マンション売却の税金・手数料などの諸費用を徹底解説!コスト削減術も紹介します

2024.06.25更新

この記事の監修者

秋津 智幸
秋津 智幸

公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士

マンション売却の税金・手数料などの諸費用を徹底解説!コスト削減術も紹介します

マンションの売却を検討中の方に向け、税金や仲介手数料などの費用についてご説明するとともに、費用を抑える方法もご紹介します。

この記事のポイント
  • マンション売却には仲介手数料をはじめ、税金や諸費用がかかります。
  • 事前に情報収集をすることで、税金の特例控除の適用や仲介手数料の交渉が可能か探ってみましょう。
  • ただし費用を抑えることよりも、少しでも高く売ってくれそうな不動産会社と出会うことが重要です!

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目次

マンション売却の費用はバカにならない

マンション売却の費用は、売却価格の5~7%ほどかかると言われています。たとえば5,000万円でマンションを売却できたとしても、その売却金額が全額手元に残るわけではありません。後段で詳しくご説明しますが、以下のように仲介手数料や譲渡所得税などがかかります。
5,000万円でマンションを売却した場合の諸費用の例
仲介手数料171.6万円(消費税込)
譲渡所得税
(長期、譲渡費用250万円(5%相当)/取得費4,000万円の場合)
117.6万円
※上記例の取得費は建物の減価償却費の控除後としています。
このほかにも費用はかかりますが、仲介手数料や譲渡所得税を考慮しただけでも、手元に残る金額は5,000万円ではないとご理解いただけたでしょうか。

しかし、一定の要件を満たす場合は、譲渡所得税についての優遇の適用を受けることもできます。マンションを売却する際には、いくらで売却できるかという視点だけではなく税制などの情報を収集し、売却費用を抑える視点も持っておくとよいでしょう。

マンション売却の仲介手数料

仲介手数料とは、不動産の取引を行う際、売買であれば、買主を探し、売主と買主の間に入って、契約から引き渡しまで行った不動産会社に支払う成功報酬です。

仲介手数料の上限額は宅地建物取引業法で定められており、表に示した3つの計算に当てはめて合算で求めます。もっと手軽に求めたい場合は速算法で算出できます。なお、仲介手数料には別途消費税がかかります。
不動産の取り引き額手数料の上限
200万円以下5%
200万円超400万円以下4%+2万円
400万円超3%+6万円
速算法(売買価格400万円超)
(売買価格×3%+6万)×消費税
【マンションの売却価格が5,000万円の時】
5,000万円×3%+6万円)×110%(消費税)=171.6万円

また、仲介手数料は売買価格に応じて決まり、一般的には売買契約の際に半分、決済・引き渡しの際に残りの半分を支払うことが多くなっていますが、決済・引き渡し時に一括で支払うというケースもあります。

最近、売主や買主と「約定書」などを契約時に取り交わして、契約完了時に仲介手数料全額の支払いを求められることが散見されます。本来、仲介手数料は成功報酬なので、納得できなければ、それらの書面に署名せず、前述の一般的な支払いとするよう不動産会社に求めましょう。

秋津 智幸
秋津 智幸

マンション売却にかかる税金とその他の費用

マンションを売却する際には、先にご紹介した仲介手数料のほか、以下のような税金と費用が必要となります。

マンション売却にかかる税金

マンション売却の際は、以下のような税金がかかります。

譲渡所得税

マンションの売却によって得られた収入に対して課される税金です。税額は以下の式で算出します。税率は、所有期間が売却した年の1月1日時点で5年超(長期)か、5年以下(短期)かによって異なります。
(ア)譲渡価額ー((イ)取得費+(ウ)譲渡費用)ー(エ)特別控除額
(ア)
譲渡価額
マンションの売却価格
(イ)
取得費
マンションを取得した時にかかった購入代金や手数料、税金などの費用。
契約書などで確認しますが、そのような根拠資料がない場合は概算取得費(収入金額×5%)を用います。
なお、建物の取得費は所有期間中の建物の減価償却費相当を差し引いて計算します。
(ウ)
譲渡費用
マンションを売却するために要した費用(仲介手数料・契約書印紙代・抵当権抹消費用など)のことをいいます
(エ)
特別控除額
各種特別控除の適用を受けられる場合には、その金額を差し引きます。後ほど一部をご紹介します
譲渡所得税の税率は、売却した不動産の所有期間で大きく異なりますが、所有期間の判断は売却した年の1月1日時点での所有期間となりますので、注意してください。

印紙税

印紙税は、売買契約書に貼付および消印をすることで納税します。売買契約書1通につき印紙税の負担が必要です。一般的に売主・買主の双方で契約書を1通ずつ保管するケースが多いので、売主・買主がそれぞれ印紙税を負担することになるでしょう。

税額は、売買契約書に記載の売買金額に基づいて決められています。ただし、不動産売買契約書の場合、令和6年3月31日までの契約については、軽減措置が講じられており、たとえば売買金額が5,000万円の契約書の場合は、本則では2万円の印紙が必要ですが、軽減措置により1万円になります。詳細は国税庁ホームページでご確認ください。

