認知症になった親の不動産は売却できる?方法や手順を解説します

  • 更新日:
  • 2021年08月02日
認知症になった親の不動産は売却できる?方法や手順を解説します
親が認知症になり、介護をするために退職、または時短勤務としたために収入が減少したという方もいるでしょう。さらに、思いのほか介護や医療に費用がかかることになったため、不動産を売却するなどしてその資金工面をしたいという方もあるかもしれません。この記事では、認知症になった親の介護費などのために不動産を売却して資金を作りたいと考える方に向けて、親の不動産を売却できるのか否か、そして、売却できるのであればどのような手順や書類が必要となるのかについてご説明します。

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目次

認知症になったら不動産の売却ができなくなる

認知症には、さまざまな症状がありますが、記憶障害(新しい情報を覚えられなかったり、以前の出来事を思い出せなかったりすること)のほか、失語・失行・失認・実行機能(段取り)障害などの支障が生じます。

民法第3条2項には、「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。」と明記されています。
不動産の売却は、法律行為の1つです。つまり、不動産の所有者が認知症となり、意思能力がない、または疑わしいということになれば、不動産の売却によってどのような結果となるのか、十分に理解することができないため、不動産の売却はできません。

また、あくまでも不動産の売却の当事者は、不動産の所有者です。不動産の所有者でない者が所有者本人の同意を得ず、もしくは、同意を与えるための意思能力がない状態で所有者本人を代理して不動産の売却を行うことは、たとえ子どもであってもできません

認知症の親に代わってどうしても不動産を売却したい!方法はある?

しかし、認知症の親の介護のために、どうしても不動産を売却し、資金工面をしたいと考える方もあるでしょう。その場合、法定後見制度を活用するという方法があります。ここでは、法定後見制度の概要およびメリット、デメリットについてご説明します。

法定後見制度を使った不動産売却

法定後見制度とは、認知症はもとより、知的障害や精神障害などの理由で判断能力が不十分な方の法律行為を、成年後見人などに選任された方がサポートする制度です。成年後見人などになった人は、本人の代わりに不動産の売却のほか、預貯金などの財産管理、介護サービスの契約締結、遺産分割の協議などを行うことができます。もっとわかりやすくいえば、判断能力の不十分な方の財産や人権が侵されないように成年後見人などが守ってあげる制度といえるでしょう。

法定後見制度には、「成年後見」「保佐」「補助」の3類型があります。「成年後見」におけるサポート役、成年後見人は日常生活に関する行為を除いて、広範な代理権を持ちます。「保佐」「補助」におけるサポート役、保佐人、補助人は法律行為の一部について、同意権・取消権・代理権を持ちます。

法定後見制度を使った場合のメリット

法定後見制度を活用すると、認知症によって意思能力がない、または疑わしいという場合でも、当事者に(成年後見人など)代理して、または当事者が(保佐人および補助人)同意を得て、法律行為である不動産売却を行うことができます。つまり、親が認知症になった後に、不動産を売却し、資金工面するのも可能となります

法定後見制度を使った場合のデメリット

家庭裁判所に申し立てを行う必要がある

法定後見制度を利用するためには、家庭裁判所に申し立てを行い、法定後見開始の審判を受ける必要があります。家庭裁判所に申し立てを行う際の費用は、一般的には申立手数料(収入印紙)800円、登記手数料(収入印紙)2,600円と、郵送料の数千円程度です。ケースによっては鑑定料(一般的には10万円以下)がかかる場合もあります。

親族以外の人に成年後見人などになってもらう場合は、その成年後見人などへの報酬も必要となります。なお、法定後見開始の審判が下るまでには、鑑定が必要な場合を除き、一般的には数週間から2か月程度の期間を要します。

財産管理を行う場合、毎年報告が必要

法定後見であれば、必ず財産管理などの代理権が付与されます。保佐および補助においても、審判によって財産管理の同意権や取消権、代理権が付与されることもあります。この場合は、毎年、収支報告をする必要があります。

また、目安として10万円以上の支出、財産の処分を行う場合には、都度裁判所の許可が必要となると考えておきましょう。これは、冒頭でお伝えしたとおり、「判断能力が不十分な方の財産や人権が侵されないように、成年後見人などが守ってあげる制度」であるためです。その観点から、とくに自宅売却は慎重に判断される傾向にあることも留意しておくとよいでしょう

