新しい発想を取り入れて
所有している空き家を活用しませんか?
目次
所有している空き家はどうしたらいい?

現在の空き家事情(2022年時点)
総務省が2019年9月30日に公表した「平成30年住宅・土地統計調査」によると、日本の総住宅数6,240万7,000戸に対して空き家数848万9,000戸で、空き家率は13.6%となっており、総住宅数、空き家数、空き家率共に過去最大の数値となっています。
空き家を放置するとデメリットしかない
さらに、前述の通り、日本国内では少子高齢化に伴ってこうした空き家が増え続けており、今後社会問題になることを懸念して、政府は「空き家対策特別措置法」を制定しています。
空き家対策特別措置法では、空き家が近隣住民に悪い影響を及ぼしているといったことが認められた場合に、行政措置等取られるもので、具体的には「家が建っていれば土地の固定資産税が6分の1になる」という特例の適用を受けられなくなり、固定資産税の負担が最大で6倍になってしまいます。
空き家は上手に利活用するべし!
とはいえ、田舎の実家を都心にいる子どもが相続したようなケースでは、遠隔地に住んでいる場合には活用するために現地に足を運ぶこともできなかったり、また郊外の物件で買い手が見つからなかったりということも少なくないはずです。
上記のような個々人の事情を背景に、日本全体の人口減少、世帯数減少などを理由に今後ますます空き家問題は深刻化していくことが予想されます。空き家管理サービスなどを活用すれば、「管理」することはできるかもしれませんが、社会全体の空き家問題は解消されません。
将来的に利活用の予定がないのであれば、こうした社会問題を解決するというつもりで、問題を先送りせず早めに手を打つことも考えるべきでしょう。この記事では、以下でこうした空き家の活用方法や売却方法について解説していきます。
まずはどんな活用方法が可能なのか、
無料プラン一括請求から始めてみるのもよいでしょう。
空き家問題への新しい取り組み①:国と自治体の取り組み強化

中古住宅保証やDIY型賃貸の普及促進
そうした取組みの1つに「安心R住宅」と呼ばれる中古住宅保証制度があり、新耐震基準に適合しているなど一定の基準を満たし、かつインスペクションを受けた住宅についてリフォームや修繕計画について情報提供を受けられるといった制度です。
この制度の保証を受けることができれば、空き家の売却時にも買い手が安心して住宅を購入できるようになるでしょう。
通常、賃貸に出す場合は貸主が改修を行った上で貸し出しますが、DIY型賃貸では借主が自分の好きなように改修できるというメリットがあります。DIY型賃貸であれば、遠隔地から空き家の補修等難しい場合でも賃貸に出しやすくなるでしょう。以下の記事にて詳しく紹介しています。
補助金や相談サポートの充足強化
補助金や助成金に関する情報については、お住まいの自治体のホームページなどで確認できますが、まずは空家活用の匠など補助金検索サイトを利用すると便利です。
「空き家バンク」も進化中
一方、空き家バンクは自治体の運営する媒体で上記のような問題は起こりません。そもそも空き家バンクを閲覧する人は郊外にある家に住みたいといった人が多く、需要と供給という意味でもマッチしやすいというメリットがあります。
さらに、民間企業による全国版の空き家プラットフォームも始動しています。これまでは自治体の窓口までいかないと利用できなかった空き家バンクですが、上記サービスを利用することにより、空き家の所有者と利用希望者のマッチングがよりスムーズにできるようになりました。
また、空き家バンクでは、所有者と利用希望者を直接マッチングするもので、仮に売買まで進んだ場合でも、売買契約書の作成など、自分たちで考えるか不動産会社に改めて依頼する必要がありますが、このプラットフォームを利用すると不動産会社や各種専門業者の引き合わせまでフォローしてもらうことができます。
空き家の売却に困っている方はまず登録してみることを検討するとよいでしょう。
空き家問題への新しい取り組み②:企業などによるビジネス化

NPO法人 空家・空地管理センター
住まないものの、できれば売却したくないという方も多いですが、「空家・空地管理センター」を利用することで内装リフォームなど一式紹介してもらうことができ、最終的に戸建賃貸として活用できたといった事例をホームページで確認できます。
ハロー!RENOVATION
カリアゲJAPAN
すべての空き家で利用できるわけではありませんが、空き家として放置しているとデメリットが多い中、入居者を見つけられるだけでなく、借主の負担で改修してくれる画期的なサービスだといえるでしょう。
空き家の新しい利活用事例

農地付き空き家への移住や2地域居住(セカンドハウス)希望者への賃貸や売却
物件の立地等にもよりますが、条件が合いそうであれば、こうした活用法も考えてみるとよいでしょう。
空き家の公的活用
コンセプト型賃貸
民泊
カフェやギャラリーなど
空き家活用のデメリットは事前にチェック

たとえば、空き家バンクを利用することで空き家を探している人を見つけやすくなりますが、個人対個人のやり取りとなるため、何らかのトラブルが発生したとしてもその責任は自分で負う必要があります。このため、空き家を探している人を見つけることができたら、改めて仲介業者に間に入ってもらうようにするとよいでしょう。
こうしたデメリットについては、利用する前に必ずチェックしたうえで利用を始めることが大切です。判断に困った時には、空き家バンクの自治体窓口や、この記事でご紹介したNPO法人、不動産会社など専門家に相談することをおすすめします。
よくある質問

- 空き家の管理は自主/委託どちらがいい?
- 自主管理のメリットとしては費用がかからない点が挙げられます。労力はかかりますが、業者に委託する際の費用(5,000~10,000円/月程度)を浮かせることが可能です。一方、委託管理の場合は費用はかかりますが手間がかからないというメリットがあります。両者のメリット・デメリットを比較して自主管理か委託管理かを選ぶようにしましょう。詳しくは空き家管理の記事を参照ください。
- 空き家を賃貸に出すためにはどのような準備が必要?
- 空き家を貸し出すための準備は、1. 貸し出す方法を検討する→2. リフォームを検討する→3. 家賃を検討する→4. 契約形態を検討する→5. 不動産会社(管理会社)を選定する、といった流れで進めていくとよいでしょう。各準備について、詳しくは空き家を賃貸に出す方法の記事を参照ください。
- 空き家が残ったままの土地売却…更地にした方がいい?
- まず、空き家を残したまま売却する場合は解体費用がかからないというメリットがあります。また、売却するまでは固定資産税を支払うことになりますが、建物を残しておくことで固定資産税を抑えることが可能です。一方、更地の場合は早く買い手が見つかる可能性が高いと言われており、すぐに処分したい方は更地での売却を検討すると良いでしょう。詳しくは古屋付き土地の売却に関する記事を参照ください。
まとめ

新しい発想を取り入れて
所有している空き家を活用しませんか?

監修逆瀬川 勇造
【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。
大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。