不動産の名義変更は自分でする?手続き・書類・費用などケース別に解説します

2024.02.07更新

この記事の監修者

キムラ ミキ

キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

不動産の名義変更は自分でする?手続き・書類・費用などケース別に解説します

不動産を手に入れたり手放したりするときに必要になる不動産の名義変更。離婚・相続・生前贈与などケースごとに、手続きの方法を詳しくご説明いたします。

この記事のポイント
  • 不動産の名義変更は「遺産相続」「生前贈」「離婚」「不動産売買」の4つのシーンで発生します。
  • 相続した場合は名義変更の期限はありませんが、売却・活用するためには名義変更が必要となるため手続きはすみやかに!
  • 自身で手続きをする場合は、専門家のアドバイスを受けながら行うことをお勧めします。

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目次

不動産の名義変更とは

不動産の名義変更とは、不動産の所有者が移転した際に、登記簿の名義を変更することを指します。所有権移転登記ともいわれます。

不動産登記簿は法務局に保管されており、不動産の名義人に関する情報を一括で管理するものです。法務局の登記簿は一般に公開されていますので、法務局で申請すれば誰でも登記簿謄本・登記事項証明書の取得が可能です。

不動産の名義変更をするべき理由

名義変更は、義務ではありません。不動産の所有権自体は名義変更の手続きがなくても移転しますが、登記情報が変更されていなければ公的に証明することができず、権利の主張ができません。親から譲られた不動産も名義変更がされていなければ売却もできず、活用することもできないのです。

そのまま放置し続けると、誰の所有物かわからない「所有者不明土地」となってしまったり、悪意のある人が無断で売却してしまうといったトラブルにもつながりかねません。

このような不動産名義に関するトラブル防止のためにも、不動産の譲渡が発生した際には速やかな名義変更をおすすめします。

不動産の名義変更が必要なケース

不動産の名義変更は、主に遺産相続や、生前贈与、離婚、そして不動産売買の4つのシーンで発生します。それぞれのケースで必要な書類や作業が異なりますので、しっかりと下準備をしておきましょう。次章からケースごとに詳しく説明してまいります。

ケース1:遺産相続

不動産所有者が亡くなり、遺産として相続しても、名義が変更されないまま何代も経てしまうと、誰の所有なのかがわからない「所有者不明土地」となってしまうことも考えられます。遺産分割協議が成立したら速やかに名義変更の手続きをしましょう。

手続きの流れ

相続が発生した際、相続財産の調査および相続人の確定を経て、遺産分割協議書の作成を行います。その結果、不動産を相続することになった場合、法務局に必要書類(下項参照)を提出して登記申請を行うことで、不動産の名義変更を行います。

必要書類

必要書類には、以下のものが挙げられます。

1.登記原因証明情報
相続関係説明図(被相続人と法定相続人との関係を図示したもの)と遺産分割協議書のことを指します。法定相続分による相続の場合は、相続関係説明図の提出でよいですが、法定相続分ではない相続の場合は、遺産分割協議書の提出も必要となります。

どちらの書類を提出する場合でも、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本含む)と法定相続人全員の戸籍証明書も合わせて提出が必要です。ただし、相続関係説明図を作成提出した場合は、戸籍謄本の原本を返却してもらうことができます。

2.登記識別情報
従来の登記済権利証に代わるもので、アラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号のことをいいます。

3.住民票
不動産を相続した方の住民票です。

4.印鑑証明書
不動産を相続した方の印鑑証明書で、3か月以内に取得したものです。

5.固定資産評価証明書
固定資産課税台帳に記載されている土地や建物の証明書のことをいいます。不動産の所在する市町村窓口で取得することができます。

手続きの期限

とくに期限はありません。ただし、相続した不動産を売却、活用するためには名義変更が必要となるため、すみやかに手続きを行うことをおすすめします。

なお、相続で受け取った不動産を売却する場合、「取得費加算の特例」という税金の減免措置を利用するならば、被相続人が亡くなってから3年10カ月以内に売却する必要があります。

費用

戸籍や住民票、固定資産評価証明書、登記事項証明書など必要書類を取得する際の手数料が必要となります。

税金

相続登記申請の際には、登録免許税が課税されます。登録免許税は、課税標準である固定資産評価額に0.4%を乗じて算出されます。

ケース2:生前贈与

生前贈与の場合は不動産を譲渡する者と譲渡されるものが共同で手続きを行います。贈与は口頭のやり取りでも成立しますが、後々のトラブル回避のためにも贈与契約書の作成と、速やかな所有権移転登記をおすすめします。

手続きの流れ

生前贈与をする場合には、「不動産贈与契約書」を作成して、法務局に必要書類(下項参照)を提出して登記申請を行うことで、不動産の名義変更を行います。

必要書類

1.登記識別情報通知
従来の登記済権利証に代わるもので、アラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号のことをいいます。

