土地の売却をお考えなら事前に調べておきたい測量の費用と基礎知識

  • 公開日:
  • 2018年8月13日
  • 更新日:
  • 2018年8月13日
土地の売却をお考えなら事前に調べておきたい測量の費用と基礎知識
土地売却でかかる費用のひとつである「測量費」。測量はどのような理由で行われ、誰に、どうやって依頼すればよいのでしょうか。本記事では、土地の売却を検討している方にむけて、事前に調べておきたい測量の費用と基礎知識をご紹介します。

土地売却時のトラブルを避けるためにも、測量は必ず行いましょう。
土地の査定をお願いする不動産会社から紹介してもらうこともできます。

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目次

土地の売却に必要なこと

測量をすると、土地の「境界」と「面積」を決めることができます。また、測量して「境界」と「面積」が分かっても、隣地の所有者との協議が済まないと確定することはできません。

土地を売却する時に提出する資料のうち、最も信頼の置ける測量図である「確定測量図」を作成するには、境界と面積が確定されている必要があります。土地売却時に必ず測量しなければならないという明確な決まりはありませんが、ほとんどのケースで買主から測量を求められます。

土地売却における必要な手続きや注意点は以下のページでも詳しく説明しています。
土地売却を成功させるための3つのポイント

土地売却に必要な「測量」とは?

土地売却時における「測量」は、具体的にどのようなケースで利用されるのでしょうか。

「測量」を行う目的

測量は、「面積」の確定と「境界」を確定という2つの目的で行われます。

「面積」は法務局で取得できる登記簿謄本を見れば確認することが可能で、売主と買主が了承すれば登記簿の面積で売買契約を締結することもできます。しかし、これは実測されたものでないものもあり、多少の誤差がある場合もあります。事実、一昔前は登記簿謄本の面積での売買契約がよく行われていましたが、昨今ではほとんどの購入検討者が「測量」を求めます。

「境界」が確定していない場合も同様です。このままで売買契約を締結することも可能ですが、後に境界トラブルに発展して面積が小さくなってしまっても文句は言えません。「境界」確定のための測量が済んだら、境界杭や境界表と呼ばれる目印を境界部分に設置し、測量図が作成されます。

測量後は境界確認書を作成すること

「境界」確定が済んだら、境界杭や境界標を設置します。しかし、これだけでは工事などで境界標が倒れたり、抜けたりする場合があります。そのため、境界がどこなのかを書面に残しておかなければなりません。その書面が境界確認書です。

境界確認書を一度作成しておけば、売買により隣地の所有者が替わった場合でも境界トラブルを避けることができます。これを作成するには、現地に測量者と土地の所有者が集まる必要があります。

「測量」が必要な5つのケース

では、具体的にどのような土地の場合に測量をしなければいけないのでしょうか。以下では、測量画必要なケースを5つご紹介いたします。

1.境界の目安(堀やフェンス)がない土地の場合

境界確定をしていなくても、目安となる堀やフェンスなどがあればそれを境界と見立てることがありますが、それらがない場合、どこまでが自分の土地か分からないため測量して境界確定する必要があります。

2.境界杭がない土地の場合

境界杭がない土地の場合には測量をしなければどこまでが自分の土地か分かりません。一目見て境界杭が見当たらない場合でも、上に土がかぶさって見えなくなっていることもあるため、心当たりがあれば掘ってみると良いでしょう。

3.高額な地価の土地の場合

地価が高額な土地の場合には、1㎡違うだけで数十万円金額が変わってしまいます。こうした土地では事前に測量を行い、面積を確定しておきましょう。

4.面積が登記簿記録と大きく相違する土地の場合

測量されていない土地の場合、登記簿の面積で契約することになりますが、その登記簿の面積と実際の面積が大きく相違する土地の場合は事前に測量することをおすすめします。

5.相続税を物納で納める場合

相続税は時に大きな金額になることがあり、金銭で一括払いできない場合には延納が認められます。それでも支払えない場合には不動産を物納することが可能です。ただし、物納するには「境界が明確でない土地」または「隣地の所有者から境界に関する了承が得られない土地」でない必要があります。

そのため、物納にあてる前に測量して境界を確定しておかなければなりません。
一方、以下のようなケースの場合には測量が省略されることもあります。

都市部以外の広大な土地の場合

都市部以外の広大な土地の場合、面積が大きいと測量費用が高額となってしまうため登記簿面積での取引ですることが少なくありません。

地価が低い郊外地の土地の場合

また、郊外で地価が低い土地であれば、境界線のことで紛争に発展しにくいため、こちらも測量を行わず公簿面積とすることがあります。

測量図について

土地売却の際に使用する測量図には3種類あります。

1.確定測量図

確定測量図は隣地や、接道する道路の所有者との立ち合いが済み、境界確定されたものです。隣地や隣接道路が官有地(国や市町村の土地)であれば官民査定(官と民で立ち会って境界を決める)を、一般個人や法人が所有者であれば民民査定を経ている必要があります。売買契約の際には基本的にこの確定測量図を用います。確定測量図は基本的に所有者本人しか持っていません。

2.地積測量図

地積測量図は法務局にある図面で、通常、土地家屋調査士や測量士によって作成された確定測量図が法務局の仕様で登録されています。ただし、地積測量図は必ずしも確定測量図ではなく、作成日が古いものは土地境界線について所有者の立ち会い等がおこなわれていないものも含まれています。地積測量図が法務局に登録されていれば、売買契約時に確定測量図の代わりとすることができます。図面通りに境界標があるのかを現地で確認するようにしましょう。

