不動産の買取保証とは?即時買取との違いやデメリットについて解説します

2024.06.21更新

この記事の監修者

桝谷 浩太
桝谷 浩太

グローバルトラスト不動産株式会社 代表取締役/宅地建物取引士

不動産の買取保証とは?即時買取との違いやデメリットについて解説します

この記事では、不動産を確実に売却したいと考える方へ、「買取保証」の概要およびメリット、デメリットについてご説明します。

この記事のポイント
  • 「買取保証」は一定期間仲介で売却活動をしても売れなかった場合、不動産会社に買い取ってもらう仕組み。
  • スケジュールが立てやすい反面、利用条件があったり「囲い込み」などのリスクも。
  • 信頼できる不動産会社の見極め、買取保証内容の詳細確認を怠らないようにすることが成功のポイントです!

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目次

買取保証は「仲介」と「買取」のいいとこどり?

「買取保証」とは不動産会社に仲介での売却を依頼した後、一定期間(一般的に3か月間)を経ても買主が決まらない場合に、あらかじめ決めた金額で不動産会社に買い取ってもらう仕組みのことを言います。不動産会社によっては「売却保障」としてサービス提供されていますが、同じものです。

不動産会社に売却依頼をして、必ずしも買主が見つかるとは限りません。また、買主が見つかるまでに多くの時間を要する場合もあります。

「買取保証」を利用すると、一定期間を経て買主が決まらなくても、不動産会社に買い取ってもらえます。買い替えなど売却時期に制限がある場合に便利な仕組みです。

仲介と買取の違い

「仲介」は不動産会社がインターネット広告や店頭で主に一般の顧客に対して広く買主候補を探す方法になります。複数の不動産会社に査定をしてもらい、査定価格や売却戦略、担当者の質を見極めて依頼する不動産会社を決めます。一般的には仲介手数料(売却価格の約3%)がかかります。

「買取」は不動産買取会社に直接買い取ってもらう方法になります。買取ってもらう不動産会社をインターネットなどで自ら探す場合には仲介手数料は無料となります。「買取」の場合は「仲介」の場合に比べて売却価格が相場の約8割程度と安くなることが一般的です。

期限があまり決まっておらず高く売りたい場合は「仲介」、買い換えや相続などで売却期限が決まっている場合や、建物が古くそのままでは売却できない場合には「買取」を検討しましょう。

桝谷 浩太
桝谷 浩太

即時買取との違い

買取保証と類似する仕組みに「即時買取」があります。買取保証では、市場で一定期間の売却活動を行いますが、「即時買取」は売却活動を必要としません。買取金額の交渉が整い次第、即時、不動産会社が買い取る仕組みです。

そのため「即時買取」は、買取保証よりも短期間で不動産売却を完了できる特徴があります。ただし、市場価格よりも低い価格での買取となり、買取保証のほうがより高く売却できる可能性があります

即時買取を利用するのは、今すぐに不動産をお金に換えなければならないなどの事情がある方でしょう。

買取保証の3つのメリット

買取保証は、不動産売却を確実に完了させることができる安心の仕組みですが、メリットとデメリットの両面があります。まずは、買取保証のメリットについてご説明します。

【メリット1】スケジュールが立てやすい

買取保証のメリットとして、不動産売却のスケジュールを立てやすい点が挙げられます。不動産市場で買主が見つからなかったとしても、一定期間経過後に不動産会社が買い取ってくれるため、確実に売却を完了させることができます。

不動産売却後、その収入を買い替え物件の購入費用に充当しようとしている時など、時間に制約がある場合はスケジュールを立てやすい買取保証を利用すると安心です。

【メリット2】希望価格での売却にトライできる

最終的な売却期限までは仲介として広く一般の顧客に対して販売することができますので、買取よりも高く売れる可能性があります。買取価格は仲介に比べ8割程度になることが一般的なので、仲介として売却にトライできる点は大きなメリットになるでしょう。

ここで注意したいのは囲い込みです。買取をするために囲い込みをする不動産会社も存在しますので見極めが大切になります。

桝谷 浩太
桝谷 浩太

【メリット3】売却コスト・売却後リスクが軽減できる

売却コストと売却後のリスクを軽減できる点も、買取保証のメリットと言えるでしょう。買主は不動産会社となるので仲介手数料が不要になりますし、契約不適合責任も免除されます。

