- 3カ月を過ぎても売却できない場合、一般的に「売れないマンション」と言えます。所有し続けると資産価値が下がり修繕積立金も高くなります。
- 能動的に対策をし続けることで、売れないマンションの売却成功率を高められます。
- どうしても手放したい場合でも、マンションのみの相続放棄はできません。売り出し価格の見直しや買取の検討をするのが適切です。
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目次
マンションが売れないとどうなる?
日本のマンションは70年程度の歴史しかないため、築古マンションによる社会問題を国として未だに経験していません。
まだ数例ですが、限界マンションと呼ばれる管理不全に陥った築古マンションも出始めており、マンションはどこかのタイミングで売却すべきといえます。
どれくらい経ったら売れないといえる?
以下に、首都圏における、不動産の売却~売買契約締結まで要する日数(準備期間や売買契約後から引渡までの期間を除く)を示します。

通常、売りに出してから3か月程度経つと、すでに何組かは物件の内覧に訪れているはずです。売れない物件は、一定の反応はあるものの、何らかの理由で断られていると考えられます。
3か月を過ぎても売れない場合には、該当する理由を調べ早めに対策することをおすすめします。
マンションが売れない10の理由と今すぐできる対策
①価格が高すぎる
売れない理由
また、近年はマンション価格が高騰しており、とくに郊外の実需を中心とするエリアでは購入希望者が価格に敏感です。郊外ではそもそもマンションの相場自体が高いと思われているため、適正と思われる価格を設定しても売却期間が長期化する現象が出始めています。
すぐできる対策
まず、売りに出してから内覧希望の反応がほとんどない場合、売り出し価格が高すぎる可能性があります。売り出し価格が高すぎる場合には、思い切って値下げをすることが現実的な対策です。
一方で、ある程度反応はあるものの、成約に結びつかない場合、価格交渉に柔軟に応じる必要があります。反応があるということは物件自体には相応の魅力があるということであり、後の問題は価格です。
事前に不動産会社へ妥協可能な最低価格示しておき、購入希望者が現れたら、価格交渉の余地があることを不動産会社が匂わせるとよいでしょう。購入希望者をあっさり逃すのではなく、一旦交渉の土台に載せて話を進めていくと売却できる可能性が高まります。
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②築年数が古い
売れない理由
よくあるケースは、共用廊下側の部屋には室外機が置けないという理由でエアコンを設置できないというものです。50年以上前は今ほど温暖化が進んでおらず、エアコンも高級品であったため、全室にエアコンが設置できない物件も多く存在しました
そのほか、室内に段差のある物件や、エレベーターから居室までの間に階段がある物件などは、バリアフリーが求められる近年の傾向から売却しにくくなっています。
すぐできる対策
築年数が古いマンションでも、たとえば「立地や眺望がよい」、「駐車場が自走式である」、「過去にリフォームしている」、「トランクルームがある」などのアピールポイントがあるはずです。アピールできる部分は、余す所なく広告に書き込むことが基本となります。
また、売主が実施していた対処法を伝えられると成約に結びやすくなります。
たとえば、エアコンが設置できない部屋は、売主が「ウィンドウエアコン」を設置して過ごしていたなどです。ウィンドウエアコンを付ければ夏を越せるという安心材料があれば、購入希望者の不安や疑問を解消できるといえます。
築古マンションには、売主が住みにくさを克服してきた知恵や工夫があるはずです。不動産会社に知恵や工夫を伝えておくと、営業担当者のセールストークの質が向上するため、売却がしやすくなります。
③部屋の位置が悪い
売れない理由
すぐできる対策
室内に浴室乾燥機や室内干し設備、ドラム式洗濯機が置ける洗濯機パンなどがあれば、それらの設備も広告の写真に掲載し、しっかりとアピールすることが望ましいでしょう。
また、部屋の位置が悪い物件は、内覧時に室内の良さが伝わることが重要であるため、内覧前に掃除を十分にしておくこともコツです。
④周辺環境が悪い
売れない理由
すぐできる対策
たとえば、大通りや線路沿いなどの騒音が懸念される物件では、二重窓になっていたりサッシの防音性能が高かったりなど、新築時から防音対策が施されている物件も多くあります。内覧時には実際に窓を開け閉めしてみて、その場で遮音性の高さをアピールすることが効果的です。
また、外に洗濯物を干すと車の排ガスで洗濯物が黒ずむような場合には、売主から洗濯物は室内に干したほうがよいと伝えておくことで親切な印象も与えられます。
⑤旧耐震である
売れない理由
住宅ローン控除とは、返済期間が10年以上の住宅ローンを組んで一定の要件を満たす住宅を購入した場合に、所得税などから所定の金額が控除できる節税特例のことです。
すぐできる対策
旧耐震基準は築年数の古いマンションが多いため、単に耐震性が劣るだけでなく、建物の劣化などの不安要因も重なり売却が困難になりがちです。インスペクションに合格すれば、目視調査の前提で、建物の主要部分に欠陥のないことをアピールすることができます。
マンションのインスペクションの費用は、5~6万円程度が相場です。一部の大手不動産会社においては、仲介を依頼することで無料で行ってくれる会社も存在します。インスペクションなどのサービスも参考に不動産会社を決めるという考え方もおすすめです。