2.印鑑証明書
不動産を贈与した方の印鑑証明書で、3か月以内に取得したものです。

3.住民票
不動産の贈与を受けた方の住民票です。

4.固定資産評価証明書
固定資産課税台帳に記載されている土地や建物の証明書のことをいいます。不動産の所在する市町村窓口で取得することができます。

5.登記原因証明情報
不動産贈与契約書のことを指します。

手続きの期限

とくに期限はありません。ただし、生前贈与された不動産を売却、活用するためには名義変更が必要となるため、すみやかに手続きを行うことをおすすめします。

また、生前贈与後に贈与する人、受け取る人のどちらかが亡くなってしまった場合、相続人の中に、その贈与に反対する方が出た場合などにトラブルの原因になる可能性もあります。

費用

戸籍や住民票、固定資産評価証明書、登記事項証明書など必要書類を取得する際の手数料が必要となります。

税金

1.贈与税
年間で110万円(基礎控除)を超える贈与を受けた場合には、贈与税が課税されることになります。

2.不動産取得税
贈与で不動産を取得した場合、不動産取得税の課税対象となります。税額は、課税標準である固定資産税評価額に土地は3%(平成33年3月31日以降は上がる可能性があります)、建物は住宅なら3%、住宅以外は4%を乗じて算出されます。なお、宅地の場合、平成33年3月31日までは課税標準を固定資産税評価額の1/2となる特例が適用されます。

3.贈与登記の際の登録免許税
生前贈与で登記内容の変更申請を行う際には、登録免許税が課税されます。登録免許税は、課税標準である固定資産評価額に2%を乗じて算出されます。

ケース3:財産分与(離婚による)

財産分与とは、離婚により共同で築いてきた財産をお互いに分配することを指します。不動産が財産分与の対象となる場合は共同で申請し、所有権移転登記を行います。

手続きの流れ

離婚による財産分与において、不動産の名義変更をする場合、まず離婚が成立し、財産分与についての協議が整っている必要があります。財産分与については、財産分与契約書などの書面を作成しておきます。

その後、法務局に必要書類(下項参照)を提出して登記申請を行うことで、不動産の名義変更を行います。なお、対象となる不動産に住宅ローン残債があるとき、不動産の名義人と住宅ローン契約者が異なる状態になると、後々トラブルになる可能性もあります。金融機関に予め相談し、無断で名義変更することはやめておきましょう。

必要書類

1.登記識別情報
従来の登記済権利証に代わるもので、アラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号のことをいいます。

2.印鑑証明書
不動産の元々の名義人の印鑑証明書で、3か月以内に取得したものです。

3.住民票
新しい名義人になる方の住民票です。

4.固定資産評価証明書
固定資産課税台帳に記載されている土地や建物の証明書のことをいいます。不動産の所在する市町村窓口で取得することができます。

5.登記原因証明情報
財産分与契約書など、財産分与が整っていることとその内容がわかる書類

6.戸籍謄本
離婚が成立していることを示すことができる書類として提出します。

手続きの期限

とくに期限はありません。ただし、相続した不動産を売却、活用するためには名義変更が必要となるため、すみやかに手続きを行うことをおすすめします。

ただし、離婚の場合、手続きを後延ばしにした結果、いざ名義変更をしようと思った時に、相手方が協力してくれない可能性も考えられるため、離婚後すみやかに手続きを行うことをおすすめします。なお、離婚時の財産分与請求の期限は2年です。

費用

戸籍や住民票、固定資産評価証明書、登記事項証明書など必要書類を取得する際の手数料が必要となります。

税金

1.登録免許税
離婚による財産分与で、登記内容の変更申請を行う際には、登録免許税が課税されます。登録免許税は、課税標準である固定資産評価額に2%を乗じて算出されます。

2.贈与税
離婚による財産分与では、贈与税は原則として課税されません。ただし、財産分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮しても、多過ぎる場合には贈与税がかかる場合があります。

3.不動産取得税
不動産取得税は、夫婦財産の清算を目的として行われた場合は非課税となります。ただし、財産分与が慰謝料や離婚後の扶養の目的で行われた場合は課税されます。

また、新たに名義人となった方、つまり財産分与によって不動産を受取る側がそのままその不動産に住む場合は、中古住宅を取得した場合の不動産取得税の軽減措置を受けられる可能性があります。

ケース4:不動産売買

不動産の売却・購入時も、売主と買主が共同で申請し、所有権移転登記を行います。多くの場合不動産会社が仲介に入っているので、手続きは司法書士にお任せするケースがほとんどでしょう。