買取保証の2つのデメリット

便利な買取保証付き仲介ですが、利用前に知っておきたいデメリットが2つあります。しっかり確認しておきましょう。

【デメリット1】売却金額が市場価格よりも低くなる

売却価格が市場価格(相場価格)よりも低くなる点は、買取保証のデメリットでしょう。買取保証による買取金額は、市場価格よりも低く設定されます。

あらかじめ決めていた売却期間中に買主が見つからなかった場合、相場よりも低い買取額での引き渡しとなることに注意が必要です。

【デメリット2】不動産会社の変更ができない

買取保証は、専任媒介または専属専任媒介で不動産会社と仲介契約を締結し、売却依頼をします。専任媒介契約および専属専任媒介契約を結んだ場合、ほかの不動産会社に売却依頼をすることはできません。

また、仲介契約終了後はその不動産会社に買取をしてもらうことになり、途中で不動産会社を変えられない点はデメリットと言えます。不動産会社を選ぶ際は、慎重な見極めが必要です。

買取保証がおすすめのケースと利用条件

買取保証はどのようなケースでおすすめなのか、ご説明します。実際に買取保証を利用する場合、どのような条件があるかについてもご紹介しますので、参考にしてください。

買取保証がおすすめのケースとは?

【ケース1】売却完了までの時期に制限がある場合

ある時期までに不動産売却を完了させなければならない場合、買取保証がおすすめです。例として、住宅ローンが残っている自宅不動産を売却し、新しい物件を購入しようとしている場合を考えてみましょう。転勤や結婚など、さまざまな理由が考えられますね。

このような場合、自宅不動産の売却収入および自己資金で既存の住宅ローンを完済しなければ、新たな住宅ローン融資を受けることができません。

また、新しい物件の購入代金の決済にも期限があります。買取保証なら、期限を決めて不動産売却を完了できるので、売却と支払いのスケジュールを立てやすくなります。

【ケース2】物件に不安要素がある場合

売却をしたいと考えている不動産に不安要素がある場合にも、買取保証を利用すると安心でしょう。たとえば立地条件が悪かったり、築古物件だったりする場合です。

売主の不安要素は、購入検討者にとってメリットになる場合もありますので、必ずしも不動産市場で売却できないわけではありません。しかし、「いつになったら売れるのか」と気をもむよりも、一定期間で不動産売却を完了できるほうがよいでしょう。

また、長く不動産市場で売り出し物件として登録されていると、購入検討者から足元を見られて値下げ交渉をされる可能性もあります。結果として、買取保証を利用するほうが高値で売却できることもあるのです。

買取保証付き仲介の利用条件2つ

買取保証を利用するためには、以下の2つの条件があります。

【条件1】専任媒介または専属専任媒介で仲介契約を結ぶこと

先にも触れましたが、買取保証を利用する際は、専任媒介または専属専任媒介で仲介契約を締結する必要があります。専任媒介契約および専属専任媒介契約を結ぶと、解約しない限り、ほかの不動産会社に売却依頼をすることはできません。そのため、不動産会社を慎重に選ぶ必要があります。

【条件2】需要のある物件であること

不動産会社も、売れる見込みのない物件を買い取ることはありません。ただし、この「売れる見込み」の基準は不動産会社によって異なります。

物件に不安要素がある場合は、買取保証を利用できるかどうか、まず複数の不動産会社に相談されてみるとよいでしょう。
ある会社の基準例
・首都圏・関西圏・中部圏エリア内
・土地・一戸建て:敷地面積40m2以上
・マンション:専有面積40m2以上、1981年6月1日以降の建築確認取得物件
・一般的な住宅ローンの通常利用が可能な物件

買取保証の流れ

買取保証は、一般的に以下のような流れで進みます。なお、不動産会社によって詳細が異なる場合もありますので、実際に利用する場合は不動産会社に流れを確認しておきましょう。

1.【相談】
査定依頼、および買取保証の利用可否について不動産会社に相談します。

2.【審査】
買取保証を利用する場合には審査があり、調査などを要する場合もあります。審査の結果、買取保証の引き受けが可能であれば、買取金額が提示されます。買取金額に合意したら買取保証の申し込みをしましょう。金額などに納得いかない場合は、この段階で買取保証を利用しない選択もできます。

