- 融資を利用することで即座に不動産投資のスタートを切ることができる、これが何よりの融資のメリットです。
- 不動産投資は「不動産賃貸経営」。投資ではなく事業であることを意識しなければ融資を受けることは難しいでしょう。
- 融資を受ける際、貸す側の目線に立ってみることが融資獲得へ向けて大きなステップアップとなります。
目次
不動産投資ではローンを利用すべき!融資の5つのメリット
しかし、貯まるのを待つとなると、投資額にもよりますが、よほどの収入がないと数年から十数年先になってしまいます。そんな時間を先取りし、機会損失を補ってくれるのが融資なのです。
1.投資のスタートを早く切れる
2.レバレッジを効かせられる
3.家賃収入でローン返済ができる
入居者から好まれるお部屋作りに努め、入居率をしっかりキープすることでローン返済金だけでなく、差額のキャッシュを手に入れることが可能です。
4.団体信用生命保険に加入できる
5.経営者としての実績につながる
不動産投資の融資の特徴
不動産投資の融資の種類
アパートローン
ローン商品の諸条件に物件、属性が合致すればスムーズに資金調達が可能。ご本人の年収など属性によって融資額は増減し、保証会社の審査と保証料が必要となるのが一般的です。
建物の構造や築年数など融資対象も決まっており金利も1%台~4%台と金融機関により設定が異なります。
不動産投資ローン
たとえば法定耐用年数を超えたアパート、区分マンション、築古戸建てなど銀行などで融資のつきにくい案件に利用したりするケースが多いです。
一方、投資目的の融資になるのでリスクも高く見込まれており、融資事務手数料や繰り上げ返済時の違約金も割高。金利レートも2%後半~7%台と高めです。物件に金利やその他諸費用をカバーするだけの収益力が必要となります。
プロパーローン
一般的に融資金額の上限はなく、アパートローンや不動産投資ローンと比べ金利も0%台後半から2%台と低めです。保証会社は不要ですが、保証人は必要となります(借入が法人であれば代表者本人、個人であれば配偶者が一般的)。
金融機関がリスクを負う為、初心者の方に審査は厳しく融資のハードルは高いですが、実績を積むことにより、規模拡大の場面でプロパーローンは最強な味方となります。
不動産投資に融資が期待できる金融機関
都市銀行
地方銀行 第二地方銀行
各銀行の支店営業エリア内において融資が可能となります。全国主要都市に進出している銀行であれば投資可能範囲が広がります。不動産融資に積極的な銀行、消極的な銀行は都度変化しますので、融資情報のアンテナを張ることが融資獲得への近道となります。
信用金庫
信用金庫は地方銀行に比べ営業エリアが狭く、投資対象エリアが限られますが、地元密着な分、融資の相談をした際に親身になってくれます。
信用組合
ノンバンク
銀行と比べお金を借りやすいといったメリットがある反面、金利が高く短期売買もしくは収益性の高い物件であることが求められます。
投資スタイルが確立され、計画性をもって利用すれば非常に心強い資金調達先となりますが、借りやすいからと言って安易に融資を受けると金利、手数料負担などで思わぬ痛手を被る恐れがありますので注意が必要です。
政府系金融機関
創業資金や物件を購入した後の修繕費用など、親身になって相談に乗ってくれます。金利も低めで保証人なしで融資が可能。不動産投資を始めたい方には心強い味方といえます。
一方、物件に対する担保評価の目線は厳しく、融資金額の上限もあり満額の融資を獲得するにはハードルが高めです。融資の返済期間も短く、購入する際にある程度の自己資金を用意することが一般的です。
融資の審査基準
【融資使途】
融資を受けたお金を何にどのように使うか貸手として重要なポイントとなります。使用使途を明確にすることが大切です。
【属性】
勤務先、勤続年数、年収、金融資産の有無などを指します。申し込みの際に包み隠さず正直に伝えましょう。
【投資エリア】
金融機関の営業エリア、本人の居住地によって決まります。投資エリア、営業エリア、本人の居住地が合致すると融資獲得に有利に働きます。
【収益力】
物件から得られる収益がプラスになること。空室リスク、その他の経費を控除しても耐えられる収益力が求められます。他の収入に頼らず、物件単体で収支が合う物件であることが必須です。
【積算評価】(※1)
万が一、物件を売却する場面になった際に担保力が必要となるため重要視されます。
(※1)積算評価とは:物件価値の評価方法の1つ
・土地の価格=相続税路線価×土地の面積
・建物の価格=再調達価格(※2)×延べ床面積×(法定耐用年数―築年数)÷法定耐用年数
(※2)再調達価格(1㎡あたり)
木造・軽量鉄骨 13万円 重量鉄骨造18万円 RC・SRC造20万円程度が目安
上記にあげた諸条件をクリアすれば融資を獲得できる近道となります。しかしながら、各金融機関の基準があり、さらに各支店の方針によっても融資の可否が左右されるため、柔軟に金融機関を開拓するマインドが必須です。
融資額と条件
返済年数
例)・RC造の法定耐用年数 47年
・物件の築年数 12年
47年(法定耐用円数)ー12年(物件の築年数)=35年(融資期間) |
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返済方法
元金均等返済のメリットは毎月の元金返済が一定となる為、元金の返済が早く進みますので金利の支払い総額が減ります。一方、金利負担が元利均等返済より少なくなりますが、返済開始から一定期間、元利均等返済より額が多くなるため、毎月のキャッシュフローを圧迫することがデメリットです。
金利について
市場の金利が下がれば借入金利も下がりますが、市場の金利が上がれば借入金利もあがります。市場金利が下降曲線の際にメリットがあります。デメリットとして固定金利に比べ、支払い開始時の借入金利は低めですが返済金額が定期的に変動するため収支計画がしにくい特徴があります。
【固定金利】
3年、5年、10年などの設定があります。市場の金利が上昇しても約束した金利は変わらないため収支の計画が立てやすいメリットがあります。デメリットとしては設定金利が変動金利よりも高めなこと、市場金利が下がっても約束した金利での支払いになることがあげられます。また、契約によって途中解約や繰り上げ返済の際に違約金が発生する場合もあります。
物件の購入を検討の際には収益シミュレーションを用いて、物件ごとに金利、返済方法、融資期間を算出しあなたの理想とする収支を組むことをお勧め致します。
融資申し込みに必要な書類一覧
1 | 身分証明書 | 運転免許証、パスポート、健康保険証など |
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2 | 所得証明書 | 直近過去3年分の源泉徴収票、確定申告書 |
3 | 納税証明書 | 直近過去3年分の納税証明書 |
4 | 勤務先の会社概要・職歴書・資格証 | 職務内容をワードやエクセルで作成 |
5 | 資産背景一覧 | 本人、家族の預貯金、有価証券、借り入れ状況など資産背景を一覧にしたものを作成 |
6 | 物件概要書 | 購入予定の物件名称、所在地、土地、建物の免責、利回りなどが記載されたもの |
7 | 家賃のレントロール | 物件の賃貸契約内容を一覧にまとめた書類 |
8 | 建物図面 | 建物の平面図、立面図、給排水図面など |
9 | 登記簿謄本・構図固定資産税評価証明・公図など | 土地建物の過去の所有者の履歴、地形、課税額が記載されたもの |
10 | 建築確認済証・検査済証 | 建物が建築基準法や条例に適合しており問題がないことが確認された際に発行される書類。再発行は不可で紛失の場合は役所で建築台帳記載事項証明書を発行 |
11 | 不動産売買契約書・重要事項説明書 | 契約が成立していなくても融資申し込みは可能。契約・取得に至った場合は提出が必要 |
融資実行までの具体的な流れ
2.アポイント
3.面談
4.融資申し込み
5.支店内審査
6.本部審査
7.融資承認
8.金銭消費貸借契約
9.融資実行
上記の流れで融資が実行されます。期間として一般的に1~1.5カ月ほど時間を要します。
初心者でも大丈夫!融資獲得のコツ
できるだけ自己資金を貯めておく
「確実に返済できる人」であることを印象付ける
一方、消費者金融やクレジットカードのリボ払いを利用したり、さらに延滞履歴がある場合、与信にかなりのダメージとなります。たった1000円程度のリボ払いが残っていたがために百数十万の融資金額が減額された事例もありますから注意しましょう。
投資ではなく事業であることを意識する
複数金融機関に同時に打診する
取引のある金融機関の担当者と面識を持つ
身なりに気を付けて謙虚な姿勢で面談に向かう
よくある質問
多く寄せられる疑問点についてお答えします。
- 融資NGと言われてしまいました。どうすればいいですか。
- 融資NGを告げられると心理的にショックを受けますが、次回の融資もNGということではありません。間違っても融資NGとなった理由を聞きだそうとしたり、融資をなんとかしてもらえるように食い下がるのは絶対にやめましょう。
決定事項は変わることはありません。かえって心証を悪くしてしまい次の融資に影響してしまいます。審査に取り組んでいただいたことに感謝し、次の機会に期待し他の金融機関にアタックしましょう。 - 住宅ローンを組んでいるが両立できるか?
- とくに問題ありません。金融機関の諸条件よりますが、一般的に年収や資産背景をもとに全体の借入額から算出し、ローンの可否が決まります。
多額の住宅ローンを組んでしまっていると収益不動産でローンを組む際に足枷になってしまうケースもありますが、住宅ローンがあるから融資NGといことはないと思って頂いても大丈夫です。 - 年収が低くても不動産投資ローンは借りられますか?
- 年収が低いと融資、融資額に影響します。年収400万以上あると土俵に乗ってくるのが一般的です。
ただそれ以下であっても、日本政策金融公庫や信用金庫など金融機関によっては年収が低くともしっかりした事業計画を持ち、計画的に預貯金を積み上げていることなど実績を材料に前向きに検討してもらえるケースもあります。年収が高くても預貯金が無い方より安心だという見方です。
まとめ
私生活において収支が赤字になることなく、毎年きちんと預貯金ができていることや、住宅ローン、マイカーローンなど返済実績を積み上げることも重要な実績です。
金融機関もそのような堅実な借手の方を歓迎してくれますし、近い将来、担当者に「融資してください」という依頼する立場から、担当者が「融資させてください」という依頼される立場になる可能性も十二分に期待できるでしょう。
融資を受ける際に貸す側の目線に立ってみることが融資獲得へ向けて大きなステップアップとなります。
貸し手の立場を想像してみると
不動産投資の融資獲得の道筋が見えるはずです!
この記事の監修者
株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役
高校卒業後、通算20年以上住宅業界に携わり、2008年不動産投資を開始。当時の年収400万円から7年で資産10億円と家賃収入1億円を達成し、42歳でサラリーマン生活を卒業しセミリタイア。
現在14棟214室を保有する実践不動産投資家としてwebコラム執筆やTV、新聞などのメディアに多数出演しながら、3法人を運営し不動産賃貸業ならびに不動産賃貸経営コンサルタントとして活動中。
「NOをYESに変える不動産投資最強融資術」(ぱる出版)を執筆。