- 契約不適合責任とは、引き渡された目的物が売買契約などの内容に適合していない場合、売主が買主に対して負う責任のことです。
- 一部の例外を除き、売主は契約不適合責任に特約を付けることで免責が可能です。
- 契約不適合責任や免責特約に関する法律について学び、売却時のトラブルを未然に防ぎましょう。
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目次
契約不適合責任とは?
契約不適合責任の期間は原則として、買主が不適合を知った時から1年以内です(民法566条)。ただし、法令や契約上の特約などによって、期間が延長または短縮されることがあります。
契約不適合責任と瑕疵担保責任との違い
契約不適合責任と瑕疵担保責任の主な違いは、下表の通りです。
| 瑕疵担保責任 | 契約不適合責任 | |
|---|---|---|
| 責任の性質 | 法律上の特別の責任(法定責任説)、または債務不履行責任の一種(契約責任説) | 債務不履行責任の一種(契約責任説) |
| 対象物 | 特定物に限る | 特定物・不特定物を問わない |
| 責任追及の方法 | 損害賠償請求、契約の解除 | 履行の追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約の解除 |
| 「隠れた瑕疵」の要否 | 買主側が善意無過失でなければ、売主の責任を追及できない | 買主側の主観を問わず、契約不適合があれば売主の責任を追及可能 |
買主が契約不適合責任を追及する4つの方法

①履行の追完請求
たとえば、雨漏りがないことを前提として売買契約を締結し、中古住宅の引き渡しを受けた後、実際には雨漏りが生じていたとします。この場合、買主は売主に対して、雨漏り部分の修補工事を請求することができます。
ただし、買主の責めに帰すべき事由によって契約不適合が生じた場合は、履行の追完請求を行うことはできません(同条2項)。たとえば、買主がみずから壁を破損した場合に、その壁の修補を売主に対して請求することは認められません。
②代金減額請求
代金減額請求は原則として、相当の期間を定めて履行の追完を催告した後、相当の期間を経過した場合に初めて認められます。
ただし、履行の追完が不能である場合や、売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示した場合などにおいては、催告を要せず直ちに代金の減額を請求できます(同条2項)。
③損害賠償
たとえば、引き渡された建物の天井から雨漏りがして、その下にあった家具が汚損してしまったとします。雨漏りが契約不適合に当たる時は、買主は売主に対して、汚損した家具の修理代や買替費用の損害賠償を請求することができます。
④契約の解除
ただし、不適合が契約および取り引き上の社会通念に照らして軽微である時は、契約の解除は認められません(民法541条但し書き)。なお、履行の追完が不能である場合や、売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示した場合などにおいては、催告を要せず直ちに契約を解除することができます(民法542条)。
契約不適合責任の免責とは?免責特約の例文とあわせて解説
売主の契約不適合責任を免責するためには、売主と買主が免責について合意する必要があります。売買契約書の中に免責特約を定めて、売主と買主の双方が調印する形で合意を得るのが一般的です。
たとえば不動産売買契約では、以下のような免責特約の条文を設けます。
契約不適合責任免責が無効になる事例|4パターン
①故意に欠陥などを隠した場合
たとえば、地盤が致命的に脆弱であることを知りながら土地を引き渡した場合には、免責特約が定められていても、売主は買主に対して契約不適合責任を負います。
②新築住宅の場合
品確法(※)に基づく瑕疵担保責任は、期間の短縮や免責が認められていません。
※品確法とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のことで、住宅の品質を確保し、住宅購入者などの消費者を保護することを目的として2000年に施行されたものです。
③消費者契約法に抵触する場合
この場合、以下のような内容の免責特約は無効となります(同法8条、8条の2、10条)。
・故意または重大な過失による売主の損害賠償責任の一部を免除する
・売主の債務不履行により生じた買主の解除権を放棄させる
・信義則に反して、買主の利益を一方的に害する など
④売主が宅建業者の場合
この場合、責任期間を目的物の引き渡しの日から2年以上とするものを除き、契約不適合責任に関する買主に不利な特約は無効です(同法40条)。
売主が物件を契約不適合免責で売る際に注意すべきポイント
①法令遵守に配慮している不動産会社を選ぶ
高い査定価格を提示してくれる不動産会社に依頼すべきとは限りません。法令についての正しい理解を基に、売買トラブル回避のためにどのような対応が必要なのか、親身になってアドバイスを行ってくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。
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②インスペクションで物理的瑕疵を把握する
インスペクションとは、建築士などの専門家が、不動産の劣化や不具合などについて客観的視点で調査を実施するものです。インスペクションを行うことにより、売却予定の不動産について欠陥の有無や修補が必要な部分などを把握することができます。買主に正確な情報を伝えれば、契約不適合責任を追及されるリスクを抑えられます。
③瑕疵保険に入る
ただし、契約時に売主が認識していた瑕疵については、補償の対象外となります。瑕疵保険に加入する場合も、建物の状況について正確な情報を把握しておくことは重要です。
④免責事項を具体的に記載し、事前に買主に説明をする
契約上明記された免責事項については、売主は契約不適合責任を免れることができます。説明不足と判断されないように、免責事項の内容はできる限り具体的かつ詳細に記載することが大切です。
売買契約書における免責事項の書き方については、その内容やニュアンスなどについて、仲介の不動産会社とよく相談しましょう。
まとめ
不動産売却は、信頼できる不動産会社と二人三脚で進めていく作業です。親身に相談に応じてくれる信頼できるパートナーに出会うために、複数の不動産会社の担当者と会い、見極めることをおすすめします。ご自身でも知識を蓄えつつ、複数の不動産会社に一括して相談依頼ができる以下のサイトなどから、気軽に不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
弁護士/ゆら総合法律事務所 代表
ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。
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