不動産買取とは|家を高く売る場合は買取と仲介どっちがいい?

2024.02.27更新

この記事の監修者

吉崎 誠二

吉崎 誠二

不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産買取とは|家を高く売る場合は買取と仲介どっちがいい?

仲介と買取の違い、メリットやデメリットの説明に加えて、仲介と買取のどちらに向いているのかをケースごとにご紹介します。

この記事のポイント
  • 不動産買取とは不動産会社に直接家を買い取ってもらう方法です。
  • 不動産買取のデメリットは市場価格よりも1~3割ほど安くなること。
  • 仲介か買取か?自身の条件や物件の特性に合わせて選ぶようにしましょう。
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目次

不動産買取とは?

不動産会社に家や土地を買い取ってもらう「買取」という売却方法には、どのような特徴があるのでしょうか。

不動産売却の「仲介」と「買取」の違い

不動産売却の方法として一般的なのは、不動産仲介会社(不動産流通会社とも言います)に不動産の価格査定をしてもらい、媒介契約を結び、広告等を出して買主を探す「仲介」です。一方で、不動産会社に直接買い取ってもらう方法が「買取」です。

「仲介」は売主と買主の間に不動産会社が仲介業として入り、売買契約を取りまとめます。一度媒介契約を締結すれば、広告や内見(物件の見学)などの販売活動を行うのは不動産会社です。

一方、売主と買主を仲介するのではなく、不動産会社が買主となるのが「買取」です。売主は不動産会社と直接価格などを交渉し、条件がまとまればすぐに契約をに進めることが可能です。広告や内見などの販売活動を行う必要がありません。
不動産買取不動産仲介
買主不動産会社個人
期間条件などが合えば短期間で売却可能買主が見つかるまで
価格相場価格の7~9割(市況による)相場価格程度
契約不適合責任免除の場合あり
費用仲介手数料不要仲介手数料
広告や内見(販売活動)しないする
買取の最大のメリットは売却まで、つまり現金化までの期間を短くできることです。デメリットは売却価格が相対的に安くなってしまうことです。これについては、後ほど詳しく解説します。

不動産買取には2種類の方法がある

不動産買取には、即時買取と買取保証の2つの方法があります。

1.即時買取

即時買取とは、買取額の交渉が終わり次第、不動産会社がすぐに買い取ってくれるというものです。最短5日~1週間(営業日ベース)、長くても1カ月以内で売却できるようです。

物件の価格査定は行われますが、訪問査定1回で済む場合がほとんどです。仲介ではないため、購入希望者が内見にやってくることもありません。

市場での販売活動は一切行われず、現金化までの時間も短くて済むため、すぐにローンを返済する必要があったりお金が必要だったりする時にオススメです。ただし、市況にもよりますが、市場価格より1~3割ほど安い価格での売却となるため注意が必要です。

2.買取保証

買取保証とは即時買取と仲介を組み合わせたような仕組みです。一定期間、仲介を目的とした販売活動を行い、その間に契約がまとまらない場合は、不動産会社と事前に約束した金額で買い取ってもらうというものです。

仲介による売却には、いつ物件が売れるのかが分からないというデメリットがあります。しかし、買取保証はそのデメリットを克服しつつ、期間内に成約すれば市場価格で売却できるという強みがあります。買取保証における仲介期間は、3カ月程度に設定することが多いようです。

なお、期間内に仲介で売買が成立した場合、仲介手数料を支払う必要がありますが、期間内に決まらず買取となった場合には、前述のように価格が安くなる可能性がありますが、仲介手数料は発生しません。

不動産買取のメリット

不動産買取にはいくつかのメリットがあります。

【メリット①】仲介手数料がかからない

不動産会社に仲介してもらい不動産を売却する場合、仲介手数料というかたちで報酬を支払わなければなりません。仲介手数料は法律で上限が定められています。売買価格が400万円以上であれば3%+6万円+消費税が上限です。

たとえば、3,000万円の物件であれば3,000万円×3%+6万円+消費税で計103.68万円もの手数料を支払わなければなりません。

一方、不動産買取では仲介手数料を支払う必要がありません。不動産会社が買い取った物件をそのまま転売したり、時にはリフォームやリノベーションを施して新たな商品として販売することもあります。

【メリット②】短期間で手放すことができ現金化しやすい

すでにお伝えしたように、買取の最大のメリットは現金化しやすいという点です。

買取金額の交渉がまとまればすぐに売買契約を行い、所有権移転登記手続き等と同時に、現金が振り込まれます。すぐに現金化したい理由がある時には即時買取を、時間に余裕がある時には買取保証を選ぶと良いでしょう。

