不動産の共有持分を売却する際の注意点や共有名義の解消方法をお伝えします

2024.01.26更新

この記事の監修者

キムラ ミキ

キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

不動産の共有持分を売却する際の注意点や共有名義の解消方法をお伝えします

何かとトラブルの種になりがちな不動産の共有持分を解消する策を検討中の方に、売却を含めた3つの方法をご紹介いたします。

この記事のポイント
  • 共有持分とは、共有財産に対する所有権の割合のこと。共有持分権は通常の所有権とは違った制限があります。
  • 共有持分のみの売買は可能ですがトラブルの種になる可能性大!
  • トラブルなく共有名義を解消する方法をチェックして、問題解決のヒントにしましょう。

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目次

共有持分とは?

「共有持分」とは、1つの財産を複数の所有者で共有する場合における、それぞれの共有者の所有権の権利の割合のことをいいます。割合は均等の場合も、不均等の場合もあります。複数の所有権者により不動産を共有していることを「共有名義」と呼びます。

不動産の共有は相続や新居購入で発生

不動産の共有には以下のようなケースが考えられます。また、ケースごとに、お悩み事例も挙げておきたいと思います。

1.相続により、兄弟姉妹で

両親から相続した不動産をとくに活用する予定もないため、兄弟姉妹で共有することにしたというケース。

そのまま共有名義を変更しないでいるうちに、その子世代、孫世代に共有者が広がってしまい、どうしたらよいのかわからないというお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

2.新居購入により、夫婦で

新居を購入する際に、自己資金を夫婦双方がそれぞれ負担するなど、拠出した資金割合に応じて、共有名義で登記を行ったというケース。

離婚することになり、共有名義から外れたいが、どうしたらよいのかわからないというお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

3.二世帯住居購入により、親子で

二世帯住居を購入する際に、自己資金を親子双方がそれぞれ負担するなど、拠出した資金割合に応じて、共有名義で登記を行ったというケース。

当初結婚の予定のなかった子どもと収入合算をして住宅購入したものの、子どもが結婚をして引っ越し。その後、子どもの住宅ローン支払いが滞りがちになり、住宅ローンの支払い負担が重くなってしまい、売却したいがどうしたらよいのかわからないというお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

共有持分権とは

共有不動産に対しては、単独で行える行為、ほかの共有者の同意をもって可能になる行為と、通常の所有権とは違った制限があります。共有持分権者は以下の権利と同時に、不動産所有で発生する費用や管理への責任が生じることも覚えておきましょう。

保存や使用は単独でできる

まず、ひとりでもできることには、次のようなことが挙げられます。
保存壁紙を交換したり、雨どいを直したり、など、現状維持のために修繕を行うことができます。
使用不動産にみずから居住するなど、不動産を利用することができます。
共有持分に関わらず、全体の使用をすることも可能です。

利用や改良は過半数でできる

共有者の同意が、過半数必要なことには、次のようなことが挙げられます。
利用賃貸物件として活用するなど、短期的に物件を共有者以外に利用させることができます。土地の場合は5年、建物は3年までが、この概念に相当するとされています。
改良前項に挙げた、現状維持のためではなく、物件価値を上げるためにリフォームなどを行うことができます。

処分や変更は全員の同意が必要

共有者全員が同意する必要があることには、次のようなことが挙げられます。
処分

変更
不動産を売却したり、借地借家法に基づいて、長期間にわたる賃貸契約を締結したり、大規模修繕、抵当権の設定をするなど、不動産の権利関係に対して大きな影響を与えることを行うことができます。

不動産を共有名義にすると発生しうるリスク

不動産を共有名義のままにしておくと、どのようなリスクやトラブルが生じる可能性があるのかについて、ご説明いたします。

売却しづらい

不動産の売却は、処分にあたるため、共有者全員の同意が必要になります。ひとりでも反対をしたり、連絡がつかなかったり、ということがあれば売却を実行に移すことができません。