3.【仲介契約・売却活動】
専任媒介または専属専任媒介で仲介契約を締結し、不動産会社に売却活動を行ってもらいます。仲介契約締結後、買取保証の保証書が発行されます。

4.【成約または買取】
売却活動の期間中に買主が見つかれば、一般的な売買契約締結に向けて手続きを進めます。一定期間が経過しても買主が見つからない場合は、不動産会社による買取手続きを進めていきます。

買取保証を利用する際の注意点

買取保証を利用する際の大きな注意点は、不動産会社を慎重に選ぶということです。

いったん買取保証を利用して売却活動を進めていくと、不動産会社の変更はできません。そのため、以下のようなポイントに留意しながら、複数社を比較検討するように心がけましょう。

利用条件と買取金額は不動産会社によって異なる

買取保証の利用条件や買取金額は不動産会社によって異なります。ご自身の希望とマッチした条件の会社を見つけましょう。

不動産会社ごとに得意分野がある

不動産会社によって、得意とする物件(一戸建て、マンション、商業系物件、売買、賃貸など)やエリアはさまざまです。売却を考えている物件の売買を得意とする不動産会社はどこか、慎重に選ぶ必要があります。

ていねいに対応してくれる不動産会社か

担当者が真摯に対応してくれるかどうかも、不動産会社を選ぶうえでは重要です。不明点をわかりやすく説明してくれるか、買取金額の妥当性について根拠を示してくれるかといった点をチェックしましょう。

売却活動についての報告をしてくれるか

専任媒介または専属専任媒介での仲介契約では、売却活動についての報告義務があり、その頻度も宅地建物取引業法で規定されています。

なかには適当な報告を行い、積極的に売却活動をしてくれない会社がある可能性も考えられます。買取保証の安心感があるといっても、不動産市場で売却できるに越したことはありません。売却活動をどのように進めていく予定か、またどのような頻度・手段で報告をしてくれるのか、事前に確認しておきましょう。

よくある質問

買取保証に関する質問をまとめましたので参考になさってください。
買取期間を延長することは可能ですか?
不動産会社によって延長の可否や期間はさまざまですが、延長ができない契約になっているケースもありますので注意が必要です。一般的には3か月~6か月以内に不動産市場で売却が出来なかった場合には買取になるケースが多いです。なかには最長1年まで不動産市場でチャレンジできる不動産会社もありますので、複数社に相談してみましょう。
買取価格と買取保証額に違いはある?
買取価格は複数社の買取会社に査定を出す方法になりますが、買取保証額は専任媒介等で依頼をした不動産会社1社が買取る金額になりますので、実際の買取価格が異なるケースがあります。買取保証は不動産市場で高値チャレンジができる一方、最終的な買取保証額が買取価格よりも低いケースがありますので検討が必要です。
囲い込みのリスクはありますか?
買取保証を成立させるために不動産市場で積極的に販売活動を行わなかったり、他の不動産会社からの内覧や問い合わせに対応をしないケースも見受けられます。

仲介の依頼と異なり最終的に買取になることを踏まえると、買取保証の価格を慎重に検討し、依頼する不動産会社は信頼ができる不動産会社を選定するようにしましょう。

まとめ

不動産の買取保証は、確実に不動産売却を完了させるために有益な仕組みです。しかし不動産会社によっては、不動産市場で売却できる可能性が十分あるのに、安く買い取って転売するために積極的な売却活動をしてくれないというケースもあります。

信頼して売却を依頼できる不動産会社かどうかしっかり見極めることは、買取保証のみならず、不動産売却を成功させるために必要不可欠です。

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ですが、信頼できる不動産会社かどうか見極める必要があります!

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桝谷 浩太
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グローバルトラスト不動産株式会社 代表取締役/宅地建物取引士

三菱UFJ不動産販売、ソニー不動産(現SRE不動産)で主に居住用不動産の売買仲介を経験。その後、「透明性の高い不動産取引の仕組みをもっと世の中に広め、依頼を受けた顧客の利益を最大限追及する」ことを基本理念とし、2017年にグローバルトラスト不動産株式会社を創業する。

著書の「初めてでも安心!失敗しない家の売り方・買い方」はAmazonにてベストセラー3冠獲得。2か月後に増刷も決定。

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