【メリット③】契約不適合責任が免除される

不動産の売買では、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)が問題になります。

契約不適合責任は、契約内容と異なるものを売却したときは、売主が債務不履行の責任を負うという責任です。契約不適合責任では、売却物件の内容が契約書に「書かれていたかどうか」が非常に重要です。

たとえば、雨漏り、シロアリ被害などの欠陥を契約書に書かれてない場合、不動産を売却した後、こうした事項を売主が補修の対応をしたり、場合によっては契約を解除されたりする可能性があります。しかし、不動産買取の場合には、相手側(=買主)が宅建業者の場合、相手方はプロという扱いですから、契約不適合責任は免除されます。

契約不適合責任とは

2020年4月、民法改正により瑕疵担保責任が「契約不適合責任」に変更されました。 売却に伴うトラブル回避のためにも、売主としては瑕疵担保責任および契約不適合責任の概要について知っておくのは大切なことです。

【メリット④】近隣の人に知られることなく売却できる

不動産会社に仲介を依頼した場合、エリアを絞ってチラシを撒くなどして販促活動を行うのが一般的です。また、週末に見学会を開催したりすると、近隣の人に売却することが知られてしまいます。

もちろん、仲介でも不動産会社に事前に要望を伝えればチラシを撒く範囲を限定したり、見学会を開催しないで販売を進めたりすることもできますが、買主を見付けられるスピードは落ちるでしょう。一方、買取の場合は売主と不動産会社でのやり取りとなるため、近隣の人に知られることは少ないようです。

不動産買取のデメリット

次に、不動産買取のデメリットをお伝えします。

【デメリット①】市場価格よりも1~3割ほど安くなる

不動産買取による方法では、売却価格が安くなるのが一般的で、物件や市況にもよりますが市場価格より1~3割程安くなります。こうして買い取った物件は、不動産会社は新たな商品として、再販することが多いようです。

再販に際して、リフォーム費用やメンテナンス費用がかかりますし、再販時の利益を上乗せすることを考慮すると、市場価格より安い価格で買い取る必要があるわけです。

【デメリット②】 買取不可な物件もある

物件の状態や立地エリアによっては買取を断られることもあります。リフォームや修繕を施して再販しても需要がなさそうなエリアや、わけありの物件など、利益が見込めない物件は難しい場合もあります。
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「仲介」と「買取」どちらを選ぶべき?

不動産売却は仲介による方法と買取による方法、どちらを選べば良いのでしょうか。

仲介に向いている条件

仲介に向いている条件には以下のようなものがあります。

・売却金額は下げられない
・売却時期はいつでも良い
・築浅物件を売却する
・立地の良い不動産を売却する
仲介に向いている物件は、立地が良かったり、築浅物件だったりと、そのままの状態でも充分な商品力がある場合です。また、時間がかかってもよいから1円でも高く売りたいと言う場合には仲介を選んだ方が良いでしょう。

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買取に向いている条件

一方、具体的に以下のような条件では買取が向いていると言えます。

・すぐに現金化したい(即時買取)
・現金化したい時期が確定している(買取保証)
・仲介手数料などの経費を支払う余力が手元にない
・売却していることを知られたくない
・築年数の古い物件を売却する
具体的に、転勤が決まっておりすぐに売却したい場合や、遠方地の不動産を相続した場合など、売却に手間をかけたくないなどの理由で買取が選ばれることが多いようです。

また、リフォーム・増改築工事を行ったり、解体して更地にするなどすれば売却できるが、そのための費用を捻出できない場合には買取で現状のまま売却するといいでしょう。

こんな物件ならはじめから買取を検討して

向いている、向いていないを判断する前に、以下のような条件の物件であればはじめから買取を選択肢とすると良いでしょう。
①仲介で1年以上売れない
仲介に出して1年以上売れない物件は、1年間の販売活動を通して、とくにそのエリアで不動産の購入を検討されている人には認知されているはずです。それにも関わらず売買が成立せず、また、その後も売却活動を続けるとなると「売れ残り」物件と判断されて、さらに売却するのが難しくなってしまいます。

こうなると、売却価格を値引きする必要があるのですが、値引きを繰り返してどんどん安くしていくよりは、早いタイミングで買取を検討した方が良いケースが多いでしょう。

売出し開始時に市場よりも高く価格設定をしてしまうと、客付きが悪くなり、結果的に価格改定(減額)を繰り返すこともありますので、注意しましょう。

吉崎 誠二
吉崎 誠二
②築年数が古く、立地が悪いなど市場で売れづらい
不動産の売買は立地の影響が大きく、立地の良い物件であれば売出してすぐに売れる可能性が高くなります。一方、立地が悪く、さらに築年数が古い、耐震性に不安があるなどの悪い条件が重なってしまうと仲介で売却するのは難しくなります。

売却するためにリフォームやメンテナンスなどの事前の費用や手間をかけるより、最初から現況渡しで不動産会社に買い取ってもらい、プロの手で商品化してもらった方が最終的にはお得となるケースもあります。
③ワケあり物件である
接道義務を果たしていない物件や、自殺や事故など心理的瑕疵のある物件は市場で売却することが難しいようです。接道義務を果たしていない物件であれば、周辺の物件とまとめて有効活用するなどの方法があるため、不動産会社に売却した方が有利となる可能性が高くなるでしょう。

事故物件の場合も同様です。いずれにせよ、市場価格よりかなり安くなってしまうことは覚悟しなければなりません。

売りたい物件の条件を見極めて、
ベストな判断をするのが成功のコツです!

