- リバースモーゲージとリースバックのどちらも、住み慣れた我が家に住み続けながら資金を得られる方法です。
- リバースモーゲージは老後の生活資金や住宅ローンの借り換え、リースバックは一括での資金調達を目的として利用されます。
- 自宅を現金化する方法として、リバースモーゲージ・リースバックよりも金銭的メリットがあるのは仲介での売却です。
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目次
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージは主に2種類あり、融資ならではの特徴があります。
リバースモーゲージの意味
通常、住宅ローンのような融資は、借りた後、最初からお金を少しずつ返済していきます。それに対して、リバースモーゲージでは、本人が死亡した後、自宅を売却することで最後にまとめてお金を返すことが特徴です。
最後に一気にまとめて返す部分が、最初から少しずつ返す融資と比べて順番が逆転(リバース)していることから、リバースモーゲージと呼ばれています。
リバースモーゲージの種類
| 年金型 | 一括融資型 | |
|---|---|---|
| お金の借り方 | 少しずつ借りる | まとめて借りる |
| 資金使途 | 自由 | 住宅関連に限定 |
| 対象 | 主に戸建て | 戸建てもマンションも可 |
年金型
年金型のリバースモーゲージの対象となるのは、基本的には戸建てになり、マンションは、年金型のリバースモーゲージの対象外となることが多いです。ただし、一部の銀行は都市部の立地のよいマンションであれば、年金型のリバースモーゲージを認めている金融機関もあります。
一括融資型
一括融資型のリバースモーゲージは、戸建てもマンションも両方が対象となります。
リバースモーゲージの特徴
| 取り引きの内容 | 融資 |
|---|---|
| 取り引き相手 | 金融機関 |
| 家の所有権 | 利用時は失わない |
| 現金の受け取り方法 | 定期的または一括 |
| 年齢制限 | 50歳以上もしくは60歳以上 |
| 現金化までの期間 | 2週間程度(主に審査機関) |
| 資金使途 | 年金型はない、一括融資型はあることが多い |
| 利用可能物件の種類 | 年金型は主に戸建、一括融資型はマンションも可能 |
| 維持費 | 利息 |
| 向いている人 | 長期に住む予定の人 |
あくまでも融資であるため、リバースモーゲージを利用しても自宅の所有権は移転しません。ただし、死亡後に自宅を売却して返済するため、その際は自宅を失うことになります。
元本は死亡後に返済しますが、利息は利用中に生じることが一般的です。そのため、リバースモーゲージを利用して家に住んでいる間は、利息の負担が生じることになります。
リースバックとは
まとまった現金を早期に得られるため、緊急の資金需要がある時に適したサービスですが、価格や家賃には特徴があります。
リースバックの意味
将来、希望すれば買い戻しもできる点が特徴ですが、実際には買い戻しまで利用する人はほとんどいないとされています。
リースバックの特徴
| 取り引きの内容 | 売却 |
|---|---|
| 取り引き相手 | 不動産会社 |
| 家の所有権 | 利用時に失う |
| 現金の受け取り方法 | 一括 |
| 年齢制限 | なし |
| 現金化までの期間 | 1週間~1か月程度 |
| 資金使途 | なし |
| 利用可能物件の種類 | 基本的に制限なし |
| 維持費 | 賃料 |
| 向いている人 | 短期で引っ越す予定の人 |
売却できる不動産であれば戸建てでもマンションでも利用でき、銀行のような審査もありません。現金が調達できるまでの期間は、1週間~1か月程度です。本質的には単なる売却であることから、年齢制限もなく、若い人でも利用できます。
自宅の所有権は売主からリースバック会社に移転し、その後、売主(元所有者)は借主となって家賃を払うことで今の家に住み続けることができます。売主(元所有者)は、自宅をリースバック会社に売却する際に、売却代金としてまとまった資金を得られるという仕組みです。
得たお金は融資ではなく単なる売却代金であるため、資金使途は当然に自由となります。また、売却であることから、自宅の所有権は失います。
リースバックの売却価格と家賃の目安
リースバックの年間家賃 = リースバックの売却価格 × 8~12%
リースバックの月額家賃 = リースバックの年間家賃 ÷ 12か月
売却後の家賃は、売却価格に8~12%程度の料率を乗じて決定されます。リースバックの家賃は周辺相場とは関係なく、売却価格と関連して決まる点が特徴です。結果的にリースバックの家賃は相場の家賃よりも割高になることが多く、住み続けた時の費用負担はかなり重くなります。
リースバックは売却価格が安く、家賃が高いことから経済的なメリットは薄いです。とくに引越し先が決まっておらず、すぐに引っ越す必要性の低い人は、普通に売却して家賃の安い物件に引越したほうが経済的です。
リバースモーゲージとリースバックの違い
リバースモーゲージは融資であり、今の家に長期に住む予定の人に向いています。それに対して、リースバックは売却であり、今の家から短期で引っ越す予定の人に向いているサービスです。
