遺贈とは?相続との違いや手続きについて詳しく解説します

  • 更新日:
  • 2021年08月13日
遺贈とは?相続との違いや手続きについて詳しく解説します
近年、遺贈への関心は高まっています。遺贈という言葉が主要新聞紙面で取り上げられた回数は平成25年以降特に増加し、倍以上の言及があります。背景には、核家族の増加、配偶者や子供・孫、親兄弟もいない単身者世帯の増加など家族形態の変化や、東日本大震災以降の度重なる自然災害により、義援金やボランティアなどの社会貢献活動が、より身近になってきたことがあるようです。

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目次

遺贈とは?

遺贈とは、被相続人が遺言によって財産を処分することをいいます。民法第964条には、「遺言者は包括又は特定の名義で、その財産の全部または一部を処分することができる。」と規定しています。遺言に記すことで自分の死後の財産の行く先に、ある程度ご自身の遺志を反映させることができます。

特に民法上相続人に規定される親族以外の者に、財産をお渡ししたい場合、たとえばお世話になったご近所の方や友人、公益団体などに財産をお渡ししたい場合、遺贈に拠る必要があります。遺贈により財産を取得する者のことを受遺者といいます。

遺贈の種類

先の民法964条にある通り、遺贈には、「包括遺贈」と「特定遺贈」があります。それぞれについて見ていきましょう。

包括遺贈

包括遺贈とは、相続財産の全部または一定割合を遺贈する方法をいいます。民法990条は、「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する」と規定しており、遺言で指示された割合に従って相続財産について権利義務を有することになります。つまり遺言において、「Aに財産の1/3を遺贈する」と示された場合には、Aは被相続人の財産に関わる1/3の権利だけでなく、義務つまり債務や借入金についても1/3を承継することになります。包括遺贈により財産を取得する者を「包括受遺者」といいます。

特定遺贈

特定遺贈とは、目的物を特定して遺贈することをいいます。「Aに自宅の土地建物を、遺贈する」などと表現されます。特定遺贈により財産を取得する者を「特定受遺者」といいます。包括遺贈と異なり、特定受遺者は遺言で指定が無い限り相続債務を負うことはありません

停止条件付遺贈、負担付遺贈

遺贈には条件や負担を付けることもできます。停止条件という言葉は耳慣れないかもしれませんが、単なる条件または前提条件と考えて頂いて大丈夫です。たとえば「医師免許を取ったら○○の土地を遺贈する」とか「結婚したら○○銀行の定期預金を遺贈する」など、遺贈に何らかの条件を付与するのが、停止条件付遺贈になります

基本的にはどのような停止条件を付けるかは自由ですが、「母親の面倒をみること」のように曖昧で客観的判断ができないものは停止条件に不向きです。停止条件が明確でないと、遺言の効力発生について争いが生じる恐れがあります。停止条件付遺贈をする場合には、明確でわかりやすい条件を付けるようになさってください。

負担付遺贈は、受遺者に一定の義務を課して財産を遺贈することです。「Aに○○の土地を遺贈するが、その代わりに遺言者の○○銀行借入金1,000万を弁済しなければならない」などと表現されます。負担付遺贈には限度が定められていて、遺贈による財産的な利益を上回る負担を負わせることはできない、とされています。

遺贈と死因贈与

遺贈によく似た法律行為として、死因贈与があります。遺贈も死因贈与も被相続人の死亡を起因として、無償で財産が移転します。遺贈は遺言書記載の内容に基づきますが、死因贈与は、死因贈与契約に基づきます。遺贈は遺言者単独の法律行為ですが、死因贈与は、あくまで「贈与」ですから諾成契約になり、贈与者と受贈者双方が契約に合意して効力が発生します。

遺贈と相続の違い

遺贈のうち、とくに包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を負うとされています。しかし、何もかもが同じという訳ではありません。ここでは、遺贈と相続の違いについて見ていきましょう。

財産を受け取る人

民法では相続人の範囲を定めており、相続権を有する者を一般に「法定相続人」といます。法定相続人には、配偶相続人と血族相続人があります。配偶相続人とは配偶者のことで、配偶者は常に相続権を持ちます。血族相続人には順位があり、第一順位が、子またはその代襲者、第二順位が直系尊属、第三順位が兄弟姉妹またはその代襲者、となります。血族相続人は、先順位の相続人がある場合には、後順位の者に相続権はありません。

