駐車場経営は初期費用が少なく始められる
土地活用の1つです。
目次
駐車場経営は儲かる?それとも儲からない?

駐車場経営のメリット

初期費用が少ない
狭小地や変形地でも対応可能
災害リスクが小さい
ほかの業態への切り替えが容易
将来、売却したり、ほかの土地活用法に移行したりする時も、利用者との契約期間が終了すれば、とくに費用をかける必要もなく行えます。
駐車場経営のデメリット

税金負担が大きい
土地の利用効率が低い
収益性が低い
メリット・デメリットを踏まえて、駐車場経営に興味が湧いたら、
プラン一括請求で相談してみては?
駐車場経営の種類①:月極駐車場

コインパーキングと比べて機械の導入の必要がなく、敷地の舗装も必須ではないため、始めようと思えばいつでも始められ、利用者との駐車場利用契約が終了すればいつでも辞めることのできる手軽さがあります。なお、月極駐車場の場合は、地元の不動産会社に行って入居者募集〜駐車場の管理を依頼するのが一般的です。
収益モデル~収入と支出~
項目 | 満車時想定/月 | 稼働率90%想定/月 | |
---|---|---|---|
収入 | 駐車場収入 | 10.0万円 | 9.0万円 |
支出 | 管理費など | 0.5万円 | 0.5万円 |
固定資産税 | 2.0万円 | 2.0万円 | |
利益 | 7.5万円 | 6.5万円 |
月極駐車場の注意点
仮に、対策をとらず不正駐車を野放しにしておいた場合、契約者に迷惑がかかるほか、解約を申し出る人が出てくる可能性もあります。不正駐車をした際の罰則を明記した看板や、防犯カメラの設置など、業者にアドバイスをもらいながら対策をするとよいでしょう。
駐車場経営の種類②:コインパーキング

また、コインパーキングでは機械の導入が必要ですが、その運用方法には専門業者に土地を一括で貸し、専門業者が機械を導入して、地主は毎月一定額を受け取るパターンと、専門業者から機械を購入して管理を専門業者に任せ、収益を受け取って管理費を支払うパターンがあります。
前者は初期費用が不要ですが毎月の収入は少なく、一方、後者は初期費用がかかるものの毎月の収入を大きくすることができます。一方コインパーキングは、何かの用事がある時に一時的に利用するなどの利用法が考えられるため、駅や繁華街、駐車場のない商業施設の近くなどにある土地が向いていると言えるでしょう。
収益モデル~収入と支出~
2.4万円×20台=48万円/月 |
---|
専門業者が一括借上するパターンだと初期費用を抑えることができ、毎月一定額を専門業者から受け取ることになります。この時の額は専門業者との契約内容により異なります。
一方、自分でコインパーキングの機械を購入する場合、土地の広さにもよりますが、機械導入費用として300万円程度、整地費用として100万円程度の費用が必要となります。仮にこの金額を金利3%、借入期間3年としてシミュレーションしてみましょう。この収入に対して不動産所得として所得税と住民税が課されます。
項目 | 1日8時間稼動想定/月 | |
---|---|---|
収入 | コインパーキング収入 | 48.0万円 |
支出 | 機械導入費・整地費用 | 11.6万円 |
管理費など | 2.4万円 | |
固定資産税 | 2.0万円 | |
利益 | 32.0万円 |
コインパーキングの注意点
月極駐車場に向く土地とコインパーキングに向く土地は異なるため、自分の土地がどちらに向いているかよく見極めるようにしましょう。
駐車場経営を始める前におさえておきたい基礎知識

一般的に月極駐車場より、コインパーキングの方が収益性は高いですが、月極駐車場は現地を整備するだけで済むのに対して、コインパーキングにする場合は機械の導入が求められます。持っている土地の立地や、どのくらいの収益性が欲しいか、初期費用にいくら出せるかなどによって、どの方法で土地活用するか決めましょう。
料金設定は周辺相場と揃える
月極の場合も周辺相場を確認したうえで、料金を設定することが大切です。集客したいからといって大幅に下げれば収益が得られず、また、収益を上げたいからといって高く設定すれば集客が得られず、キャッシュフローの悪化につながります。周辺相場のほか、収益や運営費なども含めて検討するようにしましょう。なお、一括借り上げ方式を採用した場合は、業者が料金設定をするため自身で料金を設定する必要はありません。
経営方式は一括借り上げor自営
自営の場合は、募集を含めた管理業務も自身で行う必要があるため時間や労力がかかりますが、業者に支払う手数料はなく、また賃料も得た分だけ確保できるため、収益性は良いと言えるでしょう。ただし、募集業務がうまくいかなければ収益悪化につながることも忘れてはなりません。
パートナーとなる業者の選び方
パートナー業者を選ぶときは
複数社比較が鉄則です!
ほかの土地活用との比較