リバースモーゲージとリースバックの違いをまとめると、下表のようになります。
| リバースモーゲージ | リースバック | |
|---|---|---|
| 取り引きの内容 | 融資 | 売却 |
| 取り引き相手 | 金融機関 | 不動産会社 |
| 家の所有権 | 利用時は失わない | 利用時に失う |
| 現金の受け取り方法 | 定期的または一括 | 一括 |
| 年齢制限 | あり | なし |
| 現金化までの期間 | 2週間程度(主に審査機関) | 1週間~1か月程度 |
| 資金使途 | 年金型はない、一括融資型はあることが多い | なし |
| 買戻しの可否 | そもそも売却ではない | 可能 |
| 担保の要否 | 必要 | 不要 |
| 利用可能物件の種類 | 年金型は主に戸建、一括融資型はマンションも可能 | 基本的に制限なし |
| 維持費 | 利息 | 賃料 |
| 向いている人 | 長期に住む予定の人 | 短期で引っ越す予定の人 |
メリットとデメリットの比較
この章では、両者のメリットとデメリットの違いを紹介します。
リバースモーゲージのメリットとデメリット
・自宅の所有権を失わないため安心して住み続けられる
・年金型は生活費の足しにできる
・維持費が利息のみの負担で済む
【デメリット】
・一括融資型は資金用途が限られる
・年金型は物件に制限がある
・年金型は想定よりも長生きすると途中で融資が止まる
年金型は資金使途が自由であり生活費の足しにすることができます。維持費は利息のみであるため、リースバックのように高額な家賃を支払わずに済み維持費が安い点が特徴です。
一方で、リバースモーゲージのデメリットには一括融資型は資金使途が主に住宅関連に限られているという点が挙げられます。年金型は基本的に戸建てしか利用できず、また想定よりも長生きすると途中で融資が止まってしまう点もデメリットです。
リースバックのメリットとデメリット
・まとまった資金が得られる
・資金使途が自由である
・新たな住居に気楽に転居ができる
【デメリット】
・売却価格が安い
・家賃が高い
・家賃を滞納すると退去させられる
一方で、リースバックのデメリットは売却価格が安いという点です。高く売却したい場合には、仲介による売却がおすすめとなります。また、家賃が高く家賃を滞納すると退去させられる点もリスクです。家賃が高いことから、長期間住み続ける予定の人には向いていないサービスといえます。
経済的なメリットを考えると
仲介による売却を検討するのもおすすめです!
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リバースモーゲージに向いている人
また、以下のようなライフプランを立てている人に向いています。
●戸建てを保有しており年金以外の収入を得たい人
●資金使途が自由であるため、得られた現金を使って海外旅行に行きたい人
【一括融資型】
●住宅の購入や住宅ローンの借り換え
●リフォームなどの住宅関連にまとまった資金が必要な人
●今の自宅を改修して老後も住みやすい環境にしたい人
リースバックに向いている人
そのため、まとまった資金が必要でありかつすぐに引っ越す予定のある人に向いているサービスです。売却後の自宅に住む期間が短期間であれば、家賃の高さのデメリットも抑えられ、自宅に待機することで引越しも一回で済ませられます。
また、以下のようなライフプランを立てている人に向いています。
…売却してまとまった現金を持っておけば老人ホームに空きが出たらすぐに引っ越すことが可能。空きが出た後に売却活動をすると間に合わないため、先にリースバックで売却しておけば希望の老人ホームに入りやすくなるため。
●子供たちと一緒に資金を拠出して二世帯住宅を建てる時
…リースバックでまとまった現金を得られればその現金を建設資金に充てることができる。二世帯住宅が竣工するまで家賃を払って自宅で待機することができるため。
まとめ
リバースモーゲージは今後自宅に長期間住む人に向いており、リースバックは今後自宅には短期間しか住まない人に向いているサービスです。高く売却したいのであれば、仲介による売却がおすすめとなります。
単に金銭的なメリットやデメリットに注目するのではなく、今の住まいとの関わり方を含めて適切なものを選択していただければと思います。
自宅に住み続けることにこだわりがなければ。
より高い資金が手に入るのは仲介での売却です!
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この記事の監修者
不動産鑑定士/中小企業診断士/宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。
不動産鑑定士と中小企業診断士の資格を活かした不動産鑑定のほか、専門性の高い不動産Webライターとして活躍する。
各種著名メディアにおいて、相続関連や空き家の処分方法に関する取材対応の経験あり。





マンションで利用できるリバースモーゲージは、多くが住宅金融支援機構の関与しているリ・バース60という商品です。リ・バース60では、資金使途が住宅の購入や住宅ローンの借り換え、リフォームなどに限られています。