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不動産買取業者の選び方

仲介による売却でも、買取でも業者選びが重要です。

即時買取では不動産会社に直接買い取ってもらうため、価格査定が重要です。できるだけ高い価格を提示する業者を探す必要があり、そのためには多くの業者に価格査定をしてもらうことが大切です。買取一括査定なら、複数社の買取価格を比較検討することができるので、買取成立までの時間と手間のさらなる短縮が可能です。

しかしながら、買取再販業者のなかには異業種参入も増えており、信頼できる業者かどうかの見極めが必要となります。メリット・デメリットを踏まえたうえで、仲介か買取かも十分検討しましょう。
仲介は価格査定が重要なことに違いはありませんが、単に査定価格の高いだけの不動産会社を選ぶのは問題です。高い査定価格を出し、先に媒介契約を締結して、売却活動中に値下げを繰り返す不動産会社も存在するからです。

そのような不動産会社を避けるためには、自分の売却する不動産と同じタイプや同じエリアの物件で販売実績が豊富な不動産会社を選ぶとともに、査定価格の根拠を聞いた上で信頼のおける会社を選ぶようにしましょう。

仲介による売却でも買取でも、基本的には複数の不動産会社に査定を受けるのがオススメです。買取保証をつけて売却活動をする場合、不動産会社が熱心に動かないケースもあるので、売却活動報告を聞き漏らさず、気になることは改善要望を出すなど主体的に関わるようにしましょう。

不動産買取に関するよくある質問

不動産買取に関するよくある質問をまとめてみました。
不動産の買取には費用はかかるの?
不動産買取には仲介手数料などは必要ありませんが、不動産を手放すときにかかる費用は仲介のときと同様です。印紙税や登記に関わる費用、売却益に応じた譲渡所得税などです。売却に必要な費用に関しては不動産売却の費用の記事で詳しく解説しています。
不要な家具や家電は自分で処分しないといけないの?
業者によっては残置物(不要な家具や家電など)をそのまま引き取ってくれるケースもあります。ただし、処分費用を買取価格からあらかじめ差し引かれたり、別途請求される場合もあるので、事前の相談が必要です。
他社の仲介で売りに出していますが買い取ってもらえる?
仲介を依頼している会社との契約形態が「専用専属媒介契約」の場合、買取も仲介手数料を請求する企業もあります。契約期間の満了を待つか、契約解除の手続きが必要です。それ以外の媒介契約であれば、不動産買取に変更しても問題ありません。
住宅ローンが残っていても買取してもらえる?
住宅ローンの残債がある場合でも、買取は可能です。この場合、買取金額がローンの残債を上回ることが条件と言えるでしょう。もし、下回る金額でも売却したいのなら、不足分を現金で用意しなければなりません。決済時に決済金の中から残債分を返済し、抵当権の抹消登記と所有権移転を行います。
買取専門業者と仲介も行っている業者どちらがいい?
買取を請け負う業者は、不動産を直接買い取り、再販するのを主な業務とする不動産買取専門会社と、仲介も行っている不動産会社の2種類に分類できます。不動産買取専門業者は、市場に流通しにくい物件でも買い取ったり、素早く現金化してくれるというメリットがあります。

一方、仲介も行う業者の場合、売却の手段として、買取だけでなく仲介での売却を提案してもらえるというメリットがあります。早く売りたいのか、それともなるべく高く売りたいのか、条件に合わせて選択すると良いでしょう。

まとめ

不動産売却は仲介による方法が一般的ですが、買取に適した状況もあります。ご自分の条件や物件の特性に合わせて、仲介なのか買取なのか、またその両方の特性を併せ持った買取保証なのかを選べば良いでしょう。また、買取を選んだ場合も、仲介と同じく不動産会社の比較検討は必須です。

「買取」と「仲介」。
手段は違えど業者選びの大切さは変わりません。

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この記事の監修者

吉崎 誠二

吉崎 誠二

不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルなどを行うかたわら、ラジオNIKKEI「吉崎誠二の5時から”誠”論」などテレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間多数。著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)など11冊。

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