不動産投資8つのリスクと対策法|不動産投資の落とし穴は賢く回避せよ!

2024.03.12更新

この記事の監修者

寺岡 孝

寺岡 孝

不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

不動産投資8つのリスクと対策法|不動産投資の落とし穴は賢く回避せよ!

投資にリスクは付き物ですが、対策次第で不安は払拭できます。不動産投資の8つのリスクとリスクコントロール法を解説します。

この記事のポイント
  • ミドルリスク・ミドルリターンと言われる不動産投資。一歩間違えればハイリスク・ローリターンになる可能性も…。
  • 不動産投資は不動産価格が下落するリスクがあります。不動産市況は常に注意深く見守っておきましょう。
  • 金利上昇リスクの対策として、不動産市況と合わせて経済動向も注視しておくことが大切です。

目次

不動産投資の不安材料である8つのリスクは対策可能!

どんな投資をする場合でも不安材料は必ず存在します。では、不動産投資における不安材料、つまり投資をする際のリスクにはどんなものがあるのでしょうか。巷では不動産投資に対するブラックなイメージがあります。

「不動産屋に騙されて高値掴みを強いられた」とか「不動産投資ではマイナスばかり」とか「税金対策、老後資金の対策にはならなかった」など、ネガティブな話が付き物ですが、リスクに対する予備知識やその対策ができればある程度までは回避できます。

この記事ではそうした不動産投資に存在するリスクを見ながら、それぞれの対策を考えていきましょう。

ミドルリスク・ミドルリターンの真意

不動産投資はよくミドルリスク・ミドルリターンと言われますが、それは収益を堅実に出す投資方法だからです。しかも、長期的な資産運用で不動産投資を増やしていくというのが理想とされています。

株式投資や投資信託のようにハイリスク・ハイリターンの投資先もあれば、預金類のようにローリスク・ローリターンの投資先もありますが、不動産投資はそういった投資先の中間地点のような存在とみなされています。

しかしながら、不動産投資は他の投資商品のような公開市場があるわけでもなく、オープンで透明性のあるものではありません。また、金融取引商品の対象ではないので投資に対する法的な説明が義務付けられているわけでもありません。

しかも、他の投資商品の手数料と比べると、不動産自体の維持管理コストが高く空室リスクや家賃滞納など考えると、金利や為替だけを気に掛ければよい投資商品とは、扱いが全く別のモノであると考えられます。

こうした点を鑑みると、見た目はミドルリスク・ミドルリターンの投資商品でありながら、実態はハイリスク・ローリターンの投資商品かもしれません。
商品 金利 リスク リターン 手数料の安さ 流動性 手数料 対インフレ
不動産投資 1~4.5%
普通預金 0.001~0.2%
定期預金 0.02~0.22%
個人向け国債 0.05%
FX 0.25~1.75%
(米ドル)
株式投資 1.15~3%
外貨預金 0.05~1%
投資信託 0.64~13.9%
(出典:「不動産投資の曲がり角でどうする?」|寺岡孝(クロスメディアパブリッシング)・120頁図表:「投資商品の比較表」)

不動産投資8つのリスクはコントロール可能!

不動産投資のリスクとしては、以下の8つが主なものとして挙げられます。不動産投資といいながらも、不動産を所有して貸し出すことでリターンを得る「不動産賃貸」という事業であるからこそ発生するリスクが、主なものを占めています。

知らなかったとして放置すると投資の失敗を引き起こしかねないリスクですが、事前に学習して備えておくことである程度のコントロールは可能です。次章からそれぞれのリスクの内容と対策を考えてみましょう。

【リスク1】空室リスク

不動産投資における空室リスクは、入るべき家賃収入が入らないことを指します。空室が原因で家賃収入が減ってしまうと、満室想定でシミュレーションしていた収支計画も赤字化し、ローンの返済に苦慮する事態が発生する可能性もあります。空室が長期化すれば収入がゼロになりますので、できるだけ空室が生じないような努力が必要です。

空室リスクの対策

・家賃保証がつくサブリース契約を検討する
・賃貸需要がある地域の物件を選ぶ
・入居付けに強い管理会社と契約する

空室を軽減する手法としては家賃保証をしてもらえる不動産会社にサブリースとして貸し出すという方法があります。この方法は空室リスクをゼロとすることが可能ですが、家賃は市況の8割から9割しかもらえないので家賃収入全体としては減額されるという形になります。