代襲とは相続人となるはずであった者が被相続人より前に死亡した場合などに、その者の子がその者に代わって相続をすることをいいます。つまり大まかにいえば、配偶者、子、親、兄弟が法定相続人になり得るということになります。法定相続人以外の者に財産を残したい場合、遺言を作成し遺贈という手段に拠らなければなりません

たとえば、子のいる人の兄弟姉妹は相続権を持ちません。子だけではなく兄弟姉妹にも財産を残したい場合、あらかじめ遺言にその旨を記載し遺贈する必要があります。お世話になった知人や賛同する公益団体などに財産をお渡ししたい場合も同様です。

税率

相続または遺贈により財産を取得した者が、被相続人の一親などの血族及び配偶者のいずれでもない場合は、その者の相続税額に20%を加算することになっています。この制度を「相続税額の2割加算」といいます。遺贈により財産を取得した者が、被相続人の配偶者・子・父母以外の者である場合は、相続税が2割増しになります。

不動産登記と対抗要件

不動産の相続登記については、相続が登記原因である場合、相続人が単独で申請することが可能です。他方、遺贈による不動産登記は、受遺者、相続人または遺言執行者の共同申請が求められます。

また、借地権の取扱いにも違いがあります。相続人が借地権を相続する場合には、相続後に地主に、借地権を相続しました、と通知すれば足りることになっています。しかし、遺贈により借地権を取得した場合には、地主の承諾が必要になります場合によっては承諾料も必要になります。承諾料は地域慣習によりますが、一般的には借地権価格の10%程度が目安と言われております。

相続人が相続により不動産を取得した場合には、登記が無くても第三者へ対抗できますが、包括受遺者が遺贈により取得した不動産については、登記が無い限り第三者へ対抗することはできないこととされています。

遺贈の場合も放棄できる?

遺贈は放棄することもできます。特定受遺者の場合、期限・方式の定めなく、被相続の死亡後であれば、いつでも遺贈を放棄することができます。包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有することになっているため、承認・放棄についても相続人と同じ規定が適用されます。したがって、包括受遺者が遺贈の放棄をするには、相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。何も手続きせずにこの期間が経過した場合には、包括遺贈を承認したとみなされます。

遺贈の流れ

ここでは、遺贈の流れについて説明していきます。

遺言書作成

遺贈をするにはまず「遺言書」を作成しなければなりません。遺言書にはさまざまな種類がありますが、よく作成されているのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。これら二つの遺言作成の概要をお伝えいたします。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、基本的に遺言書本文は自筆する必要があります。代筆やパソコンなどで作成したものは無効です。2019年からは財産目録に限りパソコンなどでの作成が認められることになりました。自筆証書遺言は自宅で作成でき費用も掛かりませんが、作成しても発見されないリスクや相続関係者による隠匿や偽造・変造のリスクもあります。また、法律上有効な文書とするための要件は多く、その作成は意外と難しいものです。

他方、自筆証書遺言については2020年から法務局での遺言書保管制度が始まり、これにより、上記のような自筆証書遺言のリスクはある程度回避できるようになりました。作成に当たっては相続業務に詳しい専門家にご相談なさることをおすすめします。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人役場で作成されるものです。公正証書遺言のメリットは、確実に有効な遺言書を作成できることと、遺言書が紛失してしまう心配が無いことです。デメリットは財産額に応じた公証人役場の遺言作成手数料が掛かってしまうことです。

いずれの形式の遺言を作成するとしても遺言執行人を定めておくと、相続開始後の手続きがスムーズです。相続手続きに慣れている弁護士や税理士などの専門家が遺言執行者に就任していると、手続きをトラブルなく進めることができます。公正証書遺言作成を検討される場合も、相続業務に詳しい専門家にご相談なさることをおすすめします。

公益法人などへの遺贈の場合にも遺言書が必要

近年、関心が高まっている遺贈先は公益を増進する法人などです。単身者や子供のいないご夫婦が増えるにつれ、人生最後の財産の使いみちとして遺贈による社会貢献を選ぶ人は増えています。当然、公益団体そのものは法定相続人になり得ませんから、公益団体へ遺贈する場合は遺言書への記載が必要です。特定の公益増進法人などは、税法上の恩典規定があり遺贈した財産に相続税が課されません。このため社会貢献のみならず、節税も考えて遺贈を検討される方もいらっしゃいます。どのような団体が公益法人として税の恩典の対象か、どのような社会貢献につながるのかなど、今から情報収集をしておくとよいでしょう。

