【2025年問題とは】不動産価格に影響あり?!今できる対策を解説します

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この記事の監修者

吉崎 誠二
吉崎 誠二

不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

【2025年問題とは】不動産価格に影響あり?!今できる対策を解説します

2025年問題をご存じですか?この記事では2025年問題が不動産に与える影響について解説し、影響を回避する方法をご紹介します。

この記事のポイント
  • 2025年問題とは、「団塊世代」と言われる方々が後期高齢者となることで生じる、社会保険の増加や労働力不足などの問題をいいます。
  • それらの問題は「空き家増加」「コンパクトシティの進行」「買い手の減少」へとつながり、不動産価格にも影響を与えます。
  • 不動産売却を考えているなら、周辺の変化や情報を収集し、売り時を逃さないようにすることが大切です。

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目次

そもそも2025年問題とは何?

2025年問題とは、団塊世代と言われる人口ボリュームゾーンの方々が後期高齢者となることで生じる、社会保険費の負担増加、働き手不足などの問題をいいます。団塊世代とは第一次ベビーブーム(1947~1949年)に生まれた人口の多い世代です。
団塊世代と呼ばれる方々の多くは2025年に後期高齢者になり、高齢者数が3,677万人、後期高齢者の割合も17%超となると推計されています。2025年問題により、以下のような問題が生じる可能性があると考えられています。

社会保障費が爆増

高齢者数および後期高齢者の割合が増えることで、社会保障費が大きく増えることが考えられます。社会保障費とは、年金・医療保険・介護保険・生活保護などにかかる費用です。
これらの費用は公費に加えて、働き手の所得から徴収される社会保障費の負担で賄われています。つまり、高齢者数および後期高齢者の割合が増えると、働き手の社会保障費の負担が現在よりも大きくなる可能性があるため、深刻な問題といえます。

公共サービスの縮小

社会保障に代表される、公共サービスの縮小も懸念されています。社会保障費の増大が予測される今日、社会保障費の負担が過度に増大すれば働き手の生活に大きな支障が生じます。
内閣府の世論調査でも負担を増加しても現在の水準を維持すべきと考える意見は少ないため、将来的に公共サービスの水準が下がる可能性が考えられます。

労働力不足

2025年問題は、労働力にも影響します。高齢者数や後期高齢者の割合が増加する一方で、生産年齢人口(15~64歳)は1995年の8716万人をピークに減少が続いています。2025年には7170万人になると推計されており(令和4年版高齢社会白書)、労働力不足となる懸念が強まっています。

2025年問題が不動産市場に与える影響

2025年問題は不動産市場にも以下のような影響があります。それぞれの内容について説明します。

相続不動産・空き家の売却増加

高齢者数、後期高齢者の割合が増えるということは、相続の増加にもつながっていきます。相続をしても空き家状態となっている不動産は年々増えており、2025年以降、その高まりが加速するかもしれません。
また、空き家増加の問題と並行して、所有者不明の不動産が増えていることを背景に、2024年4月より相続登記の義務化がされました。定められた期間内に登記を怠ると(登記漏れ)過料が課せられますので、早めに登記情報の確認や手続き準備を進めておく必要があるでしょう。

立地適正化計画の進行

この先次第に立地適正化計画(人口減少社会に対応したコンパクトシティを実現するための計画)が市町村単位でさらに進行していくでしょう。立地適正化計画が進行すれば、医療、福祉、商業などの都市機能を集約し、各種サービスの効率的な提供を図ることができます。

一方、そのエリア外にある不動産は生活利便性が低減することになるため、利活用しにくくなる可能性も否めません。

買い手の減少

前掲の「高齢化の推移と将来推計」によると、日本の人口は2010年以降、減少の一途をたどっています。さらに2025年以降、生産年齢人口は大きく落ち込むと推計されているため、マイホームなど不動産を取得したいと考える買い手が減少していく可能性が高くなります。将来的に住宅需要が低下すれば、住宅価格の下落も予想されます。

2025年問題による不動産価格への影響

2025年問題は不動産価格にも影響を及ぼします。将来的に売却を検討している方の中には「不動産大暴落」が生じてしまうのではないかと、懸念している方もいらっしゃるかもしれません。2025年が到来して、すぐに「不動産大暴落」が生じるとは考えにくいものの、留意しておきたいポイントをご紹介します。

地方からだんだんと不動産価格が下落する可能性

日本全国一律に、不動産大暴落が生じるとは考えにくいでしょう。

しかし、将来的に人口減少が進む中、立地適正化計画の進行によりコンパクトシティ化していく流れは否めません。

その結果、生活利便性の低いエリアから生活利便性の高いエリアに移住が進んでいけば、需要の低い生活利便性の低いエリアの不動産価格は下落していく可能性が高いでしょう。その流れは、市町村単位から、県単位、国単位と、地方からだんだんと不動産価格の下落が進行していくと考えられます。

