- 所有権移転登記後に元の所有者がそのまま入居していると不法占拠になるため、早急に出ていく必要があります。
- 競売物件は市場価格よりかなり低めの価格で取り引きされるなど、デメリットしかありません!
- 競売を回避するためには任意売却などの方法がありますが、専門家への早めの相談が何より大切です。
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目次
「競売」を知っていますか?
返済が1回滞ったからといってすぐに競売になる、というわけではありませんが、住宅金融支援機構のデータによると、2019年度末における1カ月以上住宅ローンを滞納している人の割合は1.09%となっています。
2018年度末 | 2019年度末 | |
---|---|---|
1カ月延滞率 | 0.59% | 0.66% |
2カ月延滞率 | 0.14% | 0.16% |
3カ月延滞率 | 0.10% | 0.10% |
4カ月以上延滞率 | 0.16% | 0.17% |
競売とは
住宅ローンを組むときには、金融機関との間で抵当権を設定しますが、この抵当権があることにより、住宅ローンの債務不履行(=滞納)が起こった際に、金融機関は対象の不動産を競売にかけられるようになっています。
競売は通常の方法で不動産を売却するのと比べて、売却価格が大幅に低くなることが多く、不動産を競売で売却してもなおローンの残債がある場合には、その残債についても引き続き返済を続けなければなりません。
どうしたら家が競売にかけられてしまうの?
競売になる理由
住宅ローンでお金を借りたからには返済する義務(債務)が生じます。返済の滞納は、返済義務違反であり、債務不履行とみなされます。そのため、抵当権が実行され、競売にかけられるのです。
なお、住宅ローンの場合、住宅ローンを組むときに抵当権を組むので分かりやすいですが、抵当権を組まない消費者金融ローン等の無担保ローンでも、返済を滞納すると裁判を起こされて所有不動産が競売にかけられることがあります。
そのほか、相続の際、相続者間で意見がまとまらず、誰が相続するか決まらないとき、裁判所を通して競売にかけ、競売で得られた資金を相続者で配分するといったことが起こります。
また、固定資産税や都市計画税を数年間滞納すると、対象の不動産が差し押さえられてしまうことがあります。これは公売と呼ばれます。競売にはいくつかのパターンがありますが、ここでは住宅ローンを滞納して競売にかけられるケースを中心に見ていきたいと思います。
競売までのカウントダウン
住宅ローン滞納1か月目
住宅ローン滞納2-3か月目
ただし、当然ではありますが滞納分として2~3カ月分の返済額を全て支払う必要があります。
住宅ローン滞納3-4か月目
実質的にはこの段階までくると後戻りできなくなることが多いでしょう。
住宅ローン滞納4-5か月目
代位弁済とは、保証会社が債務者に代わって住宅ローンの残債を一括返済することで、これにより、代位弁済後は融資を受けた金融機関にではなく、保証会社に対して残債の返済を行います。
住宅ローン滞納6か月目
競売にかけられると何が起きる?競売の流れ
競売スタートから起こること
競売開始決定から1~3カ月 | 現況調査 |
---|---|
競売開始決定から2~6カ月 | 期間入札通知 |
競売開始決定から4~10カ月 | 物件一般公開~入札開始 |
競売開始決定から6~12カ月 | 開札~売却許可決定~代金納付 |
競売の開始決定がなされると、対象の物件をいくらで競売にかけるかについて裁判所から派遣された執行人と評価人が現況調査を行います。現況調査の結果、裁判所が競売の売却基準価格を決定するとどのような日程で競売を行うかを決める「期間入札通知」が自宅に送付されます。
期間入札通知後は、書面に記載された入札期間の2週間前までに物件が一般公開されます。その後、入札が開始されると、購入希望者による入札がなされ、入札した人の中でもっとも高い金額を提示した人が落札者となります。
競売落札後に起こること
なお、買受人は不法占拠への対策として、競売後すぐに「不動産引渡命令」を申し立てることができます。不動産引渡命令が確定した後は、買受人が裁判所に対して「強制執行の申立て」できるようになります。
強制執行されると荷物の運び出しや鍵の交換が行われるため、強制執行日までには退去しておかなければならないでしょう。競売が終わってから強制執行されるまでの流れは以下のようになっています。
1.競売終了から2週間程度 | 不動産引渡命令の確定~強制執行の申立て |
---|---|
2.競売終了から1~2カ月程度 | 裁判所による明け渡し催告 |
3.競売終了から2~3カ月程度 | 強制執行 |
競売はデメリットばかり…回避すべき理由とは
ほかにはどんなデメリットがあるのでしょうか?
