老後はコンパクトな家に住み替える?ミニ戸建ての選び方・費用・暮らしやすさを紹介

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この記事の監修者

キムラ ミキ
キムラ ミキ

AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

老後はコンパクトな家に住み替える?ミニ戸建ての選び方・費用・暮らしやすさを紹介

老後の住まいとして住みやすいミニ戸建てを建てようと検討中の方に向けて、平均的な価格や具体的な間取りについてご説明します。

この記事のポイント
  • ミニ戸建てを建てる際は、身体的な負担がかからない間取り選びや防犯面の強化が必要です。また相続後の将来的な売却を考慮することが適切です。
  • ミニ戸建ての建築費用は一般的に坪単価100万円ほどかかります。また、土地価格にもよりますが、固定資産税はおよそ10~20万円程度です。
  • ミニ戸建てを建てる際には、現在の住まいの価値の把握、建築前後の費用試算を行い、将来的な見通しを立てると、老後も安心して生活ができます。

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目次

老後におすすめのミニ戸建てとは?

ミニ戸建てとは、その名のとおり、コンパクトな一戸建て住宅を指します。

コンパクトと言っても、一戸建てを建てるわけですから資金が必要になります。老後の住まいとしてミニ戸建てを建てたいなら、資金の確保が大切です。資金を準備するには、現在の住まいをできる限り高値で売却することが重要です。

資金確保ができれば、利便性のよい立地、満足度の高い設備などの選択肢が広がります。まずは、現在の住まいの価値を知ることが、ミニ戸建てを手に入れる一歩と言えるでしょう。

老後におけるミニ戸建てのメリット・デメリット

老後におけるミニ戸建てのメリット・デメリットについてご説明します。

メリット①利便性の高い土地を選べる

ミニ戸建ては、15~25坪程度の広さの土地に建てられることが多いようです。大きな敷地を必要としないため、利便性の高いエリアでも土地を探しやすいと言えるでしょう。また、敷地が広くないため土地価格もおさえることができます。

メリット②維持費をおさえられる

ミニ戸建ては、一般的な一戸建てに比較すると土地面積や建物の延床面積が小さいため、固定資産税や都市計画税をおさえることができます。

また、建物がコンパクトであるため、冷暖房の効率がよく、光熱費もおさえられる可能性があります。将来的な修繕費用もおさえることができますし、DIYを楽しむ範囲も広がりやすいでしょう。

メリット③日々のメンテナンスが楽

ミニ戸建ては、その名のとおりコンパクトな一戸建てです。そのため部屋数も一般的な一戸建てに比較すると少ないため、掃除の手間が少ないでしょう。

また、家の隅々まで目が届きやすいため、不具合にも早く気づけて迅速に対応できます。老後における住まいとして考えるのであれば、日々のメンテナンス負担が少ないことは大きなメリットです。庭を作る場合でも、庭の面積も限られるため、草むしりといった管理の手間もおさえられます。

メリット④生活動線がコンパクト

ミニ戸建ては、限られた敷地面積に効率的に間取り設計をします。そのため、部屋と水回りが近くに集約され、結果として家の中での移動距離が短くなります。

これによって、洗濯機から物干し場までの移動やキッチンからダイニングへの移動など、日々の家事にかかる身体的な負担が軽減されます。とくに平屋の場合は、階段の昇降もないため足腰に負担をかけることのない安全な生活が送れるでしょう。

デメリット①収納スペースが少ない

ミニ戸建ては、コンパクトである分、収納スペースが少ない可能性があります。

設計の段階から、床下収納や壁面収納といったデッドスペースの活用を図ることや、収納付きベッドやソファなどを検討することもおすすめです。また、定期的に不要な家財道具の処分を行う習慣づけもしてみましょう。

デメリット②建物維持管理の負担がある

ミニ戸建てのメリットでお話ししたように日々のメンテナンスや維持費がおさえられるものの、建物の維持管理の負担は生じます。

ただし、現在の住まいが持ち家であれば、いずれにしても建物の維持管理の負担は生じるわけです。もちろん、一戸建てですので、マンションと違って維持管理をどこまで行うかは任意です。

現在とミニ戸建ての建物の維持管理の負担を比較して、どこまで維持管理を行うかを考えたうえで、負担が軽くなるか否かを考えてみるとよいでしょう。

デメリット③老後資金を圧迫する可能性がある

新しく建物を建てるわけですから、ミニ戸建てと言っても費用がかかります。その費用を捻出した結果、老後資金を圧迫する可能性もあります。そうならないためにも現在の住まいをできる限り高く売却し、資金確保をすることが重要です。

また、ミニ戸建ての検討を機に、家計の見直しと見通しを行い、ミニ戸建てを新たに建てても無理なく老後生活を送っていけるか否か確認をしましょう。

まずは、現在の住まいの価値を把握することが初めの一歩です。複数の不動産会社に一括して査定依頼を行えるサイトを活用して、相場観をつかんでおきましょう。

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ミニ戸建ての費用相場は?