世帯数は2023年がピーク

国立社会保障・人口問題研究所の発表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)/2018(平成 30)年推計」によると、日本の世帯数は2023年をピークに減少していくとされています。これがいわゆる2023年問題といわれるものです。

最新の2020年国勢調査に基づく世帯数の将来推計(2024年推計)が、秋には出るものと思われますが、単独世帯の増加に伴い世帯数総数は増えるものと思われます。

吉崎 誠二
吉崎 誠二
推計結果を表したグラフでも世帯数の減少が確認できます。この推計には「夫婦と子から成る世帯」、「その他の一般世帯」が減少してきたことが影響していますが、2025年以降は「夫婦のみの世帯」も減少に転じるとも予想されています。そのため、ファミリータイプの不動産はだんだんと需要が落ち込むといえます。

なお、現在「単独世帯」「ひとり親と子から成る世帯」は増加しているものの、2018年推計によれば2030年には減少に転じると予想されています。

将来的に売却を検討している場合には、購買者層を想定したうえで、所有する不動産が立地するエリアの需要について、将来動向を不動産の専門家などに確認しておきましょう。

ローン金利が上がる可能性

2025年問題により、ローン金利が上がる可能性もあります。住宅ローンの金利が低い水準で推移してきたのは、住宅購入を後押しして経済循環を促す目的もありました。

しかし、今後、人口および世帯数が減少し、不動産の購入需要が低下していくことになれば、経済循環を促す施策としての有効性が薄れるかもしれません。
また、現在、低金利が維持できているのは、過去に高い金利で住宅ローンを利用していた方から利息収入がまだ得られていることも考えられます。

しかし、グラフをご覧になるとわかるとおり、4%以上の高い金利で住宅ローンを利用していた方もすでに完済終了しているか、もしくは間もなく完済を迎える時期が到来します。その時期を見極めながら金融機関も利益確保のために金利引き上げが検討される可能性も十分に考えられます。

高金利で住宅ローンを利用しづらい環境となれば、不動産の購入需要はさらに低下する可能性もあるでしょう。

24年3月19日にマイナス金利解除となり、政策金利が僅かに上昇しました。現時点では借入金利に大きな変化はありませんが、この先変化があるかもしれませんので、注視しておいた方がよいでしょう。

吉崎 誠二
吉崎 誠二

不動産の売り時を見極めよう!

2025年問題を踏まえて、不動産の売り時を見極めるためには以下のようなポイントに留意するとよいでしょう。

周辺エリアの変化をつぶさに観察しよう

周辺エリアの変化を観察し、需要を見極めましょう。

日ごろ、それとなく目に映っている近所の風景の中にも変化を見付けることは可能です。意識をしてみるだけでも街の変化はあるものです。

また、市町村が公表している立地適正化計画の内容に目を通してみたり、「REINS Market Information」や「土地総合情報システム」を活用して周辺の不動産取引がどのような状況になっているのかを確認してみたり、所有する不動産の需要状況を調べてみる手段はあります。

自分の知識だけでは心細いという方は、不動産会社も味方に付けながら相場の変化や情報を収集し、売り時を見極めていきましょう。

所有5年超なら譲渡所得税率は下がる!

税金が軽くなるタイミングも抑えておきましょう。

課税される税率は不動産を所有していた期間によって異なります(別途、復興特別所得税が2.1%かかります)。所有していた期間が5年超である場合には長期譲渡所得となり、所得税および住民税あわせて20%、所有していた期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、所得税および住民税あわせて39%となります。

耐用年数と住宅ローン控除の経過年数基準に着目しよう

買い手の動機や買いやすさについても考慮をしましょう。

買い手の立場に立てば、耐用年数が経過した住宅ローンを利用しにくい物件を魅力的に映らないこともあるでしょう。

まだ住める不動産、まだ使える不動産だから売却するのはもったいないと思っているうちに、売り時は過ぎていくかもしれません。耐用年数と住宅ローン控除の経過年数基準に着目して、買い手に魅力的に映る時期に売却を決断するのも一案といえます。

まとめ

時は金なり。不動産をめぐる社会情勢は刻一刻と変化しています。将来的には売却しようと思っている場合、動き出すことを先延ばしにしていると、買い手が付かない状況に慌ててしまう可能性もあります。備えあれば患いなし。いつかではなく、今から準備を進めてみてはいかがでしょうか。

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社会問題に連動して不動産価格は変化します。
将来売却を考えている人は社会情勢も欠かさずチェックを!

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吉崎 誠二
吉崎 誠二

不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

(株)船井総合研究所上席コンサルタント、等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルなどを行うかたわら、ラジオNIKKEI「吉崎誠二の5時から”誠”論」などテレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。また新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間多数。

著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)など11冊。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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