【FPが解説】離婚時の財産分与の基礎知識|持ち家は住むべきか売るべきか

2024.07.03更新

この記事の監修者

キムラ ミキ
キムラ ミキ

AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

【FPが解説】離婚時の財産分与の基礎知識|持ち家は住むべきか売るべきか

離婚時の財産分与、とくに持ち家がある場合の対応方法を知りたい方に向けて、離婚時の財産分与の基本知識についてご説明します。

この記事のポイント
  • 財産分与で持ち家を1/2にする方法にはそれぞれ一長一短あるため専門家のアドバイスを受けましょう。
  • どちらかが住み続けて代償金を支払う方法をとる場合は、弁護士への相談や公正証書の作成などの対策が有効。
  • 円滑に話し合うためにも、弁護士など専門家の協力を仰ぐことが大切です。

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目次

財産分与とは|正確な意味を解説します

離婚時における財産分与とは、離婚した夫婦が財産の分与をする手続きです。夫婦が婚姻中に協力して築きあげた財産を分けるという「清算的財産分与」という性質のほか、「扶養的財産分与」(専業主婦など離婚後の弱者救済)、「慰謝料的財産分与」(DVや浮気など離婚原因に対する有責性の補償)という性質が含まれる場合もあります。

財産分与の原則

財産分与のうち、「清算的財産分与」については、原則として「2分の1ルール」が適用されています。この原則は、夫婦のどちらかが専業主婦もしくは専業主夫で無収入であっても変わりがありません。

財産を築きあげる上で、家事労働の正確な貢献度を図ることができないからです。夫婦共働きであっても、夫婦の一方が家事に専業していても公平性を保つために、「2分の1ルール」が適用されています。

また、夫婦の話し合いで行う協議離婚、調停および裁判での離婚においても、「2分の1ルール」が原則であることには変わりがありませんが、特殊な事情がある場合には、例外的に「2分の1ルール」が修正される場合もあります。

財産分与の注意点

【対象外となる財産がある】
財産分与の対象となるのは、婚姻期間中に夫婦で築きあげた「共有財産」です。結婚前から所有していた財産など「特有財産」と認められたものは原則として財産分与の対象にはなりません。

【課税対象となる場合がある】
夫婦で築きあげた「共有財産」の財産分与において、原則として税金はかかりません。ただし、取得時よりも高額となっている場合には譲渡所得税が課税されたり、財産分与の額が多すぎる場合には贈与税が課税されたりというケースもあります。明確な基準はありませんが、あらかじめ税理士や税務署などに相談されると安心です。

【財産分与請求には期限がある】
財産分与を請求できる期限は離婚から2年間です。請求期限を過ぎると財産を受け取れない可能性があります。先延ばしせずに、請求期限までに話し合いなどを行い、財産分与の手続きを行いましょう。

財産分与で持ち家を1/2にする方法とは

「2分の1ルール」があるとはいえ、持ち家などの不動産は現金のように簡単に1/2にすることが難しい財産です。そのような財産を財産分与する方法には以下のようなものがあります。

それぞれの方法には一長一短ありますので、専門家にもアドバイスを受けながら慎重に方法選択をしましょう。

1.売却して代金を折半する

持ち家などの不動産を売却して、その代金を折半するという方法があります。売却して、現預金資産に換えれば平等に分けることができるので、不満が生じにくい方法です。

ただし不動産を売却する際の諸費用の分、資産は目減りします。また、住宅ローン残債の額や売出時期によって、思っていた価格で売れない場合もある点には注意が必要です。

2.どちらかが住み続けて、代償金を支払う

不動産に夫婦のどちらかが住み続けて、不動産の評価額の1/2を代償金として他方に支払うという方法もあります。住み続ける方は、生活環境を大きく変えなくてもよいという点もあります。

しかし、代償金としてまとまったお金を準備するのが難しい場合には出ていく方と揉めてしまう可能性もあります。代償金を分割払いにする場合でも、必ずしも代償金を払い続けてもらえるか分からないリスクもありますので、弁護士への相談や公正証書の作成などの対策も必要です。

3.共有名義にする

不動産を共有名義にして、財産分与する方法もあります。しかし、共有は将来的に、相続が発生すると不動産の権利関係が複雑になってしまう方法です。場合によっては、まったく見知らぬ人との共有関係が生じる可能性もあります。

