サ高住経営で始める土地活用!メリット・デメリットや失敗回避策を徹底解説

  • 更新日:
  • 2022年01月12日
サ高住経営で始める土地活用!メリット・デメリットや失敗回避策を徹底解説
田舎の土地や、駅から遠い場所の土地活用を考えている方におすすめなのが、サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」。少子高齢化が進んでいる日本では、今後ますます需要が増えていくことでしょう。今回は、親から相続した広い土地を所有していて、相続税対策のために土地活用を考えている方に「サ高住」の特徴やメリット・デメリットについて、建てたあとの経営に関する人材や収益についても、あわせて触れていきます。

社会貢献にも繋がる土地活用「サ高住」
郊外であっても、比較的広い土地をお持ちであれば検討してみてはいかがでしょうか。

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目次

サ高住とは

サ高住は土地活用として考えると、アパートマンション経営などと比べて比較的大きな面積の土地が必要とされる一方、郊外の土地でも活用の可能性があります。そのほか、一定の要件を満たすことで補助金や税制優遇を受けられる点も特徴の1つです

また、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、要介護高齢者人口が急増することが予想されるなど、介護に関するニーズは高まりを見せています。実際、サ高住の施設数は制度開始以来急増を続けており、2021年10月末時点で27万戸超えとなっています。

サ高住が向いている土地

先ほども少し触れましたが、サ高住は一般的にアパートマンション経営と比べると、比較的郊外であっても活用しやすいという特徴があります。国土交通省のデータによると、サ高住が建てられているエリアは2/3が市街化区域であるものの、残りの1/3は市街化調整区域や都市計画区域外など立地が良くないところに建てられていることが分かります。

アパートマンション経営であれば、立地が悪い土地での活用は難しいですが、サ高住であれば活用の可能性があります。田舎に比較的大きな土地を保有しているという方にはおすすめの土地活用だと言えるでしょう

サ高住の経営方式は4種類

サ高住の経営方式には、以下の4つの種類があります。

1. 一括借り上げ方式
2. テナント方式
3. 委託方式
4. 自ら経営

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 一括借り上げ方式

一括借り上げ方式では、自分で建てたサ高住のための施設を事業者に貸し出し、経営を任せ、地主は賃料を受け取ることで収益を上げます。自分が経営に参加することなく、また空室リスクを心配することなく経営することができますが、事業者に対して手数料を支払う必要があり、ほかの方式と比べると収益性の面で劣ります

2. テナント方式

テナント方式は介護サービスのみを外部の業者に委託する方式で、入居者募集や契約、各種メンテナンスのための作業は地主が行います(入居者募集や管理業務を行ってくれる介護会社もあります)。地主は入居者から賃料を受け取り、介護サービス事業者からはテナント料を受け取ることが可能です。一括借り上げ方式と比べて高い収益を得ることができますが、空室リスクが発生するので経営能力が求められます。

3. 委託方式

委託方式は、テナント方式と同じく介護サービスのみを介護業者に委託する方式です。入居者募集や各種メンテナンスなど地主の行うことも同じですが、入居に関する賃料と介護サービスのサービス料を地主が受け取り、介護業者へは手数料を支払う必要があります。テナント方式では、毎月一定のテナント料を受け取れるのと比べると、賃料と介護サービス料両方において空室リスクを負う必要がありますが、一方で入居率が高ければそれだけ収益も良くなります。

4. 自ら運営

地主が介護サービスに関しても参入する方法で、収益性は一番高いですが、介護人材の確保や他の介護施設に勝つための介護の質の確保が求められます。とくに介護人材は多くの介護施設で不足しており、これから新規で参入しても充分な数を確保するのは困難でしょう。

どのような方式でサ高住経営すればいい?
悩む場合は土地活用の専門家に相談してみましょう!

