住宅ローンの返済が厳しいなら競売で住宅を処分される前に任意売却を

  • 公開日:
  • 2013年5月1日
  • 更新日:
  • 2018年6月4日
住宅ローンの返済が厳しいなら競売で住宅を処分される前に任意売却を
住宅ローンの滞納が続くと、抵当権に入っている住宅が競売などにかけられるため、不利な条件で住宅を売却しなければなりません。それを回避するための方法が任意売却です。ここではそんな任意売却の仕組みや流れを紹介いたします。

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目次

ローンの返済が厳しいなら任意売却という選択肢がある

一戸建てであれ、マンションであれ、住まいを購入する場合には、購入する住宅を担保にして(抵当権の設定)、住宅ローンを利用することが多いと思います。地道に返済できている間は良いのですが、やがて返済が困難になり、ある程度滞納してしまうと、通常、融資している金融機関は抵当権に入っている住宅を差し押さえて競売等で融資額を回収しようとします。競売になってしまうと、自らが売却するよりも安価な価格で売却され、なかば強制的に住まいを明け渡さなければなりません。もちろん拒むこともできません。なにより競売情報が公開されるため、親戚や近隣に知られてしまうというリスクもあります。こうした競売で住宅を処分される前に、金融機関の了解のもと、自らが不動産を売却することを任意売却と呼びます。

通常、抵当権を抹消するためには、融資の残債を返済する必要があります。しかし売却価格が残債を下回る場合、足りない金額には自己資金を充当するなどしなければ抵当権を解除してもらえません。ただし任意売却であれば、足りなかった(返済しきれなかった)債務を残したまま抵当権を解除してもらうことができます。

また任意売却は競売に比べ、市場価格に近い価格で売却できること、引越時期について協議できる、情報が開示されないなどのメリットがあります。 もしも住宅ローンの滞納が繰り返されるようなら、こうした手段もあるということを覚えておくと良いでしょう。

競売と任意売却の違い

競売の場合任意売却の場合
価格価格が相場の50~80%で落札市場の物件に近い価格での売却ができる
残債残債務が多く残ってしまう残債務を少しでも減らす事ができる
引越し代引越し代が出ない引越し代を交渉できる
引越し時期裁判所から引渡命令や強制執行もある事前に協議して決められます
情報開示新聞やネット上に開示される事情を知られず売却が可能

任意売却の条件

ローンを完済できなくても抵当権が解除されるなんて、魅力的に感じてしまう人もいるかもしれません。しかし任意売却は誰でも利用できる制度ではありません。任意売却で自宅を売却するには、ローン返済の滞納が必須条件となっています。返済が滞ることで、債権者は債務の一括弁済を求めることができるようになるためです。滞納期間にこれといった決まりはありませんが、主に3か月〜6か月ぐらいが一般的です。

任意売却の条件住宅ローンを滞納していること

任意売却のタイミング

任意売却の条件は、住宅ローンの返済が滞ることだと説明しました。ではいったいどのようなタイミングで任意売却を始めることができるのでしょうか。

滞納期間が3か月にもなると、金融機関は保証会社へ代位弁済(保証会社が本人に代わって返済すること)を求めることになります。具体的にはそのタイミングから任意売却を行うことができますが、なるべくそうなる前に、債権者である金融機関に相談するようにしましょう。なにより任意売却には、債権者の合意が必要になるためです。債権者としても、時間とコストがかかるため競売を避けたいというのが本音ですから、ローンの返済が困難であることをしっかりと伝えることで、任意売却に応じてもらうことができます。債権者からの通知に対して連絡を怠ると、返済や売却の意志がないと判断され、競売手続きを進められてしまいます。債権者からの通知には常に目を通し、早めに連絡を取る必要があります。

代位弁済を経て、新たな債権者となった保証会社が裁判所に申し立てることにより競売の具体的なスケジュールが始まります。代位弁済から入札書の開札となる前日までが任意売却の可能期間となります。管轄する裁判所により異なりますが、競売にかかる期間はおよそ6か月です。

