ローンが残っていても不動産は売れる?

  • 公開日:
  • 2013年5月1日
  • 更新日:
  • 2018年8月13日
ローンが残っていても不動産は売れる?
住宅ローンの残っている不動産は、実は住宅ローンを完済することを条件として売却することができます。また、売却した費用を返済にあてたり、新規のローンに上乗せたりするなど、いくつか方法があります。

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目次

住宅ローンが残っていても、住まいは売れる!

ほとんどの人が、マイホームを購入する際に金融機関と住宅ローンを組むことになります。ローンの返済中にやがて諸事情により住まいを買い替える必要が生じたとき、「住宅ローンが残っていても、今の住まいを売ることができるのだろうか?」と、考えることがあるはずです。

結論から言えば、答えは「YES」です。その方法を説明していきましょう。

担保として設定された自宅の抵当権を外す

不動産を購入するために金融機関と住宅ローンを組む際、金融機関は対象となる不動産に抵当権を設定します。抵当権とは、万一ローンが返済できなかったときに担保として不動産を確保しておくための権利で、返済が滞った際にはこの不動産を競売にかけることで融資した金額を回収しようとするものです。抵当権がついたままでもその住まいを売却することはできますが、ローンの返済が滞れば、誰が所有していようとその住まいは競売にかけられてしまいます。そのため、抵当権付きの住まいを購入しようとする人はあまりいません。

一般的には売却するために、設定された抵当権を抹消する必要があります。この抵当権抹消の条件となるのが、ローンの完済なのです。 「結局ローンを完済しないと売れないじゃないか。そんなお金ないよ」と思われるかもしれません。ところが、住まいを売却したお金で住宅ローンを一括返済し、抵当権を抹消してもらうことができるんです。

ローン残債も新規のローンに上乗せできる

とはいえ、そんなにうまくいくケースはなかなかありません。必ずしもローン残高よりも高く売れるとは限らないからです。

例えば買い換えのために、ローン残高が3000万円の住まいを、2500万円で売却できた場合、ローンの完済には500万円足りないことになります。その場合は足りない分に自己資金を充当しなければなりません。結果的に、新たに購入する予定だった住まいの頭金に回せる金額も減ってしまいます。 このように、もしも買い換えのために不動産売却を考えているのなら、売却額がローン残債を下回ることを想定した上で新居のための資金計画を立てることが賢明です。では、自己資金を足してもローンの完済ができない場合はどうすれば良いでしょうか。やはり住まいの買い換えは無理なのでしょうか。 実は、買い換えローンを活用するという方法があります。

買い換えローンとは、今ある住宅ローンの残高を、新規に購入する住宅のローンに上乗せできるというもの。ただし借入額が増えるため、審査も厳しくなります。もし融資が認められる場合でも、本当に返済できるのかどうか、慎重に検討した上で利用する必要があります。

※買い換えローンも、一般的な住宅ローンと同様に「元利均等返済」や「元金均等返済」、「変動金利型」や「固定金利型」を選ぶことができます。

新しく一戸建てを建築する買い換えの場合

買い換えのために不動産売却を行う場合、買い換える住まいが既に竣工している場合なら、うまくいけばスムーズに住宅ローンを移行できます。また、竣工前の分譲マンションを購入した場合、竣工・引渡し後からローン返済が始まるので(実際には竣工しないことには抵当権が設定されず、ローンの借入ができません)、それまでの仮住まいの住居費と重複してローンを支払う必要はありません。

しかし一戸建てを新築する場合は、工事の進行状況に応じて着工金や中間金などを支払わなければなりません。そのため住宅ローンとは別に、一時的なローンを組む必要があります。その一時的なローンのことを、「つなぎ融資」と呼びます。

つなぎ融資は建物が竣工するまでのもので、竣工後に住宅ローンを組んで融資が実行された際には返済を終えます。短い間の融資ですが、それでも金利が発生するため要注意です。例えば、土地の購入時に自己資金を余らせておいて建設会社への支払いに回すなど、つなぎ融資を利用せずに済む方法もあるので、よく考えて購入計画を立てるようにしましょう。

新居を決めても、売却できなかったらどうする?

住まいの買い換えの場合、それまで住んでいた自宅を売却できないことには、新居を購入することもできません。場合によっては、売却よりも購入のタイミングが先行してしまうこともあります。せっかく見つけた素敵な新居。ぜひとも早く契約したいと思うのも心情ですが、もしも自宅が思うように売却できなかったとしたらどうしましょう。当然売却代金が手に入らないことには、新しく住まいを購入することはできなくなります。

そこで新居の購入を契約する際に、買い換え特約をつけてもらうことをオススメします。買い換え特約とは、「00月00日までに自宅を0000万円以上で売却できなかった場合、契約を白紙撤回する」という旨の特約条項です。この特約を結んでおくことで、万が一売却が不調に終わっても、特にペナルティを負うことはなく契約自体を破棄することができます。

事前に「いくらで売れるのか」を把握しておくこと

ここまで説明したように、住宅ローンの残っている不動産は、実際には住宅ローンを完済することを条件として売却することができます。全国的に地価がゆるやかな回復傾向にあるとは言え、地方圏では、まだ住宅地は幅が縮小しながらも下落状態が続いています。売却額がローン残高に満たない可能性も高いといえるでしょう。そのためにも、自宅はいくらで売れて、ローンの完済にはいくら足りないのかを、事前にシミュレーションして自己資金を用意しておく必要があります。

また、マイホームを買い換えた際に譲渡損失が出てしまう人の救済措置として、翌年以降3年間にわたって、繰り越して譲渡損失を他の所得から控除(損益通算)できる特例(「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」)もあるので、確定申告の際にはぜひ利用するようにしましょう(※利用には適用条件があります。詳しくは国税庁をご確認ください)。

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【監修】坪 義生

【監修】坪 義生

【資格】社会保険労務士/宅地建物取引士

明治大学政治経済学部政治学科卒業、千葉大学大学院社会科学研究科修士課程修了(経済学)。

社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、(株)矢野経済研究所(「住宅産業白書」、「出版社経営総鑑」、「コンピューター・サプライ市場の展望と戦略」を担当)等を経て、91年、じんじ労務経営研究所(社会保険労務士登録)を開設。同年より、「月刊人事マネジメント」取材記者として企業のトップ・人事担当者を中心に取材・執筆多数。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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