【初心者向け】不動産情報ライブラリの使い方|取引事例から売却相場を調べよう!

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この記事の監修者

寺岡 孝
寺岡 孝

不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

【初心者向け】不動産情報ライブラリの使い方|取引事例から売却相場を調べよう!

不動産情報ライブラリはひとつの地図上で一括して確認できる便利なツールです。ここではその基本から活用術までを解説します。

この記事のポイント
  • 不動産情報ライブラリは、地価や都市計画、防災情報などを地図上で一括表示できる公的な情報提供ツールです。
  • 不動産の売却・購入・投資などで、価格の目安を把握する際に多く活用されています。
  • 今後は、AIを活用した強化機能や不動産会社との連携など、更なるシステムの発展が期待されています。

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目次

不動産情報ライブラリとは?

「不動産情報ライブラリ」は不動産情報をひとつの地図上で一括して確認できる、非常に便利な公的情報地図ツールです。これからの住宅購入や住み替え、投資、街選びの判断に役立つツールといえます。

不動産情報ライブラリってなに?

不動産情報ライブラリとは、2024年4月からサービスが開始された国土交通省が運営する土地情報検索システムです。無料で使えて登録も不要、誰でもスマートフォンやPCからアクセスできます。

さまざまな不動産関連情報を地図上で重ねて閲覧できる仕組みが特徴で、「地価」「災害リスク」「用途地域」「周辺施設」など、今までバラバラに存在していた不動産関連の公的情報を、ひとつの地図上に重ねて見ることができます。

不動産情報ライブラリが作られた目的

不動産情報ライブラリが作られた背景には、住宅購入や不動産投資における「情報格差」の解消という目的があります。

従来では、一般の住宅購入希望者が「このエリアの土地は高いのか?安いのか?」「災害リスクはあるか?」「建てられる建物は何か?」といった情報を得ようとすると、複数の省庁や自治体サイトを横断しなければなりませんでした。また不動産業界でも、民間不動産会社が用いるデータは独自の有料サービスや非公開情報が中心でした。

そうしたなかで、不動産情報ライブラリは、国が無料で提供する「誰でも使える不動産の基盤情報」として誕生しました。国民が公平に“正しい地域情報”を得られるようにしようというのが、国のねらいです。

不動産情報ライブラリで調べられること

不動産情報ライブラリには、以下のようなデータが掲載されています。

①価格情報

価格情報としては
・地価公示(毎年3月発表される全国約2万カ所の標準地価格)
・都道府県地価調査(毎年9月発表される地方公共団体による地価)
・不動産取引価格情報として実際の売買事例に基づいた成約価格(匿名加工)
・不動産価格指数として時系列で価格動向を指数化(住宅・商業用)
があります。

これらの情報は、エリアの相場感をつかむだけでなく、資産価値の傾向や、周辺地域との価格差の要因を探る手がかりにもなります。

②地形情報

地形情報には陰影起伏図、土地条件図、大規模盛土造成地マップが表示されます。土地条件図を選択した場合、その地域が山地、台地、段丘、低地、水部、人口地形なのかを確認することができます。

③防災情報

洪水浸水想定、土砂災害、津波、液状化リスクなどが掲載されていて、探索エリアでのファザードマップとして活用ができます。浸水深や災害発生確率などのシミュレーションに基づく詳細表示を見ることができます。

④周辺施設情報

居住地選びで重視されるのは、「利便性」と「生活インフラの充実度」です。エリア内での小中学校、保育園、病院、図書館、公共交通機関などが掲載されているため、通勤通学や子育てに適した環境かどうかを視覚的に判断できます。

⑤都市計画情報

用途地域、防火地域、準防火地域、建ぺい率、容積率、高度地区、立地適正化区域、再開発予定地などが掲載されています。エリア内での都市計画などの掌握が簡単にできます。

⑥人口情報

将来の推計人口が500mメッシュ単位で、2050年までの人口予測を見ることができます。また、駅別の乗降客数も把握できますのでエリアでの人口動態も見ることが可能です。

長期的な地域の活力、空き家リスク、需要見通しなど、不動産の“将来価値”を判断する上できわめて重要な指標です。今後、高齢化率や年少人口割合なども追加予定とされています。

不動産情報ライブラリでは、情報が一元化して管理されているため、調べられることも広範囲です。不動産の評価などを行う専門家にとっても、利便性は非常に高いでしょう。

寺岡 孝
寺岡 孝

不動産情報ライブラリの基本的な使い方5STEP

ここからは情報の探し方と検索ステップについて解説しましょう。使い方はとてもシンプルです。
①不動産情報ライブラリにアクセス
②住所や駅名で検索する、または地図から直接地域をクリック
③左メニューから表示したい項目(地価、防災、用途地域など)を選ぶ
④地図上で情報が色分け表示され、詳細をクリックで確認
⑤必要があれば印刷、CSVダウンロード、URLで共有も可能
たとえば、「地価+洪水+用途地域」を一度に確認することで、地域の相場やリスクを直感的に比較できます。

不動産情報ライブラリを活用すべきシーン3選

不動産情報ライブラリは、とくに不動産価格を調べる場合に便利です。地価公示や取り引き事例などを希望場所に近い指標で、地図上にて把握できます。以下では具体的な活用シーンをご紹介します。

