- 建築基準法・建築物省エネ法の改正は、建築物の安全性強化と省エネ対策を目的としています。
- 環境に優しく安全な建物が増える一方で、法基準を満たさない中古物件の価値が下がる懸念もあります。
- 売却予定の物件は法基準を満たすか・リフォームは必要かなど、早めの調査をしておきましょう。
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目次
2025年4月、建築基準法・建築物省エネ法が改正
建築基準法・建築物省エネ法とは?何が変わる?
建築基準法・建築物省エネ法が改正される背景
省エネ対策

木材の利用促進
林野庁によれば、1本の杉の木が1年間に吸収するCO2量は約8.8キログラムとなっています。また、1世帯から1年間に排出されるCO2量は約3,700キログラム(2021年)であり、これは樹齢36~40年の杉12本が蓄えている炭素量に由来する二酸化炭素量と同程度です。
木造軸組工法の一戸建て住宅の新築着工戸数は約38万戸(2022年)で、これらの建物に貯蔵される炭素は約196万t、CO2換算で約720万tと想定されています。建築物の木造化が進めば、CO2の固定化と省エネ対策の両面で効果が期待できるでしょう。

法改正のここがポイント
①四号特例の縮小
②木造建築物への規制緩和
●中層木造建築物の耐火性能基準合理化
●大規模木造建築物の防火規定変更
③省エネ基準への適合義務化

万が一、省エネ基準に満たない場合や必要な手続きを怠った場合、確認済証や検査済証が発行されず、着工および使用開始が遅れる恐れがあります。詳しくは以下をご確認ください。
④耐震性能の基準強化
⑤既存不適格物件の取り扱い変更
この法改正は、環境に配慮した持続可能な建築を推進する一方で、不動産市場にも大きな影響を与えることが予想されます。不動産のオーナーや投資家の方々は、これらの変更に備えて対策を検討するとよいでしょう。
古い家を売りたいと思っている人は、思わぬ費用増加や売却期間の伸長を余儀なくされる場合も…。
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【2025年建築基準法改正】不動産売買でのメリット・デメリット
メリット①物件の性能が可視化される
物件の透明性が上がれば、不動産市場全体の信頼性を高められるため、よりスムーズな取り引きが期待できます。
メリット②物件の安全性が高まる
メリット③高性能物件の価値がより高まる
デメリット①売却前の手続きが複雑になる
たとえば、四号特例の縮小により、大規模なリフォームの際に建築確認申請が必要になる物件の範囲が拡大されました。それにともない、リフォーム全体にかかる費用や工事のスケジュールに影響を及ぼす恐れがあります。
デメリット②必要なコストや時間が増える
また、診断や必要書類の準備に時間がかかり、思うように物件が売れないケースもあるでしょう。
デメリット③中古物件の価値が下がる
また、2050年までにZEH水準の省エネ性能の確保が求められる方針が示されたことで、中古物件の流通がより困難になる恐れがあります。
デメリット④再建築不可物件のリフォームができなくなる
これにより、所有者は物件の維持や改善が困難になるほか、資産価値の低下や売却の難しさに頭を悩ませるかもしれません。
法改正後の売却で注意すべきポイント3つ
売却予定の物件が法基準を満たしているか確認する
これらの基準を満たしていない場合、住宅ローンの利用が困難になる恐れがあるほか、買い手の選択肢が大幅に制限されてしまうでしょう。そのため、専門家による診断や性能評価を受け、必要に応じて改修計画を立てることが欠かせません。
リフォームが必要か見極める
一方、リフォーム費用と予想される売却価格のバランスを慎重に検討しなくてはならず、リフォームが必要かどうかを見極める必要があるでしょう。その際、自治体が提供する支援金や補助金が活用できるケースもあるため、あわせて確認することをおすすめします。
売却時に必要な書類に気を付ける
まとめ
●木材を使いやすくする規制緩和
●省エネ基準を満たすことの義務化
●耐震基準の強化
●古い建物に対する規制の見直し
不動産を所有している方や投資をお考えの方は、まずは所有する建物が新しい法律の基準を満たしているか確認をしましょう。
建築基準不適合住宅は、売却するときに大きなマイナス要素となります。また場合によっては「買い手がつかない=売却できない」ということもありえます。 建築基準法は、さまざまな理由で基準が変わることがあるため最新情報をチェックしてから適合す物件を建てる(あるいは購入する)ようにしましょう。

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この記事の監修者

不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルなどを行うかたわら、ラジオNIKKEI「吉崎誠二の5時から”誠”論」などテレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。また新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間多数。
著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)など11冊。
この法改正は、環境への配慮と建築物の安全性向上を目的としていますが、不動産のオーナーや建築関係者には重要な影響を与えるでしょう。