気になるミニ戸建ての費用相場についてご説明します。

ミニ戸建てを建てるための費用

ミニ戸建ての建築費用は、施工会社や間取り・仕様、建てる地域によって大きく変動しますが、一般的に坪単価60~100万円と言われます。これは建物のみの価格で、土地代や付帯工事費、諸費用は別途必要です。

限られた敷地の中で効率的に機能を集約させる設計が必要となるため、一般的な一戸建てよりも割高になると考えられます。

維持費

住生活基本法に基づく住生活基本計画では、都市居住型誘導居住面積水準(都市部における豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積)を2人以上の世帯の場合「20m2×世帯人数+15m2」としています。

2人の場合、55m2となりますので、およそ17坪。坪単価100万円と仮定し、17坪×100万円=建築費用が1700万円だったと仮定すれば、土地価格にもよりますが、固定資産税はおよそ10~20万円程度。

修繕費もどこまで業者に依頼するかDIYで行うかにもよりますが、年間10~15万円程度を積み立てておくと安心でしょう。

資金計画を立てるためにやっておきたいこと

ミニ戸建てのメリット・デメリットでもお話ししたとおり、ミニ戸建てであっても維持管理費用の負担は生じます。今後の見通しを立てるためにも、現在の住まいの価値把握はとても重要です。

複数の不動産会社に査定を依頼し、売却の相場価格を把握しましょう。

老後の資金計画を立てるためにも
現在の住まいの相場価格は調べておきましょう!

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老後の住まいの間取りはどうする?

老後も住みよい住まいにするために、どのような間取りが適しているかをご説明します。

老後になったらここが不便!

年を重ねると、若い時にはできていたことが少しずつ難しくなります。そのため、以前は不満に感じていなかったことが、生活しづらいと感じるようになるものです。

たとえば、「階段が急で昇降が難しいため1階で生活することが多くなった」、「洗濯機から物干し場まで洗濯物を移動するのがつらい」、「少しの段差でもつまずきやすくなった」、「水回りとリビングの温度差が大きくて体に負担がかかる」などの声があるようです。

ミニ戸建ての間取りでお悩みも解決

毎日の生活を送る住まいだからこそ、生活しやすい空間にしたいものですよね。ミニ戸建ての間取りで、それらのお悩みを解決できる可能性があります。

完全バリアフリー設計にする

少しの段差でもつまずきやすくなったと感じるだけでなく、トイレが和式だったり、浴槽のまたぎが高かったり、各所に手すりがなくて危ない思いをしたというケースもあるでしょう。

ミニ戸建てを建てる際、バリアフリーを意識し、段差をなくしたり手すりを付けたりすることで、生活しやすい空間を作ることができます。バリアフリーにするためにも、老後の住まいとしてのミニ戸建ては階段の昇降を必要としない、平屋がおすすめです。

家事動線を意識した間取りにする

昔ながらの間取りは、部屋数が多いため廊下でつながっていたり、水回りが分散していたりと、生活動線が考慮されていないケースもあります。ミニ戸建ての間取りは、限られた敷地の中でいかに効率よく機能を集中させるかを重視します。

たとえば、キッチン、洗面所、浴室、物干し場などの水回りの設備を1か所に集中させることで、スムーズに家事を行えます。配管も1か所に集約できるため、建築コストやメンテナンス費用の節約にもつながります。

収納の多い家にする

機能集中や家事動線の効率性を考える、老後も住みよいミニ戸建てではありますが、敷地に比例して部屋の面積も狭くなるため収納も少なくなりがちです。

設計の段階からデッドスペースの有効活用を検討しておくことが望ましいでしょう。また、ミニ戸建ての建築を機に、生活もミニマムにできるよう断捨離に取り組む姿勢も大切です。

