投資用マンションの売却を考えている方へ。高く売るためのタイミングやコツをご紹介

  • 更新日:
  • 2021年08月03日
投資用マンションの売却を考えている方へ。高く売るためのタイミングやコツをご紹介
不動産投資の出口戦略とも呼ばれる、所有している不動産を売却するタイミングや業者の選択は非常に重要です。その選択次第では、売却金額や売却までの期間にも大きな違いが出てきます。投資用マンションを所有し、売却を検討している大家さん向けに、高く売るためのタイミングの見定め方や、必要書類、必要経費などを詳しく説明していきます。

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目次

投資用マンションをめぐる社会背景

現在の日本の不動産市場において心配されているのが、コロナウイルスの影響による景気低迷や2021年に延期開催された東京オリンピック後の不動産価格の下落です。これはオリンピック関連の投資の減退やこれまでの投資の利益確定のために投資家が売却に転じることから、不動産価格が下がるのではないかと予測されてきました。

出典:収益物件市場動向四半期レポート(2021.4~6)|不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)

上記データは2021年4~6月期の区分マンションの利回り・価格の推移を示したものです。コロナウイルスによる最初の緊急事態宣言が発令された2020年4~6月には成約件数もぐっと落ち込み、地価の下落などとも相まって価格も下がった時期もありましたが、2021年に入って相場価格は回復傾向にあります。コロナ禍においても住宅実需は一定数保たれており、投資家にとっても低金利が続いている今は物件取得の好機であることは変わりありません。したがって現在は投資用マンションも売り時であるといってよいでしょう。

もちろん、不動産価格の動向は地域によって大きく異なります。今後のマンション経営においては、綿密な事前調査とシミュレーションを行って、売却のタイミングを検討することが必要です。

そもそも理想的な「売り時」とは

そもそも不動産の理想的な「売り時」とはどのような時なのでしょうか。ここからは、不動産を売却するべき代表的な各ケースについて詳しく解説していきます。

1.購入金額を売却金額が超えるとき

不動産の購入金額を売却金額が超えた場合は、投資として理想的な売り時と言えます。例えば2,000万円で購入した投資マンションを2,500万円で売却できれば、表面的な利益は500万円です。ただしこれは、あくまでも理想の売り時です。実際には保有期間が長くなるほど売却金額は下がる傾向にあり、売却額が購入額を超えるのは地価が上昇している地域など、ごく一部のケースといえます。

2.購入金額を家賃収入の累計と売却金額の合計が超えるとき

購入金額を家賃収入の累計と売却金額の合計が超えるときに不動産を売却することは、投資として理にかなっています。2,000万円で購入したマンションに毎年100万円の収益があったとして、5年後に1,600万円で売却した場合、1,600万円+500万円(100万円×5年)=2,100万円になります。ただし、売却後の税金なども考慮する必要はあります。

3.相場が上がっているとき

不動産の価格相場が上がっているときは、売却による利益を出せる可能性が高くなるため不動産の売り時の1つと言えます。日本の全国平均の路線価は、2016年から上昇に転じていて特に主要都市・観光地を中心に7年連続で上昇傾向にありましたが、2021年(7月発表)の全国平均は前年を0.5%下回り、6年ぶりに下落に転じました。不動産相場を正確に見極めるためには路線価などの公的な指標や所有する不動産のある地域の実勢価格を研究する必要があります。

4.デットクロス到来により、キャッシュフローがマイナスになる前

デットクロスとは不動産ローンを組んで不動産購入した際、経費に計上できる減価償却の期間が終わること、また元利均等返済の経費になる利息の返済分より経費にならない元金の返済分が増えるために経費計上が減ることにより、税金が増えてキャッシュフローがマイナスになることをさします。デットクロスの時期を迎える前は、不動産の売り時としてはふさわしいといえます。デットクロスの時期については、シミュレーションのできるサイトなどでしっかりと確認しておきましょう。

5.金利が低い時期

日本では2013年アベノミクスの一環として行われた金融緩和以降、住宅ローン・投資用ローンともに超低金利が続いています。コロナ禍において不景気が続く今の状態では、金利の引き上げを打ち出すことはしばらくないと考えてよいでしょう。低金利は不動産購入には絶好のチャンスです。売却を考えているなら高く売れる低金利のうちに行動しましょう。

投資用マンションの売却におすすめのタイミング

ここからは、投資用マンションの売却におすすめの具体的なタイミングについてお伝えしていきます。

入居者がいる時

入居者のいる不動産は、オーナーチェンジ物件として売却されます。投資用不動産を購入するのは、同じ不動産投資家です。不動産投資家の立場としては、空室のマンションを購入後に入居者募集をする手間をかけるよりも、既に入居者のいる不動産を購入したいと考えています。このため投資用不動産の場合はオーナーチェンジ物件が有利です。