アパート・マンション経営との比較
しかし、アパート・マンション経営にはさまざまな経費がかかり、また空室リスクがあるため全体的なリスクが高いです。それと比べ、駐車場経営はかかる経費や初期費用もそれほど高くないため、リスクの少ない土地活用だと言えます。総じて、アパート・マンション経営がハイリスク・ハイリターンな土地活用であるのに加え、駐車場経営はローリスク・ローリターンな土地活用であると言えるでしょう。
なお、アパート・マンション経営をしながら、土地の余った部分があれば、その部分を月極駐車場として貸し出すような運用法もあります。
トランクルーム経営との比較
一方、立地に関してはコインパーキングが駅の近くや駐車場のない商業施設の近くが向いているのに対し、トランクルームは駅から遠くても構いません。また、高速道路や線路のすぐ近くで騒音や振動がある場所でも大丈夫です。トランクルーム経営は駐車場経営と同じく、業態転換をしやすいという特徴があるため、駐車場経営にするか、トランクルーム経営にするかについては、持っている土地の立地次第で決めるのがオススメです。
コインランドリー経営との比較
一方で、コインランドリー経営は相続税を低く抑える小規模宅地等の特例や、設備費用の即時償却といった節税効果が期待できます。建物がない駐車場は小規模宅地等の特例の対象外となり、節税効果は期待できません。
最近は女性の利用が増えてきたこともあり、そうした需要に合わせて清潔でオシャレなコインランドリーも多くみられます。また、洗濯中の待ち時間を有意義に過ごしてもらえるようwifi環境を整えたり、キッズスペースやカフェを併設したり、差別化を図る施設も少なくありません。コインランドリー経営は、戦略次第でリピーターを増やし、収益を上げていくことも可能と言えます。
太陽光発電との比較
駐車場経営は空車リスクがあり、満車経営を目指して集客活動に力を入れなければなりません。太陽光発電はそのようなリスクはないため安定して経営することが可能です。
なお、太陽光発電の注意点として、隣地とのトラブルがあげられます。パネル設置の向きにより隣地に反射してしまうことがあり、場合によってはトラブルに発展する可能性もあるのです。なるべくトラブルを避けるためには、専門業者と相談しながら準備を進めると良いでしょう。
よくある質問

- 駐車場経営で失敗する理由とは?
- 需要が見込めない立地で始めてしまった、料金設定が適切ではなかった、などの理由により駐車所経営に失敗する場合があります。また、管理会社との契約をしっかり確認せずに委託した結果、管理会社のずさんな管理が要因となって駐車場経営が立ち行かなくなる可能性もあります。委託先を選定する際は必ず複数の業者を比較するようにしましょう。詳しくは駐車場経営失敗の記事を参照ください。
- 個人で駐車場経営を行う場合の業務とは?
- 個人で駐車場経営を行う場合、駐車場内の日常清掃はもちろん、利用者からの入金確認や設備修繕を自身で行う必要があります。そのほか、事故などのトラブルが起きた際の対応も自身で行わなければなりません。管理が行き届いていないことで解約につながる可能性もあります。個人運営が難しそうであれば管理会社への委託も検討するとよいでしょう。
- 駐車場経営で経費にできるものは?
- アスファルト塗装工事代、駐車場内の修繕費用、ブロックや誘導看板などの設置費用、照明や精算機などの電力代などは経費計上することが可能です。また、広告費や管理会社へ支払う手数料なども経費に該当します。経費計上の可否について判断が難しい場合は、迷わず税理士などの専門家に相談するようにしましょう。
まとめ

駐車場経営は初期費用が少なく始められる
土地活用の1つです。
この記事の監修者

逆瀬川 勇造
【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。