空室リスクを軽減するには賃貸需要が旺盛なエリアの物件を選ぶことが必要です。駅近物件や人気エリア物件を選んでおけば空室リスクは少なくてすみます。

また、空室リスクを軽減するためには退去が決まった際に、新たな入居者に対して賃料や賃貸借契約の条件を見直しすることで、できるだけ空室の期間を短くすることが可能です。入居付けに強く、有効なアドバイスをくれる管理会社との付き合いは、安定運用には欠かせません。

【リスク2】家賃下落

家賃の下落は経済環境の変化近隣に賃貸物件が増加することで入居者の争奪戦が起きてしまうケースが想定されます。また、築年数による建物の経年劣化で、家賃の下落が起きてしまうのは避けがたいことです。

家賃下落リスクの対策

・中古物件を選ぶ
・賃貸条件を見直す

新築物件に比べて中古物件の方が家賃下落はしにくいと言われているので、中古物件を選択肢の1つとして視野に入れておく必要があります。長期的に安定した賃料が確保するという意味では中古物件は魅力的です。

賃料下落を抑えるには賃貸条件を見直しして何らかの特典などをつける場合があります。たとえば、賃料自体は変えないが、1か月分の家賃はゼロ円という形のフリーレントという手法を使って賃料を現状のままに維持していく方法があります。また、ペット可の物件として貸し出す方法もあります。

【リスク3】家賃滞納

うっかり支払い忘れた、というケースを含めても、家賃滞納率は全国的に見てもそれほど大きな確率ではありませんが、万が一自物件で発生し、長期的に回収できなくなると厄介な問題となります。

再三にわたる督促はオーナーの心理的な負担になり得ますし、立ち退き訴訟を起こして強制退去となると多額の費用負担が生じます。

家賃滞納リスクの対策

・入居条件に家賃債務保証会社の審査を必須とする
・連帯保証人を立てる

家賃の滞納リスクは賃貸借契約の際に回避可能なものになります。入居希望の際には入居者の審査条件として、家賃の滞納の際に家賃が保証される家賃債務保証の会社の審査を受けることになります。その審査がOKになれば家賃滞納のリスクは回避できます。

この制度を利用することに加えて、連帯保証人を立てる方法もあります。先ほどの保証会社の利用にはそれなりの費用がかかるので、その費用を節約したい場合や保証会社の審査が通らない場合には連帯保証人を立てて家賃滞納リスクに対応することになります。

【リスク4】修繕

賃貸物件にはオーナー負担となる修繕のリスクがあり、室内の設備の不具合による交換などがこれに当たります。
設備交換には大きく費用がかかる場合もあるので、注意が必要です。

修繕リスクの対策

・修繕費の積み立てを行う
・賃貸管理会社のサポートを受ける

修繕費用が賄えるように月々の積立をして備えておく必要があります。また、賃貸管理会社による修繕保証の契約メニューもあるので利用を検討することをお勧めします。

修繕の費用は築年数が経過するほどかかるもので、10年以上の築年数があると室内の設備交換や外部の修繕に費用がかかることは熟知しておく必要があります。

建物のメンテナンスをしっかりと施しておくことは、家賃下落リスクや不動産価格下落リスクへの対策にもなることを覚えておきましょう。

【リスク5】不動産価格下落

不動産価格の下落は充分に見込んでおく必要があります。現状、不動産価格の上昇は都心の一部など、限定されたエリアでしか起きておらず、その他の地域では現状維持か過少の下落傾向にあります。

したがって、不動産投資の出口戦略である物件の売却のタイミングを熟慮しておかなければなりません。

不動産価格下落リスクの対策

・検討物件の人口動態や開発計画を調査する
・不動産市況をチェックし売り時を逃さない

物件を購入する際にはその物件のエリアの人口動態や近隣の不動産開発などを事前に調査しておく必要があります。人口が年々増加しているエリアや賃貸需要が見込める開発計画があれば、不動産価格の下落はしにくいと思われます。

また、毎年発表される地価公示や路線価といった不動産価格の指標となるものは必ずチェックしておくべきです。不動産価格の上昇傾向が見られる場合には、物件を売却してもいいというタイミングがありますので、不動産市況は常に注意深く見守っておきましょう。

【リスク6】自然災害

日本は欧米などと比べて地震や台風などの自然災害に見舞われることが多い国です。日本全国どの地域でも、完全にリスクを回避することは難しいですが、最小限に抑える工夫は可能でしょう。

自然災害リスクの対策

・ハザードマップを確認して物件選定をする
・火災保険・地震保険に加入する
・新耐震基準の物件を選ぶ

物件を選定する際には各自治体にあるハザードマップは確認する必要があります。近年の水害で大きな被害を受けた地域は水害を受ける危険な地域としてハザードマップに掲載されていました。したがって、水害のリスクを避ける意味でハザードマップのチェックは重要です。

