- 所有者が「空き家を0円で差し上げます」と考える背景には、空き家管理の手間や費用負担の重さ、売却が困難であるなどの理由が挙げられます。
- 空き家を譲る方法には、自治体の空き家バンクや民間の空き家マッチングサービスがあります。
- 空き家を0円で譲り受ける側には贈与税や不動産取得税などの負担、また譲り渡す側も損をする可能性があるなど、双方に諸費用や注意点が発生します。
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目次
「空き家差し上げます」はなぜ起きる?
相続をしたものの不要だから
しかし、維持管理をせずに放置してしまうと、空き家は劣化が進んでしまいます。また空き家を放置することは、衛生環境、治安などの悪化を招き、近隣トラブルの火種にもなるのです。
さらに老朽化が進むと、活用方法も限られますし、劣化してから活用を思い立っても多額の修繕費用がかかる可能性もあります。それに加えて、アクセスの悪い場所にあると、そもそも住みたいという人がいる可能性も非常に低くなります。
その結果、売却もできず放置せざるを得ず、0円でも引き取ってもらいたいと考える方もいらっしゃいます。
維持費や税金を払いたくないから
維持管理を適切に行わなければ、空き家の劣化は進みます。また、先ほどもご説明した通り、空き家を管理せず放置すると、以下のようなリスクも発生します。
①倒壊の危険性
②環境の悪化
→放置すれば「特定空き家」になる可能性がある「管理不全空き家」に指定
→更に、危険性をもたらすと「特定空き家」に指定

しかし、その特例の適用除外となった場合、課税標準は固定資産税評価額となるため、固定資産税は従来の6倍になる可能性があります。
解体費用が高額だから
高額な費用を誰が捻出するのか、話し合いがまとまらないため更地にできず、空き家が建ったまま放置されているケースも少なくありません。
空き家を0円で譲る場合も諸費用がかかる!
②不動産取得税
③登録免許税
④リフォーム・修繕費用
⑤譲渡契約書の作成費用
①贈与税
相続税法では、「著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合に、譲渡を受けた者が、譲渡価格と時価との差額に相当する金額を贈与されたとみなす」という規定があります。そのため、空き家を0円で譲る行為は「贈与」にあたり、0円で空き家を譲り受ける人に贈与税が課税されます。
贈与税は、贈与を受けた金額(その年の1月1日から12月31日までの1年間における贈与の合計額)から基礎控除額110万円を差し引いた金額に対して、課税されます。

贈与税:(300万円-110万円)×10%=19万円
②不動産取得税
先ほどもご説明した通り、空き家を0円で譲る行為は「贈与」にあたるため、0円で空き家を譲り受ける人に不動産取得税が課税されます。
不動産取得税の課税標準(税金計算の基準となる金額)は、固定資産税価格です。標準税率は4%とされており、住宅を取得した場合は3%の税率が適用になります。不動産取得税は地方税であるため、自治体によって多少異なる可能性もあります。
また、令和9年3月31日までに宅地など(宅地および宅地評価された土地)を取得した場合、当該土地の課税標準額は価格の1/2となります。
③登録免許税

④リフォーム・修繕費用
そもそも、所有者が0円で譲りたいと考えるわけですから、場合によっては維持管理が適切に行われず、空き家のまま放置されている可能性があった住宅です。劣化が進んでいたり、古家のため耐震基準を満たしていなかったり、というケースもあるでしょう。
そのような場合、居住の安全性を確保するために、インスペクション(専門家による建物状況調査)などの検査費用、劣化や破損がある箇所についての修繕費用が必要となることもあります。
⑤譲渡契約書の作成費用
口頭でも契約は成立します。しかし、不動産の特定に始まり、所有権移転、引き渡しの時期、租税公課の負担者、現状有姿での引き渡しなど、取り決めておきたい内容は数多くあります。
口頭での取り決めでは後々、「言った、言わない」のトラブルになる可能性もあるため、費用はかかりますが弁護士など法律に明るい専門家に依頼して、取り決めた内容を契約書に明記するとよいです。契約書作成にかかる費用は、譲り受ける人、譲る人双方で、話し合っておきましょう。
0円の空き家を譲る方法
自治体の空き家バンクを活用する
自治体が運営している安心感、活用できる補助金があるなどメリットもありますが、登録物件が少なかったり、状態のよい物件ばかりではなかったりなどのデメリットもあります。
民間の空き家マッチングサービスを利用する
②独自に物件情報を集めてマッチングサービスを展開しているサイト
空き家を0円で譲渡したい!注意すべきことは?
贈与税が発生するリスクがある
そのため、空き家を0円で譲る行為は「贈与」にあたり、0円で空き家を譲り受ける人に贈与税が課税されます。
贈与における物件評価額は、路線価方式(路線価をもとに算出)または倍率方式(固定資産税評価額をもとに算出)で算出されます。路線価は一般に公開されていますし、固定資産税評価額は役場で確認可能です。本来の物件評価額がどれくらいなのか、贈与税がかかる可能性があるかを予め確認しておきましょう
契約内容や条件を明確にして取引をする
とくに口頭の取り決めの場合、「言った、言わない」が始まる可能性が高いです。例えば、譲り受けた人から修繕や税金の負担を求められたり、譲った人が貸しただけであって譲っていないと言い出したり、というケースもあります。0円で譲渡するものだからと、軽く考えず、必ず譲渡契約書を取り交わしておきましょう。
譲り受けた際にかかる費用を見積もっておく
譲り受けを希望する側には、税金や修繕費用がかかることを考慮せず、一切の費用負担なく0円で取得できると考えている場合もあります。空き家を0円で譲渡した際、譲り受けた人が支払う可能性のある費用を把握しておきましょう。
トラブルを未然に防ぐためにも所有者として、譲り渡す物件の状況を確認して、必要な費用についても説明できるようにしておきましょう。
相続空き家の場合、相続人同士でトラブルが起きる可能性がある
空き家は現預金のように分割が難しい財産です。そのため、持分で分割して相続し、相続人で共有しているというケースも少なくありません。共有財産の処分については、すべての共有名義人の同意が必要です。
同意を得ずに、独断で0円で譲り渡すとトラブルが起こる可能性があります。共有名義人に活用の意思が全くなかった場合でも、事前に相談を持ちかけて同意を得ることを忘れないようにしましょう。
売却価値がある場合、損をしてしまう
「使い道のない空き家なのに、査定を依頼するのは面倒だ」と考えていても、実は収益が発生したり、思いもよらないニーズがあったりする可能性もあります。0円で譲り渡してから損をしたと後悔しないように、査定を依頼することをおすすめします。
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まとめ
また、空き家の維持管理に困っている人の立場からすれば、0円でもいいから早く手放したいという思いもあるでしょう。しかし、実は売買ニーズがある空き家の可能性もあります。
0円で譲り受ける人がどれくらいの費用負担が発生する可能性があるかを所有者として把握し、説明する準備も必要です。不動産の状況を把握するためにも、空き家の査定を依頼してから0円で譲り渡すか否かの検討を進めてみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー
日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。





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