”古家付きの土地”を売る場合、更地にすべき?それとも、そのままの方がいいの?

  • 公開日:
  • 2018年10月15日
  • 更新日:
  • 2020年09月10日
”古家付きの土地”を売る場合、更地にすべき?それとも、そのままの方がいいの?
古家が残ったままの土地売却を考えた時、解体して更地にした方がよいのか、そのままにした方がよいのか悩みますよね。この記事では、古家付き土地の売却を考えている方に向けて、それぞれのメリット・デメリット、更地にする場合に必要となる費用や税金、そして、売却のしやすい条件についてご紹介していきます。

古家付きと更地とでは、それぞれメリット・デメリットはあります。
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目次

古家付き土地として売却?それとも更地渡し?

古家付き土地を売る場合、"建物が乗ったままの状態で売る場合”と”建物を解体して更地で売る場合”では、どちらが売却しやすいのでしょうか。

「古家付き土地」とは

「古家付き土地」とは文字通り古い建物が建ったままの土地の俗称であり、広告上では「土地※現況古家あり」と表記されます。建物に経済的価値はなく、あくまでも土地の身の価格となります。「中古住宅」として売るか「古家付き土地」として売るかの境界は明確にはありませんが、木造建築物の法定耐用年数を超える築20年以上の木造住宅の建物価値はゼロとみなされ、古家として扱われることが多いようです。

一方「更地」とは、建物や構造物などが何も立っていない宅地で、借地権などがついておらず、購入後すぐにでも新しく建物を建てられる状態の宅地を指します。

中古住宅の流通量は増加中。リノベーション人気も後押しに

日本ではマイホームといえば「新築」であり、土地は更地のほうが売れやすいとも言われてきましたが、マンションや一戸建てと比べると、ゼロの状態から建物を建築するため、買主にとって自由度が高い反面、ハウスメーカーとの打ち合わせなど時間的な負担も大きくなってしまいます。すでに建てられているマンションや一戸建てならば、気に入ればそのまま住むこともできるため、意思決定しやすいことが少なくありません。

さらに、政府は消費型社会からストック型社会へと転換するべく、住宅に関する政策を大きく変えており、安心・安全な中古住宅の供給を促進するためのさまざまな施策が行われています。実際のところ、全住宅流通量(既存流通+新築着工)に占める既存住宅の流通シェアは約14.5%(平成30年)と順調に増加傾向にあり、これからもシェアを伸ばしていくと予想されます。また、近年のリフォーム&リノベーション人気も中古住宅の流通量増加にひと役買っていると言えるでしょう。

「古家付き土地」と「更地」のメリット・デメリットを徹底比較

このように古家といっても千差万別であり、「古家付き土地」と「更地」での売却にはそれぞれ一長一短あります。両者をよく比較して、最善の選択肢を決める判断材料にしてください。

「古家付き」で売る際のメリット・デメリット

建物が乗ったままの状態の場合、買主はその家に住むことをイメージしながら検討できるというメリットがあります。その他のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット①解体費用がかからない

古家付き土地は、解体して更地にしてから売却するのと比べると、解体費用がかからないため、費用面での負担を減らすことができます。解体費用がかからない分、売却価格を安くすることもできるでしょう。

一方で、安くした価格が買主にとって最初に見る価格となってしまうことで、さらにそこから解体費用の負担を求められたり、解体費用分を値引きされたりする可能性があります。

メリット②固定資産税が安くなる

建物が乗っている場合、固定資産税は「住宅用地の軽減措置特例」が適用され、敷地面積の200平米までの部分については6分の1、200平米超までの部分については3分の1とすることができます。「古家付き土地」として売り出せば、腰を落ち着けて売却活動を進められます。

メリット③買主が住宅ローンを利用できる

古家付きの土地だと金利の安い住宅ローンの融資対象になるため、買主側の資金繰りに有利な条件が整います。土地を購入してから家を建てるといった新築計画にも住宅ローンは利用可能ですが、家の設計が完了して、施工会社と工事請負契約を締結した段階からの利用に限定されますので、まずは土地の購入に必要な代金を「先行融資(つなぎ融資)」で用意するといったプロセスが必要となります。

また、古家付きの土地を購入して住宅ローンを利用する場合、借入期間が短くなるケースがありますので注意してください。

デメリット①契約不適合責任を問われる可能性がある

古家付きのまま売却すると、建物の契約不適合責任を問われる可能性があります。

契約不適合責任とは、買主が購入した不動産にシロアリ被害や地中埋没物など見えない欠陥を発見した時に、その補修費用を求められたり、場合によっては解約や損害賠償請求されたりするものです。古家付き土地の売買契約では、あくまでも土地を売り渡すものであって、建物について一切の担保責任を負わないものとする「契約不適合責任免責」の条文を盛り込むと良いでしょう。

デメリット②買い手が付きにくい場合がある

建物が建っていると、買主にとってはすぐ住めるなどの利点がある反面、土地の用途が限られてしまう可能性があります。また建物が古すぎると悪印象につながり、なかなか買い手が現れなくなる場合も。建物の状態だけでなく、埋没物の有無や地盤の固さなど土地の状態についても判別がしづらいため、買い手が付きにくくなることもあるでしょう。

「更地」で売る際のメリット・デメリット

建物を解体して「更地」にしておけば、新築を検討している方にとっては解体費用を負担する必要がなく、土地の形や大きさをイメージしやすいというメリットがあります。一般には更地のほうが売却しやすく、早く買い手が見つかる可能性が高いと言われます。

メリット①流通性が高い

更地は、買主が新築を検討している場合、全体の大きさをイメージしやすく、また、すぐに着工できるなどの理由から、古家付き土地のまま売却するよりも売却は容易です。そのまま住んだり、貸したりするための家として活用できるかどうかで、解体するかを決めるとよいでしょう。

メリット②土地の状態が確認しやすい

古家を解体した土地は、地中埋没物の確認、土壌調査、地盤調査などが容易な状態となります。住宅を建てるには、地盤調査をして、地盤が緩い場合には地盤改良する必要がありますが、古家付き土地は建物が建ってから数年は経っていることもあり、地盤が固くなっている可能性があります。

地盤改良は、浅い部分を改良する表層改良で30万円~、深いところまで必要な時に行う柱状改良で50万円~、柱状改良でも足りない程深いところまで改良が必要な場合に行う鋼管杭で70万円~ほどかかります。特に、過去ずっと田んぼだった土地等と比べると買主としても安心を得やすく、成約につながるポイントになりうるでしょう。

デメリット①解体費用がかかる

古家付きの状態から更地にするには、当然のことながら解体費用を負担する必要があります。一般的に、建物の解体費用は構造により価格が異なり、その相場は木造住宅で3万円/坪、鉄骨住宅で4~5万円/坪、RC住宅で5~6万円/坪程度。30坪の住宅であれば、木造住宅で90万円程度見ておく必要があるということです。

なお、建物の解体の際には、建物内に家具などの残置物を残しておくのか、もしくは回収をお願いするのかによっても価格が変わります。さらに、建物の解体後、土地を整地や測量する必要があることもあります。

デメリット②古屋付きと比べて固定資産税が高い

更地にすると、古家が建っている場合と比べて、固定資産税が2~3倍高くなってしまいます。売れない期間が長くなれば、高くなった固定資産税を払い続けなければならないのです。

これは、更地を駐車場として活用する場合も同様です。特に、中心地にある土地など、固定資産税評価額の高いエリアにある土地には注意が必要です。

古家付きと更地、それぞれにメリット・デメリットがありますが、
売りたい価格時期など総合的に判断して決められると良いですね。

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古家付きのまま売却する場合

ここから「古家付き土地」として売却する方がおすすめの物件と、売却のコツをお伝えしましょう。

古家付き土地のままで売却する方がいい物件

それでは「古家付き土地」で売却する方がいいのはどんな物件なのでしょうか。

建物に価値がある

建物が比較的新しくて、「住む」「貸す」といった使い方に問題がない場合はもちろんのこと、古民家として用途価値がある、伝統的な建物や古くても“味のある”家などは古家付き土地として売却する方が高値になることがあります。「古い家にリノベーションを施して自分たちらしく暮らしたい」と考える若い層などニーズは増えています。

再建築が難しい

建築基準法の改正で建て替えが不可能な土地の場合、古家を立て壊さずに売ったほうがいいでしょう。いったん取り壊してしまうと新たに建物を立てることはできませんが、立地や条件によっては住宅として興味を持ってくれる買い手もいるかもしれません。また、市街化調整区域に指定された土地も再建築が難しくなります。

土地査定価格より解体費用のほうが高い

不動産会社の査定価格よりも、解体会社の解体費用見積もりが高くなってしまう場合も建物を解体しないでおきましょう。

古家付き土地を高く・早く売却するコツ

土地売却を成功させるには、事前に把握しておきたい不動産知識やいくつかの準備が必要になります。詳しい解説は以下の記事に記してありますが、「古家付き土地」の売却は次のようなポイントを押えておくといいでしょう。

「古家付き土地ただし更地渡し可」で売り出す

このような売り方をすることで、建物を新築する土地を探している人と住むための中古物件を探している人、両方の客付けが可能となり、買い手の幅がぐっと広がります。更地渡しをするために必要な費用については事前に把握をしておきましょう。

リフォームするといくらかかるかを把握しておこう

リフォームやリノベーションを目的とした買主に印象付けるために、工事にかかる費用や期間などを調べておくことをおすすめします。買主のイメージが広がることで購入意欲の後押しになるかもしれません。

更地にして売却する場合

次に「更地」として売却する方が良いケースと、解体にかかる費用についてお伝えします。

更地にして売却したほうがいい物件

費用を見越しても「更地」にして売却したほうがいい物件とは次のような場合となります。

建物が古すぎる

古民家としての価値も認められにくいような外観や、著しく老朽化が進んだ建物は、立て壊して更地にしてしまうほうが高く売却できる場合もあります。安全性や耐久性が懐疑的な印象ではリフォームするにしても費用がかさみそうなうえに、物件に対する悪印象を持たせてしまうかもしれません。

建物の耐震性が低い

住まいの耐震性は買い手にとって非常に重要な条件のひとつです。中古住宅の中には新耐震基準を満たさないものも含まれており、昭和56年末までに建築された家は、耐震診断の上で改修工事を行う必要があります。新耐震基準を満たしていないと住宅ローン減税を受けられませんし、改修費用によっては解体するほうが賢明かもしれません。

解体にかかる費用を把握しておこう

さて、更地にする場合、解体費用がどれくらいかかるかが気になるところです。解体費用は建物構造や延べ床面積、地域や立地条件などいくつかの要素で変動します。坪単価での相場は、木造は3.1~4.4万円、鉄骨造の場合が3.4~4.7万円、鉄筋コンクリート(RC)だと3.5~8万円で、一般的な30坪の木造家屋とすると平均100万円程かかると考えましょう。

解体費用には本体取り壊し費用だけでなく、廃棄物の処分費用、近隣への配慮に関わる費用などが含まれています。

解体費用を節約するためのポイント

解体費用を少しでも安く抑えたいという人は以下のポイントをチェックしてみてください。法外に安い解体工事はトラブルにつながる可能性があることも念頭に置き、信頼のおける解体業者を選ぶことも大切です。

・複数の会社から見積もりを取る
・自治体の補助金や助成金を活用する
・家電や粗大ゴミは自ら処分する
・工期を業者に合わせる

どちらにするか迷った時はプロに相談

立地がよかったり、建物の状態がよかったりすると、古家付き土地のままでも売却しやすいですが、立地や古家の状態の判断は私たち素人の目では、なかなか難しいものです。

古家付き土地を売却する時は、自分で判断して先に解体するよりも、まずは不動産会社の担当者に相談して、古家付き土地のまま売却するか、更地にしてから売却するかを決めるとよいでしょう。

不動産会社に相談する際には、一括査定の利用をオススメします。一括査定は、不動産の情報を入力するだけで、立地や今の土地の状況を見て売却方法や価格を査定してもらうことができます。特に、今回のように「更地にすべきか、古家を残すべきか」という課題をしっかりと汲み取って貰えるかどうかは、そのエリアに強い会社、そして担当者の腕にも左右されます。その点、一度に複数の会社から連絡を受けることのできる一括査定とは相性がよいと言えるでしょう。

まとめ

古家付き土地は、そのまま売却する方法と建物を解体してから売却する方法がありますが、どちらにもメリット・デメリットがあります。

立地のよいところにある土地や、住宅設備などが比較的新しいのであれば、古家付き土地のままで売却する、という選択肢は大いにあります。とは言え、立地や建物の判断は素人目にはなかなか難しいですし、可能であれば、一括査定を活用し、そのエリアの特徴などを踏まえて適切なアドバイスを施してくれる不動産会社の担当者を見つけることが大切です。

古家付きと更地とでは、それぞれメリット・デメリットはあります。
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逆瀬川 勇造

監修逆瀬川 勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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