専任媒介契約の中途解約は可能?解除・変更の方法や注意点を解説します

2024.01.26更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

専任媒介契約の中途解約は可能?解除・変更の方法や注意点を解説します

所有不動産の売却活動を始めたものの不動産会社の販売活動に納得できないでいる方に、媒介契約の中途解約についてご紹介します。

この記事のポイント
  • 媒介契約の中途解約は可能ですが、種類や理由によっては違約金が発生するので注意しましょう。
  • 不動産会社に火がある場合は違約金なしで解除可能、場合によっては損害賠償請求が可能な場合も。
  • トラブルを避けるためにも3カ月ごとの更新のタイミングがベスト!

不動産の一括査定依頼はこちらから無料

2,300社の中から1番条件の良い不動産会社が見つかる!

  • 大成有楽不動産販売
  • 東京建物不動産販売
  • 住友林業ホームサービス
  • スターツピタットハウス株式会社
  • Century21
  • STEP1都道府県

  • STEP2市区町村

無料査定スタート
powered by HOME4U

※ページ下部の「売却査定、買取査定サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。

目次

媒介契約は中途解除できる?

自宅などの不動産を売却する場合、不動産会社に仲介して売却してもらう方法が一般的です。この時に不動産会社と結ぶのが「媒介契約」となります。

しかし、売却を進めているうちに「やっぱり売却したくない」「不動産会社の対応が不満」などの理由で、媒介契約を解除したいというケースもあるでしょう。契約途中での解約は、媒介契約の種類によって可否が異なり、場合によっては違約金が発生する可能性があるので注意が必要です。

3つの媒介契約おさらい

媒介契約といっても、契約の形態によって次の3つの種類に分かれます。

・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専任専属媒介契約

3つの媒介契約の特徴をまとめると、まず「他社との契約が不可能」である専属専任媒介契約・専任媒介契約と、「他社との契約も可能」な一般媒介契約に分けることができます。

また、「レインズへの登録義務」「自己発見取り引きの可否」などに違いがあります。基本的に専属専任媒介契約に一番厳しい制限が設けられており、その次に専任媒介契約、一般媒介契約と続く形です。

それぞれの媒介契約について、違いを表したものが以下の表となります。
専属専任媒介契約専任媒介契約一般媒介契約
他社との契約の可否××
レインズへの登録義務
の有無
×
契約日から5営業日以内に登録契約日から7営業日以内に登録登録義務なし
売却活動報告の頻度×
7日に1回以上14日に1回以上報告義務なし
契約の自動更新××特約で定めることができる
媒介契約の期間×
最長3か月最長3か月行政指導により一般的には3か月で定める
自己発見取引の可否×
媒介契約の種類については以下の記事でも詳しく解説しています。

一般媒介はいつでも解除可能

一般媒介契約の場合はそもそも契約期間に規定がないこともあり、いつでも媒介契約を解約できることとなっています。解約したいと思えば電話で媒介契約を解約することができますし、そもそも複数の不動産会社と重ねて媒介契約を締結できることから、「ほかの不動産会社を探したい」という目的であれば、中途解約せずとも新しく探すことができます。

専属専任・専任媒介契約は契約期間がある

一方、専任媒介契約と専属専任媒介契約については、契約期間が定められていることから、原則として契約期間中は中途解約できません。

それでは、不動産会社が納得できる営業活動をしていない場合であっても、契約期間満了を待たないといけないのでしょうか。専属専任・専任媒介契約の中途解除について、以下でくわしく見ていきましょう。

専任媒介契約を中途解除すると…

原則としては専任媒介契約と専属専任媒介契約は中途解除できませんが、不動産会社の対応によっては契約期間内であっても解除できる可能性はあります。ただし、解除にともなって違約金などが発生する場合があるのです。

不動産会社の落ち度による解除違約金が発生しない
売主都合での解除違約金が発生する
営業努力を怠ったなど不動産会社に落ち度がある場合、中途解除であっても違約金は発生しないでしょう。どのような場合に違約金なしで解除できるかは後述します。

反対に、不動産会社に非がなく売主都合で一方的に解除する場合は、違約金が発生する可能性が高くなります。

契約違反の場合のみ違約金が発生する

売主都合で中途解除する場合、不動産会社にもよりますが、契約違反となり違約金が課せられる可能性があるため、注意が必要です。

契約違反としては、次のようなケースが該当します。

・途中で売るのをやめる
・契約した会社とは別の不動産会社と契約を成立させた
・自己発見の取り引き先と契約を成立させた(専任専属媒介契約のみ)

上記のような売主側の都合による解除では、違約金が課せられる可能性が高いでしょう。ただし、転勤がなくなったなどやむをえない事情の場合は不動産会社によっては違約金なしで解除できる可能性があります。

費用償還を求められる場合がある

売主都合で解除した場合、基本的にはそれまでかかった費用の実費を違約金として請求されるケースがほとんどです。たとえば、チラシを配布するための広告費用や営業社員が案内のために使った交通費、連絡を取るために使った通信費などが該当するでしょう。