登録免許税

登録免許税は、不動産登記の申請にかかる税金です。法務局で申請書に収入印紙を貼って納税します。一般的に、売買によって不動産の名義を変更する所有権移転登記申請にかかる登録免許税は買主負担となります。

ただし、売却するマンションに購入時の住宅ローンにかかる抵当権が登記されており、マンション売却にともなって抵当権抹消登記をする場合の登録免許税は売主負担です。抵当権抹消登記の登録免許税は「不動産の個数×1,000円」で計算されます。マンションの場合も、マンションと土地それぞれについて抵当権抹消が必要となります。

税金について、さらに詳しい内容は以下のリンクをご参照ください。

そのほかの費用

仲介手数料や税金以外にも、登記などの手続きを司法書士に依頼する場合には、その報酬がかかります。また、売却にともなって住宅ローンを完済する場合、返済する金融機関への返済手数料がかかる場合もあります。とくに住み替えをする場合には、引っ越し費用にくわえてハウスクリーニング費用なども必要となる可能性があるでしょう。

マンション売却で戻ってくる費用

マンションを売却した場合には、以下のように戻ってくる費用もあります。

住宅ローン保証料

住宅ローン保証料が戻ってくるのは、住宅ローンの融資を受ける際に、保証料を一括前払いで支払っていた場合です。マンション売却の場合には、売却収入や借り換えなどでその住宅ローンを完済するため、その後の保証が不要となり、前払いした保証料のうち、完済日以降の分が戻ってきます。

たとえば、35年返済で借りていた住宅ローンがあり、住み替えのため10年後に完済した場合、残りの25年分の保証が不要となり、一括前払いをしていた保証料のうち25年分が返還されます。

火災保険料

マンションを売却した際、火災保険料も戻ってくる可能性があります。火災保険の中途解約にともない、残存期間分の火災保険料が戻ってきます。

なお、現在の火災保険料の保険期間は最長10年となっています。しかし、2015年9月以前に加入した火災保険の場合、最長36年の保険期間を設定することもできました。そのため、保険期間および経過期間によっては、思ったよりも戻ってくることがあります。

マンション売却にかかる手数料などの費用・税金をシミュレーション

上記で例に挙げた5,000万円でマンションを売却した場合をまとめてシミュレーションしてみましょう。
項目内容金額
仲介手数料売買価格の3%+6万円+消費税1,716,000円
印紙税5,000万円の印紙税(軽減措置あり)10,000円
抵当権抹消登記費用登録免許税:2,000円
(土地・建物が各1件の場合)
司法書士の報酬例:10,000円+消費税
交通費・謄本取得など実費:3,000円
16,000円
ハウスクリーニング70m23LDK程度を想定88,000円
融資返済手数料都市銀行のインターネットバンキング5,500円
譲渡所得税譲渡所得は750万円で
特例控除を適用しない場合
1,176,000円
売却時の費用合計3,000万円控除の特例を適用しない場合3,011,500円
3,000万円控除の特例を適用した場合1,835,500円
※融資保証料や火災保険の戻り分は条件で金額が大きく異なるので考慮しない。

上記のシミュレーションを見ると、売却時の費用の大半は、仲介手数料と譲渡所得税となりますが、譲渡所得税は特例控除を活用すれば、売却費用は大きく抑えられます。

マンション売却にかかる費用を安くする方法

譲渡所得税の項目で特別控除について触れました。ここでは税制優遇制度の活用のほか、売却費用を節約する方法をご紹介いたします。

税制優遇を利用する

税制優遇制度にはさまざまなものがあり、代表的なものとして以下のような制度があります。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

マンションのような居住用不動産を売却した際に生じた利益(譲渡所得)から、3,000万円を上限に差し引くことができる特例です。売却不動産が居住用不動産であること以外に、一定の要件を満たす必要がありますが、この特例の適用を受けると譲渡所得税の負担を大きく抑えることができます。

たとえば、冒頭で譲渡所得税(長期)の計算例を挙げました。その例では、5,000万円で売却し譲渡費用250万円、取得費4,000万円がかかったため、譲渡所得は750万円(5,000万円-250万円-4,000万円)となります。

しかし、この「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用を受けられると、最大3,000万円を差し引くことができるので譲渡所得はゼロ円となり、譲渡所得税の負担がなくなるわけです。

このほかにも利用できる可能性のある税制優遇制度があります。さらにどんな制度があるか知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

売り出しのタイミングを調整してコストを削減する

マンションの所有期間が売却する年の1月1日時点で5年超か、10年超かで譲渡所得税の税率が大きく異なります。

とくに自宅マンションの売却によって、3,000万円を超える売却益が出そうな場合は、売り出しのタイミングを調整して引き渡し時期がこの5年超、10年超となるように意識することで、譲渡所得税が節約できます。