遺言執行

相続が開始し、遺言書の存在が確認できると、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続きに入ります。公正証書遺言や法務局保管の自筆証書遺言にはこの手続きは不要です。遺言書に遺言執行者の記載がない場合は、相続人が遺言内容に沿って手続きをします。遺言執行者の記載がある場合には、遺言執行者が相続手続きを進めます。

最初に必要になるのは、被相続人の戸籍謄本です。被相続人の誕生から死亡までの間に作成された戸籍を収集する必要があります。これらの戸籍の記載内容により、法定相続人が確定されます。また戸籍の収集が終了しましたら、法務局で「法定相続情報一覧図」を作成しておくと後の手続きがスムーズになります。

遺言書が無いと、上記被相続人の戸籍謄本の他に、相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、遺産分割協議書などが揃わなければ、相続の名義変更手続きは完了しません。他方、遺言書があると、被相続人の戸籍謄本の他には、遺言書中で指定される財産取得者の戸籍謄本などが揃えば個別に手続きを進められます。

法定相続人ではない受遺者については、財産の種類にもよりますが、住民票や戸籍の附票などをご用意いただくことで、遺贈による所有権移転(名義変更)手続きを進められます。遺贈先が公益法人などである場合は、遺贈財産について連絡を取り、名義変更などに必要な手続きを取ります。通常は、相続財産の名義変更等手続きの完了により、遺言執行業務は終了します。

遺贈の注意点

遺言書では、誰にどの程度の財産を相続または遺贈するか、自由に記載することはできますが、遺留分を侵害することはできません。遺留分とは、一定範囲の相続人に保証されている遺産の取得割合のことです。相続人の生活安定と相続財産の公平な分配のために、財産処分の自由に一定の制限を設けているのが遺留分制度です。

遺留分の権利者となるのは、兄弟姉妹以外の相続人です。具体的には被相続人の配偶者、子、父母です。遺留分の割合は、直系尊属(父母)のみが相続人である場合は、法定即属分の1/3、それ以外の場合は法定即属分の1/2とされています。ですので、配偶者と子供一人の場合の、それぞれの遺留分は、1/2×1/2=1/4となります。

たとえば、1億円の財産を残して亡くなったA氏が、遺言書上、配偶者と子には何も相続させず、すべてを婚姻外B氏へ遺贈するという遺言書を作ったとしても、A氏の配偶者と子は、それぞれ1/4の遺留分を持っているので、B氏に対して遺留分侵害額請求をすることができ、それぞれ2,500万円、合計5,000万円を請求することができます。

遺言書にはご自身の財産の行き先など自由に記載はできますが、その記載内容は相続人・受遺者間に大きなトラブルを巻き起こす場合もあります。遺言書の記載内容は、円満な相続に資する内容とすることをおすすめいたします

家族信託、受益者連続信託という方法も

近年、財産承継手法の一つとして注目を集めているのが家族信託です。平成18年の信託法改正で組み込まれた制度ですが、最近なってその有用性が知られるようになってきました。

信託とは、財産などの運用の委託です。家族信託は信託の特性を生かして、自宅や家業の承継に生かすものです。信託をうまく活用すると高齢化対策と同時に遺言と同様の効果も得られます。受益者連続型信託を設定すれば、信託設定時から30年経過後以降の最初の相続まで、財産承継の道筋を定めることもできます。

信託契約は遺留分を無視することはできません。信託契約に基づく財産の移転により、相続権者の遺留分が侵害された場合には、遺留分侵害額請求をされる可能性があります。信託の活用を考える際は遺留分対策もセットで検討する必要があります。信託活用に関しても信頼できる専門家へご相談ください。

まとめ

本日は遺贈について、相続との違いや遺贈の手続き方法などを見てきました。ひと言で遺贈といってもさまざまな手法があります。相続人以外の者に財産を承継させたいときは、必ず遺言書を書かなければなりません。最近では公益団体への遺贈を検討する人も増えているようです。ご自身が築き守ってきた財産の最後の使いみちが遺贈です。情報収集しご自身が納得できる形になるよう準備をしておきましょう。

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秦 光一郎

監修秦 光一郎

【資格】税理士

会計事務所に勤務しつつ平成16年税理士試験に合格。
税務コンサルタント会社にて金融機関をサポートする業務の中、資産税業務の経験を積む。
平成22年税理士法人シン総合会計設立。
主に中小企業の会計税務支援を中心に、事業承継、資産税業務にも従事。
不動産会社の税務相談会相談員、金融機関のセミナー講師等に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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