- 住宅ローンの滞納が続くと競売にかけられるリスクが…。市場価格より安い価格でマイホームを手放すことになります。
- 住宅ローンの借り換えや金融機関への相談など、住宅ローンが払えないときの対処法はあるものです。
- 返済負担が厳しいという場合には、マイホームを手放すといった事態に陥らないように早め早めの対策を!
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目次
住宅ローンが払えなくなったらどうなる?
住宅ローンが払えなくなる理由はさまざま
また、夫婦で協力しながら住宅ローンの支払いをしてきたが離婚のために住宅ローンの支払いを継続していくことが困難となる方もいるかもしれません。
中には、子どもの学費の負担が重くなり、住宅ローンの支払いが厳しくなってしまったという方もいるでしょう。昨今では住宅ローンの完済年齢が70歳以上となり、老後の住宅ローン負担に耐え切れなくなるケースが増えているようです。
住宅ローンの支払いに困ってしまう理由は、このようにさまざまなものがあります。
滞納が続くと競売にかけられる
滞納1か月目 | 普通郵便で、督促通知 |
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滞納 2か月目~3か月目 | ・郵便に加えて、電話や訪問などでの督促 ・個人信用情報に金融事故情報として掲載 |
滞納 4か月目~6か月目 | ・「期限の利益の喪失」についての通知が届く可能性 ・配達記録や内容証明郵便などで、滞納分の一括返済を求められる |
7か月目以降 | 「期限の利益の喪失※」 ↓ 保証会社による代位弁済 ↓ 保証会社からの一括返済請求 ↓ (任意売却) ↓ 競売 |
ローンを完済しきれない場合、不動産を売却することはできないのが通常ですが、ローン滞納があったり、売却金額がローン残高に満たないオーバーローンの状態だったりしても可能になるのが「任意売却」です。債権者となる金融機関の同意が条件となります。
※期限の利益の喪失
住宅ローンは、35年間などの長期に渡って、契約時に決めた金額を毎月返済していく契約になっており、取り決めたルール通りに返済をしていけば一括返済をしなくてもよいわけです。これが、住宅ローンを借りた方にとっての「期限の利益」です。
しかし、滞納によってルール違反をしてしまった場合、この「期限の利益」は喪失します。したがって、金融機関は住宅ローンを借りた方に対して一括返済を求めることができます。
「期限の利益の喪失」を通知してもなお、返済が行われない場合には、保証会社などが住宅ローンを借りた方に代わって金融機関に住宅ローン残債を支払います(代位弁済)。その後の住宅ローン債権者は金融機関から保証会社などに代わり、督促を行います。その督促にも応じない場合に、競売にかけられます。なお、競売までの間に、任意売却を行うこともできます。
任意売却の特徴とメリット・デメリット
メリット | ・競売より高く売れる可能性がある ・引っ越し費用を負担してもらえる可能性がある ・退去の日程についても融通がききやすい ・任意売却後の返済計画の交渉について、サポートを受けられる ・任意売却後の返済額について相談ができる ・プライバシーを守れる |
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デメリット | ・個人信用情報には金融事故情報記録が残る ・債権者の同意が得られない場合がある ・スケジュールがタイトである |
競売の特徴とメリット・デメリット
競売にいたる以前に債務を整理したい場合には個人再生、任意売却という方法があります。競売のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット | ・強制的に行われるため、任意売却に比べて手間がかからない ・裁判所によるものであり、透明性が高い |
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デメリット | ・市場相場よりも安く落札される可能性が高い ・強制的にマイホームから退去を求められる(退去の猶予はない) ・プライバシーが守られない(個人情報の公開) ・返済計画の交渉について、サポートを受けられない(残債返済の交渉はできない) ・引っ越し代金は全額自己負担で |
早めの対処で最悪のシナリオは回避できる
まずは、住宅ローンの返済期間における家計収支、手元資金を把握して、住宅ローンの返済が厳しくなる時期がないか確認しておくようにしましょう。
一時的な収入源などが原因の場合、身内に工面してもらうことで臨時の補填は可能かもしれませんが、長期的に支払いが苦しくなりそうなのであれば、先延ばしにせずにしかるべき場所に相談することをおすすめします。キャッシングやカードローンなどで一時しのぎをすることは根本的な解決にはなりません。
住宅ローンの滞納は金融機関にとっては貸付金の回収ができないということを想定します。確かに、不動産の担保提供はあるものの、貸付金の残額と不動産の売却代金がイコール、もしくは売却代金が上回る場合であれば貸付金の回収はできます。
しかしながら、競売などになってしまうと貸付金全額の回収は難しくなります。これは金融機関にとっては芳しくないもので、できる限り貸付金全額を回収したいのが金融機関の本音です。こうした金融機関の事情を踏まえて、万一、住宅ローンの滞納が1か月以上続くのであれば、まずは借入している金融機関に相談することが第一です。
昔のように返済できなければ無理やりその家から退去させるようなことは出来ません。金融機関は規定の返済期間で返済ができなければ、返済期間を延長するとか一時的に元金返済を待ってもらえるなどの対応で、毎月のローン返済金を下げてもらえるケースがあります。
たとえば、返済期間が30年のところを45年にしてもらい月々の返済金を減額して返済を継続してもらうという事例もあります。したがって、どうにもならないという場合には金融機関に相談することが第一です。
最悪の事態を避けるには、早め早めの相談がおすすめです
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住宅ローンが払えないときの相談・対処法
家計の見直し