仲介手数料の値引きを交渉する

不動産会社の仲介手数料は、値引き交渉することはできますが、交渉するなら、仲介を依頼する前、つまり媒介契約を締結する前に交渉しなければなりません。

ただし、仲介手数料は仲介する不動産会社の唯一の報酬のため、初めから仲介手数料の割引を宣伝している不動産会社や知人の不動産会社など値引きに応じてもらえる不動産会社は限定的です。交渉に応じてもらえた場合でも、仲介手数料3%のうち1%や簡便法の6万円部分などになるでしょう。

不動産業界側にいる個人の意見としては、あまり交渉はお勧めできません。というのも初めから仲介手数料を半額などにしている不動産会社は別ですが、交渉を受け付けない不動産会社も多く、依頼先が限られてしまうことや受け付けても手数料を下げる分、販売活動が消極的になる会社もあります。売却を成功させたいなら、仲介手数料はきちんと支払うことをお勧めします。

秋津 智幸
秋津 智幸

仲介手数料半額・無料の不動産会社を選ぶべき?

仲介手数料は、仲介する不動産会社の唯一の収入源なので、このコストを抑える場合は注意が必要です。最初から仲介手数料半額を宣伝しているケースでは、その不動産会社が企業努力で手数料を割引していると考えてもいいでしょう。

一方、仲介手数料無料という場合は何らかのからくりがあります。たとえば、買主は不動産業者限定で、買主から仲介手数料満額を受け取れるので、売主の手数料は無料となります。ただし、不動産業者に売却する場合は、一般的な相場価格より安くなることが多いので、手数料がかからない分は価格が安くなってしまうかもしれませんので、注意が必要です。

よくある質問

マンション売却に関わる、よくある質問にお答えします。
リフォームやハウスクリーニングは必須?
リフォームは、購入検討者の趣向と異なると逆効果になる可能性もあり、必須ではありません。ただし、ハウスクリーニングは買主への礼儀として、必須と考えておいたほうが望ましいでしょう。
住宅ローンが残っていても売却は可能?
住宅ローンが残っており、マンションにその抵当権が登記されていても、引き渡し時に関西を条件に売却はできます。しかし、ローンが完済できず抵当権の登記が外せないマンションは売却できないと考えたほうがいいでしょう。そのため、残っている住宅ローンがマンション売却資金と自己資金などで完済できるかきちんと確認してから売り出すのが一般的です。
不動産会社から思わぬ費用(広告費やホームステージング費用)を請求されたら?
「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(国土交通省)」には、不動産の媒介契約について、以下のように記されています。なお、媒介契約とは仲介を依頼する際、不動産会社と取り交わす契約のことをいいます。

指定流通機構への情報登録はもちろんのこと、通常の広告、物件の調査等のための費用は、宅地建物取引業者の負担となる。
また、宅地建物取引業者は依頼者から特別に広告の依頼や遠隔地への出張の依頼を受けたときは、あらかじめ、依頼者に標準媒介契約約款の定めに基づき請求する費用の見積りを説明してから実行すべきである。
なお、費用の請求は、成約の有無に関わらずできるものである。

つまり、原則として広告費用は不動産会社負担となります。売主から特別に「ホームステージングなどを施して広告を打ってほしい」などの依頼があった場合、不動産会社は別途、売主が負担する費用を提示したうえで広告に取りかかることができます。そのため、不動産会社が勝手に行った広告などの費用を負担する必要はありません。

ただ、積極的に売却活動を行ってほしいと考えるのであれば、広告費の負担について不動産会社と話し合ってみてもよいかもしれません。

媒介契約には、「専属専任媒介」、「専任媒介」、「一般媒介」の3種類があり、それぞれ媒介(仲介)する不動産会社に課される義務の内容が異なります。一般的に、媒介(仲介)を依頼することのできる不動産会社が1社に限定される専属専任媒介や専任媒介とした方が不動産会社は積極的に販売活動を行う傾向があります。

秋津 智幸
秋津 智幸

まとめ

マンション売却を検討する際は、どれくらいの価格で売却できるかだけでなく、売却にかかる費用についても目を向けて、情報収集をしておきましょう。

信頼できる不動産会社であれば、明確な根拠に基づいた査定価格を提示し、積極的な販売活動をしてくれるだけでなく、活用できる税制の特例などの情報提供も行ってくれます。

とはいえ、売却費用の節約できる部分はわずかであることが多いでしょう。そのため、まずは少しでも高く売却してくれそうな不動産会社を探すことをおすすめします。

複数の不動産会社に相談をするのが、信頼できる不動産会社を選ぶためのコツ! 複数の不動産会社に一括して相談できるサイトを利用すると便利です。相場観を掴むためにも、一度利用されてみてはいかがでしょうか。

損なくマンション売却するためには
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この記事の監修者

秋津 智幸
秋津 智幸

公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。横浜国立大学卒業。

神奈川県住宅供給公社を経て、不動産仲介業者に従事した後、2011年に個人事務所として不動産サポートオフィスを開設。自宅購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム、記事等の執筆・監修にも取り組んでいる。

主な著書に「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)などがある。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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