空室の時

一方、入居者がいない場合は、投資用物件としてだけでなく、マイホームとして購入検討する人も候補に入るので、幅広く売却活動が可能になります。築年数が浅いほど高く売れる可能性があるので、賃料を下げたりリフォーム・リノベーションを施して入居募集する場合と、売却する場合のシミュレーションを比較検討しましょう。

購入から5年が経過している

不動産の所有期間が5年以下か5年以上かによって、売却時の譲渡所得にかかる税率が異なります。具体的な税率は以下の通りです。

所有期間が5年以下の税額39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)
所有期間が5年以上の税額20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

所有期間が5年以下の場合、所有期間5年以上の場合に比べて2倍の税額になります。

参考:
短期譲渡所得の税額の計算|国税庁
長期譲渡所得の税額の計算|国税庁

大規模修繕前

マンションの大規模修繕の前は、マンション売却のタイミングとして適しています。なぜなら、マンションの大規模修繕の工事費用はマンション居住者の毎月の修繕積立金から支払われます。しかし多くのマンションでは、近年の工事費の上昇によって修繕積立金だけでは足りず、一時徴収金を請求されるケースが多くみられます。

また、大規模修繕をきっかけに修繕積立金が値上げされるケースも多いです。

築20年を迎える前

築20年を迎える前も、1つの売却のタイミングです。まず、中古マンションは築20年を超えると値引される割合が大きくなります。また、築20年には排水設備の交換時期になり、上述の通り大規模修繕の費用がかかる可能性が高くなります。

マンションの空室率があがってきたとき

マンションの空室率があがる要因は、マンションの経年劣化、地域の過疎化、交通機関の変更など、さまざまです。空室対策のためのリフォーム・リノベーションは費用がかかる一方、必ず入居者がつく保証はありません。このため入居者の退去から次が決まるまでの空室期間が長くなってきた場合、売却のタイミングの1つといえます。

引越しシーズンの前

3月は、4月の新年度開始を控えた引越しシーズンのピークです。ただし3月に売るためには、それより前の時期から準備を始める必要があります。マンションの売却活動を始めてから売却までの平均期間は3~6ヶ月程度と言われているため、前年の9~12月頃から準備を始めるのが良いでしょう。

投資用マンションの売却準備~売却の流れ

ここからは、マンションの売却準備から実際に売却するまでの流れについて解説していきます。

売却の前にしておきたいこと

マンションの売却前にしておきたいのが、いつ売却するかを決めておくことです。売却時期を決めて、そこから逆算して売却スケジュールを作ります。

最初に売却の期限を決めておかないと、値引き交渉が入った際の対応や、買い手がつかない時に業者買取を選択するなどの判断ができません。売却時期とスケジュールは売却前に決めておきましょう。

1.管理会社への連絡

マンション管理会社への連絡は、組合員の「資格喪失届」の提出と、マンション売却時の管理費・修繕積立金の清算です。この2つはマンション売却が決まってから行うことですが、売却の意思を早めに管理会社に伝えておくことで、提出方法やタイミングがわかり、その後のやり取りがスムーズにいきます。

2.市場調査・不動産相場調査

不動産の価格相場の調査は、販売中の不動産情報が掲載されている不動産ポータルサイトを利用すると、大体の市場価値がわかります。ポータルサイトにて査定したい自身の物件と同じエリアや種別、面積、築年数などの条件で検索すると、所有物件に類似する物件の市場価格がわかります。

3.必要書類の準備

マンションの売却に必要となる書類は、必要書類は登記事項証明書(登記簿謄本)や購入時の売買契約書・重要事項説明書などです。売却の必要書類の詳細は、以下の記事をご参照ください。
必要書類は取り寄せに時間がかかるものもあるため、早め早めの意識で用意しておきましょう。

売却の流れ

投資用マンションの売却の流れは、基本的に通常のマンション売却と同じです。しかしオーナーチェンジ物件は内覧ができないため、修理履歴がわかる書類を用意して購入希望者の信頼を得ることが重要です。基本的なマンション売却の流れについては、以下の記事をご参照ください。

投資用マンションの売却に必要な費用

マンション売却の際にかかる経費は、仲介を依頼する不動産会社にかかる仲介手数料が最も大きな支出となります。仲介手数料は「売買価格×3%+6万円×消費税」を上限として計算します。

