不動産投資の勉強方法を成功投資家が伝授!初心者~経験者までレベルごとに解説します

2024.03.22更新

この記事の監修者

八木エミリー

八木エミリー

【資格】証券外務員一種/2級FP技能士

不動産投資の勉強方法を成功投資家が伝授!初心者~経験者までレベルごとに解説します

不動産投資をこれから始めたい人に向けて、始める前に勉強しておくべき内容をレベル別(初心者・中級者・経験者)に解説します。

不動産投資で成功するためには情報収集が必須。
効率よく勉強しましょう!

目次

不動産投資を始めるなら事前の勉強が不可欠

不動産投資を始める前の勉強は、以下2つの理由によって重要と言えます。

・大きな失敗を防ぐため
・情報収集の質を高めるため

ここでは、不動産投資のための勉強の重要性について解説しましょう。

大きな失敗を防ぐため

不動産は高額な資産であるため、数千万円を超える融資を受けて物件を購入する人が珍しくありません。万が一、投資に失敗してローンを返済できなくなった場合、人生が大きく狂ってしまうほどの影響力があります。将来の自分を守るためにも、不動産投資を始める前の勉強が必須です

不動産投資には複数のリスクがありますが、リスクを事前に理解しておけば損失を最小限に抑えられます。つまり、不動産投資のリスクは、知識を深めて事前に備えることで、ある程度コントロール可能です。以下、不動産投資のリスクと対策例をご紹介します。
空室リスク・賃貸需要のある地域を選定する
・信頼できる管理会社へ管理を委託する
入居者の家賃滞納リスク・保証会社を利用する
・入居審査を厳しくする
金利上昇リスク・固定金利を選択する
・過度な借り入れを避ける

情報収集の質を高めるため

不動産投資の世界では、日常生活で聞き慣れない言葉が頻出します。また、物件の管理は管理会社へ委託できますが、物件の選定、帳簿付け、資金計画など、オーナーとしてするべきこともたくさんあります。

勉強せずにいきなり不動産投資を始めても理解できないことが多く、つまずく可能性が高いでしょう。知識があるほど情報収集の質が高まりますので、基本知識を身に付けてから実践することをおすすめします

不動産投資家に必要な知識

・賃貸経営の仕組み
・各種専門用語
・物件の知識(例:物件種類別の特徴・選び方・不動産価格の決まり方)
・各種手続きの流れ(購入・売時)
・税金や法律の知識
・お金の知識(例:初期費用・維持費・ローン)
ただし、不動産投資家に必要な知識の範囲は幅広いため、短期間で完全に理解することは困難です。実践しながら学べる内容もたくさんあります。不動産投資を始める際は、基本的な知識や全体像を把握しておくと実践に役立つでしょう

不動産投資の勉強法

不動産投資の勉強法には、以下7つの方法があります。

・本を読む
・インターネット検索
・セミナー参加
・不動産会社への相談
・経験者に話を聞く
・資格取得
・現地調査
それぞれの勉強方法やポイントについて次の章から解説するので、ぜひ参考にしてください。

不動産投資の勉強法1. 本を読む

不動産投資の勉強方法の1つ目は、本を読むことです。

【書籍による勉強の特徴】
・体系的に学べる
・1つのテーマについて深く学べる
昨今は、不動産投資の関連書籍がたくさんあるため、どれを選ぶべきか迷ってしまう人もいると思います。初心者・中級者・経験者の3つのレベル別におすすめの内容をまとめたので、ご自身に合った本を検討してみてください。
初心者:これから勉強する人
不動産投資の仕組みや全体像を解説している書籍
中級者:すでに基本知識がある人、自分の投資スタイルが決まっている人
税金、出口戦略、物件種類別の投資戦略、物件の選定方法など、1つのテーマを深掘りした書籍
上級者:不動産投資経験者
節税で収益を最大化する方法や、法人化についてなど、実践的なノウハウを解説している書籍

不動産投資の重要ワード

「利回り」「キャッシュフロー」「インカムゲイン・キャピタルゲイン」という言葉は、不動産投資の関連書籍で頻出する言葉です。不動産投資家への第一歩として、それぞれの意味を確認しておきましょう。