競売開始が決定されれば、裁判所から通知が届きます。そこで初めて事態の深刻さに気づくケースもありますが、その場合でも開札日までのおよそ6か月間は任意売却ができるため手遅れではありません。早急に任意売却を扱っている不動産の仲介業者に相談すると良いでしょう。

任意売却の流れ

任意売却は、まず仲介業者の選定から始まります。任意売却の決意ができた時点で早々に仲介業者を選び、媒介契約を結んでおくと良いでしょう。早い段階で媒介契約を結んでおけば、その分早くから債権者との交渉も任せることができます。 仲介業者は、任意売却に強みのある不動産会社を選ぶようにしましょう。なお専任媒介契約でないと、債権者や抵当権者との交渉ができません。それだけに本当に信頼できる一社を選ぶことが大切です。

住まいの販売活動そのものは、一般的な不動産売却とほとんど違いはありません。内覧などにも時々応じる必要があります。購入者が決まれば、不動産売買契約を済ませ、新居へ引越すことができます。

任意売却の依頼先

任意売却を依頼しようと思った時、一体どこに連絡をすれば良いのでしょうか。任意売却には、専門的な法律の知識と経験が必要となります。任意売却に関する団体もたくさんあるので、まずどこに連絡をすれば良いか不明な方も多いと思います。任意売却を依頼する団体の判断ポイントをお伝えいたします。

●代議士が主体となっている
●税理士や宅地建物取引士がいる
●任意売却の実績が豊富である

任意売却は不動産取引の中でも特殊な案件なので、債務整理に関する法律の専門的な知識や、過去の任意売却の実績が豊富であるかどうかが重要になってきます。知名度や規模で判断せずに、しっかり話を聞いてから決めるようにしましょう。

任意売却のデメリットと注意点

競売に比べれば遥かにメリットの多い任意売却ですが、全くデメリットがない訳ではありません。 まず、任意売却には住宅ローン返済の滞納が条件ですが、ローンを滞納すれば、金融機関の事故者情報に登録、つまりブラックリスト入りすることになります。

また任意売却はあくまでも抵当権が解除されるだけであって、債務がなくなるということではありません。住宅を売却し、売却代金をローン返済に充てたとしても、残ったローン残高は、債権者と相談の上で分割払いなどによって払い続けなければならないということを理解しておきましょう。

任意売却のデメリット

ローンの滞納が滞ることにより金融機関の事故者情報(ブラックリスト)に登録される
債権者、連帯保証人などの同意が必要
売却に出してその金額を充てても、ローン残額が大きい
成立しなければ競売にかけられる
近隣や地域の人に気付かれてしまう可能性がある

ローンの返済額が厳しくなったら、まずは金融機関に相談をしてみましょう。場合によっては返済条件を見直してもらえることもあります。あらゆる手を尽くしてローンの返済能力があるうちはなるべく返済するようにして、任意売却はあくまでも競売にならないための最後の手段だと考えるようにしましょう。

残債について

任意売却によって物件を売却することができても、ローンを完済できるとは限りません。不足分は、自己資金で支払ったり引き続き返済する必要があります。一括で返済が難しい場合は、以下のような方法もありますので、覚えておきましょう。

1.小額での分割返済
2.自己破産を行う
3.サービサー制度等を利用する

サービサー制度とは

法務大臣から営業の許可を得た民間企業が、金融機関などから任意売却で残ったローンを買い取り、債権を回収していくことをサービサー制度といいます。平成11年2月1日に施行された「債権管理回収業に関する特別措置法」(サービサー法)に基づき、代理で残額の回収をしていきます。

まとめ

任意売却についてのポイントやデメリットについてお伝えいたしました。住宅ローンが滞納し、競売になる前の最終手段でもある任意売却も、条件が整わないと不成立になってしまうこともあります。また、任意売却を行っても、ローンの残債は返済していく必要があるというところも忘れないでおきましょう。

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