- 楽観的な売却価格の設定をしたために資金計画が狂い、住み替えに失敗したケースも珍しくありません。
- 「売り先行」では仮住まいが必要になりますが、なかなか新居が決まらず家賃負担が増加し資金計画全体に影響が生じる場合もあります。
- 新居のための住宅ローン融資額、自己資金や売却益、取得予定の住宅価格など、バランスを考えて資金計画を立てましょう。
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目次
家の住み替えは難しい?失敗パターンから学ぼう
この記事では住み替え計画で起こり得る代表的な失敗例について紹介し、失敗を回避するためのポイントについて解説します。
「売却」で失敗するパターン
売却価格の設定が甘かった
・Aパターン:売却代金から資金計画に充当できる資金が生じる
・Bパターン:売却代金からは資金計画に充当できる資金が生じない
どちらの場合も売却価格は重要であり、当初の資金計画において楽観的な売却価格の設定をした場合、想定を大きく下回った売却になると資金計画そのものが成立しません。
売却スケジュールが狂った
売却予定の住宅に住宅ローンの債務が残っている場合は、新規の住宅取得時期までに売却できなければ計画は中断しなければなりません。
予定していた時期までに売却できない原因としては次のようなケースがあります。
「売り買いのタイミング」で失敗するパターン
新居がみつからない
「売り先行」では売却後に「仮住まい」をしなければなりませんが、新しい住まいが決まるまで不便な生活を強いられることもあり、あるいは家賃負担が増加し資金計画全体に影響が生じる場合もあります。
2~3か月程度で新規の家探しができると予定していた場合、1年経過、2年経過となると資金計画にも狂いが生じてしまうのです。
ダブルローンの返済と税負担が重い
そのため、以前の住まいを売却する前に新しい住まいを取得できるので、焦って売却する必要もなく仮住まいの必要もないといったメリットがあります。しかし2つの住宅を所有することになり、所在地によっては固定資産税負担が大きなものになることもあります。
ダブルローンによる住み替えは返済負担も大きく、できるだけ早く売却できるほうが望ましいことは言うまでもありません。
「住宅ローン」で失敗するパターン
ローンが組めない
「売り先行」でまず住宅ローンの元金が残っている住まいを売却し、債務のない状態で新たな物件を購入する場合であっても、年収が下がっていると望んでいる住み替え物件のローンは組めません。
売却物件のローンが若干残ってしまい「住み替えローン」を適用する場合は、なおさら返済能力が重要な融資審査のポイントになります。
住宅ローンの返済ができない
新規の住まいを購入した後に職場が変わり年収が下がるなど当初の条件が変わってしまうと、返済能力がギリギリだった場合は返済が困難になるケースもあります。
このような時にはせっかく手に入れた新しいマイホームですが、やむを得ず「任意売却」で手放すことになる可能性もあるのです。
「新居選び」で失敗するパターン
・家族構成が変わった
・職場が変わった
・新しいライフプランに合わせたい
など家族・仕事・人生といったキーワードに関連する、なんらかの条件が変わり住み替えをするほうが望ましいと考えられる時が「住み替え」のタイミングです。
しかし住み替えした結果、失敗だったと後悔するケースも少なくありません。
新居の選択を間違う
また一般的に住み替えは「売り先行」で進みますので、売却後の仮住まいの環境がよくないと「早く新居へ」といった意識が強くなり、新しい住まいを妥協して決めてしまうケースもあるでしょう。
住み替えは初めてマイホームを取得する時と異なり、住宅を選ぶポイントはより具体的・現実的に判断したいところですが、住み替えのタイミングを計りできるだけ仮住まいの期間を短くしたいという意識が働きます。
その意識が新しい住まいに対する選択条件のピントを狂わせ、安易な決断をしてしまうことがあるのです。
資金不足により新居を妥協する
予算が足りなくなる理由には2つあり、住宅ローンの借入金額が希望どおりにならなかったこと、そしてもう1つが以前の住まいの売却価格です。
売却価格は希望どおりにならないことが多く、ほとんどの場合は売出し価格を下回る金額で決まります。この時点では新しい住まいの購入費用はまだ確定されておらず、資金計画は暫定的なもので組まざるを得ません。
売却後に本格的に新居探しをはじめますが、売却代金からの充当資金がほとんどあてにできないなど、資金計画が厳しい場合には新居の条件を妥協しなければならないことが多いものです。
住み替えで失敗しないための5カ条
1.相場を自分で調べておく
売却想定価格を把握するには周辺の相場価格から調べる方法があります。「土地総合情報システム」は全国各地の取引情報がデータベース化されています。データ量はまだ多くはありませんがある程度の目安を知ることはできます。
