- 土地が売れない理由の多くは、相場よりも土地の売り出し価格が高いためです。
- 条件に見合った価格にしたり、外観を整えたりすることで、売れない土地も売れる可能性が高まります。
- 仲介で売れない場合は、買取業者への依頼や国への贈与&寄付をすることで土地を手放せます。
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目次
土地が売れない原因
価格が高い
以下は、筆者が独自に収集した千葉県内における「坪単価1万円以下かつ価格100万円未満の取引」の件数を表したグラフです。千葉県内では、条件に当てはまる取引が1年間で31件ありました。

※本稿で用いた千葉県内における「坪単価1万円以下かつ価格100万円未満の取引」データ(対象期間:令和6年6月~令和7年4月、N=31件)は、株式会社グロープロフィットが提供する売買物件検索サービスに掲載された成約事例に基づき、筆者が独自に抽出し集計したものである。
坪単価1万円以下の土地は、価格が10~30万円のゾーンで取引件数が急激に増えている点が特徴です。(「30万円以上40万円未満」は実際には30万円が7件です。)価格が10~30万円は、全体のうち約65%を占めています。
土地の条件が悪い
ただし、今の価格が条件に見合った価格設定ではないことが売れない理由であるため、条件の悪さを土地価格に反映することで是正されます。
古家が残っている
古家が残っている土地は、建物の解体費用を買主で負担します。解体費用は住宅ローンでは組めないことから、自己資金で用意する必要があります。自己資金で解体費用を負担してまで土地を購入する個人は少ないことから、古家付きの土地は著しく売りにくくなります。
また、解体費用が土地価格を上回るケースでは、買取でも不動産会社に購入を断られてしまうことが普通です。買取とは、再販を目的とした不動産会社に下取り価格で売る方法のことを指します。解体費用が土地価格を上回る物件は、不動産会社が転売益を確保できないことから、買取の対象にはなりません。
再建築ができない
接道義務とは、原則として幅員が4m以上の建築基準法の道路に間口が2m以上接していないと建物を建てることができない規定のことです。
建物を建てるには土地が接道義務を満たしている必要があり、無道路地は土地の利用価値が著しく劣ることから売却が困難となっています。
市街化調整区域内の土地である
そのため、市街化調整区域内の土地は原則として建物を建てることができず、土地の利用価値が著しく劣ることから売却が困難となっています。
処分したい土地を売るための5つの準備
1.宅地は境界を確定しておく
宅地の取引の場合、通常は土地の境界が全て確定していることが買主側からの条件となります。確定すべき境界は、隣地との民民境界だけでなく、道路との官民境界も含めた全ての境界です。
全ての境界が確定している土地は、確定測量図または確定実測図といった「確定」の名の付く実測図があるはずです。確定測量図を持っていればその土地の境界は全て確定しているため、そのまま売ることができます。もし、確定測量図がない場合には、測量会社に依頼して確定測量を行うことが必要です。
なお、農地や林地の売買では境界を確定せずに売るケースも多くあり、その場合の確定測量は不要となります。
2.家は取り壊しておく
近年は、自治体が解体費用の一部に対して補助金を出すケースが増えてきました。築年数などが補助金の要件に該当すれば、補助金を使いながら取り壊せる可能性もあります。そのため、解体する場合には自治体の補助金制度を調べてから実施することをおすすめします。
3.外観を整える
不法投棄のゴミがある場合は処分し、立木も伐採しておきましょう。雑草も除草してきれいな状態にし「いかにも売地」であることが分かるようにしておくとさまざまな人の目に留まるため、売却しやすくなります。
実際、田舎でも売れる土地は見た目がきれいなケースが多くあります。商品としての見た目の美しさは、土地においても重要といえるでしょう。
4.隣地住民へ自ら打診する
隣地住民に売る場合は、自ら打診することが望ましいです。不動産会社を介してしまうと、隣地の人が仲介手数料の発生を懸念して購入を見送る恐れがあります。また、隣地住民からすると、「売主と不動産会社」対「買主」という2対1の関係となるため、最初から不利な状況に感じてしまいます。
売主が直接打診すれば、1対1の対等な関係であることから隣地住民も前向きに検討しやすくなるでしょう。
5.買主が払う諸費用を負担する心づもりでいる
よくある条件は、通常は買主が負担する費用を売主側が負担するというものです。通常土地の売買では、買主が負担する費用として固定資産税の精算金や所有権移転の登録免許税、不動産取得税などがあります。
これらの費用の免除、または売主が支払う、値引きなどを行うことで、ようやく話がまとまることも多くあります。買主が負担すべき諸費用の負担を要求されたら、快諾する心づもりでいましょう。
売れない土地を売る8つの方法
1.価格を大幅に下げて仲介で売る
