海外に住む方(非居住者)の不動産売却|費用・税金や注意点を解説します

2023.10.16更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

海外に住む方(非居住者)の不動産売却|費用・税金や注意点を解説します

海外転勤などで日本にいない場合でも家の売却は可能です。海外在住の場合の不動産売却における手続きや税金について解説します。

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目次

海外在住でも日本の家は売れる?

転勤や移住などで日本を離れ、海外で生活している人は少なくありません。海外に移住した場合、次のような一定の条件を満たすと「非居住者」という扱いになります。

・日本国内に住所がない
・海外在住期間が1年以上

上記の条件を満たす場合、所得税法上の非居住者となるのです。仕事の海外赴任以外に、移住や1年以上の留学なども対象となります。海外在住の場合に問題となるのが、日本で住んでいた家の売却でしょう。基本的には、非居住者扱いであっても家の売却は可能です。

しかし、通常の家の売却では住民票などが必要となりますが、非居住者は日本に住所がないため住民票がありません。そのため、日本国内にいる場合とは異なる手続きや書類が必要となるのです。また、自分では売却手続きができず、司法書士などの法律の専門家を代理に立てる必要があります

非居住者が国内物件の売却をする場合の流れと注意点

非居住者が国内物件を売却するためには、手続きの流れや必要書類などを理解しておく必要があります。ここでは、売却手続きの詳細を具体的に見ていきましょう。

非居住者の不動産売却の流れ

非居住者の不動産売却の大まかな流れは、次のとおりです。

1.不動産会社と司法書士を探す

不動産売却のためには、まず不動産会社と司法書士を探す必要があります。不動産売却では、不動産会社が不動産売却手続き、司法書士が法的な手続きを進めてくれます。ただし、不動産会社によっては海外在住者の不動産売却に対応していない会社こともあるため、注意が必要です

不動産会社に相談する場合は、事前に海外在住である旨を伝えておく必要があります。海外在住者の不動産売却はケースが少なく、対応する会社も少ない傾向にあるため、一括見積もりなどを活用すると効率よく不動産会社を探せるでしょう

2.書類の準備

海外在住者の場合、通常の不動産売却で必要な書類だけでなく、特別な書類が必要となります。書類は在住先の日本大使館や領事館で入手できます。必要書類については、後ほど詳しく解説しますので、参考にしてください。

3.売却活動

不動産会社による売却活動が行われ、買主を探していきます。

4.売買契約

買主が見つかったら売買契約を結びます。通常の売買契約では、売主と買主が立ち会うものです。しかし、帰国が難しい場合は代理人を立てて契約できるため事前に不動産会社に相談しておきましょう

5.決済と引き渡し

売買契約後、買主が物件代金を入金したら物件を引き渡して売却完了です。決済当日は、ローンの返済や抵当権抹消手続きが必要となることが一般的です。

基本的には立ち合いが必要となるため帰国が難しい場合は事前に金融機関や不動産会社に確認しておくようにしましょう

非居住者の不動産売却に必要な書類や手続き

通常の不動産売却書類以外に必要な書類としては、次の3つがあります。

【在留証明書】
住民票の代わりの役割を果たすのが「在留証明書」で、日本大使館や領事館に申請することで入手できます。ただし、本人がパスポートなどの必要書類を集めて申請する必要があり、発行までに数日かかる場合もあるため、注意が必要です。必要書類や発行期間を事前に確認するとよいでしょう

【サイン証明書】
印鑑証明に当たるのが「サイン証明書」です。こちらも日本大使館や領事館で発行してもらえます。サイン証明書には貼付形式と単独形式の2種類があり、不動産売買の場合は貼付形式のものが必要となります

【代理権委任状】
売買契約時などに本人が帰国できない場合は、代理権委任状が必要です。代理権委任状は司法書士でも作成することができるため、相談するとよいでしょう。決まった書式はありませんが、基本的には次の項目を含みます。

・委任者
・受任者
・委任権内容
・不動産情報
・委任日

非居住者の不動産売却の注意点

非居住者が不動産を売却する場合の注意点として、源泉徴収が必要になることが挙げられます。源泉徴収とは、通常は1年間の所得が確定してから所得税を納付するのに対し、所得があった時点で所得税見込み額を事前に納付する制度のことです。

日本に在住している場合の不動産売却では、源泉徴収の必要はありませんが、非居住者の不動産売却では、利益に対して10.21%が課税され、その額が源泉徴収の対象となります。基本的には買主が納税するため、売主は源泉徴収分を差し引いた代金と支払調書を受け取るだけで、支払いは必要ありません。ただし、売主はこの支払調書を基に確定申告し、所得税の還付や追加納税などの対応をする必要があります。なお、以下の条件を満たす売却では源泉徴収は不要です。

・買主が6親等以内の親族
・買主の居住用として購入された
・売却金額が1億円以下

源泉徴収税を納付し忘れた場合、高額な追加納税などが課せられる可能性もあるため、司法書士や不動産会社に相談しながら手続きを進めるとよいでしょう

非居住者の不動産売却でかかる費用と税金

海外在住であっても、日本で発生した所得に対しては日本の所得税が課せられます。そのため、不動産売却で所得が発生した場合は納税が必要となるのです。不動産売却にかかる税金については以下記事にて詳しくご説明しています。