利回り

利回りとは、不動産の収益性を判断する際の基準の1つです。「投資金額に対して、どれくらいの利益を得られたか」を%で表しています。利回りが高い物件ほど、収益性が高いと判断されます。不動産投資家として押さえておくべき点は、利回りには「表面利回り」と「実質利回り」がある点です

・表面利回り:賃貸経営にかかる諸経費を考慮しない利回り
・実質利回り:賃貸経営にかかる諸経費を考慮する利回り
収益物件の広告には「表面利回り」が記載されているケースがほとんどです。表面利回りは諸経費を考慮していない分、実質利回りよりも高くなります。表面利回りだけで収益性を判断した場合、想定以上に維持費がかかり、ローン返済分を考慮すると手元に現金が残らないケースもあるため注意が必要です

キャッシュフロー

キャッシュフローとは、手元の現金の流れを表したものです。不動産投資を始めることは、「不動産賃貸業」という事業を営むことを意味します。事業で得た所得には税金がかかるため、税額を計算するために帳簿付けが必要です。

しかし、帳簿付けは一定のルールに従って行うため、帳簿上の利益と実際の現金の流れにはずれが生じます。たとえば、帳簿上では建物の購入代金を「減価償却費※」という勘定科目で経費計上しますが、この金額は実際のローン返済額と同額ではありません
※減価償却費:建物の経年劣化によって価値が減少した分を、経費として計上する際の勘定科目

手元の現金を正確に把握していないと、突発的な修繕やローン返済といった現金が必要な時に対応できないため、不動産投資ではキャッシュフローを意識することが大切です

インカムゲイン/キャピタルゲイン

不動産投資で得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。

・インカムゲイン:不動産を保有中に得られる利益(家賃収入)
・キャピタルゲイン:不動産売却時に得られる利益(売却差益)
インカムゲインは入居者がいる限り安定して得られますが、一度に得られるリターンは少なくなります。長期目線で少しずつ資金回収していく仕組みです。キャピタルゲインは一度に大きな利益を得られる可能性があるものの、利益を得られる保証がありません。

キャピタルゲインを得るには、物件を相場よりも安く仕入れる、物件の価値を高めて高く売るといったテクニックが必要で、情報収集力、物件を選定する力、適切な売却のタイミングを見極める力などを有した人に向いています

不動産投資では、両方の利益を得ることが理想ですが、初心者にはインカムゲインを狙う手法がおすすめです。

不動産投資の勉強法2. ネットで情報収集する

インターネット上には、多くの情報が公開されています。無料で有益な情報を得られるので、活用しない手はないでしょう。

【インターネットによる勉強の特徴】
・手軽に勉強できる
・広く浅く勉強できる
具体的な情報源
・不動産事業者のオウンドメディア
・不動産関連団体や行政の公式サイト(不動産ジャパン、国土交通省など)
・不動産投資家の個人ブログ
不動産事業者のオウンドメディアなどでは、わかりやすくまとまっているサイトが多数存在するため、気になる情報をチェックしておきましょう。

また、個人投資家のブログは体験談をつづっているものが多く、投資家目線での情報です。具体例として参考になりますので、ぜひ検索してみてください。

不動産投資の勉強法3. セミナーに参加する

不動産投資の勉強方法として、セミナー参加も有効的な手段の1つです。

【セミナーによる勉強の特徴】
・専門家(FP、税理士、不動産事業者)や現役の不動産オーナーが最新情報を踏まえて解説してくれる
・個人的に気になることを質問できる
・他の不動産投資家と交流できるチャンスがある
不動産投資家向けのセミナーは全国で開催されており、最近ではオンラインに対応しているものもあります。ただし、セミナーは複数人が一度に参加するため、内容によっては難しいと感じるものがあるでしょう。ご自身に合った内容を選択することが大切です
初心者:セミナー参加が初めての人
・不動産売却の流れ
・初期費用の節約方法
・不動産投資リスクの回避方法
・新築VS中古、区分VS一棟どちらが良い?
中級者:何度かセミナーに参加したことある人
・物件の選び方
・物件の構造別の建築コスト
・融資情報
・不動産投資の税金、節税
上級者:不動産投資の経験者
・青色申告のメリット、デメリット
・法人化のメリット、デメリット
・出口戦略

セミナーと聞くと二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産投資の知識を身に付けていくのに役立つものも多いです。日程の合うものを見つけて、積極的に参加していくことをおすすめします。

八木エミリー
八木 エミリー
【PR】プロパティエージェント
プロパティエージェントが開催する無料のセミナーでは、中古・新築の違いやリスクヘッジ方法など、基礎知識から最新トレンドまでを学ぶ機会を設けています。そのため、20代~50代以上までと幅広い年齢層の方がセミナーに参加しています。不動産投資に少しでも興味のある方や、もっと不動産投資について深堀したい方、ぜひ一度セミナーに参加してみてはいかがでしょうか?