その他にかかる費用や税金など、売却するのに必要な経費の詳細については、以下の記事をご参照ください。

投資用マンション売却時の注意点

投資用マンションの売却タイミングや全体的な流れについて理解いただけたところで、売却する際に注意するべきことについてご紹介します。ご所有の投資用マンションを、なるべく高くスムーズに売却するには、以下のことを念頭に置いておきましょう。

最も重要なポイントである売却タイミングはプロの意見を聞く

投資用物件は売却のタイミングが非常に重要です。近いうちに近隣に大規模な開発が予定されている、新駅が開業する、急行停車駅になるなどの変化は投資用物件の相場や市況に大きく影響します。不動産のプロである不動産会社は市場動向も含め、ベストなタイミングをアドバイスしてくれるはずですので、早めの相談を検討してみてはいかがでしょうか。

投資物件が得意な不動産会社に依頼する

投資用のマンションは売却タイミングの見極めに加えて、利回りや税金など投資目線の売買のノウハウや、賃貸借契約の継承など賃貸管理の見識なども持ち合わせていないとなりません。売却を依頼する不動産会社は、投資物件の売買実績がある会社を選択すると間違いないでしょう。ほかの収益物件に買い換えたい場合も、良い物件を紹介してもらえる可能性が高まります。

必ず複数社の査定を受ける

投資用マンションの査定も、通常のマンション売却と同じく、複数の不動産会社に依頼し比較検討することが大切です。査定額は会社によってかなり差が出てきますので、市場価格を把握するためにも複数社の査定幅を確認することは有効です。インターネットで簡単に査定依頼ができる一括査定を賢く利用して、相性の良い1社と出会えるようにするとよいでしょう。

買主の視点が居住用とは異なる

投資用マンションを購入しようとする買主は、自用マンションの購入時とは違う目線で買いかどうかを判断します。家賃収入によるインカムゲインを目的とする投資は、賃貸需要がある物件かどうか、利回りがどれくらいかが判断基準となりますし、売却益となるキャピタルゲインを得たいなら、相場から見てもお買い得な価格設定かが気になります。ほかにも節税を目的とする買主や、遠隔地からの投資家も購入対象者となり得ます。投資家の目線で物件の魅力的な点をアピールできると良いでしょう。

売りにくい物件は買取も視野に入れて

築年数の古い物件や、ファミリー向けの区分マンションなどはターゲットも狭く、売れにくいケースも見られます。早くマンションを売りたい場合は、不動産買い取り業者を利用する方法があります。不動産買い取り業者による買い取りであれば、買い手が業者であるために確実に売却できます。ただし、買い取りの場合、販売価格(買い取り価格)は市場価格より1~3割程安くなります。

よくある質問

投資用マンション売却に関するよくある質問にお答えします。

Q.ローン残債がある収益物件も売れますか?

売却金でローンを一括返済できるならば、ローン残債があっても投資用のマンション売却は可能です。売却価格がローン残債に満たない場合は、差額を自己資金で補填する必要があります。オーバーローンにならないかどうか、ローン残債と査定額を事前に把握してから、売却の判断をしましょう。詳しくはこちらの記事をご残照ください。

Q.オーナーチェンジ物件を売却するときの注意点は?

投資用物件に入居者がいる状態で売却をする場合は、売却後に賃貸人が変わったことを入居者に知らせる「地位承継通知」を行います。新たな家賃の振込先と敷金返還業務が次の大家さんに引き継がれたことをお知らせします。買主とは固定資産税や管理費などの精算に加えて、賃料の精算と、敷金の引き継ぎを行うことを忘れないようにしましょう。また、入居者がいる時は内見ができないため、修繕履歴などを引き継げるようにまとめておきましょう。

Q.相続した親の投資用マンションを売るか保有するか迷っています

相続で引き継いだ投資用マンションは、築年数も相当古くなっていると思われます。築年数が古いマンションは、賃貸需要も下がることが多いため空室リスクが増え、設備の入れ替えなど修繕費も増加していくことが予想されます。運用管理の手間と収益や物件価値をしっかり見極めて、売れるうちに売却してしまうのも一案でしょう。

まとめ

本記事では、投資用マンション売却のために必要な事前準備や売り時、どのように売るのがおすすめなのか、注意点等についてお伝えしてきました。

ここから売却のための具体的な一歩を踏み出すためには、販売のプロである不動産会社から不動産査定を受けることが何よりの早道です。不動産査定の偏りをなくすためには、複数の会社に依頼するのが必要ですが、一つ一つの会社に同じ依頼をするのは手間と時間がかかり非効率です。売却のためには、不動産の一括査定サービスを利用するのが良いでしょう。

投資用マンションの売却を考えているなら、
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中村 裕介

監修中村 裕介

【資格】宅地建物取引士/保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。

商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産と旅行系の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆しています。

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