売却後に確定申告が必要

不動産売却での所得は譲渡所得となり、譲渡所得税が課されます。譲渡所得税は日本の居住者と同様に課せられ、所得対象額と課税率は次のとおりです。

譲渡所得(課税対象額)=不動産売却額-(取得費用+譲渡費用)
短期譲渡所得長期譲渡所得
所有期間5年以下5年超
所得税30.63%15.315%
住民税9%5%
税率合計39.63%20.315%
たとえば6年間所有した家を3,000万円(取得費2,000万円)で売却した場合の譲渡所得税の計算は、次のとおりです。

3,000万円-2,000万円=1,000万円(課税対象額)
1,000万円×20.315%=203.15万円

よって、約203万円の納税が必要となります。確定申告すると、源泉徴収で納付した金額によっては還付が受けられることもあるでしょう。確定申告は、所得が発生した翌年の定められた期間中に、税務署へ必要書類を提出して行います。

帰国が難しい場合などは代理人による申告が可能です。代理人を選定する場合は、事前に納税管理人を選び、出国前に税務署へ「所得税の納税管理人の届出書」を提出しましょう

3,000万円控除は対象になる?

不動産売却の場合、条件を満たすことで「3,000万円特別控除」を適用できます。3,000万円特別控除とは、譲渡所得税の特例として、特別控除額を譲渡所得から差し引ける税制優遇措置のことです。この特別控除を適用するためには、一例として次のような条件があります。

・住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
・売った年の前年および前々年に3,000万円特別控除などの控除を利用していないこと
・売却した物件がほかの特別控除などの特例を受けていないこと
・買主と親族や夫婦などの特別な関係ではないこと

例)1,000万円で取得した自宅を4,000万円で売却した場合
4,000万円-1,000万円(取得費)-3,000万円(特別控除)=0円(課税対象額)

この場合は3,000万円を控除することにより課税対象額が0円となるため、譲渡所得税がかかりません。この特別控除は非居住者であっても適用できます。条件を満たす場合は確定申告で適用できるため、確認して申告するようにしましょう。

軽減税率の対象になる?

自宅売却の税制優遇措置には、「10年超所有軽減税率の特例」という制度もあります。この制度では、所有期間が10年を超える物件を売却した場合に、譲渡所得の課税率が軽減されます。10年超所有軽減税率の課税率は次のとおりです。
税率
譲渡所得のうち6,000万円以下の部分14.21%
譲渡所得のうち6,000万円超の部分20.315%
この制度は3,000万円特別控除との併用も可能です。たとえば、1,000万円で購入した自宅を10年所有し5,000万円で売却した場合は、次のようになります。

5,000万円-1,000万円(取得費)-3,000万円(特別控除)
=1,000万円(課税対象額)

通常であれば、長期譲渡所得の課税率20.315%が適用されますが、10年超所有軽減税率の特例を適用することにより、課税率は14.21%になります。よって、納税額は次のようになるのです。

1,000万円×14.21%=142.1万円

ちなみに、通常の課税率の場合は、1,000万円×20.315%=203.15万円となります。このように、この特例を適用した場合と適用しない場合では、納税額に約60万円もの差が出ました。

10年超所有軽減税率の特例の適用条件

ただし、10年超所有軽減税率の特例には次のような適用条件があります。

・住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
・売却した年の1月1日時点での所有期間が10年を超えていること
・売った年の前年および前々年にこの特例を適用していないこと
・マイホーム買い換えや交換などの特例を受けていないこと
・買主と親族や夫婦などの特別な関係ではないこと

上記の条件を満たせば、非居住者であっても特例を適用できます。

非居住者の不動産売却はパートナー選びが重要

非居住者が不動産を売却する場合、国内にいない状態で売却活動を進めるため不動産会社選びが重要になります。海外からはなかなか連絡が取れない場合もあり、ほとんどの売却活動を不動産会社に任せきりになるでしょう。海外にいながら安心して売却を進められるような、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があるのです

しかし、非居住者の売却に対応していない不動産会社もあり、経験の少ない不動産会社ではスムーズに売却できない可能性もあります。不動産会社選びでは、複数の会社を比較し検討することが大事です。

とくに移住前などは忙しく、不動産会社選びに時間を割けない場合も多いでしょう。そのような場合は売却一括査定サイトなどを利用すると、短時間で複数の会社を比較できるのでおすすめです

まとめ

海外在住の場合に家を売却する手続きや税金などについてお伝えしました。海外在住であっても日本国内の家を売却できます。しかし、司法書士などに代理の手続きを依頼する必要があり、通常の売却とは流れや必要書類、納税の仕組みなどが異なる点に気を付けなければなりません。

海外にいながら売却を進めるためには、信頼できる不動産会社を見つけることが重要です。海外在住の場合における不動産売却の基本を理解し、信頼できる不動産会社を探すようにしてください。

日本に住んでいない場合の不動産売却は、
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逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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