そのような状況になった段階で、不動産の売却を検討しても共有者の同意を得られなければ売却はできません。「共有は問題の先送り」とも言われる方法であるため、あまりおすすめできない方法です。

4.分筆する(土地の場合)

不動産が土地のみである場合には、分筆するという方法もあります。分筆された土地は、おのおのの名義になりますので平等に財産分与することができます。ただし分筆の結果、使いづらい土地になる可能性があることには注意が必要です。

持ち家を財産分与する際の手続き流れ

持ち家を財産分与する際の手続きについて、具体的に順を追ってご説明します。

【手順1】 ローン残債を確認

まずは、ローン残債を確認しましょう。不動産を売却する場合、売却収入などでローンを一括返済する必要があります。想定される売却金額よりもローン残債が多い場合(オーバーローン)には預貯金を返済に充てる必要がありますし、返済に充てる預貯金が不足する場合には任意売却などの検討も必要になります。

財産分与の対象はプラスの財産だけでなく、ローンなどのマイナスの財産も対象になります。財産分与の対象となる「共有財産」の把握のためにもローン残債の確認が必要です。また、ローンの契約内容(契約者、連帯保証人、連帯債務者)についても合わせて確認をしておくとよいでしょう。

【手順2】 持ち家の名義を確認

不動産登記簿を取得して、持ち家の名義を確認しましょう。取得時の頭金やローンの契約内容によって、持ち家の名義人は異なります。なお、結婚される前に夫婦のどちらかが取得した不動産の場合は、財産分与の対象とはなりません。

【手順3】 持ち家の資産評価を確認

持ち家の資産評価を確認するために、不動産会社に価格査定を依頼しましょう。不動産会社は、無料で査定依頼を受け付けているケースも少なくありません。ただし、正確な資産評価を把握するためにも、複数の不動産会社に価格依頼を査定してもらうようにしましょう。

不動産会社のほかに、不動産鑑定士に査定を依頼する方法もありますが、費用を要します。また、固定資産税評価額を活用して資産評価をする方法もありますが、実際の売却価格とギャップがある可能性が高いためおすすめしません。

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【手順4】 財産分与の話し合い

ローン状況、名義、資産評価を踏まえて、財産分与を先にご説明したどの方法で分けるのかを夫婦で話し合いましょう。夫婦関係が著しく悪く、話し合い難しい時には、弁護士などに間に入ってもらって話し合いを行うことも検討します。

協議が成立しない場合には、調停での話し合いとなりますが、それでも納得のいく財産分与とならない場合には、裁判に結論をゆだねることになります。

離婚予定で持ち家がある人は早めの査定を!

離婚時における財産分与に、家などの不動産がある場合、先ほどご説明したとおり、確認事項が多く、その確認内容を踏まえての話し合いにも時間を要します。

現在、離婚を検討されている場合、家などの不動産がある場合には、早めに査定依頼を行うことも、話し合いをスムーズに運ぶために必要なことと言えるでしょう。近年、複数の不動産会社に一括して、査定依頼を行うことができるサイトも増えています。

本当に離婚するかどうかまだ分からないという場合でも、現在の資産価値を把握しておくことは大切なことです。一括査定サイトを活用して、まずは資産価値や相場観をつかんでおくことから始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

離婚は、結婚よりも労力を使うと言われます。そこには、今回とりあげた持ち家をはじめとして、そのほかの資産の財産分与において、お互いに少しでも相手より優位に立ちたいと思う中で、相手の嫌な面を見ることも多いということもあるからでしょう。

離婚を検討しているという状態であれば、必ずしも円滑な話し合いができると限りません。専門家の協力も仰ぎながら、有利に話し合いを進められるように、計画的に準備を進める姿勢が大事であると知っておきましょう。

夫婦間に子どもがいる場合、その養育費や教育環境を巡り、さらに状況は複雑になります。また、夫婦の一方にDVや浮気などの有責がある場合には慰謝料の検討も必要になります。離婚の財産分与を含めた話し合いを本人同士のみで行うと、感情ばかりが先に立ち、時間を要することもあるため弁護士などの協力者を得ておくことも早期の解決にいたるために必要です。

キムラ ミキ
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不動産を含む財産分与は、しかるべき準備と期間が必要です。
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AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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