- 自宅に住み続けることができるリバースモーゲージ。ただし、金利は一般的な住宅ローンよりも高い傾向にあります。
- リバースモーゲージは不動産を所有しているものの、その他の資産が少なくセカンドライフに不安がある方にお勧めです。
- セカンドライフを豊かに過ごすためにどのような方法があるか?リバースモーゲージも含めて検討しましょう!
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目次
「リバースモーゲージ」とは
「人生100年時代」と言われる超高齢社会の背景を受けて、リバースモーゲージを取り扱う銀行などの数も増えており、セカンドライフの手持ち資金について余裕をもって確保しておきたいなどの理由から、リバースモーゲージの利用者も年々増加しています。
リバースモーゲージの特徴と仕組み
・自宅を担保に金融機関から借り入れ、契約者他界後に担保不動産売却により元本一括返済する
・毎月の返済は利息のみ
・対象年齢・不動産に制限あり
自宅を担保にしてお金を借り入れるという点では住宅ローンと同様ですが、返済方法が異なります。リバースモーゲージは自宅の評価額から決められた融資枠の中で、月々もしくは一括で融資を受け、契約期間中は利息のみを返済します。元本の返済は契約者の死亡後、担保不動産の売却金もしくは相続人の自己資金からの一括返済となります。
住み慣れた自宅を離れることなく、まとまった老後資金を借入れることができ、しかも月々の負担は少なくて済むのがリバースモーゲージです。
リバースモーゲージの種類と融資条件
公的なリバースモーゲージ
民間系リバースモーゲージ
金利は各金融機関によって異なりますが、年利4~5%前後が目安です。シニアを対象としているため年齢制限があり、年齢に上限が設けられているケースもあります。
なお、住宅金融支援機構が取り扱う「リ・バース60」という名称のリバースモーゲージ型住宅ローンは、60歳以上の人が対象となり、融資金の利用使途は、住宅の購入・建築・リフォームなどに限られており、生活費に充てることはできません。
リ・バース60は、人気のノンリコース型(リバースモーゲージ利用者の死後、相続人の方の残債返済義務がないタイプ)を選ぶこともできます。
リバースモーゲージのメリット4つ
まず、リバースモーゲージのメリットについて、ご説明いたします。
【メリット①】高齢でも融資が受けられる
【メリット②】自宅に住み続けられる
【メリット③】資金の用途が幅広い
【メリット④】月々の返済は利息のみ
リバースモーゲージは危険?デメリット8つ
【デメリット①】長生きがリスクになる
【デメリット②】金利が高く、さらに上がる可能性がある
【デメリット③】評価額下落により差額支払いを迫られる
【デメリット④】融資上限額が低い
【デメリット⑤】申し込みには推定相続人の同意が必須
ここは重要なポイントです。また、この同意が得られず諦める方もいるようですので、注意してください。
【デメリット⑥】子供と同居できない場合がある
【デメリット⑦】対象エリア・不動産が限定されている
【デメリット⑧】相続人に返済負担が残る可能性がある
後々のトラブルを回避するためにも、推定相続人全員の事前承認が必要なことはもちろんですが、丁寧にリバースモーゲージについての説明を行って、納得してもらっておくことは大切なことです。
リバースモーゲージは融資です。
自宅の売却とどちらが老後のマネープランに有効かよく検討しましょう。
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リバースモーゲージがおすすめな方
不動産を所有しているが、現金など他の資産が少なく老後が不安な人
リバースモーゲージであれば、不動産を担保として融資をうけることができますので、セカンドライフの生活費等の確保をすることもできます。
また、そのまま不動産に住み続けることもできますので、新たな住まいの心配をする必要もありません。不動産を所有しているものの、その他の資産が少なくセカンドライフに不安がある方にお勧めの方法です。
相続人がいない人
しかし、そもそも相続人がいない場合には、自宅などの所有不動産を残す必要はないでしょう。リバースモーゲージを活用することで、死後の不動産処分を金融機関が行いますので、遺産処分の悩みを軽減することができます。
住宅ローン残債がある人
しかし、年金収入のみとなったときに、住宅ローン返済の負担がなくなることは、セカンドライフにおける家計不安を軽減することにもつながります。
住宅ローン残債がある人にとってこれは大きなメリットと言えますね!