相続で共有権者がどんどん増え続ける

冒頭のお悩み事例でも挙げたように、共有状態をそのままにしておくと、子世代・孫世代に共有名義者が広がり、同意を得ることが難しくなります。

共有持分の費用負担が発生する

活用していない不動産であっても、共有持分に応じて、毎年固定資産税の負担が発生します。また、修繕費が必要になることもあるでしょう。共有名義の不動産を、子などが相続、贈与する場合には相続税、贈与税の負担を負う可能性もあります。

共有不動産のトラブル例

リスクが顕在化した場合、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
共有不動産のトラブル例
・売却したいのに、共有名義人が首を縦に振らない
・収益不動産を共有しているが、兄弟が一室に居住しているうえ、家賃を払わない
・共有名義となっている家を出ているのだが、税金は引き続き払わされている
・共有名義人が税金を払わない
・共有名義人が、持分以上の権利を主張する

リスクやトラブルを避けるためには
共有持分を売却などで解消するのも一案です

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共有持分のみ第三者に売却はトラブルの元?

不動産全体の売却は、所有権者全員の同意がなければ不可能であると述べましたが、共有持分だけの売買は、他の共有者の同意を得ずに、単独で行うことができます。ただし、実際売却するとなると、トラブルの種になる可能性があることには十分留意しておきましょう。
メリット・自分一人の判断で実行に移せる
デメリット・買い手が少ない
・売却価格が安くなる
・ほかの共有者とトラブルになる可能性がある
共有持分を購入した第三者は、次のような行動を行うこともあり注意が必要です。

・他の共有者と話し合い、残りの持分の買取はできないか交渉する
・他の共有者と話し合い、(第三者が買い取った)持分を買い取ってもらえないか交渉する
・その不動産に住んでいる人がいる場合、買い取った持分の分の賃料を支払ってもらうよう交渉する
売却先を決定する前に、購入後にどのような動きを考えているかを確認しておきましょう。強引な説得などを行われてしまうと、ほかの共有者などとの関係性がこじれてしまうこともあります。会社や担当者にヒアリングする以外にも、買取業者の評判をできる限り確認しておきましょう。

共有持分の売却先の選び方

売却先として考えられるのは、共有持分売却仲介専門会社、同買い取り専門会社、投資家などが挙げられます。

問い合わせの際に、共有持分案件に対応可能なのかどうか、共有持分の買い取り実績(仲介実績)を確認しておくとよいでしょう。また、万一のトラブルに備えて、弁護士や司法書士等、専門家との連携はあるかどうかも大切なポイントです。

売り手であるみなさんの話に親身に耳を傾けてくれる会社、担当者であるか、強引に話を進めないか、というポイントもチェックをしておきたいものです。

共有は、「問題の先送り」と称されることがあります。売却などを検討しない時は、共有の方が話し合いせずとも不動産を利用していけるので、安易に共有を選択肢がちです。しかし、時間経過とともに共有者は増え続けてしまいます。将来的に売却を検討した時、対応に苦慮しないように、早めに共有問題を解決しておきましょう。

キムラ ミキ
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共有持分を解消する3つの方法

トラブルなく共有名義を解消するには、以下の3つの方法をおすすめします。
1.共有持分権者間での売買
2.共有持分権者全員で、第三者に売却
3.土地を文筆

それぞれメリット・デメリットを精査しながら、どの選択肢を選ぶか検討しましょう。

1.共有持分権者間での売買

共有持分の権利者間で、共有持分の売買を行う方法です。共有権者が対象不動産に居住しているなど、積極的にその不動産の使用を望み、共有持分の買い取りを希望する場合は話がスムーズに進むでしょう。個人間での売買になるケースが多く、仲介手数料が不要です。

ただし、共有持分権者間の折り合いが悪い場合などは、売買がまとまりにくいこともあります。また売買価格についても客観的な鑑定を受けるほうが後々のトラブルを回避できるでしょう。相場よりも著しく低い価格で売買する場合、贈与税が課されることがあることにも注意が必要です。
メリット・不動産を売却しなくて済む
・個人間売買なら仲介手数料が不要
デメリット・売買価格の設定が難しい

