不動産の買取保証とは?即時買取との違いや契約の注意点を解説

  • 更新日:
  • 2022年05月09日
不動産の買取保証とは?即時買取との違いや契約の注意点を解説
不動産の売却を検討するなかで、「買取保証」という言葉を目や耳にしたことがある方も多いでしょう。この記事では、不動産を確実に売却したいと考える方へ、「買取保証」の概要およびメリット、デメリットについてご説明します。また、買取保証はどんな人に向いているのか、どのような流れで利用すればよいのかということについても、あわせてお伝えいたします。

売却期限が決まっている人には便利な「買取保証」の制度
ですが、信頼できる不動産会社かどうかよく見極める必要があります!

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目次

買取保証とは

「買取保証」とは不動産会社に売却を依頼した後、一定期間(一般的に3か月間)を経ても買主が決まらない場合に、あらかじめ決めた金額で不動産会社に買い取ってもらう仕組みのことを言います。不動産会社によっては「売却保障」としてサービス提供されていますが、同じものです。不動産会社に売却依頼をして、必ずしも買主が見つかるとは限りません。また、買主が見つかるまでに多くの時間を要する場合もあります。「買取保証」を利用すると、一定期間を経て買主が決まらなくても、不動産会社に買い取ってもらえます。買い替えなど売却時期に制限がある場合に便利な仕組みです。

即時買取との違い

買取保証と類似する仕組みに「即時買取」があります。買取保証では、市場で一定期間の売却活動を行いますが、「即時買取」は売却活動を必要としません。買取金額の交渉が整い次第、即時、不動産会社が買い取る仕組みです。そのため「即時買取」は、買取保証よりも短期間で不動産売却を完了できる特徴があります。ただし、市場価格よりも低い価格での買取となり、買取保証のほうがより高く売却できる可能性があります。即時買取を利用するのは、今すぐに不動産をお金に換えなければならないなどの事情がある方でしょう。

買取保証のメリットとデメリット

買取保証は、不動産売却を確実に完了させることができる安心の仕組みですが、メリットとデメリットの両面があります。ここでは、買取保証のメリット・デメリットについてご説明します。

買取保証のメリット

【スケジュールが立てやすい】
買取保証のメリットとして、不動産売却のスケジュールを立てやすい点が挙げられます。不動産市場で買主が見つからなかったとしても、一定期間経過後に不動産会社が買い取ってくれるため、確実に売却を完了させることができます。不動産売却後、その収入を買い替え物件の購入費用に充当しようとしている時など、時間に制約がある場合はスケジュールを立てやすい買取保証を利用すると安心です。

【売却コスト・売却後リスクの軽減】
売却コストと売却後のリスクを軽減できる点も、買取保証のメリットと言えるでしょう。買主は不動産会社となるので仲介手数料が不要になりますし、契約不適合責任も免除されます。

買取保証のデメリット

【売却金額が市場価格よりも低くなる】
売却価格が市場価格(相場価格)よりも低くなる点は、買取保証のデメリットでしょう。買取保証による買取金額は、市場価格よりも低く設定されます。不動産会社に売却依頼をして不動産市場で買主を見つけたほうが、より高値で売却できる可能性があります。

【不動産会社の変更ができない】
買取保証は、専任媒介または専属専任媒介で不動産会社と仲介契約を締結し、売却依頼をします。専任媒介契約および専属専任媒介契約を結んだ場合、ほかの不動産会社に売却依頼をすることはできません。また、仲介契約終了後はその不動産会社に買取をしてもらうことになり、途中で不動産会社を変えられない点はデメリットと言えます。不動産会社を選ぶ際は、慎重な見極めが必要です。

買取保証がおすすめのケースと利用条件

買取保証はどのようなケースでおすすめなのか、ご説明します。実際に買取保証を利用する場合、どのような条件があるかについてもご紹介しますので、参考にしてください。

買取保証がおすすめのケースとは?

【売却完了までの時期に制限がある場合】
ある時期までに不動産売却を完了させなければならない場合、買取保証がおすすめです。例として、住宅ローンが残っている自宅不動産を売却し、新しい物件を購入しようとしている場合を考えてみましょう。転勤や結婚など、さまざまな理由が考えられますね。

このような場合、自宅不動産の売却収入および自己資金で既存の住宅ローンを完済しなければ、新たな住宅ローン融資を受けることができません。また、新しい物件の購入代金の決済にも期限があります。買取保証なら、期限を決めて不動産売却を完了できるので、売却と支払いのスケジュールを立てやすくなります。