すでに3か月以上経っても売れない場合は、媒介契約(仲介の契約のこと)を解除して不動産会社の切り替えも検討しましょう。再設定する価格の目安としては、単価は坪1万円以下、かつ価格は30万円以下です。10~30万円の価格帯にすると売却できる可能性が大きく上がるため、思い切って価格を見直すことをおすすめします。
不動産会社を切り替える際は、地域の相場に精通している地元の不動産会社にも相談することが適切です。再度査定を依頼し、近くの土地の成約事例も教えてもらいながら、価格を再設定することが望ましいといえます。もし、40万円以上の売り出し価格で売れない場合は、価格がまだまだ高過ぎるということになります。
2.専門の買取会社に売る
3.贈与する
贈与は必ずしも親族間だけで行われるものではなく、個人間であれば第三者へも可能です。隣地住民が「贈与であればもらいたい」という場合には、無償で手放すことも選択肢のひとつです。ただし受贈者に贈与税の負担が発生する場合があります。
4.個人間売買で低廉な価格で売る
ただし、通常の市場価格よりも低い価格で売却する場合、税務上の取り扱いに注意が必要です。土地の売買においては、贈与と異なり「金銭の対価」が発生するため基本的には贈与税の対象にはなりません。しかし、売買価格が時価の70%未満など著しく低い場合には、その差額が贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があります。
さらに、売主側には、売却価格にかかわらず譲渡所得税の申告義務が発生する可能性があるため、双方で税務確認を行うことが望まれます。
トラブルを防ぐためには、第三者による適正価格評価の取得が望ましいと言えます。また、個人間売買を行う場合はリスクも事前に把握しておくとよいでしょう。
第三者による適正価格評価は、
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5.自治体に売るまたは寄付する
たとえば、公有地の拡大の推進に関する法律(公有地拡大法)では、自治体が公共目的で必要とする土地を買い取ることができます。道路の拡幅や公園・駐車場の整備などに活用できると判断された場合、買い取りが実現する可能性があります。
ただし、すべての土地が対象になるわけではなく、自治体の用途計画や予算状況に左右されるため、まずは事前に相談することが重要です。
また、公園として活用できるような広さがあり、かつ管理のしやすい土地の場合、自治体によっては土地の寄付を受け入れている場合もあります。
ただし、管理コストがかかる、形状が悪い、境界が不明確などの理由で寄付を断られることもあるため、こちらも事前に自治体へ相談しましょう。
6.空き家バンクに登録する
また、不動産会社に仲介や買取を断られた物件でも掲載できる点がメリットです。空き家バンクで掘り出し物の土地を探している人も一部存在するため、売却の機会を広げるという意味では一定の効果を期待できます。
7.相続土地国庫帰属制度を利用する
ただし制度の対象となるのは、建物が存在せず、境界が明確で、管理に特段の支障がない土地に限られます。たとえば、古家が残っている場合にはあらかじめ取り壊しておく必要があります。
また、これは売却や寄付とは異なり、申請に基づく審査を経て国に所有権を移る仕組みです。利用にあたっては、土地の種類に応じて「10年分の標準的な管理費」に相当する負担金を納付することが必要となります。
8.相続放棄をする
相続放棄とは
ただし相続放棄は、要らない土地だけを放棄することができないため、マイナスの財産(借金など)だけでなくプラスの財産(現金や土地など)も一切相続できなくなる点に注意が必要です。
また、相続放棄を選択すると撤回できないため、ほかに相続したい財産がある場合には慎重に判断しましょう。
相続放棄の注意点
まとめ
売却困難な土地が10~30万円程度の価格で取引されている現実に驚いた方もいるかもしれません。ですが、本当に土地を手放したいのであれば、過去の価格と比較せず、現在の土地の価格相場を受け入れることも必要といえます。
もし、紹介した売却方法でも売るのが難しい土地の場合は、プロの不動産会社に依頼して売るのがもっとも効率的です。土地が売れれば固定資産税などの維持費から解放されるメリットもあるため、再度査定を依頼し、大幅に価格を下げたうえで売却に再チャレンジするのはいかがでしょうか?
どうしても土地が売れずに困った時は、不動産の専門家に相談をしてみるのがおすすめです。
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この記事の監修者
不動産鑑定士/中小企業診断士/宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。
不動産鑑定士と中小企業診断士の資格を活かした不動産鑑定のほか、専門性の高い不動産Webライターとして活躍する。
各種著名メディアにおいて、相続関連や空き家の処分方法に関する取材対応の経験あり。





売れない土地でも価格を30万円以下に設定すれば売れる可能性が非常に上がります。もし、40万円以上の売り出し価格で売れない場合は、価格がまだまだ高過ぎるということになります。