競売になる前に!住宅ローンがどうしても払えなくなったときに検討したい「任意売却」とは

  • 公開日:
  • 2019年10月24日
  • 更新日:
  • 2019年10月24日
競売になる前に!住宅ローンがどうしても払えなくなったときに検討したい「任意売却」とは
マイホーム購入に、切っても切り離せないのが、住宅ローンの存在。購入時点では問題なく住宅ローンの返済ができていても、思いがけない事態に直面して返済に窮してしまう可能性はゼロではありません。住宅ローンの滞納が続くと、マイホームは競売にかけられて、手放さざるをえないこともあるでしょう。この記事では、現在、住宅ローンの返済に不安を抱えている方に向けて、競売にかけられてマイホームを失う前に検討したい任意売却の種類や方法を、そのメリット・デメリットも交えながら、詳しくご紹介してまいります。

目次

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住宅ローンの返済が苦しくなったら、まずすること

様々な理由から、住宅ローンの返済に窮してしまう可能性は誰しも無縁ではありません。住宅ローンの返済が滞りそうになったら、まずすべきこととは何でしょう。いくつかの方法とその概要を整理しておきたいと思います。ただし、どの選択肢を選ぶ場合でも、家計、ライフプランの見直しは必要不可欠です。

1.銀行に相談(リスケジュール)

住宅ローンを借り入れている銀行に相談をしてみましょう。返済額や返済期間など条件変更をしてもらえる場合もあります。

2.個人再生+住宅ローン特則

住宅ローン以外のローン返済が重なったために、住宅ローンの返済が滞りがちになっている場合は、個人再生の活用も選択肢のひとつです。個人再生とは、大幅に減額されたローンを原則として3年間で分割返済していく法的な制度です。減額されたローンを完済することで、原則として返済義務が免除されます。この個人再生に、住宅ローン特則を付加することで、住宅ローンの返済義務はそのまま残りますが、マイホームを手放す必要はなくなります。

3.売却の検討

マイホームを売却して、住宅ローンを一括返済することも選択肢として考えられます。ただし、マイホームを売却しても、住宅ローンが残る場合には、抵当権を抹消することができません。自己資金でその残債を返済することが難しい場合は、後述する任意売却を視野に入れておきましょう。

4.放置して競売になるのを待つ

住宅ローン返済の滞納を放置していると、いずれマイホームは競売にかけられることになります。そのため、手間はかかりませんが、競売による売却価格は市場価格よりも大きく下回ることになります。その結果、住宅ローンが残ってしまうケースもあります。その場合、その後の返済交渉はできないと考えておいた方がよいでしょう。その他にも、マイホームの退去日も先方(落札者)の都合で決められて、強制的に退去を余儀なくされるなど、デメリットが多いことは知っておきましょう。

住宅ローンを滞納してしまったら、起こること

住宅ローン滞納1か月目

住宅ローン滞納1か月目は、何らかの理由で、たまたま返済口座に入金を忘れていたというケースもあります。気づいた時点で銀行に連絡して入金を行えば、遅延損害金を請求される可能性はありますが、特に問題はありません。

住宅ローン滞納2~3か月目

滞納が、2~3か月程度になると、銀行から督促状・催告書などが送付されます。督促状とは、支払いの催促をするもので、催告書は、期限内の返済を迫る内容となります。

住宅ローン滞納3~4か月目

滞納が3か月を超えると、個人信用情報に金融事故情報として掲載されることになります。そして、期限の利益喪失という名目で、残りの住宅ローンの一括返済が請求されます。

住宅ローン滞納4~5か月目

保証会社が住宅ローン契約者に代わり、銀行に代位弁済を行います。代位弁済が行われても、住宅ローン契約者の返済義務が消失するわけではありません。代位弁済されたものは、保証会社に支払う必要があります。

住宅ローン滞納6か月目

代位弁済の通知も放置し、滞納6か月目になると、保証会社は競売の申し立てを行います。その後、裁判所から競売開始決定通知が届くことになります。

競売にかけられる前に検討したい任意売却とは

住宅ローンの滞納を、そのまま放置していると競売にかけられることになり、手間はかからないものの、既にお話した通りデメリットも多いため、最終手段として考えておきたい方法です。競売にかけられる前に検討したいのが任意売却です。

任意売却とは大まかにいうと、マイホームを売却しても住宅ローンが残ってしまうケースにおいて、金融機関から抵当権解除の承諾を得て、マイホームを市場で売却する方法のことをいいます。以下に、さらに掘り下げて、任意売却の概要、メリット・デメリットについて説明しておきます。

任意売却が可能な期間

任意売却が可能な期間は、期限の利益喪失をしてから、競売の入札が始まる前までの期間です。目安としては、住宅ローンの滞納から3~12カ月といった時期です。ちなみに、競売開始決定通知が届いた後、現地調査などが行われるため、実際に競売の入札が始まるまでには数か月かかります。

任意売却をするメリット

任意売却のメリットは様々ですが、競売より高く売れる可能性があることは大きなメリットです。一般の不動産市場での売却となるため、相場価格と同程度で売却できる可能性もあります。その結果、残債を圧縮することができることになります。また、競売よりも高く売れる可能性が高いため、売却価格の中から、引っ越し費用を負担してもらえる可能性があったり、退去の日程についても融通がききやすかったりすることも、メリットでしょう。

また、任意売却は、不動産会社(任意売却業者)、銀行と二人三脚で進めていくため、任意売却後の返済計画の交渉についても、サポートを受けることができます。なお、広告などに任意売却物件などと記載されることもないため、住宅ローンの返済に窮したことを公に知られることはなく、プライバシーを守ることもできます。また、任意売却の場合、返済額を生活に支障のない金額にしてもらえることが多いこともメリットの一つです。