ほかにも次のような費用が該当します。
・サイトに掲載した時の掲載費用
・チラシの作成費用
・物件の撮影費用
・ハウスクリーニング費用

基本的には、媒介契約履行のために要した費用の実費のみが有効です。費用の詳細は、不動産会社の営業活動によって異なります。

違約金として営業費用を請求された時には、広告費や交通費・通信費など明細を確認し、本当にかかった費用なのかもチェックするとよいでしょう。

違約金の上限は仲介手数料と同等

不動産を売却するための費用は思った以上に高額になることがあります。とくに、チラシの配布で広域に複数回に渡って配布した場合などは数十万円~数百万円の費用がかかっていることもあります。それまでの媒介活動にともなう経費が無制限にペナルティとして請求されると高額になってしまう可能性もありますが、標準媒介契約約款ではペナルティの上限額は約定報酬額とすることが定められています。

約定報酬額とは、売買を成立させた時に売主が不動産会社に対して支払う仲介手数料のことで、通常であれば売買価格×3%+消費税の額です。3,000万円で売却活動中不動産であれば105.6万円となります。

契約中の不動産会社の売却活動を不審に感じているなら
契約の見直しを検討してみましょう

不動産の一括査定依頼はこちらから無料

  • STEP1都道府県

  • STEP2市区町村

無料査定スタート
powered by HOME4U

※ページ下部の「売却査定、買取査定サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。

違約金なしで専任媒介契約を解除できるケース

不動産会社に非がある場合、違約金なしで解除できるのが一般的です。さらに、不動産会社の不十分な営業活動により損害を被った場合には損害賠償請求できる可能性もあります。

媒介契約を締結した不動産会社の売却活動以下の3つの事由に該当する場合、違約金なしで解除できる可能性があるでしょう。

・業務を誠実に遂行する義務に違反した時
・重要事項について故意に事実を告げなかった時
・宅地建物取引業に対して不正な行為をした時
それぞれ契約書に記載されている一般的な条文と具体例をくわしく見ていきましょう。

業務を誠実に遂行する義務に違反した時

乙(不動産会社)が専任媒介契約(専属専任媒介契約)に係る業務について信義を旨とし誠実に遂行する義務に違反した時

これは、不動産会社が業務を誠実に遂行する義務に違反した時です。具体的には、「不動産を売却するための広告活動を行わない」といったケースなどが考えられます。

重要事項について故意に事実を告げなかった時

乙が専任媒介契約(専属専任媒介契約)に係る重要な事項について故意もしくは重過失により事実を告げず、または不実のことを告げる行為をした時

これは、媒介契約に関する重要な事項について故意や重過失により事実を告げなかったケースです。

たとえば、不動産会社が買主からも仲介手数料を受け取るために、ほかの不動産会社の問い合わせに対して「すでに売買が決まっている」などと虚偽の情報を伝えるようなことが挙げられるでしょう。不動産会社にとっては1つの取り引きで売主からも買主からも仲介手数料を受け取る両手仲介が一番多くの利益が得られます。

このため、悪質な会社になると、ほかの不動産会社に虚偽の情報を伝えて両手仲介を狙う「売り止め」や「囲い込み」といった行為をすることがありますが、これは売主にとって「本当であれば早く売却できたであろう利益」を損なうことになります。売主は不動産会社のこうした行為を理由に、媒介契約の解約を申し出ることができます。

宅地建物取引業に対して不正な行為をした時

乙が宅地建物取引業に対して、不正または著しく不当な行為をした時

最後は、不動産会社が宅地建物取引業に対して不正な行為をした時です。具体的には、以下のような場合が該当します。

・レインズへの登録義務を怠った場合
・売主への営業報告を怠った場合

専属専任媒介契約や専任媒介契約には活動報告義務やレインズへの登録義務がありますが、これらを怠った場合などが該当するでしょう。

媒介契約の約款については国土交通省の標準媒介契約約款をご確認ください。

専任媒介契約の解除方法とは?

ここでは、専任媒介契約の解除方法を見ていきましょう。

契約解除の流れ

専任媒介契約を解除する大まかな流れは以下のとおりです。

・不動産会社の担当者に解除の旨を伝える
・猶予期間の設定
・契約解除通知書を内容証明で郵送する
担当者への連絡は対面だけでなく、電話でも可能です。

猶予期間とは、不動産会社が営業活動の改善のために必要な期間のことを言います。一般的には、3日~7日ほどの期間が目安となるでしょう。ただし、不動産会社が悪質な行為をしている場合や法律違反などがある場合は、即解除可能であり、猶予期間を設定する必要がありません。

また、解除の際には「契約解除通知書」を作成して不動産会社に送る必要があります。内容証明郵便を利用すれば、確実に送ったことを証明できるため、不動産会社が「受け取っていない」と契約解除を拒否するのを避けられるでしょう。契約解除通知書の書式や注意点は以下でくわしく解説します。

