- 指値(さしね)とは、買主側が指定する値段の事。不動産売買において指値交渉は珍しくありません。
- 指値の目安は1割程度。ただし、景気や物件の状況によっても目安は変わるため1割にこだわり過ぎないよう注意!
- 指値を提示する際「なぜその価格なのか?」理由を挙げて交渉することが大切です。
目次
指値とは
普段、コンビニやスーパーマーケットなどで買い物をする時に値引き交渉をする方は、ほとんどいないと思います。では、高価な家電や、自動車のような金額が大きい商品はどうでしょうか?「少しでも値段が落ちないかな…」と思いませんか?ましてや不動産のように金額が大きくなると、値下げ交渉をしてみようという気持ちが生まれて来ると思います。
不動産売買において、指値交渉は良くあることです。買主側が指定する値段を「指値」、売主側が指定する値段を「出値(だしね)」といいます。
指値の目安
指値の目安は、1割程度です。たとえば、物件の価格が3,000万円で売り出されていたら、指値で1割減、購入価格は、2,700万円ということです。もちろん、景気や物件の状況によっても目安は変わりますので、あまり1割にこだわり過ぎない方が良いでしょう。
市場動向を調べて、購入しようとしている物件と似た条件の物件がいくらで取引されたのかを知っておくと、指値の目安になります。
売主側も、出している値段よりは安くなることを想定しています。必ず指値を入れて、値引き交渉する事をお勧めします。ただし、不動産会社が売っている物件に対して指値交渉する事は、不動産会社の利益を削ることになりますので、しっかり準備した上で交渉していきましょう。

指値交渉を成功させるためのコツ
主なポイントは3つあります。
物件の状態を把握する (交渉材料を探す)
たとえば…、
・老朽化している箇所があり、修繕費がかかる
・近隣の似たような物件と価格に大きな開きがある
など、客観的に見てより具体的な根拠を示すことが重要です。
あわせて、物件の売却状況も確認しておくことも重要です。
・売りに出された時期
・問い合わせ件数
・これまで値下げした事があるのか
・ローンの残債があるのか
この辺りは仲介業者に聞いてみましょう。
指値の根拠を提示する
【端数を削る】
これは、理由らしい理由では無いのですが、もっとも簡単でよくある指値交渉です。たとえば、ワンルームマンションが820万円で売りに出ていたとしたら、「端数の20万円を削って800万円にしてくれませんか?」と交渉します。仲介業者も指値が入ることがあらかじめ想定していますので、売主から端数を削る事について許可を取っていることもあります。何百万、何千万、何億という大きな金額の中での端数ですから、売主側も「削っても十分利益がある」という気持ちもあります。
【路線価、土地値、耐用年数を調べる】
指値交渉には、具体的な数字を挙げることも大切です。たとえば、路線価が6,000万円(30,000円×2,000㎡)で上物(建物)は法定耐用年数を超えている場合、「上物の評価が付かないので、土地値(6,000万円)でいいですか?」とより具体的な数字を挙げて交渉すると良いでしょう。
【リフォーム代を負担してもらう】
古い中古物件の場合、「知り合いのリフォーム会社に聞いたらリフォーム代が100万円 かかると言われました。100万円を引いてくれませんか?」と交渉するとか、あるいは、「100万円のうち、80万円はこちらで持つので、20万円を持っていただけませんか?」と交渉するなど、値下げしてもらうだけの理由を具体的に提示して交渉、売主に納得してもらうことが大事です。
【売値が融資金額の上限を上回っている】
不動産投資は金融機関から融資を受けて行うケースが多いですが、その際、融資可能額というものがあり、必ずしも販売価格に対して満額の融資が受けられるわけではありません。たとえば、5,000万円の物件に対して3,000万円しか融資が受けられない場合、2,000万円は自己資金となります。しかし、自己資金が1,500万円しかない場合は、残りの500万円の指値交渉が必要となります。
ほかにも、「外壁が劣化していて補修費がかかる」「水道管が老朽化しており、修繕工事の必要がある」など、値下げして然るべき理由を挙げてみましょう。
単に、物件のマイナス面を指摘するのではなく、売主を尊重して、指値価格なら必ず購入出来ること(融資が下りること)、物件を大事に所有する意思などを伝えることも、交渉を円滑に進めるコツの1つです。

売却の理由や背景を知る
・売主が出来るだけ早く物件を売って現金化したい
・売却の希望時期がある
とくに、売主が相続した物件を持っていて早く現金化したい場合などは、指値交渉がしやすくなるでしょう。逆に、物件が満室経営で売主が「いい条件であれば売る」というような場合は、指値交渉が難しいので注意が必要です。
価格交渉は、相手の立場になって状況をかんがみて交渉することが大切です。

指値交渉しやすい物件はある?
ポイントは、以下の通りです。
・長期間売れていない物件
・任意売却など、売主に売却を急ぐ事情がある物件
・相続された不動産を現金で分割したい
長期間売れていない物件は、当然ながら売主にも焦りが出てきますので、交渉しやすくなります。2つ目の任意売却とは、住宅ローンなどのローンが返済できなくなった際に、債権者(住宅ローンを組んでいる金融機関など)の許可を得て不動産を売却することです。
この中で、最も指値交渉をしやすいのが相続された不動産物件でしょう。相続税を収めるために現金化を急ぐケースが多かったり、自分が所有していた不動産で無いため、愛着が薄かったりするケースも考えられるからです。
指値交渉の注意点
指値の入れ方/タイミング
買付証明書を提出することで、物件購入に向けて一歩前に進んだことになります。買付証明書には、買主の希望金額や希望購入時期などの交渉内容が書面化されますので、指値は、このタイミングで入れるのがベストと言えるでしょう。後だしするとトラブルになる可能性があります。
価格交渉のタイミングとして、買付証明が通ったあと売買契約を結ぶまでの間も価格交渉は可能です。とくにこの場合は、価格交渉の「理由」が必要です。「契約に向けて準備を進めている間に新しいマイナスポイントが見つかったので少し値下げしてほしい」などですね。

売買契約書に押印すると、一切の価格交渉はできません。印鑑を押すまでが「勝負」だとお考えください。

指値にこだわり過ぎない
まとめ
交渉を円滑に進めるために、物件状況や売却理由をリサーチの上で指値交渉に臨みましょう。指値交渉を円滑に進めて、不動産投資を成功に近づけましょう。
指値交渉にはコツが要ります!
抜かりなくリサーチした上で円滑に進めましょう。
この記事の監修者

不動産投資家/宅地建物取引士/AFP/J-REC公認 不動産コンサルタントなど
2010年、世田谷区内の中古区分ワンルームマンション購入から不動産投資をスタート。区分・一棟・戸建て・日本・海外…と幅広く不動産賃貸業を営む(2022年3月時点)。
現在は総合マネープロデューサーとして、人生におけるマネーリテラシーの重要性をメディアやセミナーなどで伝えている。年間のセミナー登壇数は300本を超える。
「満室バンザイ」(平成出版)、「不動産はあなたの人生を変えてくれる魔法使い 女性の願いを叶えてくれる最幸マイホーム購入術」(ごきげんビジネス出版)など執筆。
基本的に指値交渉は、した方がいいと思います。とくに仲介物件(売主と買主の間に不動産会社が入り、購入・売却の契約を成立させる物件のこと)は、仲介している不動産会社に対して「ちょっと安くなりませんか?」と交渉してみてください。