築40年以上の分譲マンションは相続するべき?3つの選択肢と注意点を解説

  • 公開日:
  • 2020年10月19日
  • 更新日:
  • 2020年10月19日
築40年以上の分譲マンションは相続するべき?3つの選択肢と注意点を解説
築古分譲マンション、とくに築40年以上の分譲マンションは建物の老朽化のみならず、そこに住む人も老齢化が進んでいるケースもあります。それに伴って、分譲マンションの維持管理にも問題が生じている可能性もあります。この記事では、親から分譲マンションを相続した、もしくは将来的に相続する予定があるという方に向けて、築40年以上の分譲マンションを相続する上で留意しておくポイントは何かについてご説明いたします。また、その相続した分譲マンションの利用法ついても、合わせてお伝えいたします。

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目次

親の古い分譲マンション、相続するべき?

親が所有する古い分譲マンションを相続するべきなのかは、どんな分譲マンションであるかにもよるところはあります。まずは、分譲マンションを相続する上での基本的なポイントについてご説明いたします。

分譲マンション相続の基本をおさらい

分譲マンションの相続の流れと、相続税についてご説明いたします。

分譲マンション相続の流れ

分譲マンションに限らず、相続が発生したら、遺言書の有無を確認した上で、相続人を確定します。相続財産に、分譲マンションがある場合には、相続人間で共有をするのか、いずれかの相続人が単独で共有するのか、分譲マンションを売却してその売却益を分割するのかを決める必要があります。

分譲マンションを含めた相続財産の分割方法および各相続財産の相続人を確定し、その内容を遺産分割協議書にまとめ、相続税の申告を行います。

分譲マンションの相続税は?

分譲マンションの建物部分だけでなく、土地についても、それぞれの相続税評価額を算出する必要があります。

【建物】
建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じです。固定資産税評価額は、固定資産税の課税証明書、または固定資産評価証明書で確認できます。なお、この金額には、専有部分に対する評価額と共有部分の評価額に持分割合を乗じたものが含まれています。

【土地(敷地利用権)】
土地の相続税評価額を計算する方法には路線価方式と倍率方式の2種類があります。分譲マンションの所在地に路線価がある場合には路線価に分譲マンション全体の地積を乗じて算出します。その金額に持分割合を乗じると相続税評価額となります。

路線価がないエリアに立地している場合には倍率方式(固定資産税評価額に評価倍率を乗じる方法)で分譲マンション全体の評価額を算出し、その金額に持分割合を乗じて相続税評価額を求めます。
なお、分譲マンションの土地についても小規模宅地の特例が適用されます

まずは資産価値をチェック

相続税評価額は、相続税計算をする目的のために使われるものであり、実際の売買価格よりも低い価格水準に設定されています。分譲マンションは、その立地・利便性・築年数・広さなどで資産価値が決まります。分譲マンションを相続するか否か、そして相続後にどのような選択肢(居住、売却、賃貸など)を選ぶのかは、あらかじめ資産価値を把握してから考えても遅くはありません。まずは、不動産会社に査定依頼をしてみてはいかがでしょう

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築古分譲マンションが直面する問題とは

築古分譲マンションは、さまざまな問題を抱えている可能性があります。その問題についてご説明いたします。

分譲マンション飽和時代が来ている

「H25住宅・土地統計調査」(総務省)によると、中古住宅ストックのなかでも分譲マンションの割合が増加しています。また中古住宅ストックの中で分譲マンションのみにフォーカスすると、1980年以前に建築された分譲マンションは全体の2割近くを占めています。

分譲マンションを相続し、売却や賃貸の選択肢を検討する方もあると思います。しかし、2001年以降に建築された、比較的新しい分譲マンションが3割超ある中で、築40年以上の分譲マンションを選んでもらうために、どのような工夫が必要となってくるのかを考えるべきでしょう。

築古分譲マンションの維持費はこれだけかかる

分譲マンションは、住まないまま空き家にしたとしても、管理費および修繕積立金の支払いが発生します。また、固定資産税もかかります。

分譲マンションの物件規模や共用施設、管理会社によっても異なりますが、築10年程度で管理費、修繕積立金がそれぞれ1万円、固定資産税が10万円程度はかかるのが一般的でしょう。つまり、住まないまま空き家にしたとしても、年間34万円程度の支出が必要になる可能性があるといえます。さらに築古物件となると、それ以上の支出も考えられます。相続する可能性のある分譲マンションの管理費、修繕積立金、固定資産税について確認しておきましょう。

建て替え・修繕の問題

修繕積立金は、長期修繕計画に基づいて積み立てているものです。しかし、実際に建て替えや大規模修繕を行う際に、修繕積立金だけでは不足することも多く、管理組合から多額の一時金の支払いを求められることもあります。しかし、建て替えや大規模修繕には、分譲マンションの住人(所有者)の一定割合の同意も必要です。

分譲マンションの住人(所有者)の高齢化が進んでいると、その一時金を支払えないため、建て替えや大規模修繕に同意を得られないケースもあります。そのため建て替えや大規模修繕を実行することができず、維持管理に限界がきてしまった「限界分譲マンション」も増えているのが現状です。

相続放棄されるとどうなる?

