- 地中埋設物は”土地の瑕疵”とみなされるため確認しておくことが大切です。
- 引渡し後に地中埋没物が発見された場合、買主から撤去費用などの損害賠償を求められることがあります。
- 地中埋設物の存在が確認できない場合も、その旨を重要事項説明書に記載する対応が一般的です。
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目次
地中埋没物とは|撤去が必要な種類と理由
地中埋設物が存在すると、土地取得後に建物を建設しようとする時、支障が生じる場合があります。つまり、地中埋設物は土地についての瑕疵とみなされ、契約の目的を達成できない要因になる可能性があるということです。
建設のために地中埋設物を除去するには多額の費用が必要なケースもあり、場合によっては土地購入者から裁判を起こされる可能性もあるので注意が必要です。
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地中埋没物の種類
また、例としては少ないですが、医療廃棄物や衣服、古タイヤなどが地中から見つかる場合もあります。
なぜ撤去が必要なの?
しかし、程度によっては重機による掘り起こしなどが必要となり、手間も費用も大きくなる可能性があります。その場合、買主が土地を取得した目的を達成できないという事態も生じるでしょう。
そうなれば、買主から撤去費用などの損害賠償請求をされたり、契約不適合責任を追及されて契約解除を求められたりする可能性もあります。
売主は買主に対して、正確な情報を告知・説明する信義則上の義務があります(売主の担保責任)。この責任を果たす範囲や期間は、任意で決めてよいものです。
とはいえ、買主に納得したうえで購入してもらうため、そして将来的な買主とのトラブルを避けるためにも、調査を行い正確な情報を告知・説明する姿勢を忘れないようにしましょう。
地中埋没物で契約不適合責任を問われる?
民法により以下のように定められており、実際に引渡しを受けたものが契約内容と異なる場合には、買主が売主に対して、責任追及(追完請求、代金減額請求、解除、損害賠償請求)を行えることを示しています。
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる
なお、買主が権利を行使できる期間は契約不適合を知った時から1年以内に通知することが条件となっています。また、買主が不動産会社である場合は契約不適合は免責ですが、別途損害賠償を求められる場合があります。
譲り受けた土地に地中埋没物があるか不安…。
トラブルを未然に防ぐなら、不動産のプロに相談することが大切です!
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ある判例の概要と考察
【概要】
その後、土地の1筆を第三者Bに売却しました。しかし、その土地の深さ2.4mの地中にコンクリート造の地中埋設物(旧建物の地下室)が発見されたのです。
仲介業者Yは買主Xに対し、売主Aが地中埋設物の有無などについて「わからない」と回答した旨を口頭で説明していました。しかし、買主Xは仲介業者Yから「問題ない」との事実と異なる説明を受けたと主張。
ならびに、その旨を重要事項説明書に記載すべき義務があったのに記載しなかったことが説明義務違反であるとして、買主Xは仲介業者Yに対し、地中埋設物の撤去費用など970万円の損害賠償を求めて提訴しました。
【判決】
・地中埋設物の存在について「不明である」との説明が口頭でされていたこと
・買主Xは土壌調査を実施しており、地中埋設物があるかどうか不明であることを前提に購入したと認められること
なお買主Xは、この裁判の前に売主Aにも同様の請求を行い、棄却されています。
【考察】
不動産業者ではない一般的な買主に対して、具体的にどのような調査に基づき地中埋設物について報告されたのか、説明する重要性が再認識される裁判例であると言えます。
地中埋設物に関するトラブルを回避するには
重要事項説明書などに記載・説明する
本来であれば、売主は解体時の記憶だけで説明するのではなく、のちほど紹介するような地中埋設物の調査を実施することが望ましいでしょう。地中埋設物の存在を知り、地盤の安全性などを確認したうえで、地中埋設物の撤去をしていない旨の説明ができていればトラブルには発展しなかったかもしれません。
さらに言えば、調査において地中埋設物の存在が確認できなかった場合でも、口頭だけでなく重要事項説明書に記載しておく必要があるでしょう。