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2.購入で妥協しない
求めている住宅の条件をできるだけ満たす物件を選択したいものです。そのためには資金計画が重要ですが、住宅ローンの返済などに無理が生じるような計画には注意が必要です。
家族とも十分な話し合いを繰り返し、より現実的でありながら重要なポイントは妥協しない、メリハリのある住み替え計画にするようまとめあげましょう。
3.無理のないスケジュールを立てる
一般的には「売り先行」つまり現在の住まいの売却を進めていき、売れる見込みがでてきた時点で売却予想価格に基づき資金計画を策定します。資金計画の範囲内で新しい住まいを探し、売却のスケジュールに合わせながら新規のローンの審査を進め、現在の住まいを引き渡し後に新居の決済時期を合わせるようなスケジュールを組みます。
「住み替えローン」を利用したとしても、仮住まいは必要になると考えスケジュールを組むのが大切です。無理にタイミングを合わせて同時決済に近いスケジュールを組むと、どこかで予定がずれてしまい全体のスケジュールに影響がでます。住み替えでは予想もしないアクシデントが生じても、影響が最小限に済むよう余裕をもったスケジュールを心がけましょう。
4.資金計画は入念に
余剰資金はあればあるほど住み替え計画は順調に進みますが、余剰資金がほとんどない状態では想定外の費用の発生などに対処できず、希望どおりの住み替え計画を実行できない可能性もあります。
とくに「住み替えローン」を利用する場合は、費用を最小限に予定してしまうことが多くなります。諸費用や税金など細かく支出予定を立て、さらに余剰資金を計画に組み込んでおく必要があるでしょう。
5.信頼できる不動産会社を選ぶ
そのため金融機関は売却と購入の仲介を同一の不動産会社とするよう求めることが多く、住み替えローンでは必要条件になることもあります。
また売却と購入をタイミングよく行うには、住み替えに関する豊富な経験があったほうがよく、不動産会社の選択は慎重に行いたいものです。
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住み替えに関するよくある質問
- マンションのローン残債がある場合でも住み替えは可能?
- 住み替えは現在の住まいに住宅ローンの残債があっても可能です。原則的には現在の住まいを売却した売買代金で住宅ローンを完済し、新しい住まいのローンを新たに組むのですが、売却代金で完済できない場合でも「住み替えローン」を利用すると住み替えは可能です。また返済可能な収入がある場合は、現在の住まいを売却せずに住み替える「ダブルローン」を使う住み替え方法も可能です。
- 売り時が大事と言うがいつがベストなの?
- 住み替えでは現在の住まいの売却からスタートしますが、その時期の判断はまず周辺の相場を確認することが大切です。
不動産の相場が大きく変動することは少ないのですが、エリアにより特殊事情で相場が大きく変動することがあります。上昇している場合は「まだ上がるのか」「そろそろ天井」なのかを見きわめることです。下降している場合にはしばらく様子を見て、タイミングを考えなければなりません。どちらにしても不動産会社に相談し判断することが大切です。 - 住み替えを前提に選ぶならマンションと一戸建てどちらがよい?
- 将来「住み替える」ことを前提に住宅を購入する場合は、売却のしやすい不動産を選ぶほうが賢明です。一般的にはマンションのほうが一戸建てよりも立地条件がよく、資産性の維持もしやすい面があり、マンションのほうが有利です。
しかしながら一戸建てであっても、将来的に発展する可能性が高いエリアや、交通機関や公的施設の利便性などがよくなり、資産価値が上昇する可能性のある物件も見逃せないと言えるでしょう。
まとめ
また売却や購入の仲介を依頼する不動産会社の力量によっても住み替え計画の成否が決まるため、相談する不動産会社の選択はより慎重に行う必要があります。
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この記事の監修者
宅地建物取引士/一級建築士
宅建取引士・一級建築士として住宅の仕事に関り30年。住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動中。さまざまな情報が多い不動産業界で正しい情報発信に努めている。
住み替えは「売り」と「買い」のタイミングをできるだけ近づけるほうが理想的と言われますが、タイミングだけを重視してしまうと「売り急ぎ」や「買い急ぎ」につながってしまいます。とくに新しい住まいの選択は慎重にかつ適正な判断ができるよう準備することが大切です。