専門家に聞く! 離婚で家を売却するには?面倒な手続きをシンプルに進める方法

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この記事の監修者

佐藤 陽
佐藤 陽

AFP/宅地建物取引士/住宅ローンアドバイザー

専門家に聞く! 離婚で家を売却するには?面倒な手続きをシンプルに進める方法

【40代女性からのお悩み相談】愛知県豊川市の築11年の一戸建てについて、これから離婚を予定しており売却を考えています。
ただ、手続きが複雑になりそうで不安です。売却するとどのくらいお金が入り、費用はいくらかかるのかも分かりません。
できるだけ面倒な手続きを減らし、シンプルに進める方法を知りたいです。

※本記事の相談は、実際にアンケートで募集した悩みを、要約・編集したものです。

【私が回答します!】 「離婚」と「不動産売却」という慣れない手続きを前にどうしたら良いか分からない状況は不安も増幅しますよね。でも実はポイントを押さえれば、不安も少なくなります。本記事では、そのポイントを専門家の視点で解説します。

佐藤 陽
佐藤 陽

目次

離婚で家を売却する時に押さえるべき3つのポイント

結論
離婚時の家売却は、名義・お金・スケジュールの3点を先に整理すれば進めやすくなります。
離婚という人生の大きな転機に、家の売却まで重なると「何から手をつければいいのか」と、つい思考が止まってしまいがちです。手続きが面倒に感じるのは、「慣れない、よく知らない分野」という側面と「やるべきことが1つの大きな塊」に見えているからかもしれません。

「面倒」と感じやすい理由は、次のような点です。
「面倒」と感じやすい理由
・共有名義なら双方の同意が必要
・住宅ローンが残っていると完済確認が必要
・売却代金の分配方法でもめやすい
・必要書類をそろえる手間がある
・相手と連絡を取るだけで精神的負担が大きい
家の売却で重要なポイントは以下の3つに集約されます。
1. 誰が売却を決めるか: 名義人の確認と意思決定のルール
2. お金がどう動くか: 売却益の分配やローンの精算方法
3. いつ終わらせるか: 新生活に向けたスケジュールの設定

とくに最初に確認したいのは、家の名義が夫婦共有なのか、どちらか一方の単独名義なのかという点です。 共有名義なら、原則として双方の同意がなければ売却を進めることはできません。

これらはすべて、離婚経験者の多くが「最初に知っておけばよかった」と感じるポイントでもあります。これを知るだけでも、一歩踏み出す勇気が湧いてくるはずです。

離婚時の家売却の流れ|査定から売却代金の分配まで

結論
査定→媒介契約→売却活動→引渡し→代金分配、の順で進めるのが基本です。
離婚に伴い売却を進めるステップは、通常の売却と大きくは変わりません。

まずは「査定」で家の価値を知り、「媒介契約」でパートナーとなる不動産会社を選びます。その後、売却活動を経て、最終的に「代金分配」を行うという流れです。

迷うのは「離婚の前・中・後」のどのタイミングで動くかという点ですが、難しく考える必要はありません。大切なのは、「状況が固まってから」ではなく「早めにプロに相談しておく」ことです。

早めに相談することで、これからクリアさせなければいけない課題や流れが見えてきます。

慣れないことだからこそ、早めにプロに相談し、注意点や間違えやすいポイントなどを先に知っておくだけでも心の余裕が違います。

佐藤 陽
佐藤 陽

離婚で家を売ると売却費用は結局いくらかかる?

「費用がいくらかかるか見えない」という不安も、気持ちを重くさせる要因です。しかし、意外と単純です。

必ずかかるのは、主に「仲介手数料」と、住所変更や抵当権抹消などの「登記費用」です。仲介手数料は売却価格の3%前後が目安となり、登記費用は数万円〜十数万円程度が一般的です。これらは売却代金から支払うのが一般的ですので、手持ちの現金残高を心配する必要はありません。

また、購入時よりも高額で売却して利益が出た場合は、「譲渡所得税」がかかることがありますが、居住用不動産には大きな控除制度もあります。税金の計算はプロに任せ、まずは全体的な概算を知ることから始めましょう。

【シミュレーション】豊川市・築11年の家、売るといくら残る?

