- 不動産投資で成功したいのであれば人脈拡大を。大家クラブや大家の会などに積極的に参加してください。
- 不動産会社や金融機関ともコミュニケーションは必須。人付き合いのスキルをどんどん伸ばしていきましょう!
- そして不動産投資は売買だけではなく経営の要素が強い。自分が経営者になるという意識の有無が重要です。
アユカワタカヲ
【資格】宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど
2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。2022年3月現在、区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む。現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。2023年7月には「日本一わかりやすい!見るだけ不動産投資58」(サンライズパブリッシング)も出版。
目次
人脈を広げれば不動産投資で成功する確率は上がります
アユカワタカヲさん(以下敬称略)「やはり不動産投資をしている人の所に行くことですね。大家クラブ、大家の会などです」
ー大家の会は、大家さんにならないと入れないのでは?
アユカワ「入れますよ。参加費何千円の懇親会もあれば、しっかり学べる勉強会もあります。さまざまな大家の会に顔を出すといいですね」
ー仲間を作ることによる最大のメリットとは?
アユカワ「いい業者や金融機関を教えてくれるという情報面。そして自分の固定観念を崩し、広い視野を持てることです」
ー仲間が増えると、固定観念が崩される?
アユカワ「不動産投資の勉強を始めると、ワンルームマンションの投資を考えている人は、ワンルームマンションが最高だと思い込んでしまう。しかし、大家の会などで、築古戸建て投資をしている人、海外投資をしている人の話を聞くことができる」
ー人の体験を通じて自分を冷静に見ることができる。
アユカワ「ピンチの時にアドバイスをもらうこともできます。ある1人の若い投資家が購入しリフォームした家が、実は傾いていたことが後で分かった。その彼が大家の会で、実はこんなことがあって…と話したところ、家の傾きを直す業者を以前頼んだ人がいて紹介してもらえた。売買以外の情報も得られます」
不動産投資が向いている人はズバリ「人付き合いが好きな人」
ー夢のある人たちが集まっている。
アユカワ「転じて言えば、大家の会を楽しめる人が、不動産投資では成功します」
ー人付き合いが苦手という人は難しい?
アユカワ「苦手なままでは情報が入ってこない。横のつながりだけではなく、不動産会社や金融機関ともコミュニケーションは必須。人付き合いのスキルを伸ばす必要がありますね」
ーいい情報を教えてもらえる関係性を築く。
アユカワ「私は、『情報欲しけりゃ情報を出せ』とよく言っています。たとえば、不動産会社に行った際、最初にプロフィールシートに記入を。と言われますが、会社の名前も年収も書かないような人に、物件の情報を出すわけがない。自分はこういう人間で、今これだけ物件を持っていて、自己資金はいくらで、次にこういう投資をしたい。ということをしっかり伝えれば、不動産会社も応えてくれるし、大家の会でもいい業者を教えてもらえます」
ー情報を入手するには自分の情報開示から。
アユカワ「日本人が少し苦手とするところかもしれないですね。私自身、元々はネガティブな面があったのですが、会社員時代にテリー伊藤さんと出会ってから変わりました。テリーさんは何があっても全部ポジティブに受け止めていく。そこから、何か嫌なことがあってもプラスに考えるようになりました」
ーネガティブからポジティブ思考に。もしネガティブなことが起こっても?