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サ高住での土地活用のメリット

土地活用において、サ高住を選ぶメリットには以下のようなものがあります。

1. 補助金と優遇制度がある
2. 相続税の節税対策になる
3. 社会貢献ができる
4. 資産価値を高めることができる

それぞれ解説していきます。

1. 補助金と優遇制度がある

サ高住では、一定の要件を満たすことで以下のような補助金や税制優遇を受けることができます

2. 相続税の節税対策になる

サ高住を建てることで、その建物部分について時価の70~80%程度が目安とされる固定資産税評価額で相続税の計算をできることから、相続税の節税対策とすることができます。たとえば、1億円使ってサ高住を建てたとすると、その評価を7,000~8,000万円とすることができ、相続人が納税しなければならない税金を減らすことが可能です。

3. 社会貢献ができる

サ高住は社会貢献にもつながります。少子高齢化の進む日本において、介護は社会問題とも考えられるからです。もちろん、事業を続けていくことの難しさはありますが、お金を稼ぎながら社会貢献できると考えると取り組む価値は高いのではないでしょうか。

4. 資産価値を高めることができる

ただ更地として保有し続けるのと比べると、サ高住を建てることで土地を含めた資産価値を高めることができます。また、サ高住を建てるだけではなく、ほかの介護施設などと比べて質の高い建物を建てることでより高い資産価値を持たせることができるでしょう。

サ高住での土地活用のデメリット

一方、サ高住には以下のようなデメリットがあります。

1. 投資額が大きい
2. 良い運営事業者と出会う必要がある
3. 他用途への転用が難しい
4. まとまった広大な土地が必要
5. 法改正や制度改正が起きる可能性がある

1つずつ見ていきましょう。

1. 投資額が大きい

サ高住は「床面積が原則25㎡以上」、「便所・洗面所設備等の設置」といった要件があることもあり、一般的にアパートやマンションより投資額が大きくなってしまいます。たとえば、定員20名程度のサ高住を建てるだけで設備費用を含めて2~3億円程度となるなど、基本的には億単位の投資となることを覚悟しておきましょう

2. 良い運営事業者と出会う必要がある

サ高住を含む高齢者向け介護施設は急増しており、ほかの介護施設と差別化をする意味でも高い介護サービスを提供する運営事業者を見つけることが成功のための要件です。良い運営事業者が見つかるまでは手間や時間がかかってしまう可能性があるでしょう。

3. 他用途への転用が難しい

運営事業者が介護業の登録を抹消されたり、倒産したりして中途解約となると、建物だけが残ってしまいます。基本的にはサ高住を目的として建てられた建物は他用途への転用が難しく、次の事業者を見つけなければなりませんが、見つけるまでの間は収入のないままローンや固定資産税などの支払いをしなければならない可能性があります。

4. まとまった広大な土地が必要

サ高住は居住部分とは別にサービス施設を設ける必要があり、同じ戸数の建物を建てるにしてもアパートやマンションと比べて土地の広さが求められます。たとえば、20~30戸の建物であれば少なくとも200~300坪以上の広さは必要になるでしょう

5. 法改正や制度改正が起こる可能性がある

サ高住は「高齢者住まい法」の改正により創設された制度です。今後、法改正や制度改正といった社会の要請に合わせて対応していかなければならないことが出てくるでしょう。まだ創設されて7年程の制度のため、今後の動きが読めない面もあります。

サ高住経営で失敗しないためのポイント

最後に、サ高住経営で失敗しないための3つのポイントをお伝えします。

1. 建築基準条件を確認しておく
2. 運営で必要な人材を確認しておく
3. 収益と利回りの把握しておく

それぞれ解説していきます。

1. 建築基準条件を確認しておく

サ高住は、段差がなく、手すりが取り付けられ、車椅子での移動ができるだけの広さが確保されている必要があるなど、バリアフリー構造が求められる点や、各部屋に水洗便所や浴室、収納スペースが取り付けられ、床面積は25m2以上でなければならないといった建築基準条件があります。その他、浴槽の深さや出入口の幅、廊下の幅まで事細かに定められており、これらの条件を守らなければ運営することができません。