手続きの流れ

不動産売買における、不動産の名義変更は、売買契約の成立、物件の引渡し、売買代金の支払いがすべて完了した上で、法務局に必要書類(下項参照)を提出して登記申請を行うことで、不動産の名義変更を行います。

必要書類

1.印鑑証明書
売主の印鑑証明書で、契約時点から3か月以内に取得したものです。

2.登記識別情報
従来の登記済権利証に代わるもので、アラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号のことをいいます。

3.固定資産税評価証明書
固定資産課税台帳に記載されている土地や建物の証明書のことをいいます。不動産の所在する市町村窓口で取得することができます。

4.住民票
売主が、登記上の住所から住民票の住所が変わっている場合に提出が必要です。また、買主のものも必要になります。

5.印鑑証明書
買主のもので、契約時点から3か月以内に取得したものです。

手続きの期限

不動産売買における名義変更は、決済と同日に法務局にて手続きを行うことが一般的です。

費用

戸籍や住民票、固定資産評価証明書、登記事項証明書など必要書類を取得する際の手数料が必要となります。

税金

1.登録免許税
不動産売買により、不動産を買受け、登記内容の変更申請を行う際には、登録免許税が課税されます。所有権移転登記については、課税標準である固定資産評価額に2%を乗じて算出されます。

なお、土地については、令和3年3月31日までの間は1.5%とする軽減税率の適用を受けることができます。なお、住宅用家屋の所有権移転登記など、軽減税率の適用を受けることができる場合もあります。
また、残債のある不動産を売却する際には、抵当権抹消の手続きも必要です。抵当権抹消の登録免許税は、不動産1筆につき1000円となります。

2.所得税および住民税(譲渡所得税)
不動産を売却して、売却益が出た場合には所得税および住民税が課税されます。なお、マイホームを売った場合は、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除の特例を受けることができます。

自分で手続きをするか、司法書士に依頼するか

不動産の名義変更の手続きは、一般的には司法書士などのプロに依頼することが多いでしょう。しかし正しく行えるのであればご自身で行うことも可能です。手間や時間、費用とのバランスで、ご自身にあった方法を選びましょう。

自分で手続きをする場合の進め方

インターネットで情報収集をして手続きを進めていくこともできますが、司法書士の無料相談会や法務局に出向き、具体的な進め方についてアドバイスを受けながら、行うことをお勧めします。

不慣れなことも多いでしょうから、手間がかかることは心得ておきましょう。なお、書類取得の窓口が開いているのは、基本的に平日となりますので、その点も留意が必要です。

司法書士に依頼する場合の進め方

司法書士に依頼して進める場合、まずは信頼できる司法書士を探す必要があります。司法書士の無料相談会や知人からの紹介などで、実際に会ってから依頼をするか否か決めるようにしましょう。

なお、書類取得等は司法書士が代理で行い、手続きを進めてくれることになりますので、手間がかかりません。

司法書士への報酬は、司法書士によって異なりますが、書類取得等も全て依頼する場合10万円程度を考えておくと安心です。

よくある質問

不動産の名義変更に関するよくある質問をまとめました。
不動産の名義変更にかかる費用は?
不動産の名義変更にかかる費用は、登録免許税、書類の取得費用、司法書士報酬などです。登録免許税は手続きごとに税率が異なり、相続なら不動産評価額の0.4%、生前贈与、財産分与、不動産売買なら2%となります。

その他ケースごとに相続税、贈与税、譲渡所得税などの税金が課せられることに注意が必要です。
不動産の名義変更はいつまでにやればいいの?
名義変更は義務ではなく、期限にもこれといったきまりはありませんが、不要なトラブルを回避するためにも速やかな手続きが望ましいでしょう。

相続は遺産分割協議成立後、贈与は贈与行為後、離婚による財産分与は両者の合意後、売買は決済後もしくは契約書の指示に従って、なるべく早く申請しましょう。
家族名義の不動産を名義変更することは可能?
不動産の名義変更は、基本的に登記権利者と登記義務者の立ち合いが必要となります。病気や遠方在住などでやむを得ず手続きを委任する場合や、司法書士などの専門家が代理人として手続きを行う場合は委任状が必要となります。

また名義人が認知症などで意思決定能力に欠けると判断される場合は成年後見人制度を利用します。

まとめ

不動産の名義変更には、様々な書類が必要になります。自ら名義変更を行うこともできますが、不慣れな手続きには、確認事項の漏れや書類の取り直しなどの誤りが発生する可能性もあります。

交渉により、司法書士への依頼範囲を調整することで費用を抑えることもできます。専門家のサポートのもと、名義変更の手続きを進めていくことで、結果として時間も費用も節約することにつながるかもしれませんね。

不動産売却にはつきものの名義変更、
ケース別の特徴を知っておくことが大切です!

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キムラ ミキ

キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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