豊川市の直近の取引事例(不動産情報ライブラリ)をベースに、標準的な一戸建て(土地50〜60坪前後)を売却した際の手残り額の目安を算出しました。

売却予想価格:3,100万円
(※不動産情報ライブラリの成約事例に基づき算出)
項目金額(概算)備考
売却代金3,100万円築11年戸建ての市場相場
売却諸費用▲115万円仲介手数料、登記費用など
譲渡所得税0円3,000万円特別控除を適用
手残り額2,985万円ローン返済前の手元資金
ここが重要!
上記の手残り額から住宅ローン残高を引いた金額が「財産分与」の対象資産となります。
※データ根拠:国土交通省 不動産情報ライブラリ掲載の豊川市成約事例(2024-2025年)より独自算出。物件の状態や土地面積により価格は変動します。

離婚で家を売ったお金はどう分ける?財産分与とローン残債の考え方

売却代金の分配は、感情論になりやすいデリケートな問題です。

財産分与では、婚姻期間中に築いた財産は原則として2分の1ずつと考えられることが多いですが、不動産の名義割合や頭金の出どころ、ローン負担の実態によって整理が必要な場合もあります。

また、売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、差額を自己資金で補う必要があります。この状態をオーバーローンといい、住み替えや離婚時売却ではとくに注意が必要です。

この場合、不足分をどう補うかで揉めやすくなります。

感情的になりそうなときは、「手続きの正解」ではなく「どうすれば早くこの問題を終わらせ、次の生活へ進めるか」に視点を切り替えることが、解決への近道です。

面倒な手続きを減らすカギは「任せ方」

すべてを自分たちだけで解決しようとするのは、限界があります。専門家を「コスト」ではなく、自分の時間を守るための「負担軽減装置」だと考えてみてはどうでしょうか?

たとえば、不動産会社は買い手探しだけでなく、相場情報の提供や各種調整を担ってくれます。また、名義変更や法的な合意形成が必要な場面では、司法書士や弁護士が法的な交通整理をしてくれます。

不動産売却に関わる主な専門家の役割は次の通りです。
不動産会社:査定、販売活動、買主対応、日程調整
司法書士:登記、抵当権抹消、住所変更
弁護士:配偶者と揉めている時の交渉、合意書作成
すべてのプロセスで専門家に頼り切る必要はありません。自分たちで判断が難しい「実務」の部分だけを賢く切り分けて依頼することで、精神的なゆとりを確保できるのです。

専門家を入れる=コストがかかる、のは事実ですが、そのメリットもよく知っておくことでコストを有意義なものとして考えられるようにもなります。

佐藤 陽
佐藤 陽

離婚時の家売却で配偶者とのやり取りを減らす方法

結論
書面化と不動産会社の窓口一本化で、直接のやり取りはかなり減らせます。
離婚協議中、相手と顔を合わせたり直接交渉したりするのは、強いストレスを伴います。

これを最小限にするための工夫が、以下の3点です。
・売却条件・分配方法は書面化する
・不動産会社を連絡窓口にする
・決済日は同席時間を最小限に調整する

まずは、売却条件や分配方法を書面で明確にする「書面の活用」です。売却の条件や分配方法をあらかじめ書面で明確に決めておけば、その後の直接交渉を減らせます。

また、不動産会社を間に立てることで、事務的な連絡の窓口を一本化することも可能です。決済には当事者の同席が必要になりますが、既存の住宅ローンの完済、抵当権抹消登記と新たな買主の住宅ローンの抵当権設定を同時に行う「同時決済」で、同席時間を最小限にできるよう事前調整をしておくといいでしょう。

直接のやり取りを減らすことは、単なる「手抜き」ではありません。冷静な判断を維持し、お互いの新生活への移行をスムーズにするための、賢い実務上の工夫と言えます。

まとめ

家を売るための「面倒」の正体は、多くの情報が整理されずに溢れている状態です。「全部を完璧に一人でやろうとしない」こと。これが一番の近道です。

離婚時の家売却でまず整理すべきなのは、①名義、②ローン残債、③売却代金の分け方の3点です。これを先に見える化しておけば、面倒に感じる手続きもかなり整理しやすくなります。

信頼できるプロに役割を分担し、負担を減らすほど、あなたの新しい生活は早く、そして穏やかに始まります。

まずは売るかどうかを決めていなくても構いません。「いくらで売れそうか」「売ったらどうなるか」を知るだけでも、状況は大きく変わります。

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AFP/宅地建物取引士/住宅ローンアドバイザー

マイホーム購入、セカンドライフの住まいの選択、空き家になった実家の活用など、「お金」と「不動産」相談専門のファイナンシャルプランナー。

大手ハウスメーカー勤務中に、年間300件を超える住宅ローンアドバイス、ローン取次業務を経験。現在は独立し、家づくりや不動産実務に精通したファイナンシャルプランナーとして活躍中。実務経験を踏まえた不動産とお金のセカンドオピニオンは大きな安心感があると、相談者からも好評を得ている。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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