また、現行では設けられていませんが、今後サ高住に対して総量規制が行われる可能性もあります。というのも、現行のサ高住の数は地域によってばらつきがあり、それが必ずしも高齢者の数に合っていない点が指摘されています。そこで、地域によって建てられるサ高住の数の上限を決めるなど、自治体による総量規制が実際に検討されていますサ高住の運営を検討されている方は今後の展開をよく見ておく必要があるでしょう

2. 運営で必要な人材を確認しておく

サ高住では状況把握サービスと生活相談サービスの設置が必須となっており、そのサービスのためには専門家の常駐が必要です。食事サービスなどについては必須ではないものの、ほとんどのサ高住で実施されています。ほかの介護施設との競合のためにも、これらの人材の確保はほぼ必須と考えましょう。もちろん、それぞれの事業について委託することもできますが、サ高住を建てるエリアの周辺にこうした事業を行っている事業者がいるのかも確認が必要です。

3. 収益と利回りの把握しておく

サ高住は、老人ホームのように入居時に一時金を受け取るタイプのものではなく、アパートやマンションのように、入居者から賃料を受け取ることになります。また、サ高住は床面積25㎡以上などの条件を満たす必要がありますが、一方でアパートやマンションと比べると比較的高い賃料を受け取ることができます。

たとえば、1戸あたりの家賃を6.5万円として、総戸数20戸の建物を1億5,000万円で建てることを想定すると、表面利回りは6.5万円×20戸×12カ月÷1億5,000万円=10.4%となります。居室の質や、介護サービスの質を高めることでより高い家賃設定にしたり、建築時のコストカットを実施したりすることでより高い利回りを実現することもできるでしょう。このように、収益と利回りについてはサ高住の建築前にしっかり把握し必要に応じて改善すると良いでしょう

サ高住経営で失敗しないために、
土地活用の専門家に相談しながら準備を進めるとよいでしょう!

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よくある質問

ここでは、サ高住経営に関するよくある質問をご紹介します。

サ高住と老人ホームの違いは?

老人ホームは食事介助や入浴介助、健康管理などのサービスがある高齢者介護施設のことで、「介護付」「住宅型」「健康型」の3つのタイプがあります。一方、サ高住は2011年「高齢者住まい法」の改正により誕生した高齢者が安心して暮らせるサービスを提供するバリアフリー構造の賃貸住宅です。老人ホームとサ高住とでは契約方式にも違いがあります。詳しくはこちらの記事を参照ください。

サ高住経営のリスクとは?

入居者は高齢者ということもあり居室内での転倒といった事故が起こりやすい傾向にあるほか、認知症の症状が見られる入居者による暴力事故などが起こるリスクがあります。また、入居者が入院したり、亡くなったりといったことが要因で空室が生じることがあり、空室リスクは通常の賃貸経営より大きい点もリスクの1つです。詳しくはこちらの記事を参照ください。

サ高住を成功させるためにできることは?

サ高住では状況把握や生活相談サービスの設置が必須となっています。ほとんどの場合で業者に委託することになりますが、安定経営のためにも実績があったり運営体制が整っていたり、信頼できる業者を選定しなければなりません。選定する際は必ず複数の業者を比較するようにしましょう。また、土地活用の専門家に相談することも一案です。

まとめ

サ高住の特徴やメリット、デメリット、経営する上でのポイントについてお伝えしてきました。立地条件の緩さや今後本格化する少子高齢化に対する社会貢献事業であるといった点が魅力のサ高住ですが、投資額の大きさや他用途への転用が難しいといった点が課題となります。これから土地活用としてサ高住を検討される際は、本記事のメリット・デメリットやポイントを参考に進めていくと良いでしょう。

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逆瀬川 勇造

監修逆瀬川 勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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