いろいろと問題があることを知ると、分譲マンションを相続放棄すればよいと考える方もいると思います。しかし、ほかの財産は相続するが、分譲マンションについてのみ相続放棄をするということはできません。また、仮に相続放棄をした後も、マンションの売却やその売却益などの国庫納付などを行う相続財産管理人が決まるまでは、管理義務は残ります。

また、相続放棄されたマンションに対して、相続財産管理人が選任されるまで管理組合は、何もできません。そのため、管理費や修繕積立金などが徴収できない状態が続く可能性もあり、管理組合会計が悪化することでマンション管理に支障が生じることになります。

相続した分譲マンションは放置せず適切な判断を

相続発生から、相続をするか否かを考える期間は3か月です。相続が発生してからゆっくり考えればよいと思う方もあると思いますが、確認すべき事項の多さを考えると余裕のある期間ではありません。分譲マンションを相続するのか否か、相続する場合にはどのような選択肢を選ぶのか、相続発生前からあらかじめ家族間で話し合っておく機会をもつようおすすめします。

相続した分譲マンションに「住む」なら

相続した分譲マンションに「住む」ことを選択する場合、次のような点に留意が必要です。

管理体制が整っているかどうか

分譲マンションの管理体制、修繕履歴や積立金残高について現状を把握し、管理体制に問題がないかチェックしておきましょう。

資産価値が下がらないかどうか

分譲マンションの立地や利便性はもちろんのこと、売り出し物件の有無を確認し、資産価値が下がらない物件かどうかを見極めましょう。また、築古マンションの場合、大規模修繕等を行えず、新耐震基準を満たしていないケースもあります。長期修繕計画通りに修繕等を行い、資産価値を維持できる状況にあるかどうかの確認も重要です。

相続した分譲マンションを「貸す」なら

相続した分譲マンションを「貸す」ことを選択する場合、次のような点に留意が必要です。

賃貸物件として収支計画が成り立つかどうか

賃貸物件を探している方に魅力的な物件と感じてもらうため、分譲マンションの維持管理費にくわえてリフォーム費用も含め、その費用を回収できる収支計画を成り立たせる必要があります。その収支計画を実現するための家賃設定が可能なのか、周辺の類似物件の家賃相場やニーズを確認しておく必要があります。

出口戦略を定めておく

将来的には誰かにその賃貸経営をバトンタッチするか、分譲マンションを売却するかなど、出口戦略を定めておく必要があります。さらに築年を経れば、築古マンションが抱える問題がさらに深刻化している可能性もあります。何年間所有して、その後どうするのかあらかじめ考えておくことが望ましいでしょう。

相続した分譲マンションを「売る」なら

相続した分譲マンションを「売る」ことを選択する場合、次のような点に留意が必要です。

相続問題があると売却できない

分譲マンションを共有で相続すると、売却する際に相続人間で話し合いがまとまらず、売却できないというケースもあります。共有者が兄弟など顔の見える関係性であれば話し合いを重ねることもできます。しかし、時が経過し、元々の相続人の子や孫などが共有者になると話し合いの機会を持つことも難しくなります。分譲マンションを「売る」選択をする場合には、共有ではなく単独相続が望ましいでしょう。

買い取りも視野に入れて

築40年を超えた分譲マンションは、先に述べた通り、管理体制、間取りなどの現状トレンドとの乖離、住人(所有者)の高齢化など、さまざまな問題を抱えているため、買い手が付きづらい可能性もあります。不動産会社による買取も視野に入れながら、分譲マンションを「売る」姿勢を持っておきましょう。

まとめ

築40年を超えた分譲マンションは、さまざまな問題を抱えている可能性があります。相続が発生してから、ゆっくりと考えればよいと思っている方もあるでしょう。しかし、その間に、その問題がさらに進行し、選択肢が限られてしまう可能性もあります。将来的に分譲マンションを相続する可能性がある場合には、前もってどのようにするのかを家族間で話し合い、いざ相続が発生した時に慌てず対応ができるようにしておきたいものですね。

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キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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