市場価格より安く売られてしまう
安く売ってしまうということは、売却金をローンの返済に充てても、残債が多く残る、ということになります。引っ越しの時期や費用についても交渉の余地はなく、残債務の返済交渉も対応が厳しいケースが多いようです。
所有している不動産の適正価格を確認する場合は、
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競売が近隣や知人に知られる可能性がある
また、裁判所から派遣される執行官や、業者、入札予定者などが物件調査に訪れ、視察したり近隣に聞き込みが行われることも多く、自宅が競売にかかっていることが広く知れ渡ってしまう可能性があります。
競売を回避するためにできること
任意売却
そのため、不動産の売却代金と手持ち資金とを合わせて住宅ローンの残債に足りない場合は、売却自体が不可能となります。
この問題を解決できる可能性があるのが任意売却です。任意売却とは、上述したような不動産を売却しても住宅ローンが残ってしまう場合に、金融機関から抵当権解除の承諾を得て、不動産を売却する方法です。
もちろん、不動産を売却しても残債が残る場合には、任意売却後も返済を続ける必要がありますが、任意売却は競売と異なり、一般的な不動産売却と大きくは変わらない額での売却を目指すことができます。
なお、任意売却は住宅ローンを滞納してから競売開始決定がなされるまでの間に買主を見つける必要があるなど、制約もあるので留意が必要です。
個人再生によるリスケジュール
この方法により、住宅ローン以外に債務が複数ある場合に、その債務について最大5分の1まで減額を受けられ、減額を受けた債務について原則3年間で返済していきます。個人再生によるリスケジュールは任意売却や競売とは異なり、家を売却せずに済む点が大きな特徴です。
また、個人再生によるリスケジュール後、やはりローンを返済できないという場合には改めて任意売却を選択することも可能です。
よくある質問
- 住宅ローンの滞納はかろうじて防いでいますが、今後の返済が不安です。
- 一般的にローン滞納3~6カ月で競売の手続きが始まります。ローン未滞納であれば、取れる手段は増えるので、なるべく早く方針を決めることが大切です。
ローンの支払いが厳しいなと感じたら、まずは残債を確認し、他の債務や家計の見直しから始めましょう。通常の売却でローンが完済できそうなら、早めに売るのも1つの手です。 - 競売の取り下げは可能?
- 競売の取り下げができるかどうかは債権者との交渉次第です。競売は、住宅ローンが約束通りに返済されない時に裁判所の力を借りて不動産を売却し、債権を回収する手段です。
競売の申し立てが行われた後に、任意売却の許可が下りたとしても、確実に買い手が現れるという保証はないため、競売の取り下げは行われず、競売の手続きは並行して進められる可能性はあります。 - 経済状況を周りに知られずに住み続けることはできる?
- 任意売却で親族や投資家に自宅を売却し、その買い手と賃貸契約を締結する「リースバック」という手法で“住み続ける”という希望を叶えることが可能な場合があります。
リースバックは老後資金の確保など多くの場面で利用されていますが、任意売却におけるリースバックの場合、条件が厳しいことが想定されます。詳しくはリースバックの記事をご覧ください。
まとめ
こと本記事でご紹介した任意売却や個人再生によるリスケジュールで対処できないか、競売の前に検討してみることをおすすめします。
競売になる前に、できる限りのことはするべきです。
不動産会社を含め、どんな対応ができるか相談してみましょう。
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この記事の監修者
![逆瀬川 勇造](/press/system/press_image/2022/09/21/0YrMBDHaze7UMD6NkS5307VFSQUcHUc06t9cYIxu1LY/trim/e26ed388efc0000ab28f8101790e45e9_m.png)
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。