貼り付けする印紙税や、登記簿謄本に記載の住所が実際の住所と異なる場合には登録免許税も納める必要があります。

買う時にかかる税金

不動産を買う時にかかる税金の中で大きなものとして、不動産取得税があります。不動産取得税とは、不動産を取得した人に対して課される税金です。

不動産取得税の税率は固定資産税評価額×3%(2021年3月31日)までとなっており、そのほか新築日に応じて控除を受けられるようになっています。
新築日控除額
1997年(平成9年)4月1日以降1,200万円
1997年(平成9年)3月31日以前1,000万円
1989年(平成元年)3月31日以前450万円
1985年(昭和60年)6月30日以前420万円
1981年(昭和56年)6月30日以前350万円
1975年(昭和50年)12月31日以前230万円
1972年(昭和47年)12月31日以前150万円
1954年(昭和29年)7月1日100万円
〜1963年(昭和38年)12月31日
仮に固定資産税評価額が1,000万円の物件で、450万円の控除が受けられる場合、差額の550万円×3%=16.5万円が不動産取得税の額となります。

また、不動産を買うときと同様、売買契約書に貼り付けする印紙税や、登記時に支払う登録免許税などがかかります。なお、不動産の売買では、所有権移転登記をする必要がありますが、この登記費用は、一般的に買主側が負担することが多いです。

買った後(保有時)にかかる税金

不動産を買った後にかかる税金としては固定資産税や都市計画税があります。固定資産税は不動産の1月1日時点の所有者に対して課される税金で税率は1.4%です。一方、都市計画税は市街化区域内の不動産の1月1日時点の所有者に対して課される税金で、税率は0.3%となっています。

そのほか、土地に関しては居住用の建物が建っている場合、敷地面積200m2まで固定資産税の負担額が1/6になる特例があります。
敷地面積固定資産税都市計画税
小規模住宅用地200m2以下1/61/3
一般住宅用地200m2超1/32/3

親族間売買でも条件を満たせば受けられる特例

不動産の売買では条件を満たせば受けられる特例がいくつかあります。まずはこれら特例について解説していきましょう。

売主に譲渡益が発生した場合に受けられる特例

まずは売主に譲渡益が発生したときに受けられる特例です。

3,000万円特別控除の特例

3,000万円特別控除とは、その名の通り、不動産譲渡所得税の計算において売却額から経費を差し引いた後の額から3,000万円分控除を受けられるというものです。マイホームの売却であれば所有期間に関わらず受けられる特例です。詳細については以下記事にて詳しく説明しています。

10年超所有軽減税率の特例

10年超所有軽減税率の特例とは、マイホームの売却であり、かつ所有期間が10年超であった場合に、以下の通り軽減税率の適用を受けられる特例です。
譲渡所得6,000万円以下14.21%
譲渡所得6,000万円超20.315%
ほかの特例はそれぞれ重複適用できませんが、10年超所有軽減税率の特例と3,000万円特別控除についてのみ、重複適用できるようになっています。

特定居住用財産の買換え特例

特定居住用財産の買換え特例とは、マイホームを売却して買い換えする場合、納めるべき税金を買い換えしたマイホームを売却するときまで先延ばしできるという特例です。

所有期間10年超という制限がありますが、場合によっては3,000万円特別控除よりお得に利用できる可能性があります。なお、3,000万円特別控除など、ほかの特例との重複適用はできません。

売主側に譲渡損が発生した場合に受けられる特例

不動産の譲渡所得は通常、給与所得等他の所得と合算することはできませんが、マイホームを売却する場合、特例の適用を受けることで合算できるようになります。このことを損益通算と呼びます。

たとえば、2,000万円で購入した不動産を1,000万円で売却するようなケースでは、不動産の譲渡所得の計算上1,000万円の赤字(減価償却については考慮しません)となりますが、この1,000万円について給与所得などから差し引くことができるのです。また、特例の適用を受けることで、損失に余りがある場合、翌年3年間に渡り繰り越すこともできます。

たとえば、上記の通り1,000万円の赤字があり、他の所得が給与所得400万円だけだった場合、1年目は400万円分損益通算可能であり、かつ残りの600万円を翌年以降に繰り越せる計算となります。

居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

本特例はマイホームを売却し、譲渡の年の前年1月1日から翌年12月31日までに買い換え資産を取得するなど一定の要件を満たしたときに特例を受けられるものです。

本特例の適用を受けると、先述の通り損益通算と翌年以降3年間にわたって繰越控除の適用を受けられます。

居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

本特例は基本的な内容は先述の居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例と同じですが、売却資産に住宅ローンの残高があることが条件となっています。

ただし、居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例のように買い替え資産の取得期限などは設けられていません。

売主側が受けられる特例は親族間売買では適用できない

売主側が受けられる特例をご紹介しましたが、実はこれらの特例は親族間売買では適用を受けられません。
正確には、取り引きの相手が以下のような特殊関係者にあたる場合には、特例の適用を受けられないことになっています。

・買主が売主の配偶者及び直系血族
・買主が売主の親族でその個人と生計を一にしているもの及び買主が売主の親族でその譲渡にかかる家屋の譲渡がされた後その家屋に居住するもの

買主側が受けられる特例

一方、買主側が受けられる特例もあります。

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅借入金特別控除は、住宅ローンを組んで不動産を購入した場合に、購入から13年間について住宅ローン年末残高の1%について所得税と住民税から控除を受けられる特例です。

たとえば、4,000万円の住宅ローンを組んだ場合、4,000万円×1%×13年間=最大520万円分の控除を受けられる計算となります。住宅ローン控除については、親族間売買であっても利用可能です。

親族間売買も部分的に専門家に相談する必要がある

親族間売買の場合、税金の計算や不動産売買契約書の作成など自分でする必要がありますが、他人と取り引きするのと比べると、境界問題など将来のトラブルについて心配する必要が少ないことから、不動産会社を利用せずとも手続きを進めることは可能でしょう。しかし、みなし贈与とされないために売買価格の決定の際には税理士を利用するなど、部分的に専門家に相談することは大切です。

そのほか、不動産売買契約書の作成のみ不動産会社に依頼したり、登記手続きについて司法書士に依頼したりするなど、必要に応じて専門家に相談するとよいでしょう。

まとめ

親族間売買の際の税金についてお伝えしました。親族間売買については、とくにみなし贈与に該当しないかどうかについて注意が必要です。みなし贈与に該当しないためには、不動産会社や不動産鑑定士など専門家に時価を算出してもらったり、自分で路線価を調べたりする必要があるほか、売買価格決定時には税理士に相談すると安心です。

そのほか、売買契約書の作成時には不動産会社を、登記手続き時には司法書士を頼るなど、部分的に専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。

親族間の売買だからと言って、安く売り買いできるわけではありません。
まずは、売る側、買う側に必要な税金を理解するところから。

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逆瀬川 勇造

監修逆瀬川 勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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