【住み替え体験談】自己資金がなくても買い先行を叶えるダブルローン。転職を機に郊外から都内マンションへ

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この記事の監修者

桝谷 浩太
桝谷 浩太

グローバルトラスト不動産株式会社 代表取締役/宅地建物取引士

【住み替え体験談】自己資金がなくても買い先行を叶えるダブルローン。転職を機に郊外から都内マンションへ

自己資金が不安でも住み替えは可能です。転職を機にダブルローンで買い先行を実現した30代男性の体験談をご紹介します。

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目次

転職に合わせて住み替えを決意!通勤時間短縮が最大の動機

売却体験者プロフィール
● 30代男性、4人家族(3歳・5歳の子ども)
● 居住エリア:東京都23区外
● 職業:大手企業勤務(転職により都心部へ)
今回の体験者である田中さん(仮名)は、都心部の会社への転職が決まったことをきっかけに住み替えを決意しました。

「現在の住まいは3年前に購入した新築一戸建てで、住環境にはまったく不満がありませんでした。ただ、ベッドタウンという立地のため車が必須で、転職先への通勤を考えると現実的ではありませんでした」

田中さんが以前の住まいを購入した理由は、2人目の子どもの誕生により手狭になったためでした。3LDK一戸建て(新築時の購入価格5,880万円)は家族4人には十分な広さでしたが、転職による通勤時間の問題が住み替えの大きな動機となったのです。

転職先が都心部にあることで、現在の住まいからでは通勤時間が長くなり、家族との時間の確保が難しい状況でした。とくに小さな子どもがいる家庭において、通勤時間の短縮が生活の質に与える影響は大きいでしょう。

自己資金がないけど住み替えは可能?課題を整理してみよう

住み替えを検討する際、多くの方が直面するのが資金面での不安です。田中さんも例外ではありませんでした。まずは田中さんが抱えていた課題を整理し、一般的な住み替えの手法について見ていきましょう。

田中さんが直面した4つの課題

住み替えを決意した田中さんですが、大きな課題がありました。
田中さんが直面した課題
● 現在の住宅ローン残債がある状況
● 自己資金がほぼゼロの状態
● 希望する新居の価格が現在の住まいより高額(8,000万円)
● 売却と購入のタイミング調整
「正直、自己資金がない状態で住み替えができるのか不安でした。現在の家のローンも残っているし、新しい家の価格も今の家より高い。資金計画をどう立てればよいのかまったく分からない状況でした」

売り先行vs買い先行の比較検討

このような状況で住み替えを行う場合、一般的には以下の2つの方法があります。
【売り先行のメリット・デメリット】
● メリット:売却資金が確定してから購入できるため資金計画が立てやすい
● デメリット:仮住まいが必要になる可能性、希望物件を逃すリスク
【買い先行のメリット・デメリット】
● メリット:気に入った物件を確実に購入できる仮住まい不要
● デメリット:二重ローンの期間が発生、売却が長期化するリスク
田中さんの場合、転職のタイミングもあり、仮住まいを避けたい事情がありました。

ダブルローンという選択肢

そこで検討したのが、買い先行を可能にするダブルローンの活用でした。

ダブルローンは、現在の住まいの売却に先行して新居の購入ができる金融商品です。審査が厳しく、売却期限が設定されるなどの条件がありますが、田中さんのように自己資金が少ない場合でも、安定した収入と良好な信用情報があれば住み替えは十分可能です。

自己資金がなくても気に入った物件の先買いを叶えるダブルローンを選択

田中さんは、具体的な物件探しを開始しました。理想の物件との出会いから審査通過まで、どのような流れで進んだのでしょうか。

理想の物件との出会いと即決

田中さんは、世田谷区の築5年中古マンション(3LDK、8,000万円)にひと目惚れし、すぐに購入を決意しました。

「週末に内見に行った際、立地や間取り、管理状況などすべてが理想的でした。転職先までの通勤時間が半分程度になることも魅力的だったので、すぐに申し込みをしました」

ダブルローンの具体的な条件と審査結果

田中さんが選択したダブルローンの条件
● 新居の残代金決済から半年以内に自宅を売却する条件
● 借り入れは諸費用も含めたフルローン
● 売却までの期間は利払いのみで元金は据え置き
● 複数の銀行で審査に通過
「住宅ローンの審査は思っていたよりスムーズでした。自己資金が少ない状況でしたが、勤務先が大手企業で安定しており、年収も高い方だったので、複数の銀行で審査がとおりました」

審査成功の要因とダブルローンのメリット

田中さんの場合、大手企業勤務で年収も高く、30代という比較的若い年代も審査に有利に働きました。

ダブルローンの最大のメリットは、売却期間中の支払い負担が軽減される点です。田中さんが選択したローンでは利払いのみで元金は据え置きとなるため、二重支払期間の負担が大幅に軽減されました。

一戸建ての売却が思ったより難航…広告戦略で克服!