寝室とトイレを近くにする

年を重ねると、就寝時にトイレに行くために目が覚める方も多いのではないでしょうか。その生活スタイルに合わせて、寝室とトイレを近くにするというのも一案です。

寝室とトイレが離れていると、夜間につまずいて転倒する危険性があります。寝室とトイレを近くにすることで、その不安もなくなりますし、将来的に介護が必要になった時には、介助者の負担も軽減されます。

リビングは日当たりのよい場所にする

ミニ戸建ては部屋が少ない分、リビングで過ごす機会が多くなります。そのため、居心地のよい日当たりのよい場所にリビングを設置しましょう。

2階建てのミニ戸建てであればリビングの日当たりを確保するために2階以上にリビングを設置することもありますので、1階の日当たりを重視しなくてもよいという方もいます。

ただし、老後の住まいと考えると、平屋が適していますので、土地選定の段階から1階でも日当たりがよい立地を選ぶことをおすすめします。

扉は引き戸にする

扉は引き戸にしましょう。開き戸は、開閉スペースを必要とします。ミニ戸建ては限られた空間をいかに有効活用するかが大切になるため、引き戸のほうが適しています。

また、引き戸にすることで、車いすで生活する必要が生じても、スムーズに通行できますし、扉の開け閉めのために後退する必要もありません。

浴室は広めに、滑りにくい床材を使う

浴室にも工夫をこらしましょう。浴室は広めにとり、滑りにくい床材、手すりを設置しましょう。それによって転倒リスクを減らせます。

また、将来的に介護が必要になった場合にも、介助者が安全にサポートできます。脱衣所と浴室の温度差によるヒートショックをおさえるためにも、脱衣所の窓の断熱化、浴室暖房乾燥機などの導入も検討しましょう。

キッチンを工夫する

身長や使い方に合わせた作業台とシンクの高さを考えて、キッチンを快適な空間にしましょう。

また、シンクとコンロ、冷蔵庫の位置も考慮して、むだな動きが生まれないような配置を考えてみましょう。コンロも安全性を考えるとIHクッキングヒーターを採用することをおすすめします。油汚れなどを簡単に掃除できる素材や構造を選ぶ視点も大切にしておきましょう。

老後の住まいづくりの注意点

ミニ戸建てに限ったことではありませんが、老後の住まいづくりにおける注意点をご紹介します。

防犯面を強化する

防犯面の強化を図りましょう。高齢者の住む家は強盗、空き巣に狙われやすいと言われています。犯人と対峙した場合も抵抗されにくい、追いかけられる心配もないとみなされているからでしょう。

カメラ付きインターホンの設置や窓ガラスに防犯ガラスを採用するなど防犯面を整えて、みずからの防犯意識も高めておきましょう。

ミニ戸建てを建てるのをきっかけに、防犯会社との契約を考えてみるのも一案です。防犯面のみならず、高齢になった時の見守りサービスを受けられる場合もありますので、ライフスタイルに合わせて比較検討してみるとよいでしょう。

キムラ ミキ
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周辺環境も考えた立地にする

土地選定の際には、老後でも暮らしやすいよう、スーパーや病院、駅やバス停などが歩いて行ける距離にある立地を選ぶようにしましょう。

将来的な売却を考慮した設計にする

将来的には、相続というタイミングもきます。相続人がミニ戸建てを相続し、売却を考える際に負の相続財産を受け取って困ることがないようにしておきたいものです。

そのためにもミニ戸建てを建てる際には、資産価値が下がらない土地を選び、あまりに奇抜な間取りや設計にならないように留意しておきましょう。

まとめ

老後の住まいとして、最近人気のあるミニ戸建て。コンパクトに機能的に生活ができる点が、人気を集めている理由なのでしょう。

しかし、ミニ戸建てと言っても建てる際には費用がかかります。人生100年時代、老後も安心して生活を送ることができるように家計の点検、現在の住まいの価値の把握。ミニ戸建てを建てた時の費用試算を行い、生活の見通しを立てることがまず大切です。

現在の住まいの価値把握のため、複数の不動産会社に一括して査定依頼することも可能です。どれくらいで今の住まいが売却できるかを知るところから、ミニ戸建てでの生活の一歩を踏み出してみませんか?

老後の暮らしを豊かにするミニ戸建てに住んでみたい!
まずは今の家の価値を知るところから、始めてみましょう。

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日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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