借地権付きマンションの売却時に押さえておくべき注意点

  • 公開日:
  • 2018年9月18日
  • 更新日:
  • 2018年9月18日
借地権付きマンションの売却時に押さえておくべき注意点
借地権付きマンションは、購入時、所有権マンションと比べて安く購入できるというメリットがある反面、売却時には所有権マンションと比べて気を付けなければいけない点がいくつかあります。借地権付きマンションを売却する場合、通常の所有権マンションを売るのと比べて、どのような違いがあるのでしょうか。借地権についての基本情報に触れながら、借地権付きマンションならではの売却時の注意点や抑えておくべきポイントをご紹介します。

借地権の仕組みとデメリットをしっかりと理解し、
借地権ならではのメリットをうまく伝えることが大切です。

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目次

「借地権」とは

そもそも借地権とはどんなものなのでしょうか?

借地権とは、建物の所有を目的とする土地の賃借権や地上権のことを指します。所有権を移さず、土地を借りるだけでその土地の上に自分の建物を建てることのできる権利です。借りる人のことを借地権者、貸す人のことを借地権設定者(あるいは底地人)と呼び、借地権者は土地を借りることの対価として、借地権設定者に地代を毎月支払います。

「民法」に記載されていますが、借地権は建物所有を目的としない月極駐車場や資材置き場などを対象としています。建物の所有を目的とする場合は「借地借家法」の適用を受けるため、ここでは「借家借家法」に基づく賃借権について解説します。

「借地権」の種類

借地権付きマンションを売却するにあたり、そもそも借地権とは何なのかということについてよく理解しておくことが大切です。

借地権には「旧借地権」と「普通借地権」、「定期借地権」の3つがあり、定期借地権には「一般定期借地権」、「事業用定期借地権」、「建物譲渡特約付借地権」の3つがあります。

借地権旧借地権/普通借地権/定期借地権
定期借地権一般定期借地権/事業用定期借地権/建物譲渡特約付借地権

旧借地権

借地権には、平成4年8月に制定された新借地法と、それ以前よりあった旧借地法の2種類があります。旧借地法は、借地権者側(借りる人)の立場を守る内容となっており、地主側とのトラブルが多く発生しました。そのため、借地権の取引自体が減少してしまったという過去があります。

この問題を解決するために新借地権が制定されましたが、旧借地権で契約されたものを更新して新借地法に切り替える場合には契約自体を新しく取り交わさないといけないことから、現在でも旧借地権による契約が多いのが現状です。旧借地権の借地期間は、30年(非堅固建物の場合20年)、更新後30年(非堅堅建物の場合20年)となっています。なお、新借地権を大きく区別すると「普通借地権」と「定期借地権」に分けることができます。

普通借地権

普通借地権は、平成4年の改正により生まれた更新のない定期借地権に対し、更新のある借地権であることからこう呼ばれています。普通借地権の借地期間は一律30年で1回目の更新20年、2回目の更新10年で、いずれも当事者間でこれより長い期間を定めることは可能です。更新に際して地主が更新を拒絶する場合「正当事由」が必要とされますが、旧借地権ではその取り扱いについて争いが絶えなかったことから、新借地権では「正当事由」をある程度まで明確にして、立ち退き料の支払いだけでも更新を拒絶できるものとしました。

また、普通借地権では、更新をしなくてもその時点で建物が残っている場合には、地主に対して建物の買取を請求することができます。

定期借地権

新借地権のうちのもう1つ、定期借地権には「一般定期借地権」と「事業用定期借地権」、「建物譲渡特約付き借地権」の3つがあります。

いずれも契約期間満了に伴って借地契約が終了し、更新されないのが特徴で、借地権者は建物を取り壊し、更地にして地主に返還しなければなりません。一般定期借地権では借地期間50年以上、事業用定期借地権は事業用の建物所有を目的とし、10年以上50年未満、建物譲渡特約付借地権は地主が建物を買い取ることを前提に、30年以上となるよう契約を結ぶ必要があります。

種類契約期間
一般定期借地権50年以上
事業用一般定期借地権10年以上50年未満
建物譲渡特約付一般定期借地権30年以上

マンションにおいては定期借地権付きマンション、通称「定借マンション」として都心を中心にタワーマンションなどの分譲が盛んですが、こうした定借マンションには一般定期借地権が適用されます。なお、事業用定期借地権はロードサイドの家電量販店やコンビニエンスストアなどでよく採用されています。

契約期間と費用について

借地権の契約期間についてまとめると、以下のようになります。

種類借地期間更新
旧借地権30年(非堅固20年)30年(非堅固20年)
新借地権(普通借地権)30年以上20年以上(2回目10年以上)
一般定期借地権50年以上なし

また、費用に関しては、毎月の地代以外に、契約時に保証金や権利金を支払う必要があります。一般的に、保証金は賃料不払いなどに備えて支払われるもので、契約終了後に返還されます。一方、権利金は定期借地権設定の対価で、借主には返還されないという違いがあります。

なお、前払賃料方式という、賃料を前払いする方式もあり、これらが併用される場合もあります。

一時金の種類内容返還の有無
保証金方式賃料不払いなどの備え返還される
権利金方式借地権設定の対価返還されない
前払賃料方式賃料の前払い返還されない

なお、借地権者は土地に対する固定資産税・都市計画税を支払う必要がなく、所有権を購入するのと比べると保証金や権利金は安価に設定されているため、費用面でメリットがあります。

地上権

借地権の1つに地上権があります。

地上権は建物や工作物、竹木を所有するために他人の土地を使用する権利のことで、他の借地権と異なり、登記の義務があります。また、地上権が設定された土地を含む建物自体が価値とみなされ、抵当権を設定できます。

