土地の価格は、ある程度自分で調べることができます。
大切なのは、土地価格の相場を把握しておくことです。
目次
土地の価格ってどうやって決まってるの?

不動産は、1つの不動産に対して、6つの価格が存在するといわれており、これを「一物六価」と呼びます。6つの価格の内訳は、実勢価格、公示価格、基準値価格、路線価、固定資産税評価額、鑑定評価額です。土地を売却する際には、このうちの「実勢価格」が参考になります。
一物六価のうち、実勢価格以外は不動産鑑定士などの専門家が決めることが多いです。しかし、実際の土地の価格はできるだけ高く売りたい売主と、できるだけ安く買いたい買主の思惑が絡んでくるのです。
土地の価格を左右する2つのポイント

1.土地の特性
立地
大きさ
例えば、40〜50坪が多いエリアで坪単価が20万円、800〜1,000万円程度で売買されるのが一般的なエリアを想定してみましょう。このエリアでは、同エリア内にある60坪の土地で1,200万円は高く感じられるため、坪単価18万円の1,080万円で売却されるといったことが起こります。また、30坪だと小さいと判断され売れづらくなります。
形
方角
2.土地の流通量
例として、栃木県の公示価格と人口の関係を見てみましょう(土地の流通量が多い=人口が増えると仮定します)。栃木県の2018年の公示地価の平均値は13.8万円/坪。これは、2017年と比べて0.24%の下落です。2017年の人口調査によると、栃木県の人口は前年比0.33%下落しています。
また、栃木県内の公示地価では宇都宮市が前年比0.29%上昇、小山市が0.11%上昇していますが、その他の市町村は全て下がっています。人口も同じ傾向にあり、宇都宮市が0.08%上昇、小山市は0.04%下落(前年は0.45%上昇)しているほかは、概ね下落しています。
土地の売り時を考える時には、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口予想などを参考にするのもひとつの方法です。
土地の価格を自分で調べる方法

1.不動産取引価格
例えば、土地総合情報システムで栃木県宇都宮市岩曽町の平成29年分を検索してみると、1,200万円、1,000万円、1,200万円、1,500万円、1,500万円、2,100万円の6つが表示されます。これを平均すると1,417万円と計算できます。
種類 | 土地の形状 | 取引価格 |
---|---|---|
宅地(土地) | 長方形 | 1,200万円 |
ほぼ台形 | 1,000万円 | |
ほぼ台形 | 1,200万円 | |
ほぼ長方形 | 1,500万円 | |
台形 | 1,500万円 | |
長方形 | 2,100万円 | |
1,417万円(平均) |
宇都宮市のデータで、岩曽町の人口は平成28年12月時点で6,579人から、平成29年12月時点で6,496人と増えており、また宇都宮市自体の人口は平成28年12月の人口約51.9万人から平成29年12月の約52.4万人に微増しています。ただし、直近では増えたり減ったりを繰り返しているため、価格への影響はあまりないと考えて良いでしょう。
参考リンク・ソース
2.公示価格
例えば、栃木県宇都宮市にある土地を国土交通省の「標準地・基準地検索システム」で検索すると「栃木県宇都宮市岩曽町字土堂1377番71」の土地は311m2で価格が6.17万円/m2となっています。
この土地を地図で確認してみると、比較的きれいな形をした整形地であることがわかります。売却したい土地が栃木県宇都宮市岩曽にある200m2の整形地であった場合には、200m2×6.17万円=1,234万円程度で売却できると推定できます。
基準地価格とは?
基準地価格は公示価格を補完する意味合いの強いもので、標準地の代わりに基準地が設定されます。価格を推定する際にも公示価格と同じ方法で計算すれば良いでしょう。
3.相続税路線価
なお、相続税路線価は公示地価の概ね8割程度とされています。つまり、相続税路線価から土地の売値を推定するには、算出した価格に0.8を割る必要があります。上記例であれば、700万円÷0.8=875万円です。
参考リンク・ソース
固定資産税評価額
固定資産税評価額は公示地価の概ね7割程度とされています。例えば固定資産税評価額が600万円の物件であれば、600万円÷0.7=約857万円と計算することができます。
一括査定サービスを賢く活用しよう

一括査定サービスは、土地の立地や広さなど土地の情報を入力するだけで、複数の不動産会社に価格査定を依頼することができます。なお、プロとはいえ土地の価格査定は不動産会社により結果が異なります。そのためにご自身で、取引価格や公示価格など、これまでお伝えした調べ方を把握しておくことが大切なのです。
一括査定の仕組みや土地売却のポイントは以下の記事でも詳しく説明しています。
土地の相場を知っておくメリット
相場と売却できる価格には差がある
査定を受けるときの注意点
上記でも説明した通り、査定額は不動産会社によって異なることが珍しくありません。その時は、不動産会社に査定額の根拠を確認することをおすすめします。しっかりと査定をしている不動産会社であれば、なぜこの査定価格なのかをきちんと説明してくれるはずですし、その内容が、どの不動産会社に仲介を依頼するかの判断材料のひとつになるはずです。
まとめ
土地の価格は、ある程度自分で調べることができます。
大切なのは、土地価格の相場を把握しておくことです。

監修逆瀬川 勇造
【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。
大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。