審判の取り消しはできない

いったん法定後見開始の審判が下されると、原則として審判の取り消しを求めることができません。つまり、不動産の売却だけのために、法定後見開始の審判を受けて、その後は手間がかかるので審判を取り消すということはできないということです。

家族信託という選択肢

認知症となる前であれば、家族信託という選択肢もあります。家族信託とは、資産を持つ方が特定の目的に従い、その資産を“家族”に“信”じて“託”し、管理や処分をまかせる仕組みのことをいいます。不動産売却をするためには、親が認知症となる前に家族信託契約を締結しておく必要があります。

法定後見制度を使った不動産売却の手順

法定後見制度において、不動産売却について代理権を付与されている成年後見人などが不産売却を行う手順についてご説明します

売却の手順

基本的には、みずからの所有する不動産を売却する際の流れと大きくは変わりありません。しかし、親とはいえど、第三者の不動産を売却するわけですから、みずからの所有する不動産以上に慎重に売却を進めましょう。

1. 相場の調査
不動産の相場について調べます。インターネットの情報でおよその相場観を掴んだうえで、複数の不動産会社に査定依頼をしましょう。査定結果は、高ければよいというものではありません。査定結果についての、具体的な根拠を示し、親身に相談に乗ってくれる不動産会社に売り出しの依頼をするよう留意しておきましょう。

2. 不動産会社の選定および売り出し
信頼できる不動産会社を選定し、売り出し価格を決定しましょう。売り出し価格は、いわば“見せ値“です。必ずしも、その価格で成約するとは限りません。購入検討者と交渉し、売買価格が決定します。購入者が決定したら、売買契約書の案を作成しましょう。

3. 不動産の売却の許可を申請する
不動産の売却について、裁判所の許可が必要になるのは、当該不動産が「本人の居住用不動産」である場合です。許可を受けずに不動産売却を行った場合、その取り引きは無効となります。なお、「本人の非居住用不動産」である場合には許可は不要ですが、生活費や介護医療費の確保など、正当な理由が必要となります。また、著しく低い価格での取り引きは、法定後見制度における本人保護の観点から認められない可能性もあります。不動産売却を考える際には、事前に裁判所に相談しておくとよいでしょう。

4. 売買契約の締結および引渡し
裁判所の許可を経て、買主と売買契約を締結し、不動産の引渡しを行います。

必要書類

本人の居住用不動産の売却についての許可に必要な書類は、以下のようなものがあります。事案の内容によっては上記以外の追加書類の提出を求められる場合があるため、事前に裁判所に出向き、必要書類を確認しておくとよいでしょう

・申立書
・不動産会社が作成した査定書
・売買契約書の案
・不動産の全部事項証明書
・不動産の評価証明書
・本人または成年後見人などの住民票の写しまたは戸籍附票
 ※本人または成年後見人などの住所に変更がある場合
・800円程度の収入印紙や郵送用の郵便切手

親が認知症になる前に…事前対策としてできること

親が認知症になってからでも、法定後見制度を活用すれば、確かに不動産の売却を進めることはできます。しかし、それが親本人の意向に沿ったものかは確認の余地がありません。また、審判開始には期間を要し、その後の手間もかかります。

事前対策として、将来的に認知症となった場合、医療や介護の費用を工面するために、不動産を売却してもよいか否か、意思能力がはっきりしている時から、親子で話し合う機会を設けておくとよいでしょう。もし、その話し合いができていれば、法定後見制度を活用しなくても、先ほど紹介した家族信託契約を事前に締結しておけば、スムーズに不動産の売却を進めることもできます。いざとなってから慌てるのではなく、早め早めに話し合っておくことをおすすめします

まとめ

親が認知症になった場合でも、法定後見制度を活用すれば不動産の売却を進めることは可能です。しかし、それが認知症となった親の本意であるかどうかは、その時点ではすでにわからないかもしれません。親の本意に従って手続きを進めるためにも、親が認知症となる前から、親子で事前に話し合いを重ねておくことが望ましいといえます。

そうしておくことで、もしも将来認知症になった場合、介護医療費の工面について広い選択肢から考えることができるだけでなく、その後の相続についても親は考えを整理できます。早め早めに対策を講じておくということが、何にも増して重要であると考えておきましょう。

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キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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