一般的に、地上権は所有権に近い権利形態であり、権利が強すぎるためあまり使われることがありません。

借地権付きマンションを売却するときの3つの注意点

ここまでは借地権についてご説明してきましたが、ここからは借地権付きマンションを売却するときの3つの注意点をお伝えします。

1.売却価格は安くなる傾向

借地権付きマンションは、同じ立地の所有権を売買するマンションと比較すると売却価格は安くなります。

平均的には所有権マンションの80%程度となることが多いでしょう。ただ、これは所有権マンションと比べたときの”価格の差別化”につなげられるため、必ずしも悪いわけではありません。借地権付きマンションを売却するときには、売却価格の設定が大切になります。

2.担保価値が低いため、買い手が付きにくい

借地権付きマンションは、基本的に”借地”というだけで担保価値としては低くなることから、買い手の組む住宅ローンにも制限が付いてしまいます。

例えば、一般定期借地権付きマンションであれば、「返済終了後に定期借地権の残存期間が10年以上あること」などを条件としたローンを用意している金融機関もあります。一般定期借地権の契約期間は50年以上です。新築時に組むのであれば良いですが、築後10年してから売却した場合、30年までしか住宅ローンの借入期間を設定できない可能性があります。

なお、住宅を購入するにあたって住宅ローンを利用した場合、一定の要件を満たせば最初の10年間は住宅ローン年末残高の1%の還付を受けられるという住宅ローン控除がありますが、借地権付きマンションでは土地部分が住宅ローン控除の対象外となりかねません。

また、権利金や保証金(一定の算式で計算)は控除の対象となりますが、前払賃料として支払う形式のものでは住宅ローン控除の対象外です。あらかじめ注意しておきましょう。

3.借地の残年数により売れにくくなる可能性も

借地権付きマンションは借地の残年数により売れにくくなる可能性が高いです。

一般定期借地権で、50年に設定している場合は築20年のときに売却すれば30年ですが、築後40年のときに売却すれば、買い手は10年しか住めない上に、最後には建物を解体する必要があります。基本的には借地の残年数が少なくなったときには一時金や地代を相応の価格に下げる必要があるでしょう。

借地権付きマンションを売却するときのよくある質問

ここでは、借地権付きマンションを売却するときによくある質問についてお答えします。

Q.地主の許可をとる必要があるの?

借地権付きマンションを売却するにあたって、基本的に売却や譲渡に関しては地主の承諾を得てから行います。借地契約では、地代を数年〜数十年にわたって支払っていくため、地主にとって借地人が十分に地代を支払ってけるだけの資力を持っているかどうかは重要な問題です。承諾なくして借地権付きマンションを売却してしまうと、無断譲渡を理由として借地契約を解除される可能性もあります。これは土地や一戸建ての場合も同様です。

また、一般的には、増改築禁止特約のある場合、建物の増改築をするときも地主の承諾が必要です。ただし、「土地の通常利用上相当とすべき増改築」については、当事者(借地権者と地主)の協議が調わない場合には、「地主の承諾に代わる裁判所の許可を得ることを申し立てできる」とされています。

一方、借地権の種類が地上権であれば地主の承諾なくして借地を第三者に売却することができます。あまり使われることはありませんが、地上権が設定されているかどうかを登記簿謄本で確認してみると良いでしょう。

Q.承諾料(名義書き換え料)がかかるの?

借地権付きマンションを売却する場合、地主の承諾の対価として承諾料(名義書き換え料)を支払うことがあります。これは、借地権が地主の承諾なしに売却できないことから、「承諾料を支払うから地主の承諾が欲しい」というときに支払われるものです。一般的に、承諾料は借地権価格の5〜15%とされることが多いです。

なお、承諾料は増改築禁止特約のある借地権において、増改築や建替に関して地主の承諾を取り付けるときや、「建物の構造を木造から鉄骨造に変更する」、「借地権の契約期間を20年から30年にする」など借地条件変更の際にも支払われることがあります。この場合の承諾料は、増改築や建替に関する承諾は借地権価格の3〜5%、借地条件変更の承諾は借地権価格の10%程度とされることが多いようです。

承諾料(借地権価格に対する割合)
売却5〜15%
増築・建替え3〜5%
借地条件変更10%

3.借地権の種類によって売却のしやすさは変わるの?

借地権には大きく旧借地権、普通借地権、定期借地権の3つがあることをお伝えしましたが、この中でどのタイプが一番売却しやすいのでしょうか。

結論から言うと、旧借地権と普通借地権が売りやすく、定期借地権は売りづらいと言えます。旧借地権や普通借地権であれば、借地契約の契約期間が終了しても更新することができますが、定期借地権ではそれができません。結果として、契約期間の残りが少なくなればなるほど売却しづらくなるのです。

まとめ

借地権付きマンションを売却するにあたり、借地権の内容や、売却時に押さえておくべき注意点、よくある質問についてお伝えしました。

借地権付きマンションは、住宅ローンの組み辛さや将来解体しないといけないと言った面から買主から敬遠され、下手をするとずっと売れ残ってしまう場合があります。

一方、価格が安いことなど、うまくそのメリットを伝えることができれば、所有権マンションとの差別化も容易で、早期高値売却の実現が期待できます。今回の記事を参考に不動産会社とよく打ち合わせしながら売却を進めると良いでしょう。

借地権の仕組みとデメリットをしっかりと理解し、
借地権ならではのメリットをうまく伝えることが大切です。

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【監修】逆瀬川勇造

【監修】逆瀬川勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ~造成、不動産売買に携わる。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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