3.現況測量図

現況測量図はその名の通り現況を測った測量図で、仮測量図とも呼びます。境界確定のための立ち合いなどされておらず、単にその土地を測量した図面です。

「測量」にかかる費用と期間

測量にはどのくらいの費用と期間を見ておくと良いのでしょうか。

測量金額の相場

土地売却の際に行う測量の相場は、土地の広さと、隣地や接道が官有地の場合に行う官民査定があるかどうかで異なります。おおよそ、100〜200㎡程度の土地で官民立ち合いの必要な測量費用が60〜80万円ほど、官民立ち合いの不要な測量が35〜45万円です。ただし、同じ広さでも地形が複雑な場合や隣地の権利に関わる人が大勢いる場合には測量費用も高額になります。

 官民査定必要官民査定不要
測量費用60〜80万円35〜45万円

測量費用が高額になりやすい土地

測量費用は、以下のようなケースでは高額になりやすいです。

隣地に関して紛争が発生している場合

隣地が裁判所などの介在する係争中の土地や、複雑な相続が絡んだ土地の場合、高額になります。また、係争中の土地の場合は弁護士など専門家に依頼して話を進める必要な場合があります。相続が絡んだ土地では、相続登記のなされないまま数十年が経過し、関係人が多かったり、消息がつかめなかったりして裁判所を活用しなければなりません。これらが高額になるケースです。

土地の形が複雑な場合

土地の面積が広ければそれだけ手間がかかるため費用も高くなりますが、小さくても土地の形が複雑であれば高額になることがあります。土地の途中に大きな段差があるなど測量に手間がかかるケースや、手入れされていない木々が生い茂った土地、設置しなければならない境界標の数が多い場合がこれにあたります。

隣地の権利に関わる人が大勢いる場合

隣地の権利に関わる人が多くいる場合、立ち合いの調整をするだけでも手間がかかりますし、共有持分のある不動産だと共有者全員の承諾が必要なため高額になります。また、過去に境界についてトラブルが起こっていたり、隣地の所有者が立ち合いを拒否したりするケースで高額になることがあります。

「測量」にかかる期間

測量にかかる期間ですが、通常、依頼から境界確定までは隣地の所有者との立ち合いも必要なことから3〜4ヶ月かかります。隣地の所有者の中に協議に参加するのが難しい方がいると長引き、1年以上かかるケースや、最悪の場合、境界確定できないケースもあります。測量には時間がかかると考え、できるだけ早く行動に移すようにしましょう。

「測量」の依頼先

測量は土地家屋調査士や測量士に依頼して行います。自分で土地家屋調査士や測量士を探しても良いですが、土地の売却時に査定を依頼する不動産会社から紹介してもらうこともできます。依頼先によって費用や期間が異なることもあるため、高額になりそうな場合には何社か見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。

「測量」の手順

最後に、測量を依頼する場合の手順についてご紹介いたします。

1.資料を取り寄せ調査を行う

法務局で取得できる公図や登記簿謄本、地積測量図の他、売主から提出された境界確定資料や境界トラブルの有無などに基づいて調査が行われます。この段階で見積書が提出され、測量にいくらの費用がかかるかが分かります。

2.隣接地の住人への挨拶

土地の測量では、隣地付近を測ることが多いため、測量に入る前に測量の内容の説明を兼ねて近隣へ挨拶を行います。

3.測量および境界の調査

現地で測量と境界確定を行います。この段階では土地家屋調査士が測量を行うだけですが、測量が済めば隣地の所有者の方との立ち合いが必要になるため、連絡を取っておくようにしましょう。隣地の所有者が動けない場合にはその代理人などに連絡します。

4.関係者立ち合いによる境界の確認

現地で官民立ち合いや民民立ち合いが行われます。関係者全員の承諾を得られなければ境界を確定することができません。また、関係者全員の承諾を得ただけでは将来隣地の所有者が変わった時にトラブルに発展する可能性があるため、境界確認書に境界を確認したことを記載します。境界確認書はこの後測量図を作成する際にも用いられます。

5.境界杭を埋設

関係者全員の承諾を得た上で、境界に境界杭や境界標が設置されます。境界杭や境界標には石杭やコンクリート杭、金属杭、プラスチック杭などの種類があり、どれを設置しても同じ効果があります。境界杭や境界標を設置する時は、簡単に移動しないように設置する他、100年単位で耐えうる永続性、誰か来ても分かりやすい視認性などに留意しなければなりません。

6.図面・書類の作成

これまでの測量や境界の結果をもとに測量図が作成されます。また、実際に測量した土地の面積と登記簿の面積が異なっていた場合には、土地地積更正登記を行って登記簿に記載される面積を実測した面積に改めます。この時、作成された測量図や登記簿謄本は土地の売買契約を結ぶ際に使われます。

「測量」を行わなかった場合どうなるか

土地の売却において、境界のトラブルはもっとも多いトラブルと言えるでしょう。境界トラブルは最悪の場合、訴訟に発展することもあり、売却した後に売主が訴訟に巻き込まれるケースもあります。必ず売却前に測量し、境界を確定してから売却するようにしましょう。

まとめ

土地の売却前に行う測量は、「面積」と「境界」を確定するために行われますが、「境界」に関するトラブルは訴訟に発展するケースも少なくありません。事前に「測量」して「境界」を確定しておく必要があります。

測量費用は一般的な土地で35〜45万円かかる他、土地の形状や状況によってはもっとお金がかかるケースがあります。決して安いものではないため、複数の業者に見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。

土地売却時のトラブルを避けるためにも、測量は必ず行いましょう。
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【監修者】中村裕介

【監修者】中村裕介

【資格】宅地建物取引士/保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。

商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産と旅行系の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆しています。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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