【物件に不安要素がある場合】
売却をしたいと考えている不動産に不安要素がある場合にも、買取保証を利用すると安心でしょう。たとえば立地条件が悪かったり、築古物件だったりする場合です。

売主の不安要素は、購入検討者にとってメリットになる場合もありますので、必ずしも不動産市場で売却できないわけではありません。しかし、「いつになったら売れるのか」と気をもむよりも、一定期間で不動産売却を完了できるほうがよいでしょう。また、長く不動産市場で売り出し物件として登録されていると、購入検討者から足元を見られて値下げ交渉をされる可能性もあります。結果として、買取保証を利用するほうが高値で売却できることもあるのです。

買取保証の利用条件

買取保証を利用するためには、以下の2つの条件があります。

【専任媒介または専属専任媒介で仲介契約を結ぶこと】
先にも触れましたが、買取保証を利用する際は、専任媒介または専属専任媒介で仲介契約を締結する必要があります。専任媒介契約および専属専任媒介契約を結ぶと、解約しない限り、ほかの不動産会社に売却依頼をすることはできません。そのため、不動産会社を慎重に選ぶ必要があります。

【需要のある物件であること】
不動産会社も、売れる見込みのない物件を買い取ることはありません。ただし、この「売れる見込み」の基準は不動産会社によって異なります。

※ある会社の基準例
・首都圏・関西圏・中部圏エリア内
・土地・一戸建て:敷地面積40m2以上
・マンション:専有面積40m2以上、1981年6月1日以降の建築確認取得物件
・一般的な住宅ローンの通常利用が可能な物件

物件に不安要素がある場合は、買取保証を利用できるかどうか、まず複数の不動産会社に相談されてみるとよいでしょう。

買取保証の流れ

買取保証は、一般的に以下のような流れで進みます。なお、不動産会社によって詳細が異なる場合もありますので、実際に利用する場合は不動産会社に流れを確認しておきましょう。

【相談】
査定依頼、および買取保証の利用可否について不動産会社に相談します。

【審査】
買取保証を利用する場合には審査があり、調査などを要する場合もあります。審査の結果、買取保証の引き受けが可能であれば、買取金額が提示されます。買取金額に合意したら買取保証の申し込みをしましょう。金額などに納得いかない場合は、この段階で買取保証を利用しない選択もできます。

【仲介契約・売却活動】
専任媒介または専属専任媒介で仲介契約を締結し、不動産会社に売却活動を行ってもらいます。仲介契約締結後、買取保証の保証書が発行されます。

【成約または買取】
売却活動の期間中に買主が見つかれば、一般的な売買契約締結に向けて手続きを進めます。一定期間が経過しても買主が見つからない場合は、不動産会社による買取手続きを進めていきます。

買取保証を利用する際の注意点

買取保証を利用する際の大きな注意点は、不動産会社を慎重に選ぶということです。いったん買取保証を利用して売却活動を進めていくと、不動産会社の変更はできません。そのため、以下のようなポイントに留意しながら、複数社を比較検討するように心がけましょう。

利用条件と買取金額は不動産会社によって異なる

買取保証の利用条件や買取金額は不動産会社によって異なります。ご自身の希望とマッチした条件の会社を見つけましょう。

不動産会社ごとに得意分野がある

不動産会社によって、得意とする物件(一戸建て、マンション、商業系物件、売買、賃貸など)やエリアはさまざまです。売却を考えている物件の売買を得意とする不動産会社はどこか、慎重に選ぶ必要があります。

ていねいに対応してくれる不動産会社か

担当者が真摯に対応してくれるかどうかも、不動産会社を選ぶうえでは重要です。不明点をわかりやすく説明してくれるか、買取金額の妥当性について根拠を示してくれるかといった点をチェックしましょう。

売却活動についての報告をしてくれるか

専任媒介または専属専任媒介での仲介契約では、売却活動についての報告義務があり、その頻度も宅地建物取引業法で規定されています。なかには適当な報告を行い、積極的に売却活動をしてくれない会社がある可能性も考えられます。買取保証の安心感があるといっても、不動産市場で売却できるに越したことはありません。売却活動をどのように進めていく予定か、またどのような頻度・手段で報告をしてくれるのか、事前に確認しておきましょう。

まとめ

不動産の買取保証は、確実に不動産売却を完了させるために有益な仕組みです。しかし不動産会社によっては、不動産市場で売却できる可能性が十分あるのに、安く買い取って転売するために積極的な売却活動をしてくれないというケースもあります。信頼して売却を依頼できる不動産会社かどうかしっかり見極めることは、買取保証のみならず、不動産売却を成功させるために必要不可欠です。

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キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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