親が住んでいた借地を相続するなら知っておきたいこと

  • 公開日:
  • 2020年08月28日
  • 更新日:
  • 2020年08月28日
親が住んでいた借地を相続するなら知っておきたいこと
親から相続した自宅。権利の種類が所有権ではなく借地権だったら何か注意することはあるのでしょうか?この記事では、借地権付きの自宅を相続した人を対象に、借地権の基礎知識から相続時の手続きまで、具体的に詳しく解説していきます。

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目次

実家の土地が借地だった!借地権て何?

借地権とは文字通り、人から土地を借りる権利のことです。ここでは借地権の種類と、所有権と異なる点、新旧借地権の違いについて解説します。

借地権とは

建物を所有するために、土地の所有者に地代を支払い、土地を借りる権利のことを借地権といいます。借地権には、地上権と賃借権の2種類があり、建物の所有が前提となるため、資材置き場や駐車場などは対象となりません。

借地権の種類については以下の記事中にて詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

所有権と借地権の違い

土地を占有する権利の中には、借地権の他に所有権があります。区別がつきにくい権利でもあるので、それぞれの違いについて整理しましょう。借地権は、土地を借りる権利であり、所有権は、土地を所有する権利です。借地権者、所有権者がそれぞれ行えることを以下の表にまとめました。
土地の借地権者土地の所有権者
土地を売買するできないできる
土地を賃貸するできる場合もある
(地主の承諾要)
できる
土地を管理するできるできる
土地を利用するできるできる

旧借地権と新借地権の違い

借地権には、旧借地権と新借地権があります。1992年に借地借家法が改正されたので、1992年以前の借地については、旧借地権が適用されます。ただし、1992年以前に借地権を結んでいて、新法以降に契約を更新した場合でも、引き続き旧法の借地権が適用されます。

底地と底地権について

借地に関連する用語として、底地があります。借地と底地は間違いやすいので、しっかり整理しましょう。底地とは、借地権がついている土地自体のことを指します。土地を借りるのが借地で、土地を貸すのが底地です。土地を貸す人が持つ土地所有権のことを底地権と呼ぶ場合もあります。

借地権は相続できる

借地の相続、つまり人から借りている土地は相続することはできるのでしょうか?結論、借地は相続可能です。ただし、所有している土地とは、相続時の相続税や評価額の求め方が異なります。ここでは、借地の相続について解説します。

借地権を相続するときは地主の許可はいらない

借地権は被相続人の相続財産であり、当然相続人は相続することができます。このとき、借地権の相続にあたって地主からの特別な許可は不要です。相続が発生すれば、借地権は権利として相続人が引き継ぐことができます。実務では、相続発生時に地主が借地人に対して名義書換料を請求することがありますが、支払い義務などはありません。

借地権は相続税がかかる

人が亡くなり相続が起きると、被相続人の相続財産に応じて相続税が発生します。相続税は、所有している現物不動産だけでなく、借地権も課税対象になります。なお、借地権は所有権の土地とは評価額の求め方が異なります。

借地権の評価額の求め方

借地権の相続税評価は、「土地の自用地評価額✕借地権割合」で求めることができます。自用地評価額は、土地を借地権がついてない前提で評価した額のことです。そこに借地権割合を掛けることで、借地権の評価額が計算できます。借地権割合は不動産ごとに異なり、路線価図や倍率表で確認することができます。

借地権を遺贈するときは地主の許可と承諾料が必要

借地権の相続では地主の許可は不要であると先述しました。ただし、借地権を相続人以外の第三者へ遺贈する場合には、地主の許可、それから承諾料の双方が必要になります。承諾請求を行い、地主が承諾すれば遺贈することができます。

承諾料、更新料の求め方

借地権の承諾料と更新料は、該当物件の周辺エリアの相場を基準にします。しかし、相場が明確に分からないという場合もあります。その際は、更新料は「更地価格×借地権割合×5から10%」で求め、承諾料は、「借地権価格×10%前後」で計算することができます。

生前贈与には注意!

