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再建築不可物件でも売却は可能?実勢価格と需要のリアル
・建築基準法の「接道義務」を満たしていない
・市街化調整区域など、用途制限のあるエリアに所在している
とくに多いのが接道義務によるものです。建物を建てる土地は、幅4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。この条件を満たさない土地では、新築が認められません。
再建築不可物件は本当に売れないのか?
(※価格差は立地・建物の状態・用途によって大きく異なります)
一方で、駅に近い・市街地に近いなど立地条件が良い場合には、
・自己利用目的の購入者
・リフォーム前提の投資家
が、相場から2~3割安程度で取引されるケースもあります。
このように、利用価値が明確な物件であれば、一般市場での売却や、条件次第で買取業者の対象になることもあります。
「負動産」を手放す主な方法と優先順位

実務上は、以下の順で可能性を潰していくのが合理的です。
2.次に「無償譲渡・農地としての処分」を検討
3.それでも難しければ「制度利用」
4.最後に「相続放棄」を判断
1.売却(買取)が難しい理由と注意点
・再販出口が見えない
・解体・測量・境界画定などのコストがかかる
・接道義務や農地法などの法的制約が多い
また、再建築不可物件では更地にしないほうが売却しやすいケースが多いという点も重要です。建物を解体してしまうと二度と建物が建てられず、リフォームや活用の選択肢が大幅に失われるため、利用価値を大きく損なってしまい、売却が難しくなる可能性があります。
2.無償譲渡・寄付という選択肢の現実
・固定資産税・管理負担が増える
・増えた負担よりも利用価値があるかどうか
受け取り手にとってのメリット(敷地拡張、駐車場利用など)を具体的に示して、持ち掛けてみる価値はあります。
・建築年次が不明
・建築基準法等の法令違反の是正が困難
といった理由で登録できない場合も多く、再建築不可物件は対象外となるケースがあります。
さらに、「自治体への寄付」も管理負担の観点から受け付けられない場合がほとんどです。
再建築不可物件と田畑は切り離して処分法を考える方が得策です。農地は農地の種類や立地条件、現況など条件次第ですが、農地として売却や無償譲渡は可能です。売却や無償譲渡の可能性については、農地の取り扱いが可能な不動産会社に相談してみてもいいでしょう。
3.「負動産」の処分で検討してみたい制度とは
売れない土地は国に返せる?相続土地国庫帰属制度
しかしながら、実務上は、「国に返せるかも」という期待で進めると時間と費用だけがかかり、結局使えなかったというケースも少なくありません。
・承認後に負担金(市街地ではない宅地や田畑などは、原則20万円/筆)
※市街地の土地や森林などは、面積に応じて負担金が算定されます。
相続税の物納として納めることはできるか?
相続税は現金で納めるのが原則ですが、どうしても難しい場合は不動産などで納める「物納(ぶつのう)」が認められる場合があります。主な条件は以下の通りです。
・ほかに物納できる財産がない
したがって、再建築不可物件でも、相続人に金銭的な支払い能力がなく、他に物納できる財産がないときは物納できる可能性はあります。
ただし、所得税法の規定に基づく耐用年数を経過し、通常の使用ができない建物は物納対象外となる場合があるため、実務上はハードルが高い点に注意が必要です。
質問のケースの場合、まず相続人に相続税を支払う資力がない場合に限りますが、田畑は物納できる可能性があります。物納を検討する場合は税理士への事前相談は必須です。
4.相続放棄は最終手段?管理継続との比較で判断する
・相続財産を処分(たとえば預貯金の払い戻しや遺産分割協議への参加など)すると「単純承認とみなされ、放棄不可になる可能性あり」
なお、「限定承認」という制度もありますが、「負動産」でも相続時点でプラス評価される可能性が高く、将来の管理負担は考慮されないため、実務上は不利になるケースが少なくありません。相続放棄にあたっては、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
相続放棄は管理不能な「負動産」を次世代に残さないための合理的な回避策といえます。ただし、放棄前に処分行為とみなされる行動を取らないよう慎重に進める必要があります。
まとめ
・再建築不可物件は「売れる可能性の有無」を最初に確認
・農地は農地として別ルートで検討
・どうしても処分できない場合は制度や相続放棄を検討
相続は「何もせずそのままにしておく」ことが最もリスク化しやすいものです。早めに税理士や弁護士などの専門家に相談し、後悔のない選択を検討するようにしましょう。
「売れない」と言われた時点で、諦める必要はありません。
選択肢を正しい順番で検討することが、
負動産問題を解決するための近道です。
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この記事の監修者
公認不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/AFP/2級FP技能士
不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。横浜国立大学卒業。
神奈川県住宅供給公社を経て、不動産仲介業者に従事した後、2011年に個人事務所として不動産サポートオフィスを開設。自宅購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム、記事等の執筆・監修にも取り組んでいる。
主な著書に「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)などがある。





【私が回答します!】 「故郷の実家なのに、価値ゼロどころかマイナスと言われてしまった…」そんな悲しみと戸惑いを抱える方は、実は少なくありません。本記事では、再建築不可物件がなぜ売れにくいのか、そして売却できない場合に検討すべき処分方法を、実務の現場に基づいて整理します。