契約解除通知書の書式と注意点

契約解除通知書には、決まった書式はありません。しかし、内容に不備があればトラブルに発展する可能性もあるので、慎重に作成するようにしましょう。

次の項目は必ず記載する必要があります。
・作成年月日
・不動産会社の名称と代表者名
・自分の氏名・住所
・タイトル「専任媒介契約解除通知書」
・契約を解除する旨と解除理由
・契約締結日と契約内容
解除の理由などをどのように記載すればいいのか分からない場合は、ほかの不動産会社や宅建協会に相談することをおすすめします。

専任媒介契約解除時の注意点

最後に、専任媒介契約を解除する際の注意点を解説していきます。

契約期間満了を待つのが最も円満

不動産会社側に明らかに不誠実な対応がない場合には、3か月ごとの契約更新日を待って、「更新しない」という形で契約を解約するのが、ペナルティ発生の可能性のない、安心できるやり方です。

専任媒介契約も専属専任媒介契約も自動更新できないので、そのタイミングを待つのが一番スムーズに解除できる方法でしょう。

不当な費用を請求されたら

不動産会社によっては、違約金として不当に高額な費用を請求してくる場合があります。相手が不動産会社であれば請求金額を鵜呑みにしてしまいがちですが、言われるがままに全額支払う必要はありません。

費用に疑問を感じる場合は、まずは明細を確認し、不要な場合は支払いを拒否するようにしましょう。また、解除理由が不動産会社の落ち度の場合は、そもそも支払う必要がありません。

いきなり解除、の前に相談しよう

不動産会社の対応に不満があるなどで契約を解除したい場合でも、いきなり解除を申し出るとトラブルに発展する場合があります。「囲い込みでは? 」と不審に思う場合は、ほかの不動産会社に相談して確認してもらう方法もあるものです。

また、違約金が発生しうるケースでも、売却をやめにしたい理由などを添えて事前に相談することでペナルティの発生を防げる可能性があります。解除を検討している場合、一度信頼できる別の不動産会社に相談してみることをおすすめします。

まとめ

専属専任媒介契約や専任媒介契約では、契約期間中に中途解約をするには不動産会社に不誠実な対応などがあることが必要条件で、それがない場合には売主側がペナルティを負担しなければなりません。契約である以上、何の理由もなしに契約を解約されては、不動産会社側も損失を被る可能性があるためです。

基本的に、専属専任媒介契約や専任媒介契約で中途解約を希望する場合は3か月ごとの更新のタイミングで解約することをおすすめします。

また、不動産会社とトラブルにならないためにも、納得のいく売却は信頼できる不動産会社選びが重要です。一括査定を利用すれば一度に複数の不動産会社を比較できるので、最良のパートナーに出会えるでしょう。

本当に頼れる不動産会社に出会いたいなら
媒介契約を見直してみるのも一案です!

不動産の一括査定依頼はこちらから無料

2,300社の中から1番条件の良い不動産会社が見つかる!

  • 大成有楽不動産販売
  • 東京建物不動産販売
  • 住友林業ホームサービス
  • スターツピタットハウス株式会社
  • Century21
  • STEP1都道府県

  • STEP2市区町村

無料査定スタート
powered by HOME4U

※ページ下部の「売却査定、買取査定サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。

この記事の監修者

逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。

売却査定、買取査定サービスの注意点

  • リンク先の売却査定/買取査定サービス(以下「提携先サービス」という)は、当社提携先の以下各社が適用するサービスとなります。

売却査定:株式会社NTTデータ スマートソーシング

買取査定:株式会社リビン・テクノロジーズ

提携先サービスについて

  • 株式会社カカクコムは、提携先サービスでご入力いただいた情報を保有しておりません。個人情報を含む査定依頼データは、全て提携先が厳重に管理し、同社から不動産会社に開示されます。提携先・不動産会社での個人情報等の取扱いに関しては、各社のプライバシーポリシー等をご確認ください。

個人情報の取り扱いについて

  • 査定依頼可能な企業数は、お住まいの地域やお客様の物件のタイプによって異なります。
  • お客様の物件の状態によっては査定ができない場合もございます。ご了承ください。
  • 提携先サービスの提供は日本国内(一部離島等を除く)に限らせて頂きます。
  • 査定結果について、提携先の各不動産会社から直接連絡をいたします。
  • 査定後の不動産の売却、買取について、株式会社カカクコムおよび提携先は関与いたしません。
  • 提携先サービスは、セキュリティを保つために情報を暗号化して送受信するSSL(Secure Sockets Layer)機能に対応しています。ご利用の際はSSL対応ブラウザをお使いください。
  • 提携先サービスについてご不明な点がございましたら以下よりお問い合わせください。株式会社カカクコムではお答えできません。

売却査定:「HOME4U サービスに関するお問い合わせ」

買取査定:「リビンマッチ サービスに関するお問い合わせ(0120-935-565)」

カテゴリから探す

記事で解決!不動産売却のアレコレ

答えが気になったら、記事をクリック!