借地権は土地に対する正式な権利です。そのため、適切な手続きをすれば生前贈与することもできます。生前贈与を利用すれば、元気なうちに、財産を残したい人にスムーズに引き継ぐことができます。ただし、借地権も財産の一種ですから、生前贈与を行うと贈与税が課税される点には注意しましょう。

借地権を相続する場合の主な選択肢

借地権を相続した場合に、その後相続人が取れる選択肢は複数あります。自宅の相続では、住宅を手放すか、手放さないかによってとるべき手続きが大きく異なりますので、2つのケースについて解説していきます。

実家を手放さない場合

実家を手放さず、そのまま自宅に住み続けるという選択をした場合、名義変更などの各種手続きが必要になります。また、建物が古い場合は、住宅の建て替えや増改築も検討できます。さらに、地主との交渉により底地を取得し、土地建物双方の所有権者となることも交渉によっては可能です。

1.建物の名義変更をして住む

一般的な方法としては、借地人の名義変更手続きを行って、新たな借地人として物件に住み続けることが多いでしょう。売却や生前贈与ではないため、基本的には地主の承諾や契約書の書き換えなどは不要です。しかし、その後住み続けるのであれば、地代の支払いや更新手続きが発生するので、後々のトラブルを避けるためにも、相続の事実を地主に伝えて、名義変更手続きをしておく方が無難です。不動産での名義変更とは、登記事項の変更です。自分で登記変更をすることもできますが、手続きが複雑なため、司法書士に依頼して建物の所有者変更に伴う登記変更手続きを行うことをおすすめします。

2.地主の許可を得て建て替えor増改築

建物が古い場合などは、相続をきっかけに建て替えや増改築の検討をするのも良いでしょう。その場合は、借地人の判断で勝手に建て替えすることはできず、地主の承諾が必要になります。承諾をもらう場合は、「建て替え承諾料」を支払います。承諾料の相場はとくに決まっていませんが、所有権価格の3~4%がだいたいの目安になります。

3.地主と交渉して底地を買う

更新手続きや、各種承諾手続きなどが面倒、という人は、地主と交渉して底地を購入するのも一案です。底地を買うことで、定期的な地代支払いの必要性がなく、更新手続きや更新料も不要になります。ただし、購入には地主の合意も必要です。そのため、売買代金は、取引事例や公示価格などのデータを用いて、公平に設定できないと、なかなか地主の理解は得られず、交渉が成立しません。

実家を手放す場合

相続人が、すでに他に持ち家がある、遠方に住んでいる、などの事情がある場合、借地権付自宅を相続するメリットは少ないです。そのため、実家を手放す選択肢も検討するべきでしょう。ここでは、借地権付きの実家を手放す場合の方法を解説します。

4.地主に交渉して借地権を買い取ってもらう

地主に借地権の買い取りを希望する場合は、まずは一度地主に相談しましょう。もし、普段から地主とコミュニケーションをとれていない環境で相談するのが難しければ、不動産会社に相談して買取交渉の仲介に入ってもらうのも得策です。地主が買取に前向きで購入の意思があるのならば、買取価格などの売買条件を調整し、売買契約に進みます。売買代金について明確な基準はありませんが、その近隣の更地価格の60~70%程度を上限に設定するものと考えましょう。

5.地主の許可を得て借地権を売却する

借地権自体は売買することが可能です。第三者に対して借地権と自宅を売却することも選択肢の1つです。ただし、借地権は借地人が勝手に売買することはできず、地主の許可が必要になります。

6.地主と交渉して借地権相当の土地に等価交換

やや手続きが複雑で、作業のハードルは高いですが、借地権相当の土地と等価交換することもできます。たとえば、借地人が他に不動産を所有している場合、その土地の所有権と、地主の底地とを等価交換します。そうすることで、土地、建物双方の所有者となることができるので、住宅を地主の許可なく自由に売却して現金化することができます。