アユカワ「これはネタになる、と思いながらやっていますね(笑)。どこでこのネタ話そうか〜。みたいな感じです」
不動産投資でFIREは実現できる
アユカワ「さまざまな投資の中で不動産がいいと思ったのは、最終的に自分でリカバーできること。不動産投資は自分の経営力でハンドリングができる」
ー投資といっても経営力が大事。
アユカワ「それに、先ほども言ったように人と話すのが嫌いではないし、今まで知らなかった街に行ける。実は街歩きがとても好きなんですよ」
ー趣味と実益を兼ねて。
アユカワ「私は街歩きですが、リフォームが好きという方もいます。あえて激安競売物件を購入し、自分たちでDIYを楽しむとか。もちろん、不動産会社を巡るのが好きな人、エクセルで収支計算をするのが好きな人もいる。だから不動産投資は、自分が一番好きなものを見つけてそれを楽しめばいいと思いますよ」
ーサラリーマンから不動産投資家になれたからこそ、街歩きものんびり楽しめる。
アユカワ「いやいや、会社員時代と同じくらい、もしくはそれ以上に忙しいです。ただ、今忙しいことは全て、私がやりたくてやっていること。会社員時代は時間の制約や上からの指示などで忙しかったのですが、今はやりたいことを詰め込んで自発的にやっている。だから精神的に自由ですね」
ー止まっている時間がない。
アユカワ「会社を辞めて最初の3ヶ月ぐらいは何もしなかったのですがすぐに飽きました。いろいろ動いているうちに、不動産業者の方から投資の話をしてほしいと声をかけられ、やがて話が上手ですね、と言われるようになり。気がついたらセミナーやYou Tubeなど、人前で話すようになったという感じです」
ーズバリ、不動産投資でFIREは実現できますか?
アユカワ「不動産投資、不動産賃貸経営は売買だけではなく経営の要素が強い。自分が経営者になるという意識があるかどうか。そして、入ってきた家賃収入はまた次の入居者に還元していくもの。不動産投資は社会貢献事業です。その意識を持つことが実現には大事ですね」
私が不動産投資で成功した理由
アユカワ「成功かまだわからないですが。ただ、これまで続けてこられた理由は、いろいろなことをしてきたからでしょう。1棟のアパートも新築も戸建ても海外も。というように」
ー一般的な不動産投資家とは違う。
アユカワ「他の投資家の方は、新築なら新築、地方のRCなら地方のRC、と投資をするケースがほとんどです。その方が成功する近道かもしれないですが、私はいろいろやることにより、今後時代が変わった際に対応力、柔軟性があると思っています」
ー今後はいろいろな物件に投資する方がいいですか?
アユカワ「いえいえ、その人次第です。たとえば会社員や公務員の場合、本業をやりつつ、中古ワンルームや新築1棟を。という道もある。私のようにいろいろとやるのは、何かあった際のリスク軽減、いわゆる分散投資のようなものです」
投資物件は自分の目で確認を。子供の頃の景色を思い出した海外投資
アユカワ「まず第一に融資が出る物件、あとは知り合いからの情報です。もちろん物件は全て見に行きます。今月久しぶりに10年前にマレーシアで購入した物件を見に行く予定です」
ーどんな物件ですか?
アユカワ「シンガポール政府とマレーシア政府でジョホールバルを開発するという話があり、そのプロジェクトの一環で購入しました」
ーサッカーの『ジョホールバルの歓喜』のあのジョホールバルですね。
アユカワ「最初はジャングルみたいな場所だったところに段々街ができていく。その姿が、私の原体験と重なった。私は1966年、大阪の千里で生まれたのですが、当時の千里は竹藪しかないところにたくさんの団地ができ、生まれて4年後に大阪万博が開催された。一気に街が開発され怒涛の勢いで出来上がっていく、あの景色、あの雰囲気をジョホールバルに感じましたね」
ーキュンとなったんですね。
アユカワ「だから買いました。その後開発は予定通り進んでないんですけどね(笑)。投資家により、投資するこだわりやポイントは人によりけりで、利回り、駅から何分というのを厳密に決めている人もいれば、現金は出さない、逆にローンは必ず50%以下にする、などさまざまです」
ー購入を決意するポイント、リスクの避け方が個性のようになっている。
アユカワ「なので、無理して海外投資などやらなくてもいい。自分の目標を達成することから逆算すればいい。10年後に月々30万円のキャッシュフローを作りたいとか、FIREはしないまでも、年金をもらうときに月々プラス10万円にしたいとか」
ーアユカワさんの、今後の目標は?
アユカワ「私は今57歳なので、あと10年後までは続けると思いますが、最終的には事業継承。親の今の姿を見て、不動産をやりたいと思うのかどうか。最終的に子供達と一緒に考えていくのが次の目標です」