効率よく受講できるオンラインセミナーから、トライしてみるのもひとつ!

無料オンラインセミナーを申し込む

※プロパティエージェントへ遷移します

不動産投資の勉強法4. 不動産会社に相談する

不動産会社は、不動産取引の専門家です。営業担当者への個別相談も勉強になります。

【不動産会社へ相談する方法の特徴】
・個別相談で自分に合った情報を得られる
・不動産投資の初歩的な質問から出口戦略、資金調達など幅広く対応してくれる
・資金計画や物件紹介など次のステップへ進める可能性がある
ただし、不動産会社へ相談する前に、不動産投資の目的を明確にしておくことをおすすめします。ご自身の目的が定まっていれば、話がより具体的に進むためです。

また、営業担当者に紹介された物件が、必ずしもあなたに適しているとは限りません。物件の良し悪し、向き・不向きを判断するためにも、知識を深めた状態で相談に行きましょう。不動産会社へ相談する際のイメージを掴んでいただくために、レベル別の質問内容をまとめました。
初心者:勉強を始めて間もない人
「そもそも自分が不動産投資を始めても問題ない?」
「どこのエリアが良い?」
「どんな物件種別が良い?」
「初期費用・頭金など、自己資金はいくら必要?」
「購入までの流れは?」
中級者:すでに基本知識がある人
「〇〇エリアにはどんな物件がある?」
「融資はどこの金融機関が良い?」
上級者:不動産投資の経験者
「管理手数料にはどんなサービス内容が含まれている?」
「最近の不動産市況は?」
「〇〇エリアの空室対策で有効的な手段は?」

不動産投資の勉強法5. 経験者に話を聞く

不動産投資の相談先は、不動産会社だけではありません。経験者の体験談は、書籍やインターネットでは得られない貴重な情報として実践に役立つでしょう。

【経験者に話を聞く方法の特徴】
・体験談を教訓として実践に生かせる
・親しくなれば悩み相談できる強い味方になる
不動産投資の経験者に出会う方法には、大家の会やオンラインサロンといったコミュニティに参加する方法があります。コミュニティによって方針や有料・無料といった各種条件が異なるため、自分に合うものを選ぶと良いでしょう。

また、コミュニティで出会った経験者と親しくなれば、不動産投資を始めた時に相談に乗ってくれることがあります。情報収集だけでなく、人脈形成のためにもコミュニティ参加が有効的な手段の1つです。

不動産取引の世界では、情報が一般公開されないことがあります。人と人との繋がりを大切にすると、金融機関、不動産会社、物件に関連する有益な情報を入手できる可能性もあるでしょう

不動産投資の勉強法6. 資格を取得する

不動産投資の勉強方法として、資格取得も選択肢の1つです。ただし、不動産投資を始める上で、資格取得は必須ではありません。宅地建物取引士(宅建)、賃貸不動産経営管理士、マンション管理士など、不動産関連の資格は多数ありますが、基本的に不要です。

資格を持っていれば、将来的に役立つ可能性があります。しかし、資格の勉強に時間を費やすよりも実践で学んだ方が勉強になります

不動産投資の勉強法7. 実際に物件を見る

実際に物件やその周辺を見ることも、不動産投資の勉強の一環です。

【現地調査による勉強の特徴】
・複数の物件を比較することで、物件を見極める力が身に付く
・周辺の賃貸需要を把握できる
収益物件を購入する際は、基本的に現地調査をしましょう。現地調査するべき理由は、資料だけではわからない情報を得るためです
たとえば、相場よりも「利回りが高い」「物件価格が安い」物件は、広告だけを見ると優良物件のように感じます。しかし、そのような物件には、以下のようなリスクが隠されているかもしれません。

