不動産売却の譲渡益も確定申告が必要

  • 公開日:
  • 2013年5月1日
  • 更新日:
  • 2018年5月28日
不動産売却の譲渡益も確定申告が必要
不動産の売却で得た利益も所得として換算されるため、納税の義務が生じます。複雑な納税金額の計算や、必要な書類のことから、便利なインターネット申告など、確定申告の仕組みを紹介いたします。

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目次

不動産売却をしたなら確定申告が必要になる

マンションや一戸建て、土地などの不動産を売却した場合、その売却益は国に申告しなければならないのかと疑問に思うかもしれません。確定申告とは本来、税金を納付したり払い過ぎた税金の還付を受けるために、前年の収入や控除額を申告するものです。給与が一定となるサラリーマンであれば年末調整を行うだけで済みますが、自営業の場合など収入が一定でない場合は、年間(1月1日〜12月31日)の収入が決まるのを待って、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をする必要があります。また住宅の購入や新築をして以降、住宅ローン控除のために確定申告をしている人もいることでしょう。

では、不動産の売却で得た譲渡益については申告する必要があるのでしょうか。答えはイエスです。不動産売却で得た譲渡益は、立派な所得。税法上では譲渡所得として区分され、他の所得とは異なる方法で税額を計算し、確定申告を行う必要があります。居住用であろうとなかろうと、不動産の売買をすれば登記情報が税務署に届くようになっているので、申告せずにいると通知が届くようになっています。

確定申告に必要な書類

確定申告のためにはまず、税務署へ申告書を取りに行く必要があります。申告のために必要となる主な書類を下記にまとめました。また、「 マイホームを売った時の3,000万円の特別控除の特例」など、各種特例の適用を受ける場合、さらに必要となる書類があります。

詳しくは 国税庁 で確認すると良いでしょう。

税務署で入手できるもの

確定申告書B様式
分離課税用の確定申告書
譲渡所得の内訳書

自分で用意するもの

売却時の売買契約書(コピー)
売却した不動産の購入時の売買契約書(コピー)
仲介手数料等、売却手数料の領収書(コピー)

譲渡所得や税額の計算

マンションや一戸建てといった不動産を売ったときの譲渡所得に対する税金は、事業所得や給与所得といった所得とは別に計算しなければなりません。これを分離課税といいます。

税額を計算するためには譲渡所得を算出しておく必要があります。譲渡所得は基本的に、譲渡した金額から、取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。ただし取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算しなければなりませんので注意してください。
譲渡所得=譲渡価格-(取得費※+売却費用)
課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除
※取得費は減価償却費を差し引く必要があります
譲渡所得の計算については当コラムの「 不動産を売却したらどんな税金がいくらかかる?」のページでも解説しているので参考にしてください。譲渡所得が分かれば、確定申告によって支払うべき税額も計算できます。ただし、所有年数や、売却した不動産がマイホームだったのかどうかなどによって計算が異なります。

まず譲渡所得は、所有していた期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に分類されるということを知っておきましょう。

長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるもの。短期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下のものを指します。長期譲渡所得の方が、税率が低く有利です。また、あくまでも譲渡した年の1月1日で判断するため、所有していた年月とは異なることも注意しておきたいポイントです(「 不動産を売却したらどんな税金がいくらかかる?」参照)。 それぞれの税額は以下のように計算します。また平成25年から平成49年までの税額については、算出された所得税を課税基準として復興特別所得税2.1%分が加算されます。

長期譲渡所得の場合
加算前税額=長期譲渡所得金額×15%
加算済税額=長期譲渡所得金額×15.315%

短期譲渡所得の場合
加算前税額=短期譲渡所得金額×30%
加算済税額=短期譲渡所得金額×30.63%

また、マンションや一戸建てなどマイホーム(居住用財産)を売った時には所有期間が10年を超えていることなど一定の要件を満たすことで、軽減税率の特例を受けることができます(詳しい適用要件については、 国税庁を参照ください)。この軽減税率は、マイホームを売った時の3,000万円の特別控除と併用することができます。

長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合
税額=長期譲渡所得金額×10%
長期譲渡所得金額が6,000万円以上の場合
税額=(長期譲渡所得金額-6,000万円)×15%+600万円

売却して譲渡損失が生じた場合

不動産売却は必ずしも利益が出るものではありません。時に譲渡損失が生じてしまうこともあります。このように損失の金額が生じた場合でも、確定申告をすることをオススメします。なぜならマイホームの譲渡であれば、他の所得から損益通算を行うことができるためです(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)。

土地や建物の売却によって生じた譲渡損失の金額を、事業所得や給与所得といった他の所得から差し引くことを損益通算といいます。それでも譲渡損を消化できない場合には、3年にわたって繰り返し損益通算を行うことができます。これにより所得税を大幅に減税することができるので、ぜひ申告するようにしましょう。なお特例には適用要件がありますので、詳しくは 国税庁を参照してください。

忙しい人にはインターネットによる申告がオススメ

確定申告の必要性が理解できたとしても、サラリーマンにとって馴染みの薄い確定申告は、多少煩わしく思えるでしょう。確かに忙しい人にとって、税務署への往復の時間をつくるのも難しいかもしれません。そんな人のために現在では、申告書や届出書、記入方法を示した「確定申告の手引き」などを国税庁からダウンロードすることができるようになりました。作成した申告書は、信書便として送付することもできます。

さらに申告手続きをオンラインで済ますことのできる「e-Tax」というサービスもあります。ソフトウェアのインストールや設定、カードリーダーの用意など、準備に手間はかかるかもしれませんが、一度設定してしまえば、書面申告よりもスピーディーに申告できるほか、税金の還付手続きも早くなります。何より、24時間受け付けていることが便利です。今後も申告の必要がある人や、提出に行く時間がつくれない人などは、e-Taxを利用してみるのも良いでしょう。

不動産売却は必ずしも利益が出るものではありません。
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