不明な場合も告知のうえで、免責特約をつける
地中埋没物について不明である場合、口頭での説明に加えて契約不適合責任の免責(もしくは一部免責)についての特約を設けて契約を交わすというやり方もよいでしょう。しかしながら、故意に隠した場合、免責特約は無効となることに留意が必要です。
地中埋設物の調査方法
地歴調査
現在は住宅地として利用されていても、過去の資料を確認してガソリンスタンドやクリーニング店、工場などに利用されていたことがあるなら、埋設物があったり、薬品などで土壌が汚染されたりしている可能性があります。
そのような利用履歴が確認されると、さらにくわしい調査が必要となるでしょう。過去の状況をどこまでさかのぼるかにもよりますが、簡易的な調査で5~10万円程度の費用が必要となります。
地中レーダー探査
ボーリング調査
その後、サンプラーの上の所定の高さからハンマーを落下させて、ハンマーによる打撃を何度要したかによって地盤の強度を測定します。
ボーリング調査には30万円程度の費用がかかります。一般的な住宅地の場合は、「スウェーデン式サウンディング試験」という簡易版のボーリング調査が行われるでしょう。この調査であれば、10万円程度の費用で行うことができます。
素人判断では難しい土地の調査は
不動産取り扱いのプロに相談してみましょう
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地中埋設物の撤去方法と費用
瓦やコンクリートガラ
瓦やコンクリートガラ以外にも、まれに旧建物で使われていた地下室や井戸、浄化槽などが発見されることがあります。先にご紹介した裁判例のように、1,000万円近くの撤去費用が必要となるケースもあると覚えておきましょう。
基礎杭
しかし、基礎杭は地中深くまで打ち込まれているため、すべてを撤去するとなれば専門の重機が必要となるでしょう。その際、100万円以上の工事費用を要する場合もあります。
買主が住宅地として利用する場合は、地表から深さ1.5mの所で杭をカットし、残りはそのまま残しておくのが一般的です。土地の広さや杭の本数などにもよるため一概に相場はお伝えできませんが、少なくともすべての杭を撤去するよりは安い費用でできるでしょう。
土地を取得した目的を達成できるにもかかわらず、買主から「どうしても基礎杭を抜いてほしい」と要望された場合は、工事費用について話し合いが必要です。
まとめ
その不安を解消するためにも、信頼できるパートナーとなる不動産会社を見つけましょう。複数の不動産会社に声掛けをして、地中埋設物のことについても親身に相談に乗ってくれる所を見極める姿勢が大切です。
複数の不動産会社に一括で相談依頼や価格査定依頼ができるサイトもあります。どの不動産会社にお願いすればいいのか不安を感じる方は、相談を兼ねて一括査定サイトを利用してみてはいかがでしょうか。
【Q&A】この記事のおさらい
- 地中の埋没物とは?
- 地中埋没物とは、土地の地下に埋まっているコンクリート塊、ガラ、廃材、タンクなど本来存在すべきでない物のことを指します。不動産取引でトラブルになりやすい要因です。「1.地中埋没物とは|撤去が必要な種類と理由」をご覧ください。
- 地中埋没物の時効は?
- 地中埋設物に関する損害は、買主が売主に契約不適合責任を問う場合、通知は発見から1年以内、請求は原則5年以内です。故意の不告知など不法行為なら発見から3年が期限です。「2.地中埋没物で契約不適合責任を問われる?」の章をご覧ください。
- 地中埋没物を調べる方法は?
- ボーリング調査や地中レーダー探査によって埋没物の有無を調べられます。中古住宅や古家付き土地を売買する際には、事前調査がおすすめです。「4.地中埋設物の調査方法」をご覧ください。
- 地中埋没物の撤去費用はだれが払う?
- 売買契約時の取り決めによりますが、原則として売主の負担となることが多いです。契約前に責任の所在を明確にしておくことがトラブル防止につながります。くわしくは「5.地中埋設物の撤去方法と費用」をご覧ください。
地中埋設物をご存じですか?
土地の売却を検討中の人はしっかりおさえておきましょう。
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この記事の監修者
AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー
日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。