・地域に賃貸需要がない
・入居者や管理会社に問題がある
・老朽化が進んでいて維持費がかかる
資料を見るだけでなく、五感を使いながら現地でしか得られないことを調査してみてください。
現地調査内容の例
・周辺環境
・利便性
・入居者の質
・管理体制
・建物の状態
・日当たり

不動産投資を勉強する際の注意点

ここでは、不動産投資を勉強する際の注意点を解説します。効率良く勉強するために、確認しておきましょう。

全ての情報が正しいとは限らない

不動産投資の勉強をする際、全ての情報を鵜呑みにするのは危険です。インターネット、書籍、セミナー、投資家の体験談などで得られる情報はあくまでも一般論や特定の事例です。個人によって資産背景や目標が違うため、その情報が適切かどうかは人によって異なります。

たとえば、インターネットやSNS上には、金融機関の融資額や金利情報を公開している人がいるでしょう。発信者の体験談ではありますが、同じ金融機関でも個人によって条件が異なるため、全ての人がその条件で融資を受けられるとは限りません。情報を鵜呑みにせず、ご自身で実践しながら知識を深めることも大切です

目標の数値、不動産投資の目的を定期的に確認することが大切です。大家の会などに参加すると、ベテラン投資家さんなどに出逢い、今やろうとしていることよりもレベルの高いこと、違うことをやりたくなります。個人の目的、目標は人によって様々であるため、自分のゴールをしっかりと確認することがとても大切です。

八木エミリー
八木 エミリー

自分のレベルに合った情報を集める

不動産投資には、非常に広範囲の知識が必要です。最初から全部を勉強するのではなく、行動しながら少しずつ勉強することをおすすめします。

経験を重ねる中で自然とレベルアップしていきますので、勉強を始めたばかりの頃は、焦らず自分のレベルに合った情報を集めましょう。

物件ごとのメリット・デメリットを理解する

「不動産」といっても、物件の種類によって特徴が異なります。収益物件は、大きく区分所有(ワンルームマンション)・一棟・一戸建てに分類されます。それぞれの特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
特徴
区分所有・一棟や一戸建てよりも初期費用を抑えられる
・複数地域に所有すると、立地によるリスクを分散できる
・専有部のみの所有のため管理の自由度が低い
一棟・大きな利益を得られる可能性がある
・土地も資産になる
・区分所有よりも自由に管理できる
・周辺環境の変化による影響を受けやすい
一戸建て・ファミリー層の入居が多いため、入居期間が長い傾向がある
・一度空室になると、空室期間が長引く可能性がある

目的を明確にしてから勉強する

目的を明確にしてから勉強しないと、遠回りしてしまう可能性があります。不動産投資に必要な知識の範囲は広いため、全てを勉強しようとすると膨大な時間がかかるでしょう。

先ほど解説した通り、不動産の種類によっても特徴が大きく異なり、立てるべき戦略や勉強するべきポイントが異なります。老後資金のための資産形成なのか、節税のためなのか、目的によっても重視するポイントも異なります。効率良く勉強するために、目的を明確にしてから勉強を始めましょう。

まとめ

不動産投資の事前勉強は、非常に重要です。致命的な失敗を防ぐために、必要な知識を深めましょう。ここでは複数の勉強方法を紹介しましたが、大切なことはご自身に合った情報を集めることです。昨今は多くの情報が出回っていますので、あれもこれもと欲張りたくなるかもしれません。

そうは言っても、時間が有限です。限られた時間の中で効率良く学ぶためにも、今の自分に必要な情報を見極めながらコツコツ勉強していきましょう。

不動産投資で成功するためには情報収集が必須。
効率よく勉強しましょう!

この記事の監修者

八木エミリー

八木エミリー

【資格】証券外務員一種/2級FP技能士

新卒時に野村證券に入社。新人時に営業成績東海地方1位を獲得。2016年より不動産を購入。現在7棟を所有。2019年より独立系ファイナンシャルアドバイザーとして主に富裕層向けに資産活用のアドバイスを行うほか、一部上場企業の社員向けセミナー講師としても活躍。オンラインサロン「em会」にて金融知識の啓蒙に務める傍ら、地域活性事業など活動も行う。東京駅に近いバイリンガルスクール「WONDER KIDS BILINGUAL PREP SCHOOL」オーナー。「元証券ウーマンが不動産投資で7億円」など執筆。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。