等価交換のメリットは、資産の譲渡により通常は発生する譲渡所得税などの税金が、同じ種類の固定資産の交換を行うことで譲渡とはみなされず、課税されない点です。

借地権相続でよくあるトラブル

借地権の相続では、家族間、それから地主と借地人の間などでトラブルが発生しやすいです。トラブルが大きくなると、裁判に発展する可能性もあり、多大な費用や労力を消耗することになりますので、トラブル事例を参考に、もめないように事前に対策を実施しましょう。

例1)借地権の転貸(子ども名義で2世帯住宅など)

借地人が子ども名義で二世帯住宅を建築する場合、親である借地人の借地権を子どもに転貸(またがし)する必要があります。そうしないと、子どもは借地権を有しないのに勝手に他人の土地を借りて建物を所有する状況になってしまいます。

借地の転貸は、地主の承諾が必要になりますが、承諾を得ないで勝手に借地権を転貸して二世帯住宅を建築してしまうケースが多く、注意が必要です。なお、建物を子どもが単独で建てる場合だけでなく、資金を出し合って親子共有持分として建築するケースでも、地主の承諾は必要となりますので注意してください。

例2)地代の値上げ

借地人と地主とのトラブルでとくに多いのが、お金をめぐる問題でしょう。なかでも、地代の値上げはトラブルが頻発する問題です。地代については、借地人は安い方がいい、地主は高い方がいい、と双方正反対の立場でトラブルになりやすいです。

地主から地代の値上げの交渉が入ったら、まずは提示価格が適正かどうかを確認しましょう。価格について納得できない場合は、不動産鑑定士に相談し、適正価格を調査してもらうのも得策です。

例3)新地主からの立ち退き請求

地主が新しくなった場合、新地主から立ち退きを要求されることがあります。借地人が借地権の登記、または、借地上の建物を登記している場合は、新しい地主は借地人に土地の明け渡しを要求できません。ただし、無断転貸や、無承諾の建て替え、地代不払いなどの事情があると、立ち退きを求める正当事由に該当する可能性があり、借地人は不利になります。

例4)倒壊・火事による消失

借地権付の建物が、倒壊や火災によって滅失してしまった場合、借地権の行方についてトラブルになることがあります。火災などによる建物の滅失があったとしても、基本的には借地権は消滅しません。

ただし、建物が存在しない以上、第三者に対しては借地権を主張することができません。そのため、第三者への対抗要件として、「滅失日」や「新たに建築をする旨」などの一定事項を借地上に提示することで、滅失から2年間は借地権を主張することができます。

例5)借地権の返還を求められた、更新を拒否された

地主と借地人の間では、更新や借地権の返還をめぐるトラブルも多く勃発します。とくに、契約更新にともなって借地権の明け渡しを要求されることがあります。ただし、新法借地権の定期借地権でなければ、建物が存在し、そこで生活をしている状態ならば、借地権の更新は可能と考えられます。

基本的なトラブルは地主との話し合いで解決

地主と借地人の間では、地代、契約更新、立ち退き請求などさまざまなトラブルが発生する可能性があります。ただし、どれも基本的には双方の話し合いで解決できるものがほとんどです。地主とは日ごろからコミュニケーションをとり、何かあった際には話し合いができる環境を作っておくのが理想的です。ただし、どうしても話し合いでは解決できない状況になったら、長期化させてしまうよりは、裁判による解決も検討するべきでしょう。

まとめ

今回は、借地権による自宅の相続について解説をしました。借地権は、所有権の不動産よりも複雑で面倒な手続きが多そうと思われたかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、正しい知識を持って手続きを行えば、自分で建て替えして自宅を使うこともできますし、売却して現金化することも可能です。今回の記事を参考に、借地について正しい知識をもち、相続資産を有効活用していきましょう。

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髙野 友樹

監修髙野 友樹

【資格】公認不動産コンサルティングマスター /相続対策専門士 /宅地建物取引士 など

株式会社 髙野不動産コンサルティング 代表取締役
株式会社 アーキバンク 取締役 COO
一般社団法人グローバルイノベーションネットワーク協会 顧問

不動産会社にて600件以上の仲介、6,000戸の収益物件管理を経験した後、国内不動産ファンドでAM事業部のマネージャーとして従事。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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