①不動産売却|売却相場の調査

不動産売買の場合、「価格が安い=よい物件」とは限りません。たとえば、地価が安い場所には災害リスクが潜んでいる場合もあります。

不動産情報ライブラリでは、価格とリスク、周辺施設が同時に確認できます。立地の長所・短所をバランスよく判断できるため、不動産売買における適正な価格を把握できます。

公的な土地価格の指標がわかる

国の地価公示と都道府県の地価調査の数値を、地図上で確認できます。今までは行政庁のHPなどで確認する必要がありましたが、不動産情報ライブラリの登場により土地価格の指標を簡単に把握できるようになりました。

過去の取り引き価格がわかる

「価格情報」メニューにある「不動産取引価格情報」「成約価格情報」を確認すると、過去の取り引き価格がわかります。実際に不動産取り引きをした人のデータを基にしているため、より信頼できる不動産相場を確認できます。

また、大手不動産情報サイトでわかるのは値下げ交渉前の売り出し価格ですが、不動産情報ライブラリでわかるのは成約価格のため、不動産価格が適正価格かどうか分かります。

「不動産取引価格情報」で得た情報を基に一括査定をすれば、各社が出してきた査定額が適正かどうかがわかるでしょう。

【例外】不動産情報ライブラリ以外で相場価格を調べる方法

レインズや不動産のポータルサイトでも不動産価格は調べられます。

レインズは不動産業者が閲覧できるサイトです。不動産の仲介による現在の売り出し物件をエリアごとに確認できるため、不動産価格の掌握には大変便利なものです。なお、一般のエンドユーザーは不動産会社を介して情報を得られます。

不動産ポータルサイトでも多くの物件が掲載されていますが、中にはおとり広告も存在しているため、情報の正確さはレインズに比べて劣ります。

②不動産購入|地域情報や災害リスクの把握

物件の周辺情報を把握する

不動産情報ライブラリでは、価格とリスク、周辺施設を同時に見ることができます。くわえて、周辺の小中学校、保育園、病院、図書館、公共交通機関なども見ることができます。

災害リスクを確認する

物件が「土砂災害警戒区域」や「洪水浸水想定区域」に該当しているかを把握できるため、災害リスクの有無が判断しやすくなります。

地域の不動産価格情報を調べる

「国土交通省地価公示」や「不動産取引価格情報」では、購入したい物件が割高でないかどうか確認できます。

市街化が進むエリアかどうか調べる

都市計画情報のメニューでは、用途地域、防火地域、容積率、立地適正化区域、再開発予定地などを把握できます。また、将来的に人口が減りにくいエリアなのか、都市開発が進むエリアなのかどうかは、「将来人口推計」「都市計画」「用途地域」の組み合わせで確認できます。

③不動産投資|市場動向の調査

不動産ライブラリを使って市場動向の調査を行うことが可能です。将来人口推計や都市計画を確認することで市場動向をつかむことができ、不動産投資に活用できます。

地価の目安がわかる

「価格情報」メニューを参照すると、地価の目安となる「国土交通省地価公示」や「不動産取引価格情報」を簡単に調べられます。これにより、物件の適正価格を把握できます。

不動産情報ライブラリで注意すべきこと

不動産情報ライブラリを使用するにあたり、注意すべき点について紹介していきます。

最新の相場とはズレがある

不動産情報ライブラリでは、一部の情報(地価・人口など)が年1回程度の更新です。そのため、現在の相場とはズレが生じることもあります。

各行政庁で確認が必要な情報もある

ハザードマップは“最大級の想定”に基づくため、実態と異なる場合があります。念のため各行政庁でも確認することをおすすめします。また、用途地域や建ぺい率など、法的拘束力をともなう事項も各自治体窓口で必ず確認をしましょう。

とくに、物件の購入・建築判断をする場合は、「不動産ライブラリで確認」+「各行政で再確認」が基本となります。
不動産ライブラリだけに頼るだけではない、包括的な確認が必要です。

地番検索ができない

不動産ライブラリでは地番の検索ができません。地番を確認したい場合は、登記情報提供サービスや各管轄の法務局などに確認することになります。

路線価図は調べられない

不動産ライブラリでは路線価がわかりません。確認したい場合は路線価図を利用しましょう。

まとめ

国土交通省が2024年に公開した「不動産情報ライブラリ」は、地価、防災、都市計画、周辺施設、将来人口などをひとつの地図上で一括して確認できる、非常に便利な“公的情報地図ツール”です。

不動産選びにおいて、地域の安心・安全も考慮したい場合、「信頼できる情報をどう集めるか」は大きな課題です。そういった場合、不動産情報ライブラリを利用することで、住宅購入や住み替え、投資、街選びの判断が可能です。

また、今後は、AIを活用した「エリア診断」や「比較レポート生成」などの機能強化も期待されています。将来的には、不動産ポータルサイトや不動産会社のシステムと連携し、利用者ごとの関心に応じた「レコメンド型の地域情報」が一般化していくでしょう。

不動産ライブラリを利用してみるとよくわかりますが、非常に便利なツールです。うまく使いこなせば不動産会社と対等なやり取りも可能でしょう。

寺岡 孝
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寺岡 孝
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不動産投資アドバイザー(RIA)/相続診断士/貸家経営アドバイザー/住宅ローンアドバイザー

アネシスプランニング株式会社 代表取締役。住宅コンサルタント、住宅セカンドオピニオン。大手ハウスメーカーに勤務後、2006年に同社を設立。

個人住宅・賃貸住宅の建築や不動産売却・購入、ファイナンスなどのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行い、3000件以上の相談を受けている。

WEBメディアに不動産投資についてのコラムを多数寄稿。著書に「不動産投資は出口戦略が9割」「不動産投資の曲がり角 で、どうする?」(クロスメディア・パブリッシング)など。


●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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