2.共有持分権者全員で第三者に売却

共有者全員が、同意をして第三者に売却を行う方法です。共有不動産を現金化したうえで平等に分ける「換価分割」の手法にあたります。

共有者全員の同意を得ることが難しい反面、うまくすれば均等に資産を分けることができます。売却を進めるのは委任状をもって代表者が請け負い、税金や諸費用については持分割合に応じて共有者全員で負担します。
メリット・相場価格での売却が可能
・資産を均等に分割できる
デメリット・共有者全員の同意を得なければならない
・代表者が売却の手間を負担することになる

3.土地を文筆

共有不動産が土地である場合は、分筆してそれぞれを単独名義に変更することで共有状態を解消することが可能です。

ただし、注意が必要な点として、土地の広さは均等に分割できたとしても条件には差ができてしまうため、土地の価値を同等に分けることは難しいこと、分筆することで使いにくい土地となり評価額が下がってしまう可能性があることについて留意しておきましょう。
メリット・土地を売却しなくて済む
デメリット・測量や登記費用などがかかる
・分ける土地の条件に差がつきやすい
・分筆により土地の評価額が下がる可能性がある

共有持分の放棄という方法も

また、とにかく共有状態から外れたいという場合には、共有持分を放棄する方法もあります。共有持分を放棄すると、放棄された持分は他の共有者の持分に帰属することになります。なお、 残された共有者が複数の場合には、各共有持分の割合に従って持分が帰属します。

持分の放棄は単独行為なので、いつでも自由にできますが、放棄された持分の登記(所有権移転登記)は共同申請が必要となることには注意しておきましょう。

共有不動産を売却する際の注意点

共有不動産を売却する際の注意点についてご説明します。

共有者を確認する

共有不動産を売却する際、先にもご説明したとおり、共有者全員の同意が必要になります。まずは、不動産登記簿(登記事項証明書)を取得して共有者を確認しましょう。

なお、ご自身の共有持分のみを売却する際には、他の共有者の同意は不要です。ただし、売却先によっては他の共有者に不都合な事態を招く恐れもあります。売却先の信用性については慎重に確認しましょう。

持分割合を把握する

不動産登記簿には、共有者の氏名と住所のほか、共有持分も記載されています。共有者それぞれの持分割合を把握しておきましょう。

専門家に相談する

共有不動産の売却は、単独名義の不動産に比べると売却の手間もかかります。共有不動産の売却について経験豊富な専門家に相談し、売却についてアドバイスを受けながら進めていくようにしましょう。

よくある質問

共有持分に関するよくある質問を集めました。
共有持分のみ売却した場合の税金は?
共有持分のみ売却した場合でも、売却益が生じれば譲渡所得税がかかります。売却に要した費用の領収書等は大切に保管し、確定申告に備えておきましょう。
離婚した場合も共有持分の売却は可能ですか?
原則として可能です。離婚による財産分与が完了後であればとくに問題ありませんが、離婚調停中等に共有持分の売却を行うのは不利に働く場合があります。弁護士に相談の上、慎重に進めた方が望ましいでしょう。
共有不動産を売却した後の確定申告は?
原則として、必要です。ただし、確定申告が必要な場合は売却益が出た時です。売却に必要な費用などを差し引いてマイナスとなる場合、つまり売却損が出た場合には確定申告は不要です。

ネットの情報を集めて、自分で何とかしようと思うのではなく、少しでも疑問点がある場合には専門家のアドバイスを受けて、共有不動産の売却を進めていきましょう。

キムラ ミキ
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まとめ

共有は、問題の先送りともいわれることがあります。それだけ、共有にはリスクやトラブルの種があります。将来、子世代、孫世代にリスクやトラブルを先送りしないためにも、顔のわかる共有権者が多いうちに、できるだけ早く共有状態の解消を話し合うことをおすすめします。

複数人で不動産を所有するため、トラブルになりやすい共有持分。
問題を先送りにせず売却を検討することも大切です。

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日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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