住宅ローン返済を滞納する理由の一つに「浪費」もあります。まずは、支出のうち、削減できる支出はないかどうか確認をしてみましょう。ファイナンシャルプランナーなどに相談してみるのも一案です。
家計の見直しだけでは、なお厳しい場合には金融機関に相談してみるとよいでしょう。
保険や給付金を確認(けがや病気の場合)
また、団体信用生命保険には、がんや特定疾病に罹患して一定の状態になった時、返済が免除されるものもあります。今一度、団体信用生命保険の内容を確認してみましょう。
住宅ローンの借り換え
ただし、住宅ローンの借り換えには、手数料などの諸費用が必要となります。その諸費用を加味してもなお、住宅ローンの返済負担軽減につながるのであれば、住宅ローンの借り換えを検討するのも一案です。
金融機関への相談
ご自身でできる見直しや確認してもなお、住宅ローン返済が厳しい状況が変わらない時には、一人で抱え込まず、金融機関に相談してみましょう。
個人再生(住宅ローン特例)
個人再生とは、大まかにいえば借金を大幅に減額してもらう手続きです。裁判所の認可決定が必要です。住宅資金特別条項(いわゆる「住宅ローン特例」)が認められると、住宅ローンはそのまま返済を継続し、減額された住宅ローン以外の借金は一定期間(おおむね3年程度)で支払うことになるため、マイホームを手放さなくてもよくなります。
住宅ローン以外に、カードローンやキャッシングなどの借金返済が家計を圧迫している場合には、個人再生の利用を検討する余地があるでしょう。
通常の方法で売却
ただし、オーバーローン(住宅ローン残高が売却金を上回る状態)の場合は「任意売却」となり、住宅ローン返済負担は継続する点には注意が必要です。
リースバック
リバースモーゲージの利用(年齢制限あり)
リバースモーゲージの契約者が亡くなった後、マイホームは売却され、売却金は返済に充てられます。リバースモーゲージは不動産の時価ではなく、その担保評価額の60%前後が借入金になるといわれています。
不動産価格が高い場所であれば住宅ローン残高に呼応しますが、不動産価格が低い場合では担保評価が過少でリバースモーゲージは利用できないという可能性が高くなります。
また、金融機関にもよりますが、リバースモーゲージへの借り換えは、一般的に55歳あるいは60歳以上の方が対象となっているなど利用には条件もあるため、情報収集の上、金融機関へ相談しましょう。
契約者自身が亡くなった場合には対象の不動産は金融機関に明け渡すことになります。同居人がいると住む場所がなくなってしまう場合もあるので、リバースモーゲージの利用には要注意といえます。
よくある質問
- 住宅ローンが払えなくなる人の特徴はありますか?
- 住宅ローンの支払いが難しくなる理由としては「不況やリストラによる減収」「離婚」「病気・自己」などが多くなっており、誰もが直面する可能性があります。また、そもそも無理のある高額ローンを組んでしまった、完済年齢が退職後で当てにしていた退職金が期待できなかったため老後破産寸前、といった理由も増えているようです。
- 離婚してペアローンが払えなくなりそうで心配です
- ペアローンで取得した家を夫が譲り受けたが住宅ローンの返済が重く支払えなくなってしまった、住んでもいない家にローンを払い続けるのが苦痛、など離婚を機に住宅ローンの支払い事情が変化することはよくあります。
離婚の場合、夫婦で共同して購入したものは財産分与の対象になります。結婚前に夫、もしくは妻が単独で購入したものは財産分与の対象にはなりません。たとえば、夫婦それぞれの名義で住宅ローンを借入した場合と収入合算をして住宅ローンを借入した場合ではそれぞれの場合で異なりますので注意すべきです。いざ離婚という場合では、住宅以外の財産等も含めて財産分与に当たるかどうかも考えておくべきでしょう。
家を売却することでさまざまな問題がスムーズに解決する場合もあるので、いちど不動産会社に相談してみましょう。「離婚時のペアローン問題について」の記事もご参照ください。 - 住宅ローンをこどもに払ってもらう、もしくはこどもに家を売ることは可能ですか?
- 子世代から親世代への資金援助(ローンの肩代わり)も贈与とみなされるため、年間110万円を超えると贈与税が発生します。資金の移動をわかりやすくするため、銀行振り込みなどで記録を残しましょう。親族間売買のなかでも「親子間売買」は親子の間で行う不動産売却となります。相場並みの価格でなければ贈与税が課せられる、住宅ローンが組みにくいなどのデメリットがありますが、検討してみてもよいでしょう。
親子間売買は基本的に現金での売買代金支払いになります。子どもさんが住宅ローンを組んで親の住まいを買う場合は非常に難しいと考えておくべきです。

まとめ
今はまだ住宅ローンの滞納にいたっていなくても、返済負担が厳しいという場合には、マイホームを手放すといった事態に陥らないように早め早めに対策を講じておくことが肝要です。
また、住宅ローンの返済に困ってしまった時に、カードローンなどで補填しても一時しのぎにしかなりません。また、そのような行動を繰り返してしまえば、多重債務に陥る可能性もあります。
まずは、自分自身でできる家計の見直しを行った上で、住宅ローンを借りている金融機関のほか、弁護士、不動産会社、ファイナンシャルプランナーなど、プロの知恵を借りて根本的な解決策を考えていくようにしましょう。
住宅ローンを滞納しそうなら早めの対応が必要です。
「まずいな…」と感じたら不動産のプロに相談!
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この記事の監修者

不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー
アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。
個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。
WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)など。
任意売却の条件は不動産会社の仲介により債権者・債務者の調整を行い、債務者(所有者)、債権者(金融機関)、担保物件を買う第三者との合意が条件になるため、売却金額に債権者の合意が得られないと成立はしません。