任意売却をするデメリット

任意売却にもデメリットはあります。任意売却を利用する場合、滞納が継続していることが必要になります。そのため、個人信用情報には事故記録が残ることになります。また、銀行などの債権者の同意が得られなければ、任意売却をすることは不可能です。

任意売却が可能な期間は、先に述べた通りです。数か月と言った限られた時間内で売却先が決まらない場合には、競売にかけられることになりますので、タイトなスケジュールもデメリットといえるでしょう。

競売よりも高く売却できる可能性が高いとはいえ、銀行などの債権者が想定していた売却価格を下回った場合、債権者は連帯保証人に住宅ローン契約者を飛び越えて、返済請求をすることもできてしまいます。そのような事態を回避するためにも、銀行などの債権者、連帯保証人が納得のいく価格設定をする必要があります。

任意売却の種類

任意売却にはいくつか種類があります。簡単にまとめておきたいと思います。

1.市場売却

一般の不動産流通市場で売却を行う方法です。

市場売却のメリット

任意売却の種類の中では、相場価格に基づいて、最も高く売ることができる可能性が高い方法です。結果として、売却後に残る住宅ローンがいちばん小さくなるため、銀行などの債権者の同意がとりやすいといえます。

市場売却のデメリット

売却まで時間がかかる可能性もあります。また、内見時の室内イメージで売りやすさが左右されるため、清掃や整理整頓を心がけておきましょう。売却後は、引き続き居住することはできません。

2.親子間売買

親が任意売却をし、その子が買主になるというように、親子間で任意売却を成立させる方法です。

親子間売買のメリット

任意売却後も、住み続けることができるため、精神的苦痛が小さいことがメリットといえます。子どもがローンを組み直して、コストを抑えることも可能となります。

親子間売買のデメリット

親子間売買に、融資をしてくれる銀行を見つけることが難しい可能性があります。また、市場売却よりも売却価格が低い可能性があり、銀行などの債権者の同意を取りづらいでしょう。また、生前贈与と受け取られると、贈与税が発生しますし、子が新たにマイホームを購入するときに住宅ローンを借りづらい状況となることもあります。

3.買戻し

一旦、親や親族などに買主となってもらい、その買主にローンを返済していく形で、文字通り、マイホームを買い戻していく方法です。

買戻しのメリット

居住し続けられるので、住宅ローンの滞納があったということを近所に知られないで済みます。親子間売買のように、贈与税が発生する可能性がないこともメリットです。

買戻しのデメリット

買戻し金額が高くなる可能性もあり、買い戻せない場合には引っ越すことになります。また、市場売却よりも売却可能価格が低い可能性があり、銀行などの債権者の同意を得にくいでしょう。

4.売却後賃貸(リースバック)

不動産投資を行う個人投資家や法人などの第三者に、買主となってもらい、任意売却と同時に、買主を大家さん、売主を賃借人とする賃貸契約を結ぶ方法です。

売却後賃貸のメリット

引き続き住み続けられるため、マイホームを売却したことなどを近所に知られずに済みます。お子さんの卒業まで等、期限を区切って賃貸契約を締結することも可能です。

売却後賃貸のデメリット

買い戻しと異なり、買主が身内ではない第三者であるため、入居審査が厳しい可能性もあります。また、ビジネスライクに家賃設定をされる可能性もあり、もともとの住宅ローン返済額と家賃に金額差がない場合には、リースバックの意味がありません。そのため、銀行などの債権者の同意を得にくい可能性があります。

5.買取

不動産業者に買い取ってもらう方法です。

買取のメリット

売買契約締結まで、一番早い方法です。不動産業者は買取後に商品価値を上げて、転売をします。そのため、クリーニングやリフォームを行うことを予め見込んでおり、建物、室内状況が悪くても買い取ってもらうことが可能です。

買取のデメリット

クリーニングやリフォームを見込んでいる分、相場価格を下回る価格での買取となる可能性が高く、銀行などの債権者の同意を得にくいでしょう。もちろん、そのまま住み続けることはできません。

6.抵当権消滅請求

抵当権設定をしている債権者が複数いる場合、買主に所有権移転後、買主が抵当権消滅請求を下位の抵当権設定者に送り、かつ担保解除料を支払うことで債権者に抵当権抹消をしてもらうという方法です。

抵当権消滅請求のメリット

下位の抵当権設定者に抵当権抹消を依頼することを買主に任せることができます。

抵当権消滅請求のデメリット

買主が自ら、抵当権抹消のために動き、費用負担をする必要があるため、理解をしてもらえる買主を見つけることが極めて難しいでしょう。買主も抵当権設定された状態で、所有権移転されているため、銀行からの融資を受けづらい可能性があります。

任意売却の進め方

任意売却の経験が豊富な不動産会社に物件査定を依頼し、信頼できる不動産会社に不動産会社への相談・打合せをするところからスタートです。その後、不動産会社と媒介契約の締結をし、債権者との交渉を行いながら、買主との売買契約に向けて売却活動を進めていきます。

売買契約締結後、売却金額で住宅ローンを完済できる場合には、特に問題はありません。一方、完済ができずに住宅ローンが残ってしまう場合には、不動産会社から銀行に交渉してもらい、返済計画の交渉を行うことになります。家計を見直し、無理のない返済額をあらかじめ考えておくことも必要です。

まとめ

様々な理由で、住宅ローンの返済負担を重く感じることがあるかもしれません。それが一時的なものか否か、目を背けないで確認することがまず大切です。任意売却・競売は最終手段と考え、段階に応じた対応策があることを知り、一人で抱え込まずに専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

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キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。

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