⑥間取りや広さが需要に合っていない
売れない理由
また、3LDKであっても居住地域の平均的な広さより面積が狭い場合は、売却しにくいことが多くあります。たとえば、3LDKなら70平米以上あることが標準的な地域の中で、60平米程度の3LDKだとなかなか売れません。
すぐできる対策
リフォーム工事も行っている不動産会社を選び、買主に工事と売却をセットで提案するのがおすすめです。売主側で無理にリフォームするのではなく、買主側に選択肢を与えながら売却活動をする点がポイントです。
⑦管理費や修繕積立金が割高となっている
売れない理由
すぐできる対策
管理費が高い物件は、質の高い管理が行われている点をアピールすることが望ましいといえます。修繕積立金についても、直近でエレベーターの改修を行ったなど高くなった経緯を説明できると、買い主に納得感を与えることができます。
⑧同じマンション内にやたらと売り物件が出ている
売れない理由
築2~3年目で何戸も売りに出ているような物件は、「実は住みにくいのではないか?」という疑念を抱かせるため、売却が長期化しているケースも見られます。
すぐできる対策
単価を比較し、自分の部屋よりも好条件の部屋が同じ単価になっている場合には、単価をやや下げて価格を調整することが望ましいです。逆に、自分の部屋よりも悪条件の部屋が同じ単価になっている場合は割安感が出るため、早期に売りたい場合は価格は据え置きでよいでしょう。
⑨内覧時の印象が悪い
売れない理由
すぐできる対策
ハウスクリーニングを実施したとしても、内覧前には都度家の掃除と片付けもすることが望ましいでしょう。とくに玄関と床は、家の第一印象を決めるため、掃除機は毎回かけましょう。
また、荷物の多い家は、雑多な印象を与えてしまうことから、販売期間中は実家やトランクルームなどに預けておくことも効果的です。
⑩不動産会社の広告が十分でない
売れない理由
すぐできる対策
インターネット広告では室内の写真が重要であるため、ほかの広告と比べて写真が少ないようであれば写真を多く提供して広告を改善してもらいます。
また、一般媒介によって複数の不動産会社に売却を依頼すれば必然的に露出量が増えるため、購入希望者の目に留まる確率も上がります。一般媒介を利用する際は再度複数の不動産会社に査定を依頼し、価格も複数の結果の中から保守的なものを採用して依頼することが望ましいでしょう。
もし不動産会社を切り替える場合は、現在の媒介契約の期限(一般的には3か月)が切れるタイミングで切り替えることが適切といえます。
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売れないマンションは相続放棄できる?
相続放棄のルール
相続放棄をすると、借金などマイナスの財産だけでなく、現金や不動産などのプラスの財産も含めてすべて相続する権利を失います。そのため、要らないマンションだけを相続放棄することできません。
また、相続放棄を利用するには申述の期限があり「相続の開始を知った時から3か月以内」です。すでに期限を過ぎてしまっている場合には利用できない点にも注意をしましょう。
相続土地国庫帰属制度はマンションには使えない
ただし、相続土地国庫帰属制度で対象となるのは、「土地」だけです。建物が建っている土地は相続土地国庫帰属制度の対象外であるため、マンションに利用することはできません。
マンションがどうしても売れない時の対処法
価格を大幅に値下げする
実際のマンション取り引きでは、100万円を下回る価格の物件も存在します。周囲に田畑が広がり築年数は古く、水が井戸水、下水は汲み取り式といった相当に条件の悪い物件でも、さすがに100万円を切れば売れるようです。
100万円未満というのは極端な例かもしれませんが、思い切って値下げをすれば仲介で売れる可能性は十分にあります。
買取を検討する
買主が求めるリフォームを行うには高度なノウハウが必要となるため、一般の方がリフォームして売ると失敗するリスクが高くなります。たとえば、築古物件や旧耐震の物件などはリフォームしたほうが売却しやすいことから、買取を選択することが望ましいでしょう。
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まとめ
たとえば、購入希望者から断られた理由を不動産会社からフィードバックしてもらうことで売却活動が改善していきます。
それでも売却が難しい場合は、価格調整をしてみましょう。再度査定を依頼し、欲張らずに保守的な売り出し価格を設定して売却に再チャレンジしていただければと思います。
マンションがどうしても売れない理由で一番多いのは、相場価格より高いから!
無料査定を活用して、売り出し価格を見直してみませんか?
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この記事の監修者
不動産鑑定士/中小企業診断士/宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。
不動産鑑定士と中小企業診断士の資格を活かした不動産鑑定のほか、専門性の高い不動産Webライターとして活躍する。
各種著名メディアにおいて、相続関連や空き家の処分方法に関する取材対応の経験あり。





購入希望者に価格交渉の余地を与えると、前向きに検討してくれる場合があります。値引きしてくれるなら買うという人も多いため、事前に不動産会社と最低価格を決めておくことも効果的です。