いずれ高齢者向け住宅で暮らそうと考えている人
リバースモーゲージ以外の資金調達法
売却(任意売却)
また、住宅ローンの残債を売却金で払いきれない場合は、老後資金になるどころか自己資金から持ち出しが生じる場合もあります。自己資金が用意できない場合は、金融機関に許可を得たうえで「任意売却」という方法で売却することになります。
リースバック
家の売却代金は不動産会社から一括で支払われるため、セカンドライフの生活費などの確保もできます。自宅の所有権は不動産会社にうつるため、賃貸借契約の契約内容を事前にしっかりと確認する必要があります。
ただし、リースバックは、基本的に定期賃貸借契約となるため、リース料がかかります。また契約満了時に契約更新ができなかったり、リース料の値上げがあったりする可能性があることには留意が必要です。一方、所有者ではなくなるので、住宅ローンや固定資産税の負担はありません。
リバースモーゲージは、毎月の負担は少ないものの、融資を受けた金額とその利息を不動産売却等によって一括返済の必要があります。2つの方法のコストをシミュレーションし、自分にあった方法はどれか検討されてみると良いでしょう。
なお、これらの利用を検討前に、自宅の資産価値を事前に把握できる、不動産査定を受けておくことをおすすめします。通常の売却と比較して、どれくらい借りられるのか、売却価格との差額はいくらなのかなどを検討する際の、重要な材料となるはずです。
どの選択肢をとるにしても
自宅の資産価値を把握しておくことは必要です!
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よくある質問
- 審査は厳しいですか?
- リバースモーゲージの審査で一番重視されるのは、担保不動産に担保価値が将来にわたってあるかどうかです。不動産の種類やエリアに厳しい条件があるかもしれません。
また、高収入でなくとも、一定のした収入があることが必要となります。他のローンがあったとしても計画的な返済ができるかどうかがチェックされます。 - 死亡後は必ず売らなければならないのですか?
- 契約者の死後に相続人が元本を一括返済することができれば、不動産の売却がマストなわけではありません。また、生前にも繰り上げ返済ができるタイプもありますので、融資条件を確認しましょう。
- 自宅が妻と共有名義の場合、ローンの名義は誰になりますか?
- 配偶者が共有名義の場合、一方が主債務者で、配偶者は担保提供者となります。一般にリバースモーゲージは配偶者との共有名義のみ認められます。
配偶者以外との共有名義の場合は、共有持分を買い取るなどして解消後、申し込みが必要です。 - 家は自分名義ですが土地は借地です。リバースモーゲージを利用できる?
- 担保となる不動産は一戸建てのみとする商品が多く、土地を評価対象にしているため、基本的に借地は対象外となります。(大都市部の旧法借地権上での借地などは、場合により対象になることもあります。)
まとめ
セカンドライフを豊かに過ごすために、リバースモーゲージなどさまざまな方法があるなかで、どのような手段を選べばよいか、じっくりと吟味されてみてはいかがでしょうか。
所有不動産を担保に老後資金を借り入れるリバースモーゲージ。
一般的な売却とどちらが良いかプロに相談してみませんか?
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この記事の監修者
不動産エコノミスト/社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、等を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルなどを行うかたわら、ラジオNIKKEI「吉崎誠二の5時から”誠”論」などテレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。また新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間多数。
著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社)など11冊。
アメリカなどでは、以前から広く利用されていた仕組みですが、これまで金融機関などが2000年代前半に何度かビジネス化に向けてチャレンジしてきました。しかし、なかなかうまくいかなかったのですが、近年日本社会の変化からか、徐々に広まってきており、注目を集めています。