また、万一の災害に備えて火災保険や地震保険には加入しておく必要があります。こうした災害リスクには火災保険や地震保険の加入で万が一の際の補償を担保しておくことになります。

近年、保険会社では災害などによる保険金の支払いが嵩んでいるため、保険料の値上がりや保険契約期間の短縮がなされているので、保険の更新時は補償や契約期間の確認をしておく必要があります。万一の際にきちんと火災保険などで補償されるようにしておきましょう。

加えて、建物の耐震性についても物件を選定する際には重要なポイントになります。建物の耐震性を判断する場合、耐震基準というものがその目安になります。この耐震基準とは地震に耐える構造基準で、建築物を設計する際に最も重視されている基準です。

1981(昭和56)年5月31日までの建築確認で適応された建物を旧耐震基準、それ以降の建築確認で適用されている建物を新耐震基準と呼んでいます。新耐震基準は震度6強、7程度の地震でも倒壊しない水準となりますので、物件を選定する場合には新耐震基準の建物を選ぶことをおすすめします。

【リスク7】金利上昇

現状、日本銀行の低金利政策はいずれ転換期を迎え、金利上昇は回避できません。

金利上昇リスクの対策

・日頃から経済動向を注視する

金利情勢は日頃の経済環境を注視しておくべきで、金利上昇の兆しが見られれば借入金の内容を精査して対処していくことになります。通常、不動産投資の融資は変動金利での貸し付けが多いので、たとえば、一定期間の固定金利への変更などを金融機関に打診して金利上昇を回避することを考えておく必要があります。

【リスク8】不動産会社倒産

不動産会社の倒産はサブリースの契約や賃貸管理の契約の場合に大きく影響を及ぼします。賃貸管理の場合は管理会社を別な不動産会社に変更すればいいのですが、サブリースの契約はその契約内容が不動産会社自身による裁量が大きく、別な不動産会社がサブリース契約を引継ぎするかは難しい場合があります。

不動産会社倒産リスクの対策

・信頼できる不動産会社を選ぶ
・賃貸借契約の内容をきちんと把握する

したがって、賃貸借契約の内容はオーナー自身が把握する必要があります。万一の際を想定して直接、入居者とコントタクトが取れるようにしておけば、不動産会社が倒産しても家賃を直接回収することができます。また、信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶことは言うまでもありません。
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よくある質問

不動産投資のリスクに関するよくある質問をご参照ください。
一棟物件と区分物件どちらの方が低リスクですか?
1棟物件は貸室の戸数が多い分、家賃収入も多いので収入的にはメリットがあります。それに対して、区分物件は貸室の戸数は1件ごとですから、家賃収入は少ないため収入面では1棟物件と比べると魅力に欠けるかもしれません。

しかしながら、戸数の多い1棟物件では退去などが一気に出てしまうと収支に大きく影響してきます。借入金がある場合では、ローンの返済額も多くなりがちですので、家賃収入が無い分自己資金を持ち出しして補てんすることにもなるでしょう。こうした点から区分物件の方が色々なリスクは低いといえます。
大規模地震が心配ですが、不動産投資家へのアドバイスは?
日本は世界でも有数の地震国ですので、地震が起きない場所を見つけるには難しい自然環境かと思います。地震は起きるというのを前提した場合、建物はできるだけ耐震や免振など地震に強い構造体の建物を選んでおく必要があります。

また、火災保険とセットで地震保険は加入しておくことが必要です。地震保険は地域によって保険料が異なりますが、是非とも加入しておくことでしょう。

まとめ

どんな投資先にもリスクは存在します。たとえば、株式投資であればリーマンショックのような株価の暴落、というような景気に左右されるリスクがあります。今まで記しましたように不動産投資も同様にリスクは存在します。

したがって、どんな投資先でもリスクはあるということを認識しておき、株式投資なのか、債券投資なのか、外貨預金なのかなど、投資先の選択はバランスよくして、それぞれのリスクを軽減しておくことが必要です。

不動産投資の枠組みを広げて考えれば、投資の選択肢は無数に存在し、たとえば「区分マンション」の一択とか「1棟マンション」の一択ではないはずです。また、投資先は不動産投資の一択だけではありませんので、他の投資商品もあわせて検討することが必要でしょう。

不動産投資特有のリスクは
対策を講じることでコントロール可能です!

この記事の監修者

寺岡 孝

寺岡 孝

不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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