新居の購入が決まった田中さんでしたが、肝心の自宅売却で思わぬ苦戦を強いられることになります。郊外エリアの一戸建て売却の難しさと、それを乗り越えた具体的な対策を見ていきましょう。

予想外の売却難航とその原因

仮審査が承認され、新居の売買契約を締結した田中さんですが、自宅の売却で予想外の苦労を経験しました。
売却で苦労した点
● 東京都内築3年の一戸建てながら、23区外の郊外エリアのため買い手が少ない
● 内見が1か月に1組程度と非常に少ない
● 自己資金が少ないため、販売価格を大きく下げることができない
● 半年という売却期限のプレッシャー
「築3年の一戸建てなので、すぐに売れると思っていましたが、想定以上に時間がかかりました。郊外エリアということもあり、過去の成約事例に近い価格設定でも、なかなか内見の申し込みが入らない状況でした」

効果的な広告戦略の実施内容

このような状況を打開するため、田中さんと不動産会社は積極的な広告戦略を展開しました。
実施した広告戦略
● 複数の不動産ポータルサイトへの同時掲載
● 写真撮影の見直しと魅力的な物件紹介文の作成
● 近隣エリアの不動産会社への情報提供
● オープンハウスの定期開催(新居の残金決済後に自宅が空室になってから)
● インスペクションの実施
売却を依頼した不動産会社が、売却と購入の両方を担当してくれたので、スケジュール調整がスムーズでした。また、売却が難航している状況を踏まえて、さまざまな広告手法を提案してくれました」

4か月後の売却成功と結果

結果として、新居の残代金決済から4か月後に買い手が見つかり、売買契約を締結することに成功。当初の予定より時間はかかりましたが、大幅に価格を下げることなく売却を完了させることができました。

「最終的には売却希望価格とほぼ同額で売却できました。時間はかかりましたが、焦って安く売らなくてよかったと思っています。不動産会社の担当者が最後まで諦めずに買い手を探してくれたおかげです」と田中さんは振り返ります。

まとめ

田中さんの住み替え体験談から、以下のポイントが見えてきました。
成功のポイント
1. 早期の資金計画と審査申込:複数の金融機関で条件を比較検討
2. 売却と購入の同時進行:信頼できる不動産会社への一括依頼
3. 柔軟な広告戦略:売却が難航した際の積極的な対策
4. 現実的な期限設定:余裕を持ったスケジュール管理
5. 住宅ローンの残債以上で売却:現実的な販売価格の設定
住み替えを検討する際は、現在の住宅ローン残高の正確な把握、自宅が現実的に売却できる下限の金額をしっかりと確認しましょう。

自宅の査定をする時には複数の不動産会社に査定依頼をするかと思います。その際に注意しなければならないのは、査定額が高いという理由で仲介会社を選ぶケースです。買取ではなく仲介の場合には売れる保証はありません。過去の成約事例や周辺の販売状況を提示してもらい、現実的な査定額を着実に把握した上で信頼できる担当者に任せましょう。

桝谷 浩太
桝谷 浩太
住み替えを検討している方にとって、今回の体験談は大変参考になる事例といえるでしょう。とくに自己資金が少ない状況での住み替えは、事前の情報収集と複数社での比較検討が欠かせません。

一括査定サービスの活用によって、複数の不動産会社の査定額やサービス内容を比較でき、自分に最適な不動産会社を見つけることができます。住み替えという大きな決断を成功させるために、まずは信頼できるパートナー探しから始めてみてはいかがでしょうか。

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グローバルトラスト不動産株式会社 代表取締役/宅地建物取引士

三菱UFJ不動産販売、ソニー不動産(現SRE不動産)で主に居住用不動産の売買仲介を経験。その後、「透明性の高い不動産取引の仕組みをもっと世の中に広め、依頼を受けた顧客の利益を最大限追及する」ことを基本理念とし、2017年にグローバルトラスト不動産株式会社を創業する。

著書の「初めてでも安心!失敗しない家の売り方・買い方」はAmazonにてベストセラー3冠獲得。2か月後に増刷も決定。

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