- 不動産売却の第一ステップはスケジュール作成。売却完了まで6か月程度の期間を見込んでおきましょう。
- 物件の価格を把握するためにも査定依頼は欠かせません。実際に建物を調査して価格に反映させる「訪問査定」がおすすめ!
- 不動産売却を行った年の翌年3月には、譲渡所得の確定申告を忘れずに行ってください。
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目次
マンション売却の流れを把握して注意点をおさえることが重要!
STEP1.まずは全体の流れを掴み、スケジュールを立てる
マンションの売却期間は早くて3カ月、通常6カ月が目安
売却完了まで、準備を始めてから早くても3か月、通常6か月程度の期間を見込んでおく必要があります。
Step1.スケジュールを立てる | 数日から1週間程度 |
---|---|
Step2.必要書類を揃える | |
Step3.査定を依頼する | 10日程度 |
Step4.不動産会社と媒介契約を締結する | 1週間程度 |
Step5.売り出し価格を決める | 1週間から10日程度 |
Step6.売却活動を始める・内見準備をする | 3カ月程度 |
Step7.購入申し込みが入る・価格条件を交渉する | 数週間から1カ月程度 |
Step8.売買契約を結ぶ・物件を引渡す | 1~2カ月程度 |
【早く売るコツ】マンション買い替えの際は資金繰りに注意!
マンションを売却した後に新しい住まいを探すのであれば資金に余裕ができますが、仮住まいの費用や2度の引っ越し費用がかかります。タイミングよく新しい住まいが見つかって現在の住まいからそのまま引っ越しできれば手間と費用の負担は軽いものです。
しかし、新居購入の契約金などの費用が売却代金をもらう以前に必要となりますので、その資金繰りを考えなければなりません。
また、住宅ローンを完済しないまま新居の住宅ローンを組むには、買い替えローンを組むことが考えられますが、残債額によっては条件が厳しい場合もあります。早めに金融機関にローンの相談をしてみることをおすすめします。
【早く売るコツ】投資用マンションの売却の場合
また、賃貸借契約を引き継ぐオーナーチェンジが一般的であるために、賃貸借契約の内容次第では買い手がつきにくいことがあります。そのため、賃貸借契約の内容を把握しておく必要があります。
たとえば、相場よりも安い賃料で貸している場合であれば、入居者が退去のタイミングで売り出しをするのもアリです。また、きちんと管理をしている証として修繕履歴などのデータを残して、新しい大家さんが安心できる状況を整えておくことが大切です。
【高く売るコツ】マンションの売り時を逃さない!
また、築年数や立地条件や間取りなどについては、マンション販売に慣れている販売担当者の意見を聞いてみましょう。たとえば、売却時期を早める、あるいは少し後にずらすだけで売れ行きが変わることもあります。
STEP2.必要書類を揃える
書類名 | 取得場所 | |
---|---|---|
権利関係に関する資料 | 土地・建物登記簿謄本 | 法務局 |
登記識別情報 | 購入時に取得済 | |
固定資産税評価証明書 | 市役所など | |
固定資産税納税通知書 | 毎年郵送にて受け取り | |
売買契約書・重要事項説明書 | 購入時に取得済 | |
物件に関する資料 | 土地測量図・建物図面 | 購入時に取得済 |
販売時のパンフレット | 購入時に取得済 | |
マンション管理規約 | 購入時に取得済 | |
大規模修繕計画 | 購入時に取得済 | |
売主個人に関する書類 | 住民票 | 市役所など |
印鑑証明書 | 市役所など | |
遺産分割協議書 | 相続などの場合 |
共有名義や相続で取得したマンションは権利関係を確認!
【早く売るコツ】相続したマンションは期限までに遺産分割協議を
もっとも、相続人が近くに住んでいなかったり、連絡が滞っていたりする場合には、話し合いがまとまらないこともあるでしょう。
その際には、マンションを売却して売却資金を分割する「換価分割」も1つの選択肢です。金銭での分割になるため、明確に分割することができ、協議が長引くことを避けることができます。
【早く売るコツ】共有のマンションの場合
共有者としっかり話し合い、場合によっては共有持分を買い取ることも視野に入れて手続きを進めるのがよいでしょう。
STEP3.査定を依頼する
査定の種類を知って使い分けよう
訪問査定とは、机上査定のデータを参考にするほか、実際に建物を訪問して、外観・内装の傷み具合を調査して価格に反映させる方法です。
机上査定はデータのみを参考にするために、どこも似通った査定になりがちです。売却することが決まっているならば、初めから訪問査定を依頼してもよいでしょう。
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【早く売るコツ】査定時に担当者の対応を見極めよう
見た目の印象や言葉遣い、査定価格の理由をきちんと説明できたか、対応は誠意のあるものだったか、などが判断材料になります。
STEP4.不動産会社と媒介契約を締結する
媒介契約の種類は3種類
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
他業者への同時依頼 | 複数社可能 | 1社のみ | 1社のみ |
自己発見取引 | 〇 | 〇 | ✕ |
報告義務 | なし | 1週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
契約期間 | 原則なし | 3カ月以内 | 3カ月以内 |
レインズへの登録義務 | なし | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 |
【高く売るコツ】物件の特徴と売り方で媒介契約を選ぼう
専属専任媒介契約は手厚いサポートを受けられますが、知り合いや親族が対象物件を購入したいと申し出てきても不動産業者を媒介にして契約する必要があります。
どれが良いか迷うところですが、媒介を依頼する以上は、1社にまかせたほうが信頼関係を築くことができるため、専任もしくは専属専任を選ぶケースが多くなっています。
STEP5.売り出し価格を決める
簡単かつ正しいマンション売却相場の調べ方
【高く売るコツ】価格戦略を練っておこう
相場は客観的なものですが、売却までのスケジュールに余裕があるのか、資金調達の目処はついているかなど、個別的な事情を加味して売却価格を決めていくのも1つの方法です。
何事も余裕があったほうが強気の価格提示をすることができます。
マンション売却に必要な費用・仲介手数料・税金
費用項目 | 支払い タイミング | 費用目安 |
---|---|---|
印紙税 | 売買契約時 | 売買金額に基づく。1~2万円が目安 |
仲介手数料 | 売買契約時~ 引き渡し時 | (売却額×3%)+6万円を上限とする (取引額400万円超の場合) |
繰り上げ返済手数料 | 決済時 | 金融機関へ支払う手数料。 5000~3万円が目安 |
登記費用・ 司法書士報酬 | 決済時 | 抵当権抹消登記・所有権移転登記など の費用。司法書士に依頼して2万円前後 |
引越費用 | 引渡し前 | 業者によって変動あり |
譲渡所得税 | 確定申告時 | 売却益が出た場合にかかる税金 |
ハウスクリーニング費用 (必須ではない) | 内覧前 | 水回り中心で5~10万円 (業者によって変動あり) |
【早く売るコツ】お金の流れをシミュレーションしておこう
STEP6.売却活動をはじめる・内見準備をする
買主からの印象アップにつながり、その後の契約交渉をスムーズに進めることができます。
ターゲット設定とアピールポイント整理
また、第三者視点で物件のアピールポイントを考えてみましょう。大規模マンションであれば充実した共有施設や広い中庭、エントランスが魅力です。
物件の耐震・免震構造といった建物構造や、最寄り駅周辺の雰囲気、公共交通機関や学校・病院・公園などの周辺環境もアピールポイントになります。
主観と客観の両面で物件のアピールポイントを整理しておくことが重要です。
【高く売るコツ】物件広告に工夫を!
売り出し中の自宅がどのように広告掲載されているのかをチェックすることで、買主の気持ちになって物件を見ることができます。
【早く売るコツ】内見は清潔感がキーポイント
STEP7.申し込みが入る・価格条件を交渉する
買付証明書チェックと交渉のテクニック
・対象物件の概要(地番・地目・家屋番号など)
・購入希望価格
・手付金の額
・契約締結時期
・引渡し希望時期
・ローンの有無
・買付証明書の有効期限
・そのほか希望すること
買付証明書などの提示によって買主の購入希望金額や条件が伝えられます。売り出し価格と差がある場合には、価格交渉や条件交渉のスタートになります。
【早く売るコツ】値下げするなら条件をチェック
現況引渡しとする
現況引渡しとすることで、修繕費や設備の更新費用を節約することができます。
引渡時期を延ばす
新居を購入するのであれば、引渡時期を延ばしてもらうことは有利になります。
手付金を多くしてもらう
引渡しまでに引っ越し代やクリーニング代などを負担しなければならない時には、手付金を多めに支払ってもらうのもよいでしょう。
STEP8.売買契約を結ぶ・物件を引渡す
売買契約の流れ
わからないことは納得するまで不動産業者の担当者に質問してみることです。とくに、契約交渉において特約として合意した事項についてきちんと条項に追加されているかについては、見落とさないようにチェックしましょう。
契約後は引渡しの準備と引っ越しの準備をします。引渡し当日までに、ゴミや雑草などは処分し、残置物がないようにしなければなりません。
引渡日当日には、代金決済と住宅ローンの抵当権抹消手続き、そしてマンションの鍵と重要書類を引渡して完了となります。
【早く売るコツ】契約不適合責任に注意
契約書は通常ひな形を基に作成されるため、ごくまれに事前の合意事項が明確に盛り込まれていないこともあります。とくに、契約不適合責任の内容がどのようになっているかについては、トラブルになりやすい事項ですので注意しましょう。
【早く売るコツ】抵当権抹消手続きを確認
確定申告も忘れずに!
特例を使うことで譲渡所得がゼロだからといって確定申告をしなくてもよいわけではありません。特例の適用は確定申告をすることが条件となっていますので、忘れずに行いましょう。
【高く売るコツ】税金の軽減措置を確認しよう
もっとも、相続で取得したマンションなど古い建物については譲渡所得の計算が複雑になることもありますので、不安な時には税理士などの専門家に相談してみるとよいでしょう。
保有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
5年以下 | 短期譲渡所得 | 30.63% | 9% | 39.63% |
5年超10年以下 | 長期譲渡所得 | 15.315% | 5% | 20.315% |
10年超 | 軽減税率の特例 | 6000万円以下: 10.21% | 4% | 14.21% |
6000万円以上: 15.315% | 5% | 20.315% |
マンション売却に関するよくある質問
- 売却するのと賃貸に出すのとでは、どっちがいいですか?
- いまのマンションの住宅ローンがすでに完済されているのであれば、賃貸に出すこともひとつの選択肢といえます。賃貸は、資産を所有しつつ、継続的な家賃収入が得られる可能性があります。
しかしながら、空室リスクとは常に隣合わせであり、管理の手間や毎月の支出が発生すること、一定期間収益物件として保有した後の出口戦略についても検討する必要があります。 - 内覧対応に際してリフォームをした方がいいのですか?
- 必ずしもリフォームをする必要はありません。売買価格に左右されるのはリフォームの有無ではなく、立地や築年数が大半であり、マンション購入者のほとんどは自分たちで新たにリフォームをすることが多いからです。
とはいえあまりにも状態が良くない場合(例:壁に穴が空いている、ドアノブが壊れている等)には、心象が悪いですし、値下げ交渉の材料とされる可能性もありますので、最低限の改修は行った方がよいといえます。 - ローンの滞納がある場合でも売却はできますか?
- ローン残債を抱えた上でローンの支払いが厳しい場合にも売却の検討は可能です。ただし、すでに滞納が始まっている場合には、最悪の場合、お手持ちのマンションが差し押さえられ、競売に掛けられる可能性があるため、なるべく早い段階で金融機関に相談しましょう。
- マンションが売れやすい時期ってあるの?
- マンションが売れやすい時期は、一般的には1~3月の春先と9~11月の秋口と言われており、入学、転勤、異動など変化のあるタイミングです。
売却時期に関しても、たとえば、売れやすい時期に市場に出したり、一方で、この時期で売れ残ってしまう場合は値下げの検討が必要など、価格設定のポイントとしてみておくのもよいでしょう。
ただ近年は時期に関係なく売れてしまう場合もあります。 - 借地権付きマンション の場合でも売却することは可能ですか?
- 立地の良い都心のマンションなどは、定期借地権付きマンションのケースも多く、デメリットを把握して適切に売り出すことで、借地権付きマンションでも売却することが可能です。
詳しくは定期借地権付きマンションの売却の記事を参照してください。
まとめ
時間がとれるうちに、資金計画・売却スケジュールの策定、情報収集や必要書類の整理などの準備をしておくことで、余裕を持って売却活動をすることができます。
皆さんのマンション売却の成功をお祈りしています